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ジェフ・ワード

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ジェフ・ワード(2007年)

ジェフ・ワードJeff Ward1961年6月22日 - )は、イギリススコットランド生まれのアメリカ人レーサー。愛称は「ワーディ」。

二輪はモトクロススーパークロススーパーモタードに参戦し、そのすべてで全米タイトルを獲得した。また四輪はインディ・レーシング・リーグ(現インディカー)やオフロードレースに参戦し、インディ500で2位と3位を獲得している。

略歴

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スコットランドで生まれ、幼少期にアメリカへ移住する。父親はオートバイトライアルのプロライダーだった。ジェフはミニバイクでトライアルの真似事をしていた。5歳のときに、ダートトラックみたいなレースに出たのがきっかけで、レースに熱中するようになった。子供の頃からプロレーサーになろうと思っていた。

プロライセンスを取った1977年スズキのバイクに乗りAMAモトクロス125にフル参戦開始する。同年スーパークロスにも1戦出場し予選落ちする。

1978年カワサキのエースライダーだったジム・ワイナートがチームと掛け合ったおかげで、サラリー無しながら、125ccワークスマシンに乗ることになった。

1984年のAMAモトクロス125(現・ライツ)を皮切りに、1985年AMAスーパークロス250(現・スーパークロス)・AMAモトクロス250、1987年AMAスーパークロス250、1988年AMAモトクロス250、1989年1990年AMAモトクロス500と合計7回AMAチャンピオンとなった[1]。また国別対抗のモトクロス・デ・ナシオン(モトクロス・オブ・ネイションズ)でも7度アメリカチームを優勝へと導いた[2]

彼は物腰柔らかで控えめかつプロフェッショナルな性格で、流行を作ったり各界のスターと交流したりして自己主張するようなことはなかった。その彼の姿勢は、形容詞のような愛称の「ワーディ」で呼ばれ、1987年のデ・ナシオン優勝メンバーがレーガン大統領と面会した時も「ワーディ」な姿勢を崩さなかった[2]

1992年のモトクロス引退まで一貫してカワサキに乗り続けた。

モトクロス引退後は四輪へ転向し、インディ・ライツから始め、5年後にインディ・レーシング・リーグ(IRL)へとステップアップ。世界三大レースの一つのインディアナポリス500マイルレースのデビュー戦では49周をリードして3位を[2]、1999年には2位を獲得した[2]。ワードの完走率は、A.J.フォイトマリオ・アンドレッティアル・アンサー/ボビー・アンサーといったレジェンドたちよりも高かった。チップ・ガナッシ・レーシングに所属した2002年のテキサス戦ではキャリア唯一の優勝も記録している。また同時期、NASCARにも参戦している。

2003年で四輪は一区切りとし、43歳にしてスーパーモタードへ転向。自分の半分の年齢のライダーたちを蹴散らし、AMA選手権で2004・2006年の2度タイトルを獲得した[2]。また2006年、2008年のXゲームでもスーパーモト部門で金メダルを獲得している。

グローバル・ラリークロスフォード・フィエスタで参戦(2016年)

その後はオフロードで四輪に復帰し、スタジアム・スーパートラックやグローバル・ラリークロスに参戦した[3]。2019年には57歳ながらアメリカン・フラット・トラック(二輪版ダートオーバル)へと参戦した[4]

二輪戦績

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AMAモトクロス125参戦
  • 1978年 - AMAスーパークロス参戦
AMAモトクロス125ランキング7位
  • 1979年 - AMAスーパークロス参戦
AMAモトクロス125ランキング6位
  • 1980年 - AMAスーパークロスランキング14位
AMAモトクロス125ランキング3位
  • 1981年 - AMAスーパークロスランキング20位
AMAモトクロス125ランキング3位
  • 1982年 - AMAスーパークロスランキング8位
AMAモトクロス125ランキング4位
  • 1983年 - AMAスーパークロスランキング4位
AMAモトクロス125ランキング2位
  • 1984年 - AMAスーパークロスランキング4位
AMAモトクロス125チャンピオン
  • 1985年 - AMAスーパークロス250チャンピオン
AMAモトクロス250チャンピオン
  • 1986年 - AMAスーパークロス250ランキング4位
AMAモトクロス250ランキング4位
AMAモトクロス500ランキング3位
  • 1987年 - AMAスーパークロス250チャンピオン
AMAモトクロス250ランキング2位
AMAモトクロス500ランキング6位
  • 1988年 - AMAスーパークロス250ランキング3位
AMAモトクロス250チャンピオン
AMAモトクロス500ランキング5位
  • 1989年 - AMAスーパークロス250ランキング5位
AMAモトクロス250ランキング2位
AMAモトクロス500チャンピオン
  • 1990年 - AMAスーパークロス250ランキング5位
AMAモトクロス250ランキング2位
AMAモトクロス500チャンピオン
  • 1991年 - AMAスーパークロス250ランキング5位
AMAモトクロス250ランキング7位
AMAモトクロス500ランキング2位
  • 1992年 - AMAスーパークロス250ランキング12位
AMAモトクロス250ランキング6位
AMAモトクロス500ランキング3位
  • 2004年 - AMAスーパーモト選手権チャンピオン
  • 2006年 - AMAスーパーモト選手権チャンピオン

四輪戦績

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  • 1997年 - インディアナポリス500マイル、3位入賞。ルーキー・オブ・ザ・イヤー
  • 1999年 - インディアナポリス500マイル、2位入賞。
  • 2002年 - インディ・レーシング・リーグ、テキサス戦優勝。

脚注

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  1. ^ JEFF WARD RACER X 2023年9月22日閲覧
  2. ^ a b c d e JEFF WARD MOTORSPORTS HALL OF FRAME 2023年9月22日閲覧
  3. ^ Interview: Jeff Ward Discusses His 2016 GRC Season FANSIDED 2023年9月22日閲覧
  4. ^ Former IndyCar Driver Jeff Ward Makes Move To American Flat Track AUTOWEEK 2023年9月22日閲覧