カフェ・ラッテ
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カフェ・ラッテ(イタリア語: Caffè Latte)は、エスプレッソと牛乳を混ぜたイタリア発祥の飲み物である。
カフェ・ラッテ(Caffè Latte)という語は、元来は「コーヒー・牛乳」という意味のイタリア語である。より発音に忠実に転写すれば「カッフェ・ラッテ」となる。イタリア語では、カッフェッラッテ(Caffellatte)と続けたり、カッフェ・エ・ラッテ(Caffè e Latte:「コーヒーと牛乳」)とも言う。
カフェ・ラッテとカフェ・オ・レ[編集]
「カフェ・ラッテ」はイタリア語、「カフェ・オ・レ」(café au lait)はフランス語である。「カフェ・オ・レ」を厳密に訳すと「牛乳入りのコーヒー」[1]。
イタリアではコーヒーと牛乳を混ぜていればカフェ・ラッテであるが、イタリアのコーヒーは一般的にエスプレッソ形式で供されるため、カフェ・ラッテもエスプレッソ+スチームミルクの組合せとなる。ちなみに、フォームミルクを加えた(エスプレッソ:スチームミルク:フォームミルク=1:1:1)ものがカプチーノである。
フランスではエスプレッソでもドリップコーヒーでも「カフェ」と呼ばれる。むしろ喫茶店などで「カフェ」を注文すると、エスプレッソ(フランス語では「express エクスプレ」)が供されることの方が多く[要出典]、「カフェ・オ・レ」にエスプレッソを使用することもごく一般的である[要出典]。
日本では、エスプレッソを用いるものをカフェ・ラッテ、ドリップコーヒーを用いるものをカフェ・オ・レと呼んで区別するという意見もあり、そのように区別するメーカーも存在する[2][3][信頼性要検証]。一方、例としてセブン-イレブンではドリップ式コーヒーを用いたカフェラテを販売しており、カフェラテではなくカフェオレであるとの指摘がある[4]。ただし、イタリアやフランスにおける用法から見れば、格式や淹れ方に拘りを見せない場合、どちらをカフェ・ラッテ(或いはカフェ・オ・レ)と呼んでも誤用と言い切る事は困難である。
各国の呼称[編集]
イタリア[編集]
イタリアでは観光客の多いカフェ以外ではカフェラッテのメニューは一般的ではなく、イタリアで「ラッテ」と注文するとそのまま牛乳がでてくる[5][6]。
同じ「コーヒー+牛乳」でも、イタリアでは、バーではカフェ・マッキャート(caffè macchiato)と呼ぶエスプレッソに牛乳をたらしたもののほうが比較的一般的。ちなみにカフェ・マッキャートの語源は、エスプレッソにたらした牛乳がしみ(イタリア語でmacchiato)のようだから。
たっぷりのミルクに、少しだけコーヒーを注いだものはラッテ・マッキャートと呼ばれる。ミルクたっぷりの温かいコーヒー牛乳といった感じだが、バーではコーヒーカップではなく、グラスに注がれることが多い。
アメリカ[編集]
スターバックスなどのアメリカ式のコーヒー店では、エスプレッソに単に温めた牛乳ではなくスチームミルク(蒸気で微細な気泡を加えながら温められたミルク)を加えたものが供される。このアメリカ式のカフェラテは1959年にカリフォルニア州バークレーのCaffe Mediterraneumで出されたのが初だとする[7]。少量でケチケチしているという客のクレームにこたえる形で最初はガラスのフルーツボウルで出された[8]。
アメリカなどではイタリアのものと同様にCaffè Latteと表記されるが、英語はイタリア語と異なり促音を弁別しないため、発音は「カフェ・ラテ」に近い。日本ではこの発音を日本語に転写して、「カフェ・ラテ」と表記されることが多い。この種のものは、カプチーノの一種であるウェット・カプチーノやセンツァ・スキューマと呼ばれる。
日本[編集]
日本では、森永乳業が1991年に「カフェラッテ」を商標登録している(商標登録第2334877号)。1996年に日本に進出したスターバックスに代表されるアメリカ式のカフェバーが浸透し始めるとともに、アメリカ式の発音の「カフェラテ」という表記も多く使用されるようになった。
前述のセブン-イレブンのように、ドリップ式コーヒーを用いたカフェラテを販売する業者も存在する(ドリップ式コーヒーを用いたものは、日本では一般的にカフェオレと呼ばれる)。
脚注[編集]
- ^ “Latte – Coffee Friendly For All Ages - Helena Coffee Vietnam” (英語). 2022年12月14日閲覧。
- ^ カフェオレとカフェラテの違いは「コーヒーとミルクの配分」 日刊SPA!
- ^ カフェオレとカフェラテの違いって?実は取捨選択いらない!?【スタバでの攻略法付き】 しらべぇ
- ^ 東京新聞:セブン-イレブンの「カフェラテ」 ホントは「カフェオレ」?:経済(TOKYO Web) 2015-07-23閲覧
- ^ Schomer, David. Espresso coffee (second ed.). p. 151. ISBN 1-59404-031-1.
- ^ “Coffee traditions in Italy”. Ms adventures initaly (2007年7月11日). 2011年11月22日閲覧。
- ^ Davids, Kenneth (2001-05-04). Coffee: A Guide to Buying, Brewing, and Enjoying, Fifth Edition. St. Martin's Press. pp. 153–. ISBN 9780312246655 2014年1月18日閲覧。
- ^ Kenneth David 『コーヒー-その賢い買い方、選び方、焙煎、粉砕、抽出、そしてコーヒー全ての楽しみ方-』圓尾修三訳 広瀬幸雄訳 後藤昌英訳、2010年。ISBN 9784751108710。