S795

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S795の灌木の枝と発達した結節

S795(Selection-795)はアラビカコーヒーノキの栽培変種。最初にコーヒー錆病菌英語版への耐性が見つかった種の一つという点で重要な種である[1]

インドのバルホナコーヒー研究所が選定した種であり、アラビカ種及びS288として知られるリベリカ種、ケント種[2]、ティピカ種の交雑種等の自然交雑種であると考えられる[3]。リベリカ種、ケント種とも様々な錆病への耐性があり、ケント種は収穫が多いことで知られている。そのため、これらが交雑したS795も錆病耐性が高く、収穫量も多く、味も良い、極めて優良な種である。

S795はインド及びインドネシアの広域で栽培されている。インドでは、アラビカ種の作付け面積の25-30パーセントにも及ぶ[4]

概要[編集]

S795は背が高く生育が良い灌木で、最上部及び2番目の枝に多くの実(コーヒーチェリー)をつける。実は中程度の大きさで楕円形をしており、若い実は緑で成熟するとあかくなる。一つの結節は14から16程度の実をつける。新葉は明るい赤褐色をしている[5]

関連項目[編集]

脚註[編集]

  1. ^ Value Chain Struggles: Institutions and Governance in the Plantation Districts of South India, 2009, p.124
  2. ^ Wintgens, Jean Nicolas (2012). Coffee: Growing, Processing, Sustainable Production (Second ed.). Wiley-VCH VerlangGmbH & Co. KGaA. pp. 78-9. ISBN 978-3-527-33253-3 
  3. ^ Coffee: Botany, Biochemistry, and Production of Beans and Beverage, 1985, pp 52-53
  4. ^ Narasimhaswamy, R.L. (1960). “Arabica selection S.795-its origin and performance-a study”. Indian Coffee 24: 197-204. 
  5. ^ Kushalappa, Ajjamada C.; Eskes, Albertus B. (1989). Coffee Rust: Epidemiology, Resistance, and Management. CRC Press. p. 329. ISBN 978-0849368998