瞳の住人

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瞳の住人
L'Arc〜en〜Cielシングル
初出アルバム『SMILE
B面 READY STEADY GO (ken READY)
READY STEADY GO (tetsu READY)
READY STEADY GO (yukihiro READY)
リリース
規格 CCCD
CD-DA
デジタル・ダウンロード
ジャンル ポップス
ロック
時間
レーベル Ki/oon Records
作詞・作曲 hyde (作詞)
tetsu (作曲)
プロデュース L'Arc〜en〜Ciel
岡野ハジメ
ゴールドディスク
※ いずれも日本レコード協会認定
チャート最高順位
  • 週間1位(オリコン
  • 2004年3月度月間4位(オリコン)
  • 2004年度年間51位(オリコン)
  • 登場回数10回(オリコン)
L'Arc〜en〜Ciel シングル 年表
READY STEADY GO
(2004年)
瞳の住人
(2004年)
自由への招待
(2004年)
SMILE 収録曲
REVELATION
(8)
瞳の住人
(9)
Spirit dreams inside
(10)
ミュージックビデオ
L'Arc~en~Ciel「瞳の住人」-Music Clip- - YouTube
(※) 2019年12月11日から2022年4月28日まではYouTube Music Premium限定有料公開
(※) 2022年4月29日から無料公開
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瞳の住人」(ひとみのじゅうにん)は、日本ロックバンドL'Arc〜en〜Cielの23作目のシングル。2004年3月3日発売。発売元はKi/oon Records

解説

前作「READY STEADY GO」以来約1ヶ月ぶりとなるシングルリリース。同年3月に発売された9thアルバム『SMILE』の先行シングルとなっている。

本作の表題曲は、本作発売の約1週間前となる2004年2月25日から、エクシングポケメロJOYSOUND」CMソングに使われた。表題曲は、弦楽器鍵盤楽器を大々的にフィーチャーしたクラシカルなバラードソングとなっており、ファンからの人気が高い楽曲となっている。ちなみに、2021年3月3日テレビ朝日系列で放送された『関ジャム 完全燃SHOW』の「プロが選ぶ最強の名曲ベスト30特別編」という企画において、シンガーソングライター草野華余子は2位にこの曲を選出している。

表題曲に「瞳の住人」が選ばれた経緯について、tetsuyaは「レコード会社の社長から"ぜひこれで!"と強く言われたから[3]」「売る方のそういう気持ちってのも大事だと思うから、それを尊重したいと思った[3]」と述べている。kenはこの曲と「READY STEADY GO」がアルバムに先行し、シングルの表題曲に選ばれたことについて、「アルバムの中の極端なところ、バリエーションを感じさせるのにいい抽出の仕方だなって感じです[4]」と述べている。また、表題曲は作曲者であるtetsuyaのソロ名義での活動において、頻繁にセルフカバーされている楽曲となっている。2017年8月25日にTETSUYA名義で開催したソロライヴにおいて、会場となった昭和女子大学"人見"記念講堂という名前に因んで初めてセルフカバーされており[5]2019年に開催したソロライヴでもセルフカバーされている。

表題曲のミュージック・ビデオ2007年12月5日に発表したクリップ集『CHRONICLE 3』に初収録されている。また、2019年12月11日公式YouTubeアーティストチャンネルにおいてYouTube Music Premium限定で映像の有料公開を開始している。この映像のディレクターは竹内スグルが務めており、映像は逆再生で作られている。映像は、壊れたシャンデリアや車、楽器などが曲が進むにつれて復元されていき、最後のシーンで復元された楽器の前にメンバー4人が現われる演出となっている。前述のYouTubeチャンネルでの有料公開開始から約2年4ヶ月後となる2022年4月29日からは映像の無料公開が開始されている。

カップリングには、ボーカルであるhyde以外のメンバーが「READY STEADY GO」のメインボーカルを担当しセルフカバーするというユニークな音源が収録されている。hyde以外のメンバーが、2001年から2003年までのソロ活動期間においてメインボーカルを務めていたこともあり、それぞれのバージョンで歌い方などのメンバー各々の個性がしっかりと反映されたカバー音源となっている。ちなみにこのセルフカバー企画は、hydeの「マニアックなカラオケ入れるんだったらメンバーが歌った方がいいんじゃない?[6]」という何気ない一言から端を発したもので、tetsuyaは「hydeの話を聞いたスタッフが話を膨らませた[3]」と述べている。各メンバーのボーカルトラックレコーディングはじゃんけんによって順番が決められ、tetsuya、ken、yukihiroの順に録音された。このセルフカバーのレコーディングの様子の一部は、アルバム『SMILE』の初回限定盤に付属する特典DVDに収録されている。ちなみに3人とも、「READY STEADY GO」のアルバムバージョンに収録された<Are you ready?>の掛け声から歌い始め、フルコーラスを歌唱している。なお、hydeはボーカル録りが始まるまで「ワンコーラスずつ一曲で複数人のボーカルを聴けるアレンジだと思い込んでいた[6]」といい、「みんな上手だな、と。これは出来てから聴いたんですけど、もっとおちゃらけた感じなのかなと思ってたらみんなマジに歌ってたんで、驚きました。ラルクの曲を、僕以外の人が歌うっていうのはなかなかないですからね。目からウロコですよね。"ああ、色んなアプローチがあるんだな"と思うし。そういう意味では、いい刺激かもしれないですね[7]」と感想を述べている。

フィジカルの初回限定仕様は、スーパーピクチャーレーベル仕様となっている。また、初回限定特典として、IDナンバー入りフォトカードが封入されている。さらに、フィジカルの規格は、前作と同様にCCCDで当初販売されたが、2005年10月26日CD-DAで再発売されている。

発売初週の2004年3月15日付のオリコン週間シングルチャートでは、前作「READY STEADY GO」に続く3作連続通算12作目の首位を獲得している。

収録曲

  1. 瞳の住人
    エクシングポケメロJOYSOUND」CMソング。
    2006年11月からは、中国全土にてビビアン・スーが出演する、江崎グリコ「Mousa」CMソングに使われている[8]
    弦楽器鍵盤楽器を大々的にフィーチャーしたクラシカルなバラードソング。2001年3月に発表したベストアルバム『Clicked Singles Best 13』に、新曲として収録された楽曲「Anemone」のレコーディングと同時期にオケ録りが行われていた楽曲[9]で、ken曰く「ボーカル録りとミックスを待つかたちで置いておかれた曲[9]」だという。
    ギター、ベース、ドラムというバンドの基本サウンド以外に多くのサウンドが盛り込まれており、パーカッションストリングスピアノシンセサイザーなど、打楽器から弦楽器鍵盤楽器など多様な種類の楽器が導入されている。さらに、ギターを3本、ベースを2本重ねオーバーダビングされている。この曲をリリースするにあたり、2001年の録り音から録り直すことも考えていたというが、kenは「(3年前に)色んなアイデアを散々コラージュみたいに入れちゃってて、もう一回やり直そうにも何をどれだけ入れたかわからないぐらい入れてた(笑)こういう作り方も滅多にないことだし、それを逆にミックスするときにコラージュするみたいに出し入れするのもいいかなと思って、そのままにしましたね[9]」「『SMILE』はわりとストレートなアルバムで、音像もそんなに変わらずにギターがずっと居たりするので、この曲で入れ替わる様を見せれてもいいなと思ってましたね。今録ると多分ギターは一本でずっと弾ききって、こういうアイデアにはならないと思うので[9]」と述べており、ほぼ全て2001年までに録り終えた音が採用されている。ちなみに、yukihiroは編集の際にドラムの音量を下げて欲しいと進言したという。
    作曲者であるtetsuyaは、本作発売当時の音楽雑誌で「この曲はどうやって作られたか」とインタビュアーに質問された際に、「の中でサビのメロディが出て来た[3]」「夢の中で作ってたメロディが、朝起きても鳴っていたんですよ。だから俺が作ったんじゃないっちゃあ、ないのかな[3]」と答えているが、真意の程は定かではない。ちなみに、作詞を担当したhydeも、プロモーションのためテレビ等のメディアに出演した際に、歌詞についてtetsuyaから尋ねられたとき、「(歌詞も)夢の中で作りたかった」とコメントしている。また、tetsuyaは「他のアーティストからリクエストが来るんですよ、一番多いのが"「Pieces」みたいな曲を書いて"なんです[3]」「自分の中でも「あなた」とか「Pieces」、それと似て非なるもの、超えるものを作りたかった[3]」と述べている。ちなみに、弦編曲はマイケル・ジャクソンエルトン・ジョンなどのアルバムでアレンジやオーケストラの指揮を担当したデヴィッド・キャンベルが担当している。
    作詞者のhydeは、作詞作業をしているときの心境について「この時期忙しかったこともあって、ある時"なんでこんな忙しいんだろう"、"どこに行くためにこんな忙しい思いをしてるんだろう"ってふと疑問に思った[6]」と述べており、「一つの目標に向かって真っすぐな道を歩いて行くというのは難しいし、いろんな寄り道をしながら行かなきゃいけない。"果たして今行ってる道は目標に向かっているのか"、それを美しく描いてみた詞[6]」と歌詞のテーマについて述べている。また、歌詞の中に<首輪>という単語を入れたことについて、hydeは「やっぱリアリティーがないと嘘っぽい詞になると思うし。自分的にはそのフレーズが一番リアルだから[6]」と理由を語っている。
    なお、L'Arc〜en〜Cielの楽曲の中でも非常にキーの高い曲となっており、楽曲中の最高音はhihiAとなっている。特にサビキーの高さに、実際に歌うhydeよりも周りのスタッフの方が驚いていたらしく、hydeは「作曲段階からみんなそれを言ってて。でも、よくよく考えればみんなそこに耳がいくってことは、それだけキャッチーってことなんだろうね[6]」と述べている。
  2. 瞳の住人 (hydeless version)
  3. READY STEADY GO (ken READY)
    • 作詞: hyde / 英語訳詞: Lynne Hobday / 作曲: tetsu / 編曲: L'Arc〜en〜Ciel & Hajime Okano
    22ndシングル「READY STEADY GO」の表題曲のkenによるカバー。
    メインボーカルを担当したkenは「SONS OF ALL PUSSYSをやっといて良かった(笑)[10]」と、このカバーについてコメントしている。このカバーを聴いたhydeは、2003年に行われたライヴ「Shibuya Seven Days 2003」のkenのコーラスワークを含め、kenの歌声とボーカルの成長ぶりに感銘を受けたといい、「"アレ?俺が歌ってんのかな?"って一瞬思った[11]」とコメントしている。ちなみに、間奏部分の<Are you ready?>というフレーズをこのカバーでは<kenで~す>と言っている。
  4. READY STEADY GO (tetsu READY)
    • 作詞: hyde / 英語訳詞: Lynne Hobday / 作曲: tetsu / 編曲: L'Arc〜en〜Ciel & Hajime Okano
    22ndシングル「READY STEADY GO」の表題曲のtetsuyaによるカバー。
    メインボーカルを担当したtetsuyaは「特に僕は作曲者なので、ちゃんと唄わなきゃなっていうね。ソロでも唄ってるんで、唄うことに関しては別に何もないんですけど…ま、僕は無難にこなしました(笑)[12]」と、このカバーについてコメントしている。
  5. READY STEADY GO (yukihiro READY)
    • 作詞: hyde / 英語訳詞: Lynne Hobday / 作曲: tetsu / 編曲: L'Arc〜en〜Ciel & Hajime Okano
    22ndシングル「READY STEADY GO」の表題曲のyukihiroによるカバー。
    メインボーカルを担当したyukihiroは「アタマの<Are you ready?>ってところは、もっとコーンみたいに言おうかと思ったんだけど(笑)。楽しく録れましたよ。acid androidとは勝手が違うし、最初は自分でも"どうなるかな~"と思ってましたけど、意外と…唄えましたね(笑)[13]」と、このカバーについてコメントしている。このカバーを聴いたhydeは、yukihiroの歌い回しに「よりロックに歌えるんだ[6]」と感じた旨をコメントしている。

参加ミュージシャン

カバー

収録アルバム

オリジナルアルバム
ベストアルバム

脚注

  1. ^ ゴールドディスク認定 2004年3月 - 日本レコード協会
  2. ^ ダウンロード認定 2011年9月 - 日本レコード協会
  3. ^ a b c d e f g 『R&R NewsMaker』、p.32、ぴあ、2004年4月号
  4. ^ 『R&R NewsMaker』、p.26、ぴあ、2004年4月号
  5. ^ 【レポート】TETSUYA (L‘Arc-en-Ciel)、<15tn ANNIVERSARY LIVE>で「なんで「瞳の住人」やったか分かってる?」 - BARKS (2017年9月7日)
  6. ^ a b c d e f g 『R&R NewsMaker』、p.22、ぴあ、2004年4月号
  7. ^ 『B=PASS』、p.19、シンコー・ミュージック、2004年5月号
  8. ^ L'Arc-en-Ciel.com 2006 - L'Arc〜en〜Ciel.com
  9. ^ a b c d MUSIC ON! TV『SELF LINER NOTES』2004年4月11日放送分
  10. ^ 『B=PASS』、p.23、シンコー・ミュージック、2004年5月号
  11. ^ 『R&R NewsMaker』、p.21、ぴあ、2004年4月号
  12. ^ 『B=PASS』、p.11、シンコー・ミュージック、2004年5月号
  13. ^ 『B=PASS』、p.15、シンコー・ミュージック、2004年5月号