故郷 (唱歌)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

これはこのページの過去の版です。123.218.40.71 (会話) による 2016年4月3日 (日) 13:32個人設定で未設定ならUTC)時点の版であり、現在の版とは大きく異なる場合があります。

故郷
楽曲
規格学校唱歌として出版
作詞者高野辰之
作曲者岡野貞一
鳥取県鳥取市久松公園入口にある歌碑
長野県中野市の高野辰之記念館にある歌碑

故郷 (ふるさと)は、高野辰之作詞・岡野貞一作曲による文部省唱歌

{
\set Staff.midiInstrument = #"voice oohs" \key g \major \time 3/4 \relative g' {
 g g g | a4. b8 a4  | b b c | d2 r4 | 
 c d e | b4. c8 b4  | a a fis | g2 r4 | 
 a8 g a4 d, | g8 a b4 b  | c8 b c4.( e8) | d c b4 r | 
 d d d | g,4. a8 b4  | c c a | g2 r4 \bar "|."
 }
\addlyrics {
 う さ ぎ お い し か の や ま こ ぶ な つ り し か の か わ
 ゆ ー め は い ー ま も め ー ぐ -- り ー て わ す れ が た き ふ る さ と
 }
}

誕生

1914年大正3年)の尋常小学唱歌の第六学年用で発表された。

長らく作詞作曲者不明だったが、昭和40年代に高野、岡野と同定され、1992年(平成4年)からは音楽の教科書に両者の名前が明記されている[1]

高野の出身地である長野県中野市と、岡野の出身地鳥取県鳥取市に歌碑がある。

歌詞

引用

  1. 兎追うさぎおいひしやま
    小鮒釣こぶなつりしかわ
    ゆめいまめぐりて
    わすがた故郷ふるさと
  2. 如何いかににいます父母ちちはは
    恙無つつがなしやともがき
    あめかぜにつけても
    おもづる故郷ふるさと
  3. こころざしたして
    いつのにかかえらん
    やまあお故郷ふるさと
    みずきよ故郷ふるさと

解釈

子供の頃の野山の風景を遠い地から懐かしむという内容で、生まれ故郷から離れて学問や勤労に励む人の心情を歌っている。歌詞に述べられている「かの山」は高野の故郷にある「熊坂山」や「大平山」、また「かの川」は「斑川」であるとする説がある[2]

  1. 野兎を追ったあの山や、小を釣ったあの川よ。今なお夢に思い心巡る忘れられない故郷よ。
  2. 父や母はどうしておいでだろうか(「います」は「居る」の丁寧形ではなく、古語の尊敬語「在す」)、友人たちは変わりなく平穏に暮らしているだろうか。風雨(艱難辛苦の比喩とも)のたびに思い出す故郷よ。
  3. 自分の夢を叶えて目標を成就させたら、いつの日にか故郷へ帰ろう。山青く水清らかな故郷へ。

歌唱

同じ作詞作曲者の手による『朧月夜』、『春の小川』等と共に、文部省唱歌を代表する曲として今日も歌われている。

一覧

EXILE ATSUSHI

ふるさと
EXILE ATSUSHIシングル
リリース
規格 デジタル・ダウンロード
ジャンル J-POP
レーベル rhythm zone
EXILE ATSUSHI シングル 年表
Ooo Baby
2011年
ふるさと
2012年
MELROSE 〜愛さない約束〜
(2012年)
テンプレートを表示

EXILE ATSUSHI は、初の配信シングル曲として、この曲を取り上げ、「ふるさと」として2012年3月30日から配信した。

このシングルの宣伝において、この曲は「EXILE ATSUSHI初の童謡カヴァー」として紹介された[4][5]EXILEの作品に唱歌、童謡を取り上げた先例はなく、初めての試みとなった。

2010年4月11日から2011年3月27日に放送されたEXILEの冠番組『ひるザイル』(日本テレビ系)のエンディング曲として使用された。また、クラシエ「いち髪」のテレビCMソングにも起用された。

評価

岩谷産業1997年11月から12月にかけて全国の10代から80代の世代を対象に実施した「“ふるさと”を思い起こす歌」の人気投票で、647人・137曲の投票の中から本曲が124票を獲得して1位に選ばれた[6]

曲のみの使用

鉄道や防災無線等に使用されている。短波放送『しおかぜ』では、放送開始時に故郷のBGMを流している。

鉄道メロディ

関連作品

脚注

  1. ^ 産経新聞、2014年10月9日、一面
  2. ^ 中野市「唱歌の里マップ」より(2011年12月印刷、2014年12月17日閲覧)。
  3. ^ 産経新聞、2014年10月9日、一面
  4. ^ EXILE ATSUSHI 「ふるさと」がKracie「いち髪」TVCMソングに決定! 本日より配信スタート!!
  5. ^ 「唱歌」(ここでは文部省唱歌の意)と「童謡」は、厳密には別個の概念である。「蝶々」を例にした解説:上田信道 (2007年10月6日). “岡崎発の『蝶々』~学校唱歌の源流をめぐって~” (PDF). 岡崎大学懇話会. 2012年4月11日閲覧。
  6. ^ 産経新聞』1998年2月12日付東京朝刊。
  7. ^ 長野駅「信濃の国」、飯山駅「故郷」 JR発車メロディー決定 - 信越観光ナビ 信州・長野と新潟の観光情報

外部リンク