指宿のたまて箱
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指宿のたまて箱 | |
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「指宿のたまて箱」キハ47形 | |
運行者 | 九州旅客鉄道(JR九州) |
列車種別 | 特急列車 |
運行区間 | 鹿児島中央駅 - 指宿駅 |
経由線区 | 指宿枕崎線 |
使用車両 | キハ140形8000番台・キハ47形8000・9000番台気動車(鹿児島総合車両所) |
運行開始 | 2011年3月12日 |
備考 | 2012年3月19日現在 |
指宿のたまて箱(いぶすきのたまてばこ)とは、九州旅客鉄道(JR九州)が指宿枕崎線の鹿児島中央駅 - 指宿駅間で運行している特急列車である[1]。愛称「いぶたま」。
本項では、指宿枕崎線で運転されていた優等列車の沿革および、快速「なのはな」についても記述する。
指宿のたまて箱
概要
JR九州は新幹線の開業効果を沿線外にも広めるため観光列車の新設を行っており[2]、「指宿のたまて箱」も2011年(平成23年)3月12日の九州新幹線(鹿児島ルート)の全線開業にともなって翌13日[3]から運転を開始した。特別快速「なのはなDX」を置き換えて、指宿枕崎線では初めての定期特急列車の運転となった。
列車名の由来
薩摩半島の最南端にある長崎鼻一帯に伝わる浦島太郎伝説の玉手箱にちなんでおり[2]、「いぶたま」の愛称で運転される[4]。
運行概況
日中3往復運行されている。所要時間は約55分で前身の「なのはなDX」とほぼ同じ。
全席指定席となっている。
列車は2両運転時は車掌の乗務しないワンマン運転で、客室乗務員が乗務し、検札や車内販売、観光案内などを行う。3両運転時は車掌が乗務する。
停車駅
鹿児島中央駅 - 喜入駅 - 指宿駅
使用車両
指宿のたまて箱 | ||||
← 鹿児島中央 指宿 →
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2両編成で、キハ47形気動車の改造車(キハ47 8060・キハ47 9079)で運転されている[6]。
デザインは水戸岡鋭治。小倉工場で約1億6000万円をかけて改造された。外部塗装は海側(下り方向に向かって左側)側面と前面の海側半分が白色、山側(下り方向に向かって右側)側面と前面の山側半分が黒色。
車内は2人掛け回転リクライニングシート、大型のテーブルが設置された4人用のコンパートメント席、ソファー席、海側の窓側を向いた1人掛け席が用意されており、座席の種類はバラエティに富んだものになっている。この他にも子供用に海側を向いたキッズチェアが用意されており、その後ろには保護者が監視するためのソファー席が用意されているが、これらはフリースペースの設備の一部のため、マルスでの席番の割り当てはない。また浦島太郎伝説にちなみ、ドアが開いた際には玉手箱の煙に見立てたミストが連結面寄りの噴出口より噴射される[7]。
車両検査時は「はやとの風」で運用されている車両を使用する場合もある[8]。
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外観
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ミスト噴射中
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車内
指宿枕崎線優等列車沿革
鹿児島県対宮崎県の連絡列車「錦江」
- 1960年(昭和35年):西鹿児島駅(現在の鹿児島中央駅) - 山川駅間を指宿枕崎線経由で運行する準急「錦江」(きんこう)が運行開始。
- 1961年(昭和36年):「錦江」の運転区間を、山川駅 - 宮崎駅間に変更。
- 1966年(昭和41年):「錦江」を急行列車に格上げ。
- 1968年(昭和43年):「錦江」の指宿駅発着列車を増発。
- 1975年(昭和50年):山陽新幹線開通に伴うダイヤ改正により、「青島」・「高千穂」の系統を立て替えて「錦江」を4往復増発。
- 1979年(昭和54年):日豊本線南宮崎駅 - 鹿児島駅間の電化によるダイヤ改正により、次のように変更。
- 「錦江」の2往復に457系・475系電車を投入。
- 「錦江」の1往復を特急「にちりん」に変更して1往復を廃止し、指宿枕崎線への乗り入れを1往復にする。
- 1980年(昭和55年):「錦江」の指宿枕崎線乗り入れ終了。宮崎駅 - 西鹿児島駅間を運転する快速列車に格下げ。これにより指宿枕崎線から優等列車がなくなる。
指宿枕崎線の観光特急として
- 2011年(平成23年)3月12日:特別快速「なのはなDX」を廃止し、代替として特急「指宿のたまて箱」を鹿児島中央駅 - 指宿駅間に3往復新設。この日は東日本大震災(東北地方太平洋沖地震)による津波警報発令で指宿枕崎線が運休となっていたので、翌13日から運転を開始[3]。
- 2012年(平成24年)3月19日:元「はやとの風」用のキハ140 2066が予備車・増結車として加わり、3両体制となる。[9]。
快速「なのはな」・特別快速「なのはなDX」
快速「なのはな」は1992年7月15日に運転を開始し、その前日まで運転されていた快速「いぶすき」を置き換えて、鹿児島中央駅 - 山川駅間で6.5往復が設定された。「いぶすき」ではキハ40系・キハ58系などが使用されていたが、「なのはな」ではキハ200系気動車が使用されるようになった。
2004年3月13日には、快速「なのはな」のうち日中の4往復が特別快速「なのはなDX」として鹿児島中央駅 - 指宿駅間で運転されるようになり、座席指定席も連結された。「なのはな」は下り3本、上り2本となった。
「なのはなDX」は観光利用を念頭に置いた列車であるが、指定席車両の予備車はないため、異常時・検査時・特定日は快速「なのはな」または、指定席車両無しの全車自由席車両として運行されていた。
鹿児島中央駅 - 指宿駅間の所要時間は「なのはな」で約65分、「なのはなDX」で約55分であった。
停車駅
鹿児島中央駅 - 郡元駅 - 南鹿児島駅 - 宇宿駅 - 谷山駅 - 慈眼寺駅 - 坂之上駅 - (五位野駅) - 平川駅 - 瀬々串駅 - 喜入駅 - 〈薩摩今和泉駅〉 - 〔宮ヶ浜駅〕 - 〈二月田駅〉 - 指宿駅 - 山川駅
- ( )は「なのはな」の一部列車のみ停車
- 〔 〕は「なのはなDX」の一部列車のみ停車
- 〈 〉は「なのはな」と「なのはなDX」ともに一部の列車のみ停車
使用車両
なのはなDX | ||||||
← 鹿児島中央 指宿 →
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快速「なのはな」はキハ200系気動車が、特別快速「なのはなDX」はキハ200-9 + キハ200-1009(自由席車)およびキハ220-1102(指定席車)の3両は「なのはなDX」専用塗装であったが、2010年現在はほかの車両と同じ塗装に戻されている。指定席車として運用されるキハ220形は1両しかないため、検査時や特定日は快速「なのはな」として運転されていた。
なお、「なのはなDX」の廃止後にキハ220-1102は内装はそのままで熊本車両センターに転出した[要出典]。
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「なのはな」塗装のキハ200形
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「なのはなDX」用のキハ220形
脚注
- ^ 平成23年春の観光列車新設について - 九州旅客鉄道ニュースリリース 2010年10月20日
- ^ a b 鹿児島、熊本に新観光特急 JR九州計画 - 西日本新聞 2010年10月20日
- ^ a b 観光特急「いぶたま」第1便、1日遅れで指宿到着 - 読売新聞 2011年3月14日
- ^ 指宿枕崎線特急に「たまて箱」 海側は白、山側は黒 - 朝日新聞 2010年10月22日
- ^ 珍百景コレクション 2012年2月29日 - テレビ朝日『ナニコレ珍百景』
- ^ JR九州 2011年春に豊肥本線・指宿枕崎線へ観光特急を導入 - 交通新聞社『鉄道ダイヤ情報』新型車両掲載コーナー 2010年11月12日
- ^ 乗ったらおじいさんに変身?観光特急「指宿のたまて箱」 - 朝日新聞、2011年2月20日
- ^ 平成23年度の観光列車の運転について - 九州旅客鉄道ニュースリリース 2011年1月21日
- ^ キハ140 2066が「指宿のたまて箱」仕様になって出場 - 『鉄道ファン』交友社 railf.jp鉄道ニュース 2012年3月20日
外部リンク
- 平成23年春の観光列車新設について - 九州旅客鉄道 2010年10月20日