勝手にしやがれ (映画)
勝手にしやがれ | |
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À bout de souffle | |
監督 | ジャン=リュック・ゴダール |
脚本 | ジャン=リュック・ゴダール |
原案 | フランソワ・トリュフォー |
製作 | ジョルジュ・ド・ボールガール |
出演者 |
ジャン=ポール・ベルモンド ジーン・セバーグ |
音楽 | マルシャル・ソラル |
撮影 | ラウール・クタール |
編集 |
セシル・ドキュジス リラ・ハーマン |
製作会社 |
SNC インペリア・フィルム ジョルジュ・ド・ボールガール・プロダクション |
配給 |
SNC 新外映配給 |
公開 |
1960年3月16日 1960年3月26日 |
上映時間 | 90分 |
製作国 | フランス |
言語 |
フランス語 英語 |
製作費 |
₣400,000[1] (≒€69,000[2]) |
『勝手にしやがれ』(かってにしやがれ、À bout de souffle)は、1960年のフランスの犯罪ドラマ映画。 監督・脚本はジャン=リュック・ゴダール、出演はジャン=ポール・ベルモンドとジーン・セバーグなど。
概要
ヌーベルバーグの記念碑的作品であり[3]、フランソワ・トリュフォーが原案、クロード・シャブロルが監修、ジャン=リュック・ゴダールが監督・脚本を務めた。ゴダールにとっては初の長編映画である。
原題の「À bout de souffle」は、「息せき切って」という程度の意味である[4][5]。邦題は、初公開時の配給元である新外映に当時勤務していた秦早穂子が当作の買い付けを決定すると共に命名したとされている[6]一方で、公開前年に川内康範が発表した小説の題を新外映が使用許可を買い取り流用したとの説もある。沢田研二の代表曲である同名楽曲は、当作の題が元になっている[7]。
ストーリー
ハンフリー・ボガートを崇めるミシェルは、マルセイユで自動車を盗み、追ってきた警察官を射殺する。パリに着いたものの文無しで警察からも追われているミシェルは、アメリカ人のガールフレンド、パトリシアと行動を共にする。だが、ミシェルが警察に追われる身であることを知ってしまうパトリシア。パトリシアは、パリで地歩を固めたい駆け出しの記者・ライターであり、ミシェルはどちらかと言うとフランスにいることに執着がない。
やがて一緒に逃げることを断念したパトリシアが警察に通報してしまう。劇中も何度か出てきた「最低」という言葉を最後にミシェルが言う。「本当に最低だ」と、かすれ声で言われたその言葉が訊きとれず、パトリシアは「彼はなんて言ったの?」と刑事にたずねると、「あなたは本当に最低(dégueulasse デグラース)だと彼は申していました」と伝えられる。パトリシアは「最低(dégueulasse デグラース)ってなに?」と訊き返す。
キャスト
※括弧内は日本語吹替(初回放送1969年6月28日 NETテレビ『土曜映画劇場』)
- ミシェル・ポワカール/ラズロ・コバクス:ジャン=ポール・ベルモンド(前田昌明)
- パトリシア・フランキーニ:ジーン・セバーグ(真山知子)
- ヴィタル刑事:ダニエル・ブーランジェ(寺島幹夫)
- パルベレスコ:ジャン=ピエール・メルヴィル(勝田久)
- アントニオ:アンリ=ジャック・ユエ
- 密告者:ジャン=リュック・ゴダール
カメオ出演
- 『カイエ・デュ・シネマ』執筆陣:ジャン・ドマルキ、アンドレ・S・ラバルト、ジャン・ドゥーシェ、ミシェル・ムルレ、ジャック・シクリエ
- 映画監督:フランソワ・モレイユ(当時セバーグの夫)、ジョゼ・ベナゼラフ、フィリップ・ド・ブロカ、リシャール・バルドゥッチ
- 脚本家:ミシェル・ファーブル
- 作曲家:ルイギ
- 小説家:ジャック・セルギーヌ
- アメリカ映画専門館マクマオンオーナー:エミール・ヴィリオン
評価
レビュー・アグリゲーターのRotten Tomatoesでは74件のレビューで支持率は96%、平均点は8.70/10となった[8]。
受賞
ランキング
- 「映画史上最高の作品ベストテン」(英国映画協会『Sight&Sound』誌発表)
- 2008年:「史上最高の映画100本」(仏『カイエ・デュ・シネマ』誌発表)第65位
- 2010年:「史上最高の外国語映画100本」(英『エンパイア』誌発表)第75位
- 2010年:「エッセンシャル100」(トロント国際映画祭発表)第18位
以下は日本でのランキング
- 1980年:「外国映画史上ベストテン(キネマ旬報戦後復刊800号記念)」(キネマ旬報発表)第10位
- 1988年:「大アンケートによる洋画ベスト150」(文藝春秋発表)第28位
- 1989年:「外国映画史上ベストテン(キネ旬戦後復刊1000号記念)」(キネ旬発表)第5位
- 1995年:「オールタイムベストテン・世界映画編」(キネ旬発表)第15位
- 1999年:「映画人が選ぶオールタイムベスト100・外国映画編(キネ旬創刊80周年記念)」(キネ旬発表)第13位
- 2009年:「映画人が選ぶオールタイムベスト100・外国映画編(キネ旬創刊90周年記念)」(キネ旬発表)第5位
リメイク
『ブレスレス』Breathless(1983年、アメリカ) 出演:リチャード・ギア、ヴァレリー・カプリスキー
出典
- ^ “Film - 10 histoires incroyables sur A BOUT DE SOUFFLE” (フランス語). Followatch. (2014年1月15日). オリジナルの2016年10月13日時点におけるアーカイブ。 2021年9月16日閲覧。
- ^ “A bout de souffle (1960)” (フランス語). JPBox-Office. 2021年9月16日閲覧。
- ^ 勝手にしやがれ - 映画.com
- ^ “(シネマ三面鏡)アルファベットの邦題、ついに”. 朝日新聞デジタル (2021年9月17日). 2021年9月19日閲覧。
- ^ 1983年にアメリカでつくられたリメイク版は仏タイトルのほぼ直訳の『ブレスレス』になっている。
- ^ 秦早穂子 (2021年9月10日). “「勝手にしやがれ」あの夏の衝撃 ジャンポール・ベルモンドの訃報に寄せて”. 朝日新聞 2022年1月16日閲覧。
- ^ “勝手にしやがれとは”. コトバンク. 2021年9月16日閲覧。
- ^ “Breathless (1961)”. Rotten Tomatoes. Fandango Media. 2022年9月14日閲覧。
外部リンク
- 勝手にしやがれ - allcinema
- 勝手にしやがれ - KINENOTE
- À bout de souffle - オールムービー(英語)
- À bout de souffle - IMDb(英語)