メジャー完全制覇
メジャー完全制覇(めじゃーかんぜんせいは)とは、日本のプロレス界において、俗にメジャー団体と呼ばれる新日本プロレス、全日本プロレス、プロレスリング・ノアの3団体の管轄するヘビー級王座を獲得した者のことを指す俗称である。
概要
- 2008年に佐々木健介がGHCヘビー級王座を獲得したことで、実況アナウンスやスポーツ新聞にて『メジャー完全制覇』や『グランドスラム達成』と呼ばれるようになったのが始まりである。いわゆる俗称である。
- 高山善廣が、タッグ王座(IWGPタッグ、世界タッグ、GHCタッグ)で三団体から完全制覇、2009年に三冠ヘビーを獲得したことで、シングル・ヘビーを含めての正真正銘の『完全制覇』を達成している。「メジャー3団体単複全冠制覇」とも呼ばれる。[1]
- 丸藤正道が、2010年にIWGPジュニアヘビーを(GHCジュニア、世界ジュニアに続き)獲得したことで、ジュニア初の(シングル)完全制覇を遂げた。
- しかし、現在まで名称など公式なものでは無いため、完全制覇条件が「シングルだけ」「タッグも含め」などの条件は決まっておらず、タッグのみ達成しても呼ばれない場合が多い。達成報酬や称号が与えられることは全く無く、スポーツ新聞の見出し程度である。
ヘビー級王座
管轄団体 | シングル | タッグ |
---|---|---|
新日本プロレス | IWGPヘビー級王座 | IWGPタッグ王座 |
全日本プロレス | 三冠ヘビー級王座 | 世界タッグ王座 |
プロレスリング・ノア | GHCヘビー級王座 | GHCタッグ王座 |
歴代達成者
種 | ベルト | 初回奪還日 | パートナー |
---|---|---|---|
単 | IWGPヘビー級王座 | 2003年(平成15年)5月2日 | |
単 | 三冠ヘビー級王座 | 2009年(平成21年)3月14日 | |
単 | GHCヘビー級王座 | 2002年(平成14年)9月7日 | |
複 | IWGPタッグ王座 | 2004年(平成16年)2月1日 | 鈴木みのる |
複 | 世界タッグ王座 | 1999年(平成11年)7月23日 | 大森隆男 |
複 | GHCタッグ王座 | 2001年(平成13年)12月9日 | 大森隆男 |
- 現在までに高山のみが、シングル王座・タッグ王座の完全制覇を達している(なお高山はこの他に全日本のアジアタッグ王座も獲得している)。
種 | ベルト | 初回奪還日 | パートナー |
---|---|---|---|
単 | IWGPヘビー級王座 | 1997年(平成9年)8月31日 | |
単 | 三冠ヘビー級王座 | 2007年(平成19年)8月26日 | |
単 | GHCヘビー級王座 | 2008年(平成20年)9月6日 | |
複 | IWGPタッグ王座 | 1991年(平成3年)3月6日 | 馳浩 |
複 | GHCタッグ王座 | 2009年(平成21年)9月21日 | 森嶋猛 |
ジュニアヘビー級
管轄団体 | シングル | タッグ |
---|---|---|
新日本プロレス | IWGPジュニアヘビー級王座 | IWGPジュニアタッグ王座 |
全日本プロレス | 世界ジュニアヘビー級王座 | - [2] |
プロレスリング・ノア | GHCジュニアヘビー級王座 | GHCジュニアヘビー級タッグ王座 |
歴代達成者
種 | ベルト | 初回奪還日 | パートナー |
---|---|---|---|
単 | IWGPジュニアヘビー級王座 | 2010年(平成22年)1月4日 | |
単 | 世界ジュニアヘビー級王座 | 2008年(平成20年)9月28日 | |
単 | GHCジュニアヘビー級王座 | 2001年(平成13年)12月9日 | |
複 | GHCジュニアタッグ王座 | 2003年(平成15年)7月16日 | KENTA |
- また丸藤正道は、NOAH管理のGHC(ヘビー、タッグ、ジュニア、ジュニアタッグ、白)を全てを獲得している。
- NOAH内のみならず、日本のプロレス団体で唯一、団体内王座(ヘビーのシングル&タッグ、ジュニアのシングル&タッグを管轄する団体限定として)を獲得した「グランドスラム」の達成者である。
完全制覇に近い選手
シングル王座を2つ獲得している者のみ記載。高山の様にシングル・タッグの完全制覇も存在するので、無獲得タッグも記載。
ヘビー級
選手名 | IWGP 単 |
三冠 単 |
GHC 単 |
IWGP 複 |
世界 複 |
GHC 複 |
---|---|---|---|---|---|---|
ベイダー | ◎ | ◎ | - | ◎ | ◎ | ◎ |
永田裕志 | ◎ | - | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ |
武藤敬司 | ◎ | ◎ | - | ◎ | ◎ | - |
小島聡 | ◎ | ◎ | - | ◎ | ◎ | - |
秋山準 | - | ◎ | ◎ | - | ◎ | ◎ |
グレート・ムタ | ◎ | ◎ | - | - | ◎ | - |
潮崎豪 | - | ◎ | ◎ | - | ◎ | ◎ |
鈴木みのる | - | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ |
ジュニアヘビー級
選手名 | IWGP 単 |
世界 単 |
GHC 単 |
IWGP 複 |
GHC 複 |
---|---|---|---|---|---|
獣神サンダー・ライガー | ◎ | - | ◎ | ◎ | ◎ |
金丸義信 | - | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ |
田中稔 | ◎ | ◎ | - | ◎ | - |
ケンドー・カシン | ◎ | ◎ | - | ◎ | - |
高岩竜一 | ◎ | - | ◎ | ◎ | - |
中嶋勝彦 | - | ◎ | ◎ | - | - |
近藤修司 | - | ◎ | ◎ | - | - |
ウルティモ・ドラゴン | ◎ | ◎ | - | - | - |
鈴木鼓太郎 | - | ◎ | ◎ | - | ◎ |
ケニー・オメガ | ◎ | ◎ | - | ◎ | - |
引退により獲得絶望、死去により獲得不可能
ただし引退選手の場合、現役復帰すれば挑戦可能ヘビー級 | |||||||
選手名 | IWGP 単 |
三冠 単 |
GHC 単 |
IWGP 複 |
世界 複 |
GHC 複 |
備考 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
橋本真也 | ◎ | ◎ | - | ◎ | - | - | 2005年(平成17年)7月11日に死去。 |
三沢光晴 | - | ◎ | ◎ | - | ◎ | ◎ | 2009年(平成21年)6月13日に死去。 |
小橋建太 | - | ◎ | ◎ | - | ◎ | ◎ | 2013年(平成25年)5月11日に引退。 |
田上明 | - | ◎ | ◎ | - | ◎ | - | 2013年(平成25年)12月7日に引退。 |
天龍源一郎 | ◎ | ◎ | - | ◎ | ◎ | - | 2015年(平成27年)11月15日に引退。 |
ジュニアヘビー級 | |||||||
選手名 | IWGP 単 |
世界 単 |
GHC 単 |
IWGP 複 |
GHC 複 |
備考 | |
小林邦昭 | ◎ | ◎ | - | - | - | 2000年(平成12年)4月21日に引退。 |
その他
- 全日本の三冠王座発足(1989年)以前の記録では、長州力がIWGPのヘビー級とタッグ、全日本のPWFヘビー級王座とインターナショナル・タッグ王座を獲得している。長州の場合は三冠・世界タッグ・GHCは獲得していない。また、IWGP発足(1983年)以前までさかのぼると、スタン・ハンセンが新日本のNWFヘビー級王座、全日本のPWFヘビー、インターナショナル・ヘビー級王座、UNヘビー級王座、インタータッグ、PWF世界タッグ王座、三冠王座、世界タッグ王座を獲得している。ハンセンの場合もIWGPとGHCの各王座は獲得していない。
- さらにさかのぼると、全日本・新日本・国際プロレスの三団体時代に、国際のIWA世界ヘビー級王座と全日本のPWFヘビー級王座・UN王座を獲得したビル・ロビンソンの例がある。ロビンソンは新日本参戦時にNWFヘビー級王座にも挑戦しているが奪取はならず、「メジャー完全制覇」は実現しなかった。なお、昭和年間に「全日・新日・国際の三団体中二団体のシングル王座奪取」を実現したのは日本人を含めてもロビンソン、ハンセンだけである(長州のIWGP初奪取は平成になってから)。
- ちなみにアメリカでは、1960年代から80年代にかけて、NWA、AWA、WWWF(WWF、WWE)の各世界ヘビー級王座(NWA世界ヘビー級王座、AWA世界ヘビー級王座、WWWF世界ヘビー級王座)が世界三大タイトルとされた。これらのタイトルのうち複数を獲得したレスラーは、バディ・ロジャース(NWA、WWWF)、ジン・キニスキー(NWA、AWA)、リック・フレアー(NWA、WWF)の3人である。とくにキニスキーはNWAとAWAが隆盛を誇っていた時期にタイトルを獲得しており、評価が高い。三王座全てを獲得したレスラーは存在しない。
- ノアが発足したのが2000年で闘魂三銃士や四天王以前の世代は引退している選手や、全盛期を終えている選手も多く実現が難しい。上記してある小林邦明などがその例である。
リーグ完全制覇
この節には独自研究が含まれているおそれがあります。 |
- 2013年、永田裕志が、NOAH主催のグローバル・リーグ戦を優勝したことで、上記3団体が毎年定期的に開催しているリーグ戦をすべて制覇した。しかし、開催年代によってはトーナメント戦方式を取った場合もある。またG1 CLIMAXなどはヘビー級限定とされているため、ジュニアのリーグ戦は省略する。
タッグ・リーグ
管轄団体 | シングル | タッグ |
---|---|---|
新日本プロレス | G1 CLIMAX | WORLD TAG LEAGUE ※「G1 TAG LEAGUE」含む |
全日本プロレス | チャンピオン・カーニバル | 世界最強タッグ決定リーグ戦 |
プロレスリング・ノア | グローバル・リーグ戦 | グローバル・タッグ・リーグ戦 |
歴代達成者
種 | ベルト | 初回奪還日 | パートナー |
---|---|---|---|
単 | G1 CLIMAX | 2001年(平成13年)8月12日 | |
単 | チャンピオン・カーニバル | 2011年(平成23年)4月13日 | |
単 | グローバル・リーグ戦 | 2013年(平成25年)11月10日 | |
複 | G1 TAG LEAGUE | 2000年(平成12年)11月30日 | 飯塚高史 |
完全制覇に近い選手
シングル戦で優勝を2つ獲得している者のみ記載。無獲得タッグも記載。
選手名 | G1 単 |
CC |
GL 単 |
G1 複 |
世界 複 |
GL 複 |
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武藤敬司 | ◎ | ◎ | - | ◎ | ◎ | - |
小島聡 | ◎ | ◎ | - | ◎ | ◎ | - |
佐々木健介 | ◎ | ◎ | - | - | - | - |
脚注
- ^ 日刊スポーツ09/03/15記事
- ^ 全日本管轄のジュニアタッグ王座は無し。