バラモン
インド哲学 - インド発祥の宗教 |
ヒンドゥー教 |
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バラモンとは、インドのカースト制度の頂点に位置するバラモン教やヒンドゥー教の司祭階級の総称。
サンスクリット原語のブラーフマナ (braahmaNa ब्राह्मण)が漢字に音写された婆羅門を片仮名書きしたものであり、正確なサンスクリット語形ではない。
ブラーフマナとは古代インド哲学で宇宙の根本原理を指すブラフマンから派生した形容詞転じて名詞。つまり「ブラフマンに属する(階級)」の意味である。ブラフミン( Brahmin )ともいう。
歴史的起源
紀元前13世紀頃、西から移動して来たイラン系のアーリア人が原住民族のドラヴィダ人を支配するためにカーストを作り出した。そして自らを最高位の司祭・僧侶階級に置き、ブラーフマナ=バラモンと称したのが始まり――というのが昔の学説である。ただし、これはヴァルナ(四種姓)の起源を、神話上の宇宙論に求めるヒンドゥー教徒の考え方とは相容れない。
神話的起源
『リグ・ヴェーダ』に収載された「プルシャ賛歌」によれば、神々が祭祀を行うにあたって原人プルシャを切り分けた時、口の部分がバラモンとなり、両腕がラージャニヤ(クシャトリヤ)となり、両腿がヴァイシャとなり、両足はシュードラとなった、という[1]。
仏教での用例
仏教ではバラモン階級出身の僧侶をバラモンと呼び、バラモン階級以外からの出家者を沙門と呼んでいる。ただし、この用法は、バラモン教側が先に非バラモン階級出身者を沙門と呼んで差別したことによる。
日本では、渡来したインド人の仏教僧全てを、出身のカーストにかかわらず婆羅門と呼んでいる。
現代のバラモン
意外なことに、現在、インド人の半分以上がバラモン出身者である(もしくはバラモンを自称している)[要出典]。そもそも現行の憲法がカースト制度を否定しているので、バラモンであることに、なんら特権性はない。ゆえに、バラモンという身分も慣習的なもので、厳密な根拠のあるものではない。例えば、何代も前の先祖の遠い親戚にバラモンがいた(らしい)、という理由でバラモンを名乗る場合もある。
脚注
- ^ 辻訳『リグ・ヴェーダ讃歌』(1970)p.320
関連項目
参考文献
- 辻直四郎訳『リグ・ヴェーダ讃歌』岩波書店<岩波文庫>、1970年5月。ISBN 4003206010
外部リンク
- 「インド理解のキーワード——ヒンドゥーイズム——」山上證道(京都産業大学『世界の窓』第11号)