アドマイヤコジーン

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アドマイヤコジーン[1]
欧字表記 Admire Cozzene[1][2]
香港表記 喜高善[3]
品種 サラブレッド[1]
性別 [1]
毛色 芦毛[1]
生誕 1996年4月8日[1]
死没 2017年6月6日(21歳没)
登録日 1998年9月3日
抹消日 2002年12月24日
Cozzene[1]
アドマイヤマカディ[1]
母の父 ノーザンテースト [1]
生国 日本の旗 日本北海道大樹町
生産者 大樹ファーム[1]
馬主 近藤利一[1]
調教師 橋田満栗東[1]
競走成績
タイトル JRA賞最優秀3歳牡馬(1998年)[1]
JRA賞最優秀短距離馬(2002年)[1]
生涯成績 23戦6勝(うち日本国外1戦0勝)[1]
獲得賞金 3億8126万4000[1]
勝ち鞍
GI 朝日杯3歳S 1998年
GI 安田記念 2002年
GIII 東京スポーツ杯3歳S 1998年
GIII 東京新聞杯 2002年
GIII 阪急杯 2002年
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アドマイヤコジーン:Admire Cozzene:喜高善)とは日本の元競走馬持込馬)である。

戦績

1998年にデビュー。デビュー2戦目を大差で勝ち上がり、東京スポーツ杯3歳ステークス朝日杯3歳ステークスと3連勝でGIを制した。これらの活躍により、この年のJRA賞最優秀3歳牡馬(旧称。現在のJRA賞最優秀2歳牡馬)に選ばれた。

しかし、翌年の1月に右トモを骨折し(手術でボルトが埋め込まれる)、長期休養を余儀なくされると、復帰を前に今度は左トモを骨折、休養のため1年7ヵ月もの間レースから遠ざかることになった。

2000年、函館のUHB杯から始動するも4着に敗れ、それからも函館記念札幌記念富士ステークス京阪杯シリウスステークスと立て続けに重賞に出走するが、結局この年は1勝も挙げることができなかった。

2001年阪急杯を皮切りに、短距離競走に出走し続けるが福島民報杯(オープン競走)の2着が最高で、この年も勝ち星は無かった。

2002年主戦騎手上村洋行から後藤浩輝に替わった。すると、この年の初戦となった東京新聞杯で10番人気ながら久々の勝利を挙げ、次走の阪急杯も勝利して重賞を連勝した。久々のGIレースとなった高松宮記念は2番人気に推されたが、ショウナンカンプから3馬身半差の2着、しかし続く安田記念では大外枠からのスタートながら直線は早めに抜け出し、追い込んできたダンツフレームを首差抑えて優勝、朝日杯3歳ステークス以来約3年半ぶりのGI勝利を挙げた。騎乗した後藤浩輝にとってはデビュー11年目にして初の中央GI勝利であり、レース後は人目も憚らず号泣した。

安田記念後の夏は全休し、秋はスプリンターズステークスにぶっつけで出走し勝ち馬ビリーヴから半馬身差の2着、この時点で2002年は1度も連対をはずしていなかった。しかし1番人気に推されたマイルチャンピオンシップではトウカイポイントの7着に敗れ、その後は初の海外挑戦となる香港マイルに出走、鞍上には武豊を迎えるが4着に敗退し、この競走を最後に引退した。この年のJRA賞最優秀短距離馬に選ばれた。

競走成績

以下の内容は、netkeiba.com[4]、JBISサーチ[5]および香港賽馬會の情報[6]に基づく。

年月日 競馬場 競走名 頭数 枠番 馬番 オッズ
(人気)
着順 騎手 斤量 距離(馬場) タイム
(上り3F)
タイム
勝ち馬/(2着馬)
1998.10.17 京都 3歳新馬 9 1 1 02.7 0(2人) 03着 南井克巳 54 芝1400m(不) 1:26.9(37.4) -0.4 フォルナリーナ
0000.11.01 京都 3歳新馬 12 7 9 02.6 0(1人) 01着 M.ロバーツ 53 芝1600m(良) 1:36.1(37.1) -1.4 (タイクラッシャー)
0000.11.29 東京 東京スポーツ杯3歳S GIII 10 4 4 02.0 0(1人) 01着 南井克巳 54 芝1800m(良) 1:49.5(35.0) -0.2 (ビッグバイキング)
0000.12.13 中山 朝日杯3歳S GI 14 5 8 03.3 0(1人) 01着 M.ロバーツ 54 芝1600m(良) 1:35.3(35.9) -0.0 エイシンキャメロン
2000.07.09 函館 UHB杯 OP 10 2 2 05.3 0(3人) 04着 横山典弘 57 芝1800m(良) 1:49.7(35.2) -0.4 ダイワカーリアン
0000.07.23 函館 函館記念 GIII 16 8 16 03.1 0(1人) 06着 横山典弘 56 芝2000m(稍) 2:03.1(36.8) -0.4 クラフトマンシップ
0000.08.20 札幌 札幌記念 GII 14 8 14 05.4 0(3人) 11着 後藤浩輝 56 芝2000m(良) 2:01.0(36.1) -1.1 ダイワカーリアン
0000.10.21 東京 富士S GIII 16 6 11 15.5 (10人) 08着 後藤浩輝 56 芝1600m(良) 1:34.5(35.8) -0.6 ダイワカーリアン
0000.11.25 京都 京阪杯 GIII 18 6 12 12.8 0(7人) 08着 芹沢純一 56 芝1800m(良) 1:45.8(34.6) -0.6 ジョウテンブレーヴ
0000.12.09 阪神 シリウスS GIII 16 4 8 15.2 0(4人) 11着 上村洋行 56 ダ1400m(良) 1:24.4(37.4) -1.1 マイネルブライアン
2001.02.25 阪神 阪急杯 GIII 14 4 6 42.1 0(9人) 03着 上村洋行 57 芝1200m(良) 1:09.0(34.9) -0.3 ダイタクヤマト
0000.04.01 中山 ダービー卿CT GIII 14 5 9 10.5 0(4人) 06着 上村洋行 57 芝1600m(稍) 1:36.1(35.7) -0.9 チェックメイト
0000.04.22 福島 福島民報杯 OP 16 4 8 04.5 0(2人) 02着 上村洋行 57 芝1200m(良) 1:09.8(35.8) -0.0 ラムジェットシチー
0000.05.06 京都 栗東S OP 12 6 8 12.5 0(7人) 07着 上村洋行 57 ダ1200m(良) 1:11.5(36.9) -0.6 ゴールドメーカー
0000.06.10 函館 UHB杯 OP 11 7 9 04.8 0(3人) 07着 上村洋行 55 芝1200m(良) 1:10.5(36.5) -0.5 タイキトレジャー
0000.07.01 函館 函館スプリントS GIII 14 4 6 29.8 0(9人) 12着 上村洋行 56 芝1200m(稍) 1:12.0(37.6) -2.5 メジロダーリング
2002.01.27 東京 東京新聞杯 GIII 12 7 9 44.8 (10人) 01着 後藤浩輝 55 芝1600m(不) 1:37.7(36.3) -0.1 ディヴァインライト
0000.02.24 阪神 阪急杯 GIII 16 2 3 05.7 0(2人) 01着 後藤浩輝 57 芝1200m(良) 1:07.9(34.4) -0.6 (ダンツキャスト)
0000.03.24 中京 高松宮記念 GI 18 5 9 03.6 0(2人) 02着 後藤浩輝 57 芝1200m(良) 1:09.0(36.0) -0.6 ショウナンカンプ
0000.06.02 東京 安田記念 GI 18 8 18 15.8 0(7人) 01着 後藤浩輝 58 芝1600m(良) 1:33.3(35.4) -0.0 ダンツフレーム
0000.09.29 新潟 スプリンターズS GI 11 7 9 05.7 0(3人) 02着 後藤浩輝 57 芝1200m(良) 1:07.8(33.9) -0.1 ビリーヴ
0000.11.17 京都 マイルCS GI 18 6 12 02.7 0(1人) 07着 後藤浩輝 57 芝1600m(良) 1:33.1(34.8) -0.3 トウカイポイント
0000.12.15 沙田 香港マイル GI 12 2 3 06.1 0(3人) 04着 武豊 57 芝1600m(GF) 1:35.1(00.0) -0.2 Olympic Express
  • 香港マイルのオッズおよび人気は、香港賽馬會によるもの。また、「Draw」が枠番、「Horse No.」が馬番に該当。
  • 馬場状態:Fm=Firm, GF=Good to Firm, Gd=Good, GS=Good to Soft, Y=Yielding, Sft=Soft, Hy=Heavy

引退後

現役引退後は種牡馬となり、2003年から2010年まで北海道安平町社台スタリオンステーションで繋養される。2010年の種付けシーズン終了後に新ひだか町レックススタッドに移動し、2011年からこの地で供用される。2006年の新種牡馬サイアーランキング1位。2007年には初年度産駒のアストンマーチャンがスプリンターズステークスを制し、産駒のGI初勝利をあげた。

産駒の傾向としては芝向きのスピードタイプで、自身と同様に短距離戦で活躍するスプリンターが多い。

2015年の種付けシーズン途中、生殖能力の低下により種牡馬を引退することが発表された。スノードラゴンの活躍で再注目され種付け依頼が集まったが、体調が戻らず断念したと報道されている。引退後は日高町のクラウン日高牧場で功労馬として繋養され[7][8]、2017年6月6日朝にクラウン日高牧場で大動脈破裂のため死亡した。21歳没[9]

主な産駒

アストンマーチャン(2004年産)
スノードラゴン(2008年産)

母の父としての主な産駒

血統表

アドマイヤコジーン(喜高善 / Admire Cozzene)血統 (血統表の出典)[§ 1]
父系 カロ系
[§ 2]

Cozzene
1980 芦毛
父の父
Caro
1967 芦毛
*フォルティノ Grey Sovereign
Ranavalo
Chambord Chamossaire
Life Hill
父の母
Ride the Trails
1971 鹿毛
Prince John Princequillo
Not Afraid
Wildwook Sir Gaylord
Blue Canoe

アドマイヤマカディ
1991 栗毛
*ノーザンテースト
Northern Taste
1971 栗毛
Northern Dancer Nearctic
Natalma
Lady Victoria Victoria Park
Lady Angela
母の母
*ミセスマカディー
Mrs.Mcardy
1974 鹿毛
*トライバルチーフ Princely Gift
Mwanza
Hanina Darling Boy
Blue Sash
母系(F-No.) (FN:14-b) [§ 3]
5代内の近親交配 Nasrullah5×5、Lady Angela 5・4(母内) [§ 4]
出典
  1. ^ JBISサーチ アドマイヤコジーン 5代血統表2017年8月31日閲覧。
  2. ^ netkeiba.com アドマイヤコジーン 5代血統表2017年8月31日閲覧。
  3. ^ JBISサーチ アドマイヤコジーン 5代血統表2017年8月31日閲覧。
  4. ^ JBISサーチ アドマイヤコジーン 5代血統表2017年8月31日閲覧。


祖母ミセスマカディーは1977年1000ギニー馬。本邦輸入種牡馬トライバルチーフがイギリス供用時代に残した代表産駒である。産駒に本邦輸入種牡馬のアーティカス、チャンピオンステークス2着のシティダンサーがいる。晩年の1990年にダンスオブライフの仔を抱えた状態で大樹ファームに輸入され、持込馬のミセスタイキと本馬の母アドマイヤマカディの二頭の仔を残した。

母は橋田厩舎に所属していたが不出走のまま繁殖入りし、すぐさまアメリカに渡りCozzeneを配合して大樹ファームに戻り、本馬を産んだ。本馬は持込馬だったが、肝心のクラシックシーズンは故障で長期休養していた上、短距離向きの馬だったため、持込馬としての特権を活かす機会は競走生活ではほとんどなかった。なお、Cozzeneを配合したのは橋田満の提案によるものである[10]

脚注

  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p アドマイヤコジーン”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2019年8月20日閲覧。
  2. ^ ADMIRE COZZENE (CC621) - Racing Information” (英語). 香港賽馬會(The Hong Kong Jockey Club). 2019年8月4日閲覧。
  3. ^ 喜高善 (CC621) - 馬匹資料 - 賽馬資訊” (中国語). 香港賽馬會(The Hong Kong Jockey Club). 2019年8月4日閲覧。
  4. ^ アドマイヤコジーンの競走成績”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd.. 2019年8月20日閲覧。
  5. ^ アドマイヤコジーン 競走成績”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2019年8月20日閲覧。
  6. ^ RACE 7 (255) - THE HONG KONG MILE” (英語). 香港賽馬會(The Hong Kong Jockey Club). 2019年8月4日閲覧。
  7. ^ アドマイヤコジーンが種牡馬引退 - 競走馬のふるさと案内所  2015年4月20日閲覧
  8. ^ アドマイヤコジーンが種牡馬引退…スノードラゴンやアストンマーチャンを輩出 - 競馬TIMES
  9. ^ アドマイヤコジーンが死亡 21歳、GIを2勝 サンスポ競馬より 2017年6月6日閲覧
  10. ^ 『優駿』1999年1月号、日本中央競馬会、150頁

外部リンク