天真正伝香取神道流
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
天真正伝香取神道流(てんしんしょうでんかとりしんとうりゅう)とは室町時代中期に飯篠家直によって創始された武術流儀で兵法三大源流の一つである。神道流、香取神道流とも呼ばれる。古い伝書では香取新当流となっているものもある。旧字表記では天眞正傳香取神道流。
※神道夢想流杖術の併伝武術として伝えられている剣術も神道流という名称だが、上記の神道流とは別系統のものである。
目次 |
[編集] 流儀の内容
剣術、居合、柔術、棒術、槍術、薙刀術、手裏剣術等に加えて、築城、風水、忍術等も伝承されている、まさに総合武術である。
打太刀と仕太刀が何度も何度も技を繰り出し合うという独特な長い形を数多く持つ。
現存最古の武術流儀であり、その意味で貴重な名流である。
◎剣術(太刀術)
・表之太刀(四ヶ条)
1 五津之太刀(いつつのたち)
2 七津之太刀(ななつのたち)
3 神集之太刀(かすみのたち)
4 八神之太刀(はっかのたち)
・五行之太刀(五ヶ条)
1 三津之太刀(みっつのたち)
2 四津之太刀(よっつのたち)
3 陰之太刀(いんのたち)
4 捨之太刀(しゃのたち)
5 發之太刀(はつのたち)
◎両刀術(四ヶ条)
1 永月之太刀(えいげつのたち)
2 水月之太刀(すいげつのたち)
3 磯浪之太刀(いそなみのたち)
4 村雲太刀(むらくものたち)
◎極意小太刀術(三ヶ条)
1 清眼之小太刀(せいがんのこだち)
2 水月之小太刀(すいげつのこだち)
3 半月之小太刀(はんげつのこだち)
◎居合術
・表居合術(六ヶ条)
1 草薙之剣(くさなぎのけん)
2 抜附之剣(ぬきつけのけん)
3 抜討之剣(ぬきうちのけん)
4 右剣(うけん)
5 左剣(さけん)
6 八方剣(はっぽうけん)
・立居合術(五ヶ条)
1 行合逆抜之太刀(いきあいぎゃくぬきのたち)
2 前後千鳥之太刀(ぜんごちどりのたち)
3 行合右千鳥之太刀(いきあいみぎちどりのたち)
4 逆抜之太刀(ぎゃくぬきのたち)
5 抜討之太刀(ぬきうちのたち)
・極意居合術(五ヶ条)
1 雲切之剣(くもきりのけん)
2 半月之剣(はんげつのけん)
3 無一之剣(むいつのけん)
4 無二之剣(むにのけん)
5 清眼之太刀(せいがんのたち)
◎棒術(表之棒術・六ヶ条)
1 迫合之棒(せりあいのぼう)
2 臑挫之棒(すねひしぎのぼう)
3 左右之棒(さゆうのぼう)
4 笠研乏棒(かさはずしのぼう)
5 刎釣瓶之棒(はねつるべのぼう)
6 立浪之棒(たちなみのぼう)
◎薙刀術(表之薙刀・四ヶ条)
1 五津之長刀(いつつのなぎなた)
2 七津之長刀(ななつのなぎなた)
3 霞之長刀(かすみのなぎなた)
4 八箇之長刀(はっこのなぎなた)
◎槍術(六ヶ条)
1 飛龍之槍(ひりゅうのやり)
2 去龍之槍(きょりゅうのやり)
3 突留之槍(つきどめのやり)
4 楊矢之槍(あんやのやり)
5 電光之槍(でんこうのやり)
6 夜之矢槍(よるのややり)
◎柔術(三十六ヶ条)
通拳、内取手、外取手、木葉返、無左足、片衣紋、両衣紋、衣搾、枯木折、鬼抑、天狗返、闇之夜、佐寿留、疑寳珠返、滝落、七里引、姿見、羽衣搾、夢枕、臂金、猿子絞、鳥羽外折、鹿之一足、山落、袖車、立横聲、胴搾、引搾、将棋倒折、逆指、首搾、鷲之羽落、空向伏、片羽子抑、鬼木離、御膳取。
◎その他
手裏剣術、忍術、風水術、築城術
(各術に七條、八箇、九重の極意秘傳有り)
[編集] 歴史
- 室町時代中期、「天真正伝神道流」として飯篠家直が創始
- 以後「神慮神道流」「天真正伝神刀流」などを経て現在の名称に落ち着く
- 1941年、『天眞正傳香取神道流武道教範』(神田書房)出版
- 1960年、千葉県の無形文化財に指定される
- 1977年6月1日、『無形文化財香取神道流』全3巻(港リサーチ)出版
[編集] 関連流儀
埼玉県熊谷市上川原地区に神道香取流棒術と称して表裏24手の形が伝承されており、地域の祭りや行事で披露されている。
同流儀は現在では棒術とされているが伝書等古い記録には香取流剣術とかかれており、技法は剣術そのものである。伝承、記録によると、上川原地区に同流儀を伝えたのは17世紀頃の中津川亦右衛門と言う人物である。
その技法は成田市の天真正伝香取神道流と同じく軽い木刀を使用し、ひとつひとつの形は他流に比べて長い。
[編集] 関連項目
[編集] 神道流を修めた人物
[編集] 外部リンク
- 天真正伝香取神道流(千葉県指定無形文化財)(千葉県成田市のサイト内のPDF)
- 上川原の棒術

