地中海性気候

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E 寒帯   ET EF
D 亜寒帯 Dfa Dfb Dfc Dfd Dwa Dwb Dwc Dwd Dsa Dsb Dsc Dsd  
C 温帯 Cfa Cfb Cfc   Cwa Cwb Cwc Csa Csb Csc  
B 乾燥帯   BSh BSk BWh BWk
A 熱帯 Af Am Aw As  
エルムポリキクラデス地方)の町並み
スペインのオリーブ農園

地中海性気候(ちちゅうかいせいきこう)とはケッペンの気候区分における気候区のひとつで温帯に属する。記号はCsa,Csb,CscでCは温帯、sは夏季乾燥(sommertrocken)を示す。

フローンの気候区分における亜熱帯冬雨帯(記号:PW)に相当する[1]。またアリソフの気候区分でも地中海性気候と呼ばれることのある気候帯4-3.亜熱帯西岸気候に相当する[2]

目次

特徴 [編集]

  • 地中海沿岸をはじめとする中緯度の大陸西岸に分布。
  • 冬に一定の降雨があるが、夏は日ざしが強く乾燥する。
  • 土壌は石灰岩の風化によってできたテラロッサが広く分布、乾燥に強いオリーブブドウなどの果物、柑橘類などの栽培、牧畜が広く行われている。
  • この気候区は温暖なことからリゾートとして発展している場所も多く、乾燥する夏季を中心に世界各地から多くの人が訪れる。

条件 [編集]

サンティアゴの雨温図
アルジェの雨温図
  • 最寒月平均気温が-3℃以上18℃未満。
  • 最暖月平均気温が10℃以上。
  • 年平均降水量が乾燥限界以上。
  • 最多雨月が冬にあり、3×最少雨月降水量<最多雨月降水量かつ最少雨月降水量が30mm未満。

さらに、最暖月平均気温によって次の3つに分けられる。

  • Csa - 最暖月平均気温が22℃以上。
  • Csb - 最暖月平均気温が10℃以上22℃未満かつ月平均気温10℃以上の月が4か月以上。
  • Csc - 最暖月平均気温が10℃以上22℃未満かつ月平均気温10℃以上の月が3か月以下。

Cscはごく限られた地域のみに点在する。

Csaをオリーブ気候、Csb,Cscをエリカ気候ともいう。

ケッペンが当初発表した条件では、「最少雨月降水量が30mm未満」という文言はなく、条件通りに当てはめると、日本新潟県上越市高田が地中海性気候に区分されてしまうという問題が発生した[3]。そのため、1936年に「最少雨月降水量が30mm未満」という条件が付け加えられた[3]

分布 [編集]

地中海性気候(Cs)の世界的な分布

地中海沿岸および回帰線よりもやや高緯度となる北緯30 - 50°、南緯20 - 40°の大陸西岸部に分布。

典型的な分布地域 [編集]

平均的な年降水量は600mm前後、年平均気温15℃前後で年較差は小さい。

主な都市 [編集]

気候の特色 [編集]

夏は亜熱帯高圧帯に入るため乾燥。冬は亜寒帯低圧帯に入り、暖流から水分を供給された偏西風の影響で雨が多くなる。前線帯の緯度が季節とともに移動することで、夏だけ亜熱帯と類似した気候になるものと言える。名称に反して、内海の存在はこの気候を構成する要素として重要ではない。

大陸の東海岸ではモンスーンの影響が大きくなるため、この気候は原則としてみられない。

植生 [編集]

温度、降水量は森林を維持するに充分である。冬季も緯度の割にあまり寒くないので常緑広葉樹林となる。しかし植物の成長する温暖な期間に小雨であるため、乾燥に対する適応が強く見られる。樹高は低く、せいぜい15m程度。オリーブなど葉が小さくて硬いものが多い。そのため、この型の森林を硬葉樹林という。しかし、現在ではほとんど残っていない[要出典]

土壌の特色 [編集]

比較的やせた赤色土や黄色土、地中海沿岸には石灰岩が風化してできたテラロッサが分布している。

産業の特色 [編集]

この気候区では夏の乾燥を利用した耐干性の樹木性作物(オリーブブドウなど)、冬の降雨を利用した冬小麦栽培が行われるほか、乾燥して牧草の育たない夏に家畜を高山へ移動する移牧が行われる。これらを組み合わせた混合農業が地中海式農業である。オレンジレモンイチジクコルクガシ月桂樹などが栽培、オリーブ油ワインなどが多く出荷されている。

また、この気候区は夏にまばゆい太陽が輝くことから太陽に恵まれない地域の人々の保養地としても栄えている。代表的な土地として南欧(マルタ島エーゲ海など)、南フランス(コート・ダジュール)などがあげられる。

脚注 [編集]

注釈
  1. ^ ロサンゼルスは海岸沿いやダウンタウンでは地中海性気候であるが、郊外の内陸部ではステップ気候砂漠気候になるところもある。
出典
  1. ^ 矢澤(1989):306ページ
  2. ^ 福井(1973):96ページ、矢澤(1989):354ページ
  3. ^ a b 仁科(2007):77ページ

参考文献 [編集]

関連項目 [編集]