亀有

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亀有
町丁
亀有駅
地図北緯35度46分00秒 東経139度50分52秒 / 北緯35.766622度 東経139.847675度 / 35.766622; 139.847675
座標位置:亀有駅付近
日本の旗 日本
都道府県 東京都の旗 東京都
特別区 葛飾区
地域 亀有・青戸地域
人口情報2023年(令和5年)1月1日現在[1]
 人口 27,010 人
 世帯数 14,580 世帯
面積[2]
  1.371646383 km²
人口密度 19691.66 人/km²
郵便番号 125-0061[3]
市外局番 03(東京MA[4]
ナンバープレート 葛飾
ウィキポータル 日本の町・字
東京都の旗 ウィキポータル 東京都
ウィキプロジェクト 日本の町・字
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亀有(かめあり)は、東京都葛飾区北部にある地名。現行行政町名は亀有一丁目から亀有五丁目。住居表示実施済区域。

地理[編集]

以前の亀有地域は、日立製作所や日本紙業(現:日本大昭和板紙)、三共(現:第一三共)などの工場を擁する工業地域だった。現在、これらの工場は撤退し、主にJR常磐線亀有駅を中心とした商店街と閑静な住宅街から形成されている。

また、亀有駅を中心とした生活エリア全体を隣接する足立区域も含め、亀有と呼ぶケースもある。

中川の西岸に位置し、北は足立区に接している。隣接する行政上の町名は、北は足立区中川および東和、東は中川を挟んで対岸に新宿(にいじゅく)、南は青戸白鳥(しらとり)、西は西亀有である。西亀有は1965年の住居表示実施までは砂原町と呼ばれた地域である。南東の青戸の向こうには国道6号が通る。

なお、地名から「カメ」に因んだ物品・モニュメントも地域内に多く存在する。

地価[編集]

住宅地の地価は、2023年令和5年)1月1日公示地価によれば、亀有2-18-7の地点で35万円/m2となっている[5]

再開発[編集]

アリオ亀有

地域北部にあるJR常磐線亀有駅を中心とした地域は、葛飾区内でも有数の商業地域であり、かつては駅周辺に狭小な商店街が連なっていた。

約20年に及ぶ南口再開発事業の末、1996年に4棟の商業ビル、マンション駐車場等を擁するリリオ商店街が開業した。当初は西友亀有西武店での出店を予定していたが、バブル崩壊で出店中止となり、再開発事業は1年近く頓挫。結局、核テナントとしてイトーヨーカドーが出店した。そのほか、多目的ホール「かめあり リリオ・ホール」や葛飾区亀有地区センター(亀有区民事務所、集会所等)などが所在する。

亀有は、南北両側の商店街に下町のかおりを色濃く残しているが、この再開発で大きく変わりつつある。さらに、2006年3月3日にリリオ以来の大規模再開発として日本板紙亀有工場跡地に大規模ショッピングセンターアリオ亀有」が開業し、商業地域はますます活況を呈している。

治安・風紀の維持[編集]

2012年、東京都は亀有三丁目および五丁目を都迷惑防止条例に基づき、客引きスカウトのみならず、それらを行うために待機する行為なども禁止する区域に指定した[6]。 さらに2019年には同じく亀有三丁目および五丁目を暴力団排除条例に基づき、暴力団排除特別強化地域に指定[7]。地域内では暴力団と飲食店等との間で、みかじめ料のやりとりや便宜供与などが禁止され、違反者は支払った側であっても懲役1年以下または罰金50万円以下の罰則が科される[8]

地名の由来[編集]

この地域はかつて亀無・亀梨(かめなし)と呼ばれていた。応永5年(1398年)の『下総国葛西御厨注文』で「亀無」、永禄2年(1559年)の『小田原衆所領役帳』で「亀梨」の表記が見られる[9]。この名は、低湿地帯の中に「亀」の甲羅の形を「成す」土地だからということで付けられたといわれている[10]

この地名は「無し」に通じて縁起が悪いとされ、江戸時代初期(1644年頃)に『正保国絵図』を作成する為の報告書提出の際、現在の名に改められた[10]

登場作品[編集]

サンバ両さん像(2010年建立)

世帯数と人口[編集]

2023年(令和5年)1月1日現在(東京都発表)の世帯数と人口は以下の通りである[1]

丁目 世帯数 人口
亀有一丁目 2,182世帯 4,168人
亀有二丁目 3,371世帯 6,054人
亀有三丁目 3,945世帯 7,546人
亀有四丁目 2,069世帯 3,966人
亀有五丁目 3,013世帯 5,276人
14,580世帯 27,010人

人口の変遷[編集]

国勢調査による人口の推移。

人口推移
人口
1995年(平成7年)[12]
22,154
2000年(平成12年)[13]
22,220
2005年(平成17年)[14]
22,559
2010年(平成22年)[15]
25,123
2015年(平成27年)[16]
25,442
2020年(令和2年)[17]
26,303

世帯数の変遷[編集]

国勢調査による世帯数の推移。

世帯数推移
世帯数
1995年(平成7年)[12]
9,546
2000年(平成12年)[13]
9,960
2005年(平成17年)[14]
10,174
2010年(平成22年)[15]
11,796
2015年(平成27年)[16]
12,176
2020年(令和2年)[17]
13,172

学区[編集]

区立小・中学校に通う場合、学区は以下の通りとなる(2021年4月時点)[18][19]

丁目 番地 小学校 中学校
亀有一丁目 1~4番
7番
葛飾区立白鳥小学校 葛飾区立亀有中学校
12~28番 葛飾区立道上小学校
5〜6番
8〜11番
葛飾区立亀青小学校
亀有二丁目 全域
亀有三丁目 35~37番
41番
49〜56番
1〜25番
30〜34番
38〜40番
葛飾区立道上小学校
26〜29番
42〜48番
葛飾区立中之台小学校 葛飾区立一之台中学校
亀有四丁目 6~7番
11~14番
23~30番
葛飾区立道上小学校
4〜5番
8〜10番
15〜22番
31〜40番
葛飾区立亀有中学校
1〜3番 葛飾区立上千葉小学校
亀有五丁目 全域 葛飾区立中之台小学校 葛飾区立一之台中学校

事業所[編集]

2021年(令和3年)現在の経済センサス調査による事業所数と従業員数は以下の通りである[20]

丁目 事業所数 従業員数
亀有一丁目 84事業所 707人
亀有二丁目 179事業所 1,411人
亀有三丁目 681事業所 8,688人
亀有四丁目 116事業所 1,013人
亀有五丁目 343事業所 2,853人
1,403事業所 14,672人

事業者数の変遷[編集]

経済センサスによる事業所数の推移。

事業者数推移
事業者数
2016年(平成28年)[21]
1,474
2021年(令和3年)[20]
1,403

従業員数の変遷[編集]

経済センサスによる従業員数の推移。

従業員数推移
従業員数
2016年(平成28年)[21]
14,206
2021年(令和3年)[20]
14,672

交通[編集]

鉄道[編集]

新たな鉄道路線として東京地下鉄有楽町線の延伸計画や環七高速鉄道の建設計画がある。

道路・橋梁[編集]

施設[編集]

行政[編集]

警察署[編集]

  • 亀有警察署新宿四丁目に所在) - 隣接する新宿(にいじゅく)に所在する。当初は寺島警察署亀有分署として設置、亀有警察署に格上げ後に葛飾警察署に改称、本田警察署(現在の葛飾警察署)を分離した際に再度亀有警察署と改称し、現在の「花蔵」(日本蕎麦店)の位置に移転。どちらも旧水戸街道に面している。
    • 亀有警察署の当初の設置場所には後にイトーヨーカ堂亀有店が出店した。イトーヨーカ堂は亀有駅南口再開発後に駅前に移転し、建物はジャパンホームバリューとなったが、2009年以降はマンションが建てられた。

消防署[編集]

教育[編集]

  • 葛飾区立道上小学校(亀有四丁目)
  • 葛飾区立中之台小学校(亀有五丁目)
  • 葛飾区立亀青小学校(青戸八丁目)
  • 葛飾区立亀有中学校(亀有四丁目)
  • 東京都立葛飾野高等学校(亀有一丁目)
  • 葛飾区立亀有児童館(亀有一丁目)

文化[編集]

  • 葛飾区立亀有図書館(亀有一丁目)
  • 葛飾区亀有地区センター(亀有三丁目)
  • かめありリリオホール(亀有三丁目)
  • 亀有学び交流館(旧・社会教育館お花茶屋三丁目)
  • 亀有集い交流館(亀有一丁目)
  • 亀有北集い交流館(亀有五丁目)
  • 亀有東集い交流館(亀有五丁目)

商業・企業[編集]

  • リリオ商店街(亀有三丁目)
    • イトーヨーカドー亀有駅前店
    • ノジマ亀有店
  • アリオ亀有[1](亀有三丁目)
  • 亀有銀座商店街(ゆうろーど)[2](亀有三丁目)
  • 亀有中央商店街[3](亀有三丁目)
  • 亀有前津本通り商店街(亀有二丁目)
  • 亀有上宿商店街[4](亀有二丁目)
  • 亀有北口商店街(亀有五丁目)

医療機関[編集]

郵便局・金融機関[編集]

寺社[編集]

その他[編集]

歴史[編集]

江戸時代は水戸黄門像が立地する場所に水戸街道の一里塚が置かれるなど、交通の要衝だったが、大部分は明治になってもひなびた農村だった。明治に入り、地域は南葛飾郡亀有村となり、1889年町村制施行に伴う再編でその大部分は青戸村と合併して亀青村の一部となった。1919年に日本紙器製造(→日本紙業→日本大昭和板紙)亀有工場が、1938年には日立製作所亀有工場が進出するなど、大正以降、特に関東大震災以降に工業地域として発展した。1932年に亀青村が東京市に編入され、地域は新たに成立した葛飾区の一部となった。

第二次世界大戦では被害がほとんどなかったため、戦後は都心部から人口が流入し、急速に住宅地化が進んだ。特に江東区墨田区台東区荒川区などからの流入が多く、下町の気風はこの地に移転したかの観がある。これは葛飾区全体に言えることである。

その他[編集]

日本郵便[編集]

脚注[編集]

  1. ^ a b 住民基本台帳による東京都の世帯と人口(町丁別・年齢別)  令和5年1月” (CSV). 東京都 (2023年4月6日). 2023年12月17日閲覧。 “(ファイル元のページ)(CC-BY-4.0)
  2. ^ 『国勢調査町丁・字等別境界データセット』(CODH作成)”. CODH. 2023年12月29日閲覧。(CC-BY-4.0)
  3. ^ a b 亀有の郵便番号”. 日本郵便. 2023年11月17日閲覧。
  4. ^ 市外局番の一覧”. 総務省. 2019年6月24日閲覧。
  5. ^ 国土交通省地価公示・都道府県地価調査”. 国土交通省. 2023年12月29日閲覧。
  6. ^ 客引き等の相手方となるべき者を待つ行為を規制する区域の指定について”. 警視庁ホームページ (2016年3月11日). 2022年8月30日閲覧。
  7. ^ 暴力団排除特別強化地域”. 警視庁 (2019年). 2022年8月30日閲覧。
  8. ^ 東京都暴力団排除条例”. 東京都ホームページ (2019年). 2022年8月30日閲覧。
  9. ^ 亀有香取神社 御祭神・御由来・御神徳
  10. ^ a b c フジテレビトリビア普及委員会『トリビアの泉〜へぇの本〜 6』講談社、2004年。 
  11. ^ 【東京地名研究室】亀有(葛飾区)もともとは「亀無」「亀梨」『産経新聞』朝刊2019年2月3日(東京面)。
  12. ^ a b 平成7年国勢調査の調査結果(e-Stat) - 男女別人口及び世帯数 -町丁・字等”. 総務省統計局 (2014年3月28日). 2019年8月16日閲覧。
  13. ^ a b 平成12年国勢調査の調査結果(e-Stat) - 男女別人口及び世帯数 -町丁・字等”. 総務省統計局 (2014年5月30日). 2019年8月16日閲覧。
  14. ^ a b 平成17年国勢調査の調査結果(e-Stat) - 男女別人口及び世帯数 -町丁・字等”. 総務省統計局 (2014年6月27日). 2019年8月16日閲覧。
  15. ^ a b 平成22年国勢調査の調査結果(e-Stat) - 男女別人口及び世帯数 -町丁・字等”. 総務省統計局 (2012年1月20日). 2019年8月16日閲覧。
  16. ^ a b 平成27年国勢調査の調査結果(e-Stat) - 男女別人口及び世帯数 -町丁・字等”. 総務省統計局 (2017年1月27日). 2019年8月16日閲覧。
  17. ^ a b 令和2年国勢調査の調査結果(e-Stat) -男女別人口,外国人人口及び世帯数-町丁・字等”. 総務省統計局 (2022年2月10日). 2022年2月20日閲覧。
  18. ^ 葛飾区小学校通学区域一覧”. 葛飾区 (2021年4月8日). 2023年12月29日閲覧。
  19. ^ 葛飾区中学校通学区域一覧”. 葛飾区 (2015年12月16日). 2023年12月29日閲覧。
  20. ^ a b c 経済センサス‐活動調査 / 令和3年経済センサス‐活動調査 / 事業所に関する集計 産業横断的集計 事業所数、従業者数(町丁・大字別結果)”. 総務省統計局 (2023年6月27日). 2023年9月15日閲覧。
  21. ^ a b 経済センサス‐活動調査 / 平成28年経済センサス‐活動調査 / 事業所に関する集計 産業横断的集計 都道府県別結果”. 総務省統計局 (2018年6月28日). 2019年10月23日閲覧。
  22. ^ 郵便番号簿 2022年度版” (PDF). 日本郵便. 2023年10月28日閲覧。

外部リンク[編集]