クリエイティブ・コモンズ・ライセンス
クリエイティブ・コモンズ・ライセンス(英語: Creative Commons license)とは著作権のある著作物の配布を許可する数種類あるパブリック・ライセンスの一つである。このライセンスが使用されるのは作者が自作品を他者に共有、使用、二次創作の権利を付与したい場合である。クリエイティブ・コモンズは作者に対して柔軟(例として自作品を非商用のみでの使用許可を選ぶことが出来る)に提供し、著作物を使用、再分布するユーザーを守っているので、作者が指定した条件を守る限り著作権侵害を心配する必要がない。
このライセンスは数種類あり、いくつかの頒布条件の組み合わせで異なる。2001年に設立した、アメリカ合衆国の非営利団体であるクリエイティブ・コモンズが2002年12月16日に最初のリリースを行った。
目次 |
オリジナルライセンス [編集]
2011年7月現在、クリエイティブ・コモンズ・ライセンスは世界50以上の異なる管轄地域で適用されているが、ライセンススイートバージョン4.0の準備を始めているため新たな適用は行なっていない[1]。
ライセンスのオリジナルセットは全て、著作権がある著作物を無料で配布する権利といった「基準となる権利」を承諾している[2]。バージョンに依存し、4つの条件を選択できる各ライセンスの詳細は以下の通り。
| 表示 (Attribution, BY) |
作品を複製、頒布、展示、実演を行うにあたり、著作権者の表示を要求する。 | |
| 非営利 (Noncommercial, NC) |
作品を複製、頒布、展示、実演を行うにあたり、非営利目的での利用に限定する。 | |
| 改変禁止 (No Derivative Works, ND) |
作品を複製、頒布、展示、実演を行うにあたり、いかなる改変も禁止する。 | |
| 継承 (Share Alike, SA) |
クリエイティブ・コモンズのライセンスが付与された作品を改変・変形・加工してできた作品についても、元になった作品のライセンスを継承させた上で頒布を認める。 |
組み合わせ [編集]
これらの条件の混合や整合で16の組み合わせが可能であるが、このうち11の組み合わせが正当なクリエイティブ・コモンズ・ライセンスで残りの5つは適合しない。その5つの不適合な組み合わせとは相互に排他的な「nd」と「sa」条件を組み合わせた4つやどの条項も含まない残り1つである。対する11の適合する組み合わせのうち「by」の無い5つはライセンサーの98%がウェブサイト上でのリファレンスを利用可能なままにするために表示を求めているため廃止されている[3][4][5]。以下6つのライセンスが通常使用されている。:
| • 表示 (by) | |
| • 表示 + 改変禁止 (by-nd) | |
| • 表示 + 継承 (by-sa) | |
| • 表示 + 非営利 (by-nc) | |
| • 表示 + 非営利 + 改変禁止 (by-nc-nd) | |
| • 表示 + 非営利 + 継承 (by-nc-sa) |
例として表示(BY)ライセンスは原作者の表示をする限り商用利用であっても共有や改変(二次創作物の製作)が許容される[6]。
表示 [編集]
2004年より全ライセンスにおいて原作者の表示が義務付けられている[4]。この「表示」は「利用可能な情報を使用する最大限の能力」に付与しなくてはならない[7]。通常、次のようなことを意味している:
- 著作権情報を含ませる(該当する場合) - もし著作物に著作権所持者による著作権情報が含まれている場合、それらの情報はその状態で保持するか著作物を再出版する時にメディアに合理的な方法で再現する必要がある。
- 作者名、芸名、ユーザーIDなどを引用する - もしインターネット上で公開する場合、作者名の所で(ある場合)その人物のプロフィールページにリンクした方がいい。
- 著作物のタイトルもしくは名前を引用する(該当する場合)、もしある場合。 - もしインターネット上で公開する場合、タイトルもしくは名前をオリジナル作品に直接リンクしたほうがいい。
- 著作者の下に特定のCCライセンスを引用する - もしインターネット上で公開する場合、ライセンスの引用をクリエイティブ・コモンズのライセンスページにリンクしたほうがいい。
- もし二次創作物もしくは翻案である場合に告知する - 上記に加えて、著作物が二次創作物であることを識別する必要がある。例として「これは[作者]の[原作品]の完訳版です。」「[作者]の[原作品]を元にした脚本です」など。
非商用ライセンス [編集]
いくつかのクリエイティブ・コモンズ・ライセンスに含まれる「非商用」条件は定義をめぐって議論になっている[8]。非商用のセッティングやアプリケーションと考えられるものの制限は他の寛容なフリーソフトウェアライセンスを推進しているオープンコンテントの根幹とは異なるため時々その定義が不明瞭になっている[9]。
該当する作品 [編集]
クリエイティブ・コモンズ・ライセンスの下でライセンスされた著作物は適用できる著作権法に準拠され[10]、クリエイティブ・コモンズ・ライセンスが書籍、演劇、映画、音楽、記事、写真、ブログ、ウェブサイトといった著作権の概念があるすべての著作物に適用させることが出来る。しかしクリエイティブ・コモンズはクリエイティブ・コモンズ・ライセンスをソフトウェアに適用させることは推奨していない[11]。
過去のライセンス [編集]
廃止もしくは批判があったことが原因で過去に提供されていたクリエイティブ・コモンズ・ライセンスで使われなくなり[12][3]、新たな著作物に適用させることが推奨されなくなったものがある。CC0以外で表示要素が無い全てのライセンスを含むこれらの過去のライセンスは以下の通り:
- 発展途上国ライセンス: 発展途上国ライセンスとは世界銀行が所得が高くないと見なしている国にのみ適用されるライセンスである。他国の人々には完全な著作権制限が適用される[13]。
- サンプリング: 著作物の一部を宣伝行為を除きいかなる目的であろうと使用出来るが、著作物全体をコピーしたり改変することはできない[14]。
- サンプリングプラス: 著作物の一部を宣伝行為を除きいかなる目的であろうとコピーしたり改変できる。また著作物全体を非商用目的に限りコピーできる[15]。
- 非商用サンプリングプラス: 著作物の全体もしくは一部を非商用目的にコピーしたり改変できる[16]。
パブリックドメイン [編集]
ライセンスの他にクリエイティブ・コモンズは素材をCC0[17]に通してパブリックドメインとして公開する方法を提供している。CC0とは法的に可能な限りの多くの権利を世界的に放棄するための法的ツールであり2007年より開発を始め[18]、2009年にツールを公開した[19][20]。
2010年、クリエイティブ・コモンズは既にパブリックドメインになっている著作物に適用されるパブリックドメインマークを発表した[21]。CC0とパブリックドメインマークは共に、アメリカ合衆国中心にアプローチし全く別なオペレーションを共に混合する「Public Domain Dedication and Certification(PDDC;公有献呈証明)」[22]を置き換えるものである。
2011年、フリーソフトウェア財団はフリーソフトウェア・ライセンスにCC0を追加し、ソフトウェアをパブリックドメインにする推奨の方法としている[23]。
クリエイティブ・コモンズ・ライセンスを適用したコンテンツを公開しているプロジェクト(一部) [編集]
- インターネット・アーカイブ(数種類)
- アナトモグラフィー (CC BY-SA)
- アソシエーション・フォー・プログレッシブ・コミュニケーション (CC BY-SA)
- ccMixter(ほとんどCC BY-NC)
- Citizendium (CC BY-SA)
- フリーサウンド・プロジェクト(CC0, CC BY, CC BY-NC・サンプリングプラス)
- フリーミュージック・アーカイブ(数種類)
- Identi.ca (CC BY)
- Jamendo(数種類)
- カーン・アカデミー (CC BY-NC-SA)
- knol(ほとんどCC BY-SAかCC BY-NC-SA)
- マッシュルーム・オブザーバー(CC BY-SAかCC BY-NC-SA)
- オープンコースウェア (CC BY-NC-SA)
- OpenGameArt.org(CC BYやNC無しの-SA 3.0、CC0)
- セイラー財団 (CC BY)
- ウィキア(2009年6月よりCC BY-SA)
- ウィキニュース (CC BY)
- ウィキペディア(2009年6月よりCC BY-SA)
- ウィキトラベル (CC BY-SA)
- xkcd (CC BY-NC)
関連項目 [編集]
脚注 [編集]
- ^ “CC Affiliate Network”. Creative Commons. 2011年7月8日閲覧。
- ^ “Baseline Rights”. Creative Commons (2008年6月12日). 2010年2月22日閲覧。
- ^ a b “Retired Legal Tools”. Creative Commons. May 31, 2012閲覧。
- ^ a b Announcing (and explaining) our new 2.0 licenses
- ^ “Creative Commons Licenses”. Creative Commons. 2010年2月22日閲覧。
- ^ “Creative Commons — Attribution 3.0 United States”. Creative Commons (2009年11月16日). 2010年2月22日閲覧。
- ^ “Frequently Frequently Asked Questions”. Creative Commons (2010年2月2日). 2010年2月22日閲覧。
- ^ Defining Noncommercial report published"
- ^ The Case for Free Use: Reasons Not to Use a Creative Commons -NC License
- ^ “Creative Commons Legal Code”. Creative Commons (2008年1月9日). 2010年2月22日閲覧。
- ^ Creative Commons FAQ: Can I use a Creative Commons license for software?
- ^ Lessig, Lawrence (2007年6月4日). “Retiring standalone DevNations and one Sampling license”. Creative Commons. 2007年7月5日閲覧。
- ^ “Developing Nations License”. Creative Commons. 2012年4月9日閲覧。
- ^ “Sampling 1.0”. Creative Commons. 2012年4月9日閲覧。
- ^ “Sampling Plus 1.0”. Creative Commons (2009年11月13日). 2012年4月9日閲覧。
- ^ “NonCommercial Sampling Plus 1.0”. Creative Commons (2009年11月13日). 2012年4月9日閲覧。
- ^ “CC0”. Creative Commons. 2010年2月22日閲覧。
- ^ “Creative Commons Launches CC0 and CC+ Programs” (プレスリリース), Creative Commons, (2007年12月17日) 2010年2月22日閲覧。
- ^ Baker, Gavin (2009年1月16日). “Report from CC board meeting”. Open Access News. 2010年2月22日閲覧。
- ^ Expanding the Public Domain: Part Zero
- ^ Marking and Tagging the Public Domain: An Invitation to Comment
- ^ “Copyright-Only Dedication (based on United States law) or Public Domain Certification”. Creative Commons (August 20. 2009). 2010年2月22日閲覧。
- ^ “Using CC0 for public domain software”. Creative Commons (April 15. 2011). 2011年5月10日閲覧。
外部リンク [編集]
- Official site
- Full selection of licenses
- Creative Commons Licenses Compatibility Wizard
- Citizen's guide to using Creative Commons licenses
- A human readable summary of version 2.5 of the Creative Commons CC-BY-SA license. (Retrieved 2010-04-10).
- Legal code of the CC-BY-SA 3.0 License.
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