ゾルピデム

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マイスリー から転送)

ゾルピテム酒石酸ゾルピデム:zolpidem)は睡眠薬である。商品名はマイスリー非ベンゾジアゼピン系に分類され、ω1受容体に作用することで効果を示す。1992年に世界で初めてフランスで販売が開始され、日本ではアステラス製薬(開発はフランスのサノフィ・サンテラボ社、現在のサノフィ・アベンティス社)によって2000年8月から販売が始まっている。 なおマイスリーは日本での商品名。欧州ではStilnox、アメリカではAmbienという商品名で販売されている。

ゾルピデムの構造
日本国内で処方されるマイスリー5mgの錠剤

同じく睡眠薬としてよく知られたハルシオンと同様、超短時間作用型であり睡眠導入剤(寝付きの悪さの改善)として使用される。 日本では医師の処方箋なしでは入手することはできない。

目次

[編集] 効能・効果

比較的短期(大体2週間から6週間くらい)の不眠症統合失調症及び躁うつ病に伴う不眠症は除く)に用いる。 適応する不眠症としては、神経症などによる不安などからくる、入眠困難などに使われる。 ある種の不眠「早朝覚醒、夜中に何度も目が覚めるなど」には用いられない。この場合は、ベンゾジアゼピン系などの中間作用型の薬が使用される。(フルニトラゼパムなど)

成人は1日1回、就寝直前に空腹時経口投与する。投与後、ゾルピデムは速やかに胃腸吸収され、約0.7~0.9時間で血中濃度が最高値に達した後、 消失半減期、約1.7~3時間を経て速やかに減少する。 投与してから薬が効いてくると実感できるまでは最短15分。

投与量によっては、消失半減期に達しても、摂取したゾルピデムの量が多いほど残血中濃度は高くなる傾向にあるが、摂取して8時間後の血中濃度を調べると、投与量に関わらず残血中濃度はほぼゼロに近くなる。このため、摂取量により効きの具合に違いがあっても翌朝に眠気倦怠感などが非常に残りにくいのが特徴である。

血中濃度が最高値に達するまでの時間が非常に短く、また消失半減期も非常に短いのが最大の特徴である。このため、ゾルピデムは即効性短期作用型の、いわゆる“睡眠導入剤”として使われる。

[編集] 剤形

5mgおよび10mgのフィルムコート錠。

[編集] 用法・用量

通常、成人には酒石酸ゾルピデムとして1回5mg~10mgを就寝直前に経口投与する。なお、高齢者には1回5mgから投与を開始する。年齢、症状,疾患により適宜増減するが、最大量は1日10mgを超えてはいけない。また、長期に多量に服用すると、僅かながらも耐性が形成され、依存性が生じてくる恐れがあるため、注意が必要である。

[編集] 作用機序

GABA-A受容体複合体のベンゾジアゼピン結合部位(ω受容体)に働き、γ-アミノ酪酸 (GABA) の作用を増強する。ω受容体には2つのサブタイプがあり、ω1受容体は催眠鎮静作用に、ω2受容体は抗痙攣作用、抗不安作用及び筋弛緩作用に深く関与しているものと考えられている。ゾルピデムはトリアゾラムハルシオン)に代表されるベンゾジアゼピン系睡眠薬と比較してω1選択性が高く、催眠鎮静作用に比べて、抗不安作用、抗痙攣作用や、筋弛緩作用が弱いのが特徴である。また、ベンゾジアゼピン系睡眠薬に比べ、反復投与しても耐薬性、依存性が形成されにくい。

[編集] 副作用

副作用として依存性の形成、呼吸抑制、一過性前向性健忘、起床後の眠気・ふらつきなど。重症筋無力症急性狭隅角緑内障には禁忌となる。夢遊病のような事例も報告されている。アメリカ食品医薬品局 (FDA) によれば、睡眠中に車を運転しようとしたり、食事をするなど異常な行動をひき起こす危険性があることが報告されている。仏サノフィ社は、夢遊病の症例は確率が1000人に1人以下のまれな副作用であると声明を出している。

[編集] その他

また、1999年に遷延性意識障害となった人へ投与したところ意識が一時的に回復(その後薬の効果が無くなると共に昏睡状態に戻る)したことから、現在その効果についての臨床試験が行われており、一部の被験者には実際に効果が出ている報告も上がっている。

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