マンドレイク
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| European Mandrake | ||||||||||||||||||
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Mandragora officinarum (Linneus) |
マンドレイク(Mandrake)、別名マンドラゴラ(Mandragora)は、ナス科マンドラゴラ属の植物。
古くから薬草として用いられたが、魔術や錬金術の原料として登場する。根茎が幾枝にも分かれ、個体によっては人型に似る。幻覚、幻聴を伴い時には死に至る神経毒が根に含まれる。
人のように動き引き抜くと悲鳴を上げて、まともに聞いた人間は発狂して死んでしまうという伝説がある。根茎の奇怪な形状と劇的な効能から、中世ヨーロッパを中心に、上記の伝説がつけ加えられ、魔法や錬金術を元にした作品中に、悲鳴を上げる植物としてしばしば登場する。それほど珍しい植物ではないが、値段を吊り上げるために、死んだ犬と共に取引されることもあった。
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[編集] 薬効植物としてのマンドレイク
マンドレイクは地中海地域から中国西部にかけてに自生する。コイナス属又はナス科マンドラゴラ属に属し、薬用としてはMandragora officinarum L.、M. autumnalis Spreng.、M. caulescens Clarkeの3種が知られている。ともに根に数種のアルカロイドを含む。麻薬効果を持ち、古くは鎮痛薬、鎮静剤、瀉下薬(下剤・便秘薬)として使用されたが、毒性が強く、幻覚、幻聴、嘔吐、瞳孔拡大を伴い、場合によっては死に至るため現在薬用にされることはほとんどない。伝説のマンドラゴラの叫びはこの幻聴を指すと思われる。
春咲き(M. officinarum)と秋咲き(M. autumnalis)があり、伝説では春咲きが雄、秋咲きが雌とみなされたらしい。恋なすびとも呼ばれる。
仏法典に出てくる「曼荼羅華」やチョウセンアサガオの別名「マンダラゲ」とは全く関係がない。また、アメリカやカナダでMandrakeといえばMay Appleことポドヒルムのことであり、これもまた全く別属別種の薬用植物である。
[編集] 歴史上のマンドレイク
[編集] 伝承、伝説におけるマンドレイク
魔法薬や錬金術、呪術にも使われる貴重な材料であり、一説には精力剤、媚薬、または不老不死の薬の原料とも言われる。マンドレイクは完全に成熟すると自ら地面から這い出し、先端が二又に分かれた根を足のようにして辺りを徘徊し始める。その容貌はゴブリンやコボルトに似て醜いものとされる。
命を落とすことなく引き抜く方法として、以下のような方法が伝えられている。まず自分になついている犬を紐でマンドレイクに繋いで、自分は遠くへ行きそこから犬を呼び寄せる。すると犬は自分のもとに駆け寄ろうとするので、その勢いでマンドレイクが抜ける。犬は悲鳴で死んでしまうが、犬一匹の犠牲で無事にマンドレイクを手に入れることができる、とされる。
[編集] アルラウネ
マンドレイクの亜種としてドイツにアルラウネ(Alraune)がある。古高ドイツ語の語彙集においてすでに、マンドレイクに対してアルルーナ(Alrûna)、アルルーン(Alrûn)という単語が当てられており、伝承の古さがうかがわれる。もとは(Alruna)で、「ささやき」または「ざわめき」を意味した(Rune)からで、「謎を書かれたもの」を意味するという[1]。
グリム兄弟『ドイツ伝説集』第84話によれば、盗賊の家系に生まれた者、妊婦なのに盗みをしたりしようとした女性から生まれた者、実際には無実なのに拷問にかけられて泥棒の「自白」をした者が縛り首にされたとき、彼らが童貞であって、死に際に尿や精液を地にたらすと、その場所からアルラウネ、またはガルゲンメンライン(Galgenmännlein「絞首台の小人」)が生じるとされる。
アルラウネを引き抜く方法はマンドレイクと同じで、犬に引き抜かせる。そうして手に入れたアルラウネを赤ブドウ酒できれいに洗い、紅白模様の絹布で包み、箱に収める。アルラウネは毎週金曜日に取り出して風呂で洗い、新月の日には新しい布を着せなければならない。そうしてアルラウネにいろんな質問をすると、この植物は未来のことや秘密のことを教えてくれる。だからこれを手に入れたものは裕福になるのである。しかしアルラウネにあまり大きな要求をすると力が弱って死んでしまうこともある。
持ち主が死ぬと、末の息子がこれを相続する。そのとき父の棺にはパンの切れ端と一枚の貨幣を入れなければならない。しかし息子が父より先に死んだら所有権は長男のものとなる。このときも末の息子の棺にパンの切れ端と貨幣をいれなければならない。
アルラウネは必ずしも植物の根であるというわけではなく、家の精霊コボルトと混同されて「小さな人形」であったり「小動物」であったりすることもある。いずれにしても入手困難で世話も大変である。
ヤーコプ・グリムは、『ドイツ神話学』第37章「薬草と鉱石」において、アルラウネの語源はドイツ古代の女神アルラウン(Alraun)ではないか、と主張した。
[編集] 創作におけるマンドレイクとアルラウネ
シェイクスピアの『オセロー』や『ロミオとジュリエット』にも記述が見られる。また、現代においても様々なファンタジー系の小説やゲームにも現れ、素材としてのみ登場する場合や、成体が敵として登場する場合もある。
創作上のマンドレイクやアルラウネは、しばしばその作品独自の設定を付加される(食人木を参照)。例えば、テーブルトークRPG『ソード・ワールドRPG』におけるモンスターであるアルラウネは、未成熟のマンドレイクに人間の血を与えることで誕生する。こうして生まれたアルラウネの容姿や性格は、与えられた血の持ち主に似るとされている。
ドイツのハンス・ハインツ・エーヴェルスは、絞首刑になった男の精液から生じるという伝承を発展させて、人工授精で生を受けた美少女が、周囲を破滅させてゆくというゴシックホラー小説『アルラウネ』(1913年)を書いた[2]。同様のモチーフは、水木しげるの『妖花アラウネ』他、マンガ、ゲーム作品の中に展開されている。
2006年の映画『パンズ・ラビリンス』では、主人公の少女の、流産しかけている母を癒すための共感魔術の触媒として登場し、血とミルクに浸されて育てられた。
J・K・ローリング の『ハリー・ポッター』では、魔法学校の授業での栽培風景が描かれ、バシリスクによる石化の魔法を解呪するための妙薬の精製に必要とされたため生育を待たれた。