アセトフェノン

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アセトフェノン
アセトフェノン
識別情報
CAS登録番号 98-86-2
KEGG C07113
特性
化学式 C8H8O
モル質量 120.15
外観 無色液体
密度 1.033 (15 ℃)
融点

20.5

沸点

202

酸解離定数 pKa 16 (水中)
屈折率 (nD) 1.5339 (20 ℃)
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

アセトフェノン (acetophenone) は、芳香族ケトンに分類される有機化合物の一種である。この名称は慣用名であり、IUPAC命名法では、その構造を 1-フェニルエタノン (1-phenylethanone) と表す。常温では無色の液体または固体で、ベンズアルデヒドに似た芳香を呈する。

合成[編集]

ベンゼンと、塩化アセチルあるいは無水酢酸とを、塩化アルミニウムなどのルイス酸を用いたフリーデル・クラフツ反応の条件下で縮合させると、アセトフェノンが得られる。

反応[編集]

アセトフェノンは、還元水素化酸化求核的付加アルドール反応 など、ケトンに特徴的な多くの反応の基質となる。アルドール反応(クライゼン・シュミット縮合)の一例としてカルコンの合成を挙げる[1]

カルコンの合成

光化学的性質[編集]

励起状態の中で、3*励起状態(n→π*励起されたジラジカル体で、三重項のもの)が、1*励起状態(同様に一重項のもの)や 3ππ*励起状態よりも安定であるため、アセトフェノンが、n→π*励起を受けた場合は、速やかに 3*励起状態に変化し、一定の寿命で存在する。その性質から、増感剤 (photosensitizer) として利用される[2]

用途[編集]

香料の成分としての利用が知られる。

参考文献[編集]

  1. ^ Kohler, E. P.; Chadwell, H. M. Org. Synth., Coll. Vol. 1, p. 78 (1941); Vol. 2, p.1 (1922). オンライン版
  2. ^ Smith, C. D. Org. Synth., Coll. Vol. 6, p.962 (1988); Vol. 51, p.133 (1971). オンライン版