コーンスターチ

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コーンスターチ (cornstarch) は、トウモロコシから処理され、作られたデンプン。またはでんぷん食品。

原料[編集]

トウモロコシは、種子胚乳に含まれる角質デンプンの分布や特性によっていくつかの品種に分けられるが、コーンスターチの原料となるものは、食用として一般に広く認知されているスイートコーン(甘味種)や ポップコーン(爆裂種)などは用いず、デントコーン(馬歯種)やワキシーコーン(糯種)といった品種が使われる。デント種やワキシー種は、その用途によって使い分ける。(トウモロコシ澱粉ワキシーコーンスターチハイアミロースコーンスターチを参照。)

日本において、原料のトウモロコシは、ほぼ全量が米国や中国など海外からの輸入である。そのため、国内産のデンプン(馬鈴薯デンプン・甘藷デンプン)の原料となる農作物の農家の保護のため、高い関税を掛けられているが、「抱き合わせ制度」によって、これらのコーンスターチメーカーでは、関税を免除される代わりに国内産のデンプンを購入することになるなど、農業政策とも関わりがある。

製造方法[編集]

トウモロコシを工業的に処理する方法は、ウェットミリング(加湿製粉)とドライミリング(乾燥製粉)と呼ばれる粉砕方法の違いによって2つに大別される。

コーンスターチの製造方法は ウェットミリングが採られることが多く、最終的にはコーンスターチと、グルテンフィードグルテンミールなどの副産物ができる。原料のトウモロコシのほとんど全てが何らかの製品となり、廃棄は非常に少ない。ドライミリングの場合は、最近のエネルギー政策で注目されているエタノールも製造できる。

用途[編集]

コーンスターチの用途は様々であるが、主要なものとしては次のようになる。

  • 食品用
  • 製薬用
  • 工業用
  • 糖化製品原資

食品[編集]

プリンなどの食品の凝固剤としてもよく使われる。スーパーで売られているプリンの素にもコーンスターチがよく使われている。牛乳砂糖、コーンスターチ、香料などを混ぜて蒸し器にかければ簡単にプリンを作ることができる。

コーンスターチはフランス料理や中華料理でとろみをだすためによく使われる。中華料理のあんかけには普通コーンスターチに醤油と砂糖を混ぜたものが使われる。

日本において、麦芽100%ではないビール発泡酒で副原料に使われていることが多い。原材料名の「スターチ」は、ほとんどの場合コーンスターチが使用されている。

工業用[編集]

コーンスターチは食品以外にもさまざまな用途に使われる。2004年パイオニアはコーンスターチの一種でBlu-ray Discを作ったと発表した[1]

製品(塗工紙段ボール)の加工・製造の際の接着剤として使われることが知られている。 コーンスターチメーカーにとっては、食品会社・製薬会社などと共に、製紙会社も重要な顧客先となっている。

コーンスターチの世界の呼び名[編集]

コーングリッツ、コーンフラワー、コーンミールとさまざまな呼び方がある。たとえば、米国では、外皮を含むか、油分はどれくらいか、粗蛋白は何%かによってコーングリッツ、コーンフラワー、コーンミール、コーンスターチを区別しているが、この区分は米国でしか通用せず、ヨーロッパ各国ではまったく基準値が異なる。

香港マカオでは粟粉と呼ぶ。日本の片栗粉とはまったく異なる。

メーカー[編集]

日本では、食品用・工業用が10数社により製造されている。

その他[編集]

  • 日本におけるコーンスターチ製造会社の業績を左右するものとしては、次のような性質が特徴として見て取れることが知られる。
  • 飲料メーカー向けは天候、製紙メーカー向けは景気に左右される。
  • 原料調達の大半を輸入に頼ることから、トウモロコシの値段については為替レートの変動、運搬に使用するばら積み貨物船の運賃は他の荷物の荷動きや燃料価格の変動などの影響を受ける。
  • トウモロコシの価格は、現地の作付状況・天候・災害・収穫状況などの直接的なものや、投機筋の状況によっても左右される。

ドラマ[編集]

  • 時代劇などでコーンスターチが使用されることもある。

関連項目[編集]

脚注[編集]

  1. ^ 2004年11月2日付日本経済新聞夕刊

外部リンク[編集]