「ムカデ」の版間の差分

ムカデ
	生息年代: 418–0 Ma PreЄ Є O S D C P T J K Pg N
	様々なムカデ
地質時代
	シルル紀（約4億1,800万年前） - 現世
分類
学名
	Chilopoda; Latreille, 1817
英名
	Centipede; Chilopod
下位分類群
	背気門亜綱 Notostigmophora ゲジ目 Scutigeromorpha; ; 側気門亜綱 Pleurostigmophora イシムカデ目 Lithobiomorpha; ナガズイシムカデ目 Craterostigmomorpha; オオムカデ目 Scolopendromorpha; ジムカデ目 Geophilomorpha; †（目）Devonobiomorpha; ;

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2022年8月19日 (金) 08:39時点における版

ムカデ（百足、蜈蜙、蜈蚣、蝍蛆、ムカデ類、唇脚類、学名: Chilopoda, 英語: centipede, chilopod）は、多足類に属する節足動物の分類群の一つ。分類学上はムカデ綱（唇脚綱）とされる^[1]。頭部の直後に有毒な顎肢をもつ、脚が多く運動性に富む肉食動物である。オオムカデやゲジなどを含め、3,000以上の種が記載されており^[2]、最古の化石記録はおよそ4億2,000万年前の古生代シルル紀後期まで遡る^[3]。

呼称

和名「ムカデ」の漢字転写は「百足」、「蜈蜙」、「蜈蚣」、「蝍蛆」などがある。学名「Chilopoda」はギリシア語の「kheilos」（唇）と「pod」（脚）の合成語^[4]。英語名「centipede」（センティピード、センチピード）はラテン語の「centi」（百）と「ped」（脚）に由来する。ただしムカデはどの種も脚は奇数対であるため^[5]、ちょうど100本（50対）の脚をもつムカデは存在しない。日本語や中国語におけると、ゲジ類の構成種は「ゲジ」（蚰蜒、ゲジゲジ）という他のムカデとは別の名称で呼ばれ、一般に「ムカデ」から区別される傾向がある^[6]。

形態

ムカデ類の体は縦長く、数多くの体節は大まかに頭部と胴部という2つの合体節に分れている^[7]。胴部は順に1対の毒牙状の顎肢と、奇数対に数多くの脚が並んでいる^[5]。体長は微小な4mmから大型な30cm^[8]まで知られるが、多くの種類は1-10cmに収まる^[2]。

頭部

オオムカデ類の頭部
イシムカデ類の頭部
ゲジ類の頭部
ジムカデ類の頭部

頭板、頭楯と上唇

頭楯、上唇、触角と大顎

第1小顎と第2小顎

ムカデの頭部の各部位

頭部（head）は他の多足類と同様、眼と口をもつ先節と、対になる4対の付属肢（関節肢である触角と顎、後述）をもつ第1-5体節の融合でできた合体節である^[9]^[7]。第2体節は他の多足類や昆虫などの六脚類と同じく、間挿体節（intercalary segment）で付属肢をもたない^[9]。背面は1枚の頭板（cephalic plate, head capsule）に覆われ^[10]、ゲジ類ではドーム状に盛り上がるが、他の群では上下に平たい^[11]^[12]^(p44)^[13]。ゲジ類・イシムカデ類・ナガズムカデ類の場合、頭部の左右には「Tömösváry organ」という多足類で一般に見られる小孔状の器官をもつ^[11]^[12]^(p44)^[13]。

左右にもつ眼は他の多足類と同様に側眼（lateral eye）のみ由来で、その構造は分類群により異なる。ゲジ類の眼は1対の真の複眼である^[14]^[15]^[10]が、他の群の眼は単眼で、ナガズムカデ類に1対、オオムカデに最多4対、イシムカデ類に最多49対もつ。ジムカデ類は全てが無眼で^[2]^[12]^(p45)、オオムカデ類やイシムカデ類の中にも無眼な種類がある^[16]。

第1体節由来の触角（antenna）はゲジ類では鞭状に細長く、数多くの環状節（annulation）に分れるが、他の群では十数から数十節の数珠状でやや太短い^[10]。触角の付け根はゲジ類では左右に、他の群では前縁中央に寄せて配置される^[12]。

順に第3-5体節由来^[9]の大顎（mandible）、第1小顎（first maxilla）と第2小顎（second maxilla）は腹面に配置される^[12]^[10]。大顎は常に頭板と第1小顎に覆われて目立たなく、先端に細かな毛と歯が並んでいる^[10]^[12]^(pp46–48)。小顎最初の肢節（基節 coxa）は頭部の腹面を占めた幅広い基胸板（coxosternite）で、往々にして左右癒合する^[12]^(p48)^[10]。第1小顎は丸みを帯びた2節の平板状で、基胸板前方中央1対の突起と合わせて口腔の下部を覆いかぶさる^[12]^(p48)。第2小顎は4-5節の歩脚状で、ゲジ類では頭部から飛び出すほど細長いが、他の群ではやや短くて頭部に覆われ、末端に鉤爪やブラシ状の構造がある^[10]。

口腔の前部をなし、触角と顎の間にある板状の頭楯（clypeus）と上唇（labrum）はゲジ類では前面に、他の群では腹面に配置される^[12]^(p46)。

胴部

胴部は縦長い合体節で数多くの可動な体節（胴節）からなり、前端には顎肢をもつ1胴節、末端には生殖に関わる2胴節と非体節性な尾節、その間の大部分は脚をもつ奇数節の胴節（種類により15から191節）が含まれる^[5]^[2]^[17]。

顎肢

頭部直後の第1胴節には、毒腺をもち、顎のような形をした捕食用の顎肢（がくし、forcipule, または maxilliped^{[注釈 2]}）がある。これは往々にして "毒牙" や "顎" と紹介されてきたが、（頭部由来の）顎ではなく、胴部由来の「特化した脚」であり^[9]^[2]、「唇脚類」の名に現されるように、ムカデの最も重要な共有派生形質とされる^[18]^[2]。

顎肢の基部は第1胴節の腹面全体を占めた広い基胸板（coxosternite）である。これはゲジ類では左右2枚に分かれて可動で、前縁に長い剛毛が生えているが^[19]、他の群では左右癒合して不動で、前縁に小歯が並んでいる^[12]^(p53)^[18]。残りの部分は、基部から順に trochanteroprefemur（転節 trochanter と前腿節 prefemur の複合体）・後腿節（postfemur）・脛節（tibia）・跗節（tarsus）・ungulum の5節からなり^{[注釈 3]}^[12]^(p53)、毒腺の開口は牙状の ungulum の末端直前にある^[18]。ゲジ類以外の群では、跗節と ungulum が完全に癒合して頑丈な tarsungulum をなす^[10]。オオムカデ類（Cryptops属の一部を除く）とジムカデ類は、途中の後腿節と脛節は半環状で外側を欠けており、第1節と第4節を外側で会合させ、4節の関節が全て1対の関節丘（ピボット）に集約される^[20]。他の群では環状の後腿節と脛節をもち、特にゲジ類では長大な柱状で、顎肢全体が歩脚状に近い^{[注釈 4]}^[12]^(p53)^[20]^[18]。顎肢の関節はゲジ類では上下に、他の群では嚙み合うように左右に動く^[20]^[18]。

毒腺は通常では顎肢に格納されるが、ジムカデ類の中では毒腺が胴部まで伸ばした例がある^[12]^(p53)^[18]。神経毒をもつと考えられるが、その成分と仕組みに関しては未解明な所が多い^[21]。

この顎肢をもつ第1胴節の背面は、通常では独立した短い背板（tergite）を1枚もつが、オオムカデ類ではそれがなく、直後の第1脚をもつ第2胴節と同じ背板に覆われている^[2]^[12]^(p53)。

顎肢以降の体節

ゲジ類は15対の長い脚と気門を正中線に備えた数少ない背板をもつ
イシムカデ類は15対の脚と顕著に長短を繰り返した背板をもつ
オオムカデ類は多くが21対の脚をもち、顎肢と第1脚をもつ胴節が1枚の背板のみに覆われる
ジムカデ類の脚と胴節数はどのムカデ類よりも多い

背板と腹板	歩肢
曳航肢周辺	生殖器

脚のある体節は全てが上下に背板と腹板（sternite）で覆われ、左右は柔軟な節間膜に包まれて小さな側板（pleurite）が散在する^[11]^[10]。腹板はほぼ同形だが、背板の構造は分類群によって大きく異なり、ジムカデ類以外のものでは特に変則的である^[22]^[12]^(p56)。ゲジ類のは8枚に癒合し、イシムカデ類のは顕著に長短を繰り返し、ナガズムカデ類のは一見して体節と合致しない21枚に細分され、オオムカデ類のは第1枚が顎肢をもつ第1胴節まで覆い被さる^[11]^[2]^[12]。ジムカデ類は曳航肢以外の背板がほぼ同形で、そのうち第1脚以外の各背板は更に前後2枚（前の短い1枚と後ろの長い1枚）に細分される^[11]^[10]。イシムカデ類とオオムカデ類の場合、7枚目/第7脚以前の偶数番目（2・4・6）と8枚目/第8脚以降の奇数番目（9・11・13…）の背板が他の背板より短い^[11]^[22]^[12]。

脚

顎肢をもつ第1胴節以降の体節には、それぞれ1対の脚（歩肢）をもつ胴節が数多く並んでいる。発育異常の奇形や改形類の初齢幼生を除いて、脚の対の数はどの種も奇数である^[2]^[5]。

脚は基部から順に環状/柱状の6節（基節・転節^{[注釈 5]}・前腿節^{[注釈 5]}・後腿節・脛節・跗節^{[注釈 3]}^{[注釈 6]}）と末端の爪状の前跗節（pretarsus）に構成され^[10]^[11]、転節と前腿節の関節は不動である^[12]^(p9)^[3]。ゲジ類の場合は非常に細長く、跗節が鞭のように数多くの跗小節（tarsomere）に細分される^[11]^[2]^[10]。対の数は分類群によって異なり、ゲジ類・イシムカデ類・ナガズムカデ類の成体は15対、オオムカデ類は21ないし23対（そのうち Scolopendropsis duplicata は例外的に39ないし43対^[23]^[17]）、ジムカデ類は数が最多で種によって異なり、少ない種でも27対から47対までを示し、多い種は101対を超し、191対まである^[2]^[7]。特にジムカデにおいては同種でも数は雌雄で異なり^[2]、左右非対称^[24]や偶数対の脚をもつ奇形も稀にある^[12]^(p55)。

最終の1対はやや特化した曳航肢（えいこうし、ultimate leg）であり、歩行には用いず、分類群により感覚・威嚇・防衛・配偶行動・頭部（触角）に擬態・移動中のバランス調節などの機能を果たす^[25]^[26]^[27]。一部の種では曳航肢がハサミのように嚙み合うため、捕食に用いられるのではないかと推測される^[26]。

気門

●: 全ての構成種にもつ気門、○: 構成種により有無が異なる気門、T: 曳航肢（気門なし）
脚の番目分類群	1	2	3	4	5	6	7	8	9	10	11	12	13	14	15	16	17	18	19	20
ゲジ類	●		●		●			●		●		●		●	T
イシムカデ類	○		●		○			○		●		○		○	T
ナガズムカデ類			●		●			●		●		●		●	T
オオムカデ類（Plutonium zwierleini 以外）			●		●		○	●		●		●		●		●		●		●
オオムカデ類（Plutonium zwierleini）	●	●	●	●	●	●	●	●	●	●	●	●	●	●	●	●	●	●	●	●
ジムカデ類		●	●	●	●	●	●	●	●	●	●	●	●	●	●	●	●	●	●	●

呼吸器（気管系 tracheal system）の開口である気門（spiracle, stigma）は曳航肢以外の脚をもつ胴節にあり、その数と位置は分類群によって異なる^[12]^{(pp137–139)}。ゲジ類の気門は（曳航肢以外の脚に対応する）7枚の大きな背甲の後縁中央に配置され^[28]、本群のみを含んだ「背気門類」の由来となる^[2]。他のムカデ類、いわゆる側気門類では対になって体節の左右（脚の付け根上方の節間膜）に配置される^[11]^[2]^[12]。これを基に、ゲジ類の気門は側気門類とは別起源、もしくは左右の気門が癒合してできたものだと考えられる^[29]。ジムカデ類の気門は第1脚と曳航肢以外の全ての脚の胴節にもち、イシムカデ類・ナガズムカデ類・オオムカデ類の気門は、原則として曳航肢以外の長い背板をもつ体節（1・3・5・7・8・10およびそれ以降の偶数番目の脚の体節）のみにもつが、イシムカデ類の第1・5・8・12・14脚の胴節とオオムカデ類の第7脚の胴節は種類により気門の有無が異なり、ナガズムカデ類とオオムカデ類の第1脚の胴節は原則として気門をもたない^[22]^[12]^{(pp137–139)}。なお、オオムカデ類の Plutonium zwierleini は、例外的に曳航肢以外の全ての脚の体節に気門をつ^[12]^(p139)。

末端の体節

曳航肢の直後には外性器をもつ2胴節と非体節性な尾節（telson）^[7]が続くが、背板と腹板の退化が進み、見かけ上の分節は不明瞭である（整形類の胚では顕著に見られる^[30]）^[11]^[12]^(p63)。外性器の構造は雌雄により異なるため（後述）、この部分で成体の雌雄を判別できる^[12]^(p279)。しかしオオムカデ類の場合、これらの部分は退化的で、普段では曳航肢の体節に格納され、背面からは観察できない^[12]^(p63)。

前の1胴節にある1対の生殖肢（gonopod）は雄より雌の方が発達で、これはゲジ類とイシムカデ類で特に顕著である^[11]。後ろの1胴節は生殖孔（genital opening, gonopore）を備わった外性器（雌の産卵口 vulva もしくは雄の陰茎 penis）をもつ^[11]^[2]^[10]^[12]^(p63)。末端の尾節は目立たなく、「anal valves」という肛門を覆いかぶさった1対の板状構造をもつ^[10]^[12]^(p63)。

性的二形

性的二形は全般的に目立たない。雌が雄より大きいという体格差は往々にして控え目で、性的二形な胴節数をもつ一部のジムカデ類（雌の方が胴節数が多い）のみ明瞭である^[12]^(p279)。一部のジムカデ類は触角が雌雄により細部が異なり、一部のイシムカデ類と Otostigmus属のオオムカデ類は特殊な突起を雄の後方の背板にもち、イシムカデ類・Tygarrup属のジムカデ類と一部のオオムカデ類は何らかの特殊な構造を雄の曳航肢にもつ^[12]^{(pp279–280)}。なお、イシムカデ類の Paitobius zinus は例外的に顕著な性的二形を示し、雄の顎肢は雌より飛び抜けて長大である^[12]^(p279)。

生態

生息地

極地を除いて、ムカデ類は世界各地の陸上に分布し、熱帯雨林においては最も多様化している^[2]。多くが森林中の落ち葉・朽木・石の裏など湿度の高い場所に住むが、草原・砂漠・洞窟・海岸などに生息する種類もいくつかある^[2]^[31]。

小型のもの、特にジムカデ類は土壌動物として生活しているものが多い。また、イシムカデ類における地表にも出るホルストヒトフシムカデと同所的に分布する土壌性の強いダイダイヒトフシムカデを比較すると判るように、地中に棲む傾向の強い種は単眼数が少なかったり、無眼の場合もあり、淡い体色で、体毛が少なく、肢や触角が短い。地中や朽木の生活に特化したジムカデ類は無眼で、黄色や赤、白、緑などの体色を示し、非常に細長い体に短い足を多数持ち、土壌中をミミズのように穿孔する。つつくと尾端を頭部と擬態して後ずさりしたり、とぐろを巻くように体を丸める種が知られている。この類に属するヨコジムカデなど、地下5メートルほどの餌となる土壌生物の密度が薄い層からも得られることがあり、活発な垂直移動をしていると思われる種もある。オオムカデ類の小型種もほとんどは無眼で、土壌動物である。

捕食行動

カマドウマを捕食するオオゲジ

セミを捕食するオオムカデの1種

メクラヘビを捕食するオオムカデの1種

ムカデ類は多くが単独生活をする夜行性の肉食動物であり、顎肢を用いて獲物の体に毒を注入する^[2]^[18]^[20]。全般的には偏食性のないジェネラリストと考えられるが、ヤスデを専門に捕食するヨロイオオムカデというスペシャリストな例も存在する。腐肉を摂ることもあり^[32]、人工飼育による観察では飢えた場合は植物組織を摂食する記録もある^[33]。

オオムカデ類は多くが地表や樹上などを徘徊し、待ち伏せや偶発^[2]に遭遇した昆虫などの小動物を捕食する。特に大型種ではカエル・トカゲ・鳥類・ヘビ・ネズミ・飛行中のコウモリなどの小型脊椎動物さえ捕食することが知られている^[34]^[35]。イシムカデ類は、比較的短い体形で軽快に走り回り、小動物を捕らえる。徘徊生活に特化したゲジ類は滑るように素早く走り、鞭状の長い脚を投げ縄のように獲物を纏って捕食する^[26]^[36]^(p222)。飛行中の昆虫も採食し^[18]、複数の獲物を持ちながらも移動できる^[26]。ジムカデ類は細長い体で地下生活に適しており、土中のミミズなどを捕食する^[31]。ナガズムカデ類の食性は明らかになっていないが、飼育下では朽木からシロアリを掘り出して捕食する行動が見られる^[37]。

天敵

天敵として鳥類・爬虫類・哺乳類などの脊椎動物、および他の肉食節足動物などがある。ムカデ類を専門に捕食する肉食動物は、Aparallactus capensis というヘビの1種^[38]や Stigmatomma pluto（='Amblyopone pluto'）というジムカデ類を好んで捕食するアリの1種^[39]が挙げられる。

防衛と擬態

相手に嚙み付いて自衛する習性をもつが、どのムカデ類も刺激や危険に遭うと反撃よりは逃走をしようとする^[21]。一部の種類は胴部の末端が頭部に似た色と触角らしき曳航肢をもち、これは頭部に擬態し、それを狙って捕殺する捕食者を惑わす特徴だと考えられる^[25]。ヨロイオオムカデは形態・行動ともヤスデに擬態し、背板は硬化して動きが遅く、刺激を受けると体を丸める^[40]。イシムカデ類は最終数対の脚を上下に揺らして粘液を分泌し、クモやアリなどの小型捕食者からの攻撃を防ぐ^[26]^[27]。ゲジ類は触角らしき曳航肢の他、脚を付け根から自切するという防衛手段をもつ。また、オオムカデ類は最終数対の脚をもち上げて威嚇することがある^[25]。

繁殖と発育

卵を保護するオオムカデ類
ジムカデ類の親と幼体

繁殖は精包（spermatophore）の受け渡しを通じて行い、雌は生殖肢を用いて雄の精包を拾い上げる。雌雄は輪を描くようにお互いの末端に向き合いながら、触角で相手の曳航肢と触れ合う配偶行動が知られている^[26]。卵生で、ゲジ類とイシムカデ類の幼生は孵化から既に単独生活をするが、ジムカデ類・オオムカデ類・ナガズムカデ類の雌は育児習性をもち、卵と初齢幼体の世話をする^[41]^[42]。

幼体の成長様式は分類群により異なる。ゲジ類・イシムカデ類・ナガズムカデ類、いわゆる改形類（Anamorpha）の初齢幼体は成体より少数の脚と体節で生まれ（それぞれ4対・6/7/8対・12対^[2]）、成長するたびに脱皮を経てその数を後ろから増やしていく（増節変態 Anamorphic development）^[2]。ゲジ類とイシムカデ類は複数回の脱皮を経て15対に達するが、ナガズムカデ類は1回だけで15対になる^[37]。一方、オオムカデ類とジムカデ類はいわゆる整形類（Epimorpha）であり、孵化から既に成体の同様な脚と体節数を整っている^[2]。

分類

クモ・サソリ・カブトガニなど

ムカデ

	エダヒゲムシ

	ヤスデ

汎甲殻類

甲殻類・昆虫など

節足動物の中で、ムカデ（ムカデ綱/唇脚綱 Chilopoda）はヤスデ（ヤスデ綱/倍脚綱 Diplopoda）・コムカデ（コムカデ綱/結合綱 Symphyla）・エダヒゲムシ（エダヒゲムシ綱/ヤスデモドキ綱 Pauropoda）とともに多足類（多足亜門 Myriapoda）に分類される綱の一つである。多足類の中で、ムカデとコムカデを近縁とする（Trignatha/Atelopoda をなす）説もあったが、ムカデを後性類（Opisthogoneata, ムカデ上綱とも）、コムカデ・エダヒゲムシ・ヤスデを前性類（Progoneata, ヤスデ上綱とも）に分ける説の方が多くの形態学と分子系統学の見解に支持される^[43]^[3]^[12]。名に現れるように、後性類は生殖孔を胴部の後方、前性類は生殖孔を胴部の前方に配置される。一方、ムカデとヤスデは姉妹群という、今まで提唱されなかった類縁関係を示唆する分子系統解析結果もわずかにある^[44]。

下位分類

ムカデ

背気門類

ゲジ

改形類

側気門類

ナガズムカデ

Amalpighiata

イシムカデ

整形類

	オオムカデ

	ジムカデ

×B, C→D

×A

A, B, C

分子系統解析に支持されるムカデの内部系統関係および特徴の起源と進化

A: 複眼
B: 増節変態
C: 15対の脚
D: 21対以上の脚
×: 形質喪失

3,000種以上のムカデが知られ、ゲジ（ゲジ目 Scutigeromorpha）・イシムカデ（イシムカデ目 Lithobiomorpha）・ナガズムカデ（ナガズイシムカデ目 Craterostigmomorpha）・オオムカデ（オオムカデ目 Scolopendromorpha）・ジムカデ（ジムカデ目 Geophilomorpha）という5つの群（目）で大まかに分けられる^[1]。化石種まで範囲を広げると、Devonobius delta という1種のみによって知られる Devonobiomorpha目がある^[3]。

それぞれの目の単系統性は広く認められるが、20世紀後期以降から現生5目の系統関係については様々な説を提唱され、次の通りに挙げられる^[45]^[3]^[46]。

背気門類 Notostigmophora（背気門亜綱、ゲジ）/側気門類 Pleurostigmophora（側気門亜綱、イシムカデ・ナガズムカデ・オオムカデ・ジムカデ）説
- 気門の位置（背面/側面）を基に提唱される。
改形類 Anamorpha（改形亜綱/ゲジ亜綱：ゲジ・イシムカデ・ナガズムカデ）/整形類 Epimorpha（整形亜綱/ムカデ亜綱、オオムカデ・ジムカデ）説
- 成長様式（増節変態する/増節変態しない）を基に提唱される。
Heteroterga（オオムカデ・ナガズムカデ・イシムカデ・ゲジ）説
- 変則的な背板を基に提唱される。
Triakontapoda（ナガズムカデ・イシムカデ・ゲジ）説
- 15対の脚を基に提唱される。
Gonopodophora（イシムカデ・ゲジ）説
- 発達した生殖肢を基に提唱される。
Phylactometria（ナガズムカデ・オオムカデ・ジムカデ）説
- 育児習性を基に提唱される。
Amalpighiata（イシムカデ・オオムカデ・ジムカデ）説

21世紀以降の分子系統解析では、背気門類/側気門類説、整形類説と Amalpighiata説の方が広く認められる^[47]^[48]^[46]^[49]^[44]。これにより、ゲジ類は現生群のうち最初に分岐した基盤的なムカデ、そのいくつかの性質（複眼・ドーム状の頭板・歩脚状の顎肢・左右分節した顎肢基胸板など）と改形類に見られる共通点（増節変態・環状の顎肢後腿節と脛節・15対の脚など）はムカデの祖先形質、オオムカデ類とジムカデ類の共通点（増節変態の欠如・半環状の顎肢後腿節と脛節・21対以上の脚など）は整形類の共有派生形質であることが示される^[20]^[18]。Amalpighiata説を踏まえて、ナガズムカデ類と整形類の育児習性は側気門類の祖先形質^[48]、もしくは収斂進化の結果^[46]とも考えられる。また、絶滅群の Devonobiomorphaは側気門類に分類され^[3]、ナガズムカデ類と整形類のいずれかに近縁だと推測される^[20]。

ゲジ

詳細は「ゲジ」を参照

ゲジ類（ゲジ目 Scutigeromorpha, 英: house centipede, cave centipede^[2]）は約100種を含め、ムカデ類の中では既知最古の化石記録をもち^[3]、ナガズムカデの次に種数が少ない目である^[2]。

本群は多足類全般的にも真の複眼をもつ唯一の現生分類群で^[15]、鞭状の細長い脚と短い胴部をもち、姿は他のムカデとは大きく異なる。頭部はやや分厚く、触角は長い鞭状で数百節に細分される^[2]。15対の脚をもつ体節は8枚の背板のみに覆われ、最後の1枚を除いてそれぞれの後縁中央に1個の気門をもつ^[50]^[22]^[12]^{(pp137–138)}^[28]。

徘徊性で、投げ縄のように機能する長い脚で獲物を捕える^[26]。洞窟で縄張りをつくり、集団生活をすることが知られる^[2]。また、本群はヘモシアニンを用いて酸素分子を運ぶ唯一のムカデ類でもある^[2]。子育てする習性はないとされる^[2]。幼体は増節変態をし、4対の脚のみをもって産まれる^[2]。

地中海原産で、北半球の温帯地域に広く分布する Scutigera coleoptrata が主によく知られ、本群の中で最も研究が進んだ種である^[2]。日本ではオオゲジと、種和名がゲジの Thereuonema tuberculata という2種が分布する。

（科）Psellioididae
（科）Scutigerinidae
ゲジ科 Scutigeridae：ゲジ（Thereuonema tuberculata）、オオゲジ、Scutigera coleoptrata など

イシムカデ

詳細は「イシムカデ」を参照

イシムカデ類（イシムカデ目 Lithobiomorpha, 英: stone centipede^[51]）は約1,500種を含め^[52]、体長は多くが3cm以内のやや小型の目である^[2]。

他の側気門類に比べて胴部は体長に対してやや短い。頭部は平たい円盤状で、触角は15-100節以上からなる。眼はイシムカデ科では単眼が最多49対に集約し、トゲイシムカデ科では1対のみをもつ^[2]。無眼の種もいくつかある^[16]。15対の脚をもつ体節は同じ枚数の背板に覆われるが、顕著に長短を繰り返し、第1・3・5・8・10・12脚の背板が明らかに短い^[11]。雌は丈夫な鉤爪状の生殖肢をもつ^[11]^[12]^[13]。

徘徊性で、後方数対の脚から防衛用の粘液を分泌することが知られる^[26]^[27]。子育てする習性はないとされる^[2]。幼体は増節変態をし、通常7対の脚のみをもって産まれるが、6対もしくは8対の例もある^[2]。

ヨーロッパ原産の汎存種であるオオチャイロイシムカデ^[53]が最も一般に知られている^[2]^[52]。

イッスンムカデ科 Ethopolidae - イッスンムカデなど
トゲイシムカデ科 Henicopidae - メクライシムカデ、ゲジムカデ、トゲイシムカデなど
イシムカデ科 Lithobiidae - ヒトフシムカデ、オオチャイロイシムカデなど

ナガズムカデ

ナガズムカデ類（ナガズイシムカデ目 Craterostigmomorpha）は現生ムカデの中で種が最も少ない目で、Craterostigmus属の2種のみによって知られ、オセアニア大陸のタスマニア州とニュージーランドのみに分布する^[2]^[54]^[37]。

頭部はやや縦長く、1対の単眼をもち^[37]^[16]^[12]、顎肢の基胸板は他のムカデより前へ伸びる^[2]。15対の脚をもつ体節は21枚の背板に覆われ^[50]^[2]、これは元々15枚であった背板のうち第3・5・7・8・10・12枚目がそれぞれ前後2枚に細分した結果とされる^[55]^[12]^:58。曳航肢をもつ体節の背板と腹板は円筒状に癒合し^[2]、末端には「anogenital capsule」という対になったカプセル状の構造体をもつ^[50]^[12]^:63^[10]。

雌は卵と幼体を育つ^[2]。幼体は増節変態をし、12対の脚のみをもって産まれる^[2]。

ナガズムカデ科 Craterostigmidae

オオムカデ

詳細は「オオムカデ」を参照

オオムカデ類（オオムカデ目 Scolopendromorpha, 英: tropical centipede^[56], bark centipede^[57]）は800種以上を含め^[2]、ムカデとして最も一般に知られる目である。

多くは10cm前後の大型で、最大のもの（ペルビアンジャイアントオオムカデ）は体長30cmに達し、世界最大のムカデとして知られている^[8]^[2]。頭部は平たい円盤状で、基本としては4対の単眼をもつが、1対や無眼の種類もある^[16]。脚はアカムカデ科では23対、他の群では21対^[2]、Scolopendropsis duplicata のみ例外的に39ないし43対の脚をもつ^[23]^[17]。背板の枚数は脚対の数に一致し、顎肢と第1脚の胴節1枚の背板のみに覆われている^[11]^[2]^[12]。イシムカデ類ほどでないものの背板は長短を繰り返し、7枚目以前の偶数番目と8枚目以降の奇数番目の背板がわずかに短くなる^[11]^[22]^[12]。

強い神経毒と獲物への高い攻撃性を有し、特に大型のものは小型脊椎動物も捕食できる^[34]。高い自衛性をもち、人間への咬害はほとんどがこの類に起因する^[21]。雄は多層の外皮に覆われるビーンズ型の精包を産み^[2]、雌は卵と幼生を育つ^[2]。増節変態をせず、幼体は成体と同様な体節と脚数で産まれる^[2]。

メナシムカデ科 Cryptopidae
（科） Mimopidae ^[58]
（科） Plutoniumidae ^[58]
オオムカデ科 Scolopendridae - オオムカデ属（トビズムカデ、アオズムカデ、ハブムカデ、タイワンオオムカデ、ベトナムオオムカデ、ペルビアンジャイアントオオムカデなど）、アオムカデ、ヨロイオオムカデなど
アカムカデ科 Scolopocryptopidae - セスジアカムカデなど

ジムカデ

詳細は「ジムカデ」を参照

ジムカデ類（ジムカデ目 Geophilomorpha, 英: soil centipede^[31]）は約1,300種を含め、ムカデ類の中では種数が最も多い目である^[2]。

多くが小型で、細長い胴部と比較的短い脚をもつ。縦長い頭部は眼をもたず、触角は14節^[2]。脚の数はムカデの中でも最多で多様化しており、ナガズジムカデ科は41-101対、他の群（Adesmata）は27-191対に及ぶ。特に後者は同種においても数は多様で、性的二形も示し、往々にして雌の方が多い^[2]。曳航肢以外の全ての脚の胴節はほぼ同形で、そのうち第1脚以外の背板は大小な前後2枚に細分される^[11]^[10]。第1脚と曳航肢以外の全ての胴節に気門をもつ^[2]^[12]。

地中に棲む土壌生物であり、自身より小型のミミズなど他の土壌生物を捕食すると考えられる^[31]。雌は卵と幼生を育つ^[2]。増節変態をせず、幼体は成体と同様な体節と脚数で産まれる^[2]。

人間との関わり

人間の生活と文化に関わるムカデ類は、オオムカデ類が特に代表的で、世間一般におけるムカデへのイメージとなっている。有毒や凶暴な習性で畏敬され、世界中でもいくつかの神話や伝説のテーマとなる^[18]。

一部の種は室内環境に侵入することがある。この場合、有毒生物として広く知られるオオムカデ類のように、高い自衛性で刺激される度に嚙み付くことがあり、またはゲジ類のように単に素早い動きと異様な姿で害虫扱いされるものがある^[6]。なおゲジ類に関しては、衛生的に無害かつ室内の衛生害虫を狩ることで益虫ともされる^[6]。

咬傷

ムカデが人間から刺激を受ける度に、身を守るため顎肢で人に嚙み付いて反抗することがある。なお、咬傷はほとんどがオオムカデ類で、それ以外のムカデ類によるのは稀である^[21]。

大型のオオムカデ類に噛まれるとかなり痛むが、人命に係る被害や続発症はほとんど無い^[21]^[60]。しかし子供やアナフィラキシーショックを発症する体質にある者への危険性は高く^[60]、噛まれた場合には速やかに医師の診察を受けることが望ましい。主に夏場、山林に近い民家では、ゴキブリなどを捕食するためにムカデがしばしば家屋の内部に侵入する。この場合、靴の中や寝具に潜んだりすることから咬害が多く、衛生害虫としても注意が必要である。噛まれた場合、患部に異物が残っていればこれを除去して毒を絞り出し、患部を水道水で洗浄する。抗ヒスタミン剤を塗布する^[61]^[62]。ゲジ類は家屋に侵入してくることもあるが、毒は弱く積極的に人を噛むこともないため基本には無害とされ^[63]、万が一嚙まれたとしても症状はミツバチの刺傷ほどひどくはない^[64]。また、小型のムカデは基本的に人間の皮膚を貫通できない^[60]。

産業

産業との関連は少ない。オオムカデ類は地域によって食用とされ、オーストラリア原住民においては伝統的な調味料の原料に使用される^[65]。観賞魚などの餌として冷凍のオオムカデが輸入されて市販されている。

漢方では生薬名を蜈蚣（ごしょう）といい、平肝・止痙・解毒消腫の効果があるとされる。油漬けや乾物は火傷や切り傷に効果があるとされ、民間薬として知られており一部に市販の例もある。

飼育

ペットとしての飼育対象は主にオオムカデ類で^[8]、輸入種を中心に拡大傾向にある。さまざまな種類が入荷しており、大型種ほど高値で販売される傾向がある。

モチーフ、象徴

「非常に凶暴で攻撃性が高い」というイメージ、「絶対に後ろに下がらない（後退しない）」という俗信、脚が多いことから「兵が多い（大軍）」という連想、多くの卵を産み温めて子育てをする性質を「子孫繁栄」と解くなど、武将の好む性質を持っていたことから、戦国時代には、兜の前立、旗差物、甲冑や刀装具の装飾など、ムカデのデザインを取り入れることが流行した^[66]。また脚の多いことにより、伝令をムカデに例えることもあった。

『甲陽軍鑑』に拠れば武田家の金掘り衆は、トンネル戦法を得意とする工兵部隊で、百足衆と呼ばれたとも言われる。大蛇が河川を象徴し、砂鉄の採集や製鉄の技術者集団を表すことと比して、ムカデは地下坑道を掘り進み、自然金などの鉱石を採集する技術者集団を表しているという説がある^[67]。

相馬中村藩に起源する相馬野馬追においては、「下がりムカデ」の旗が軍師の指物と指定されている。

赤城山などの神体として、また『毘沙門天』の使いとされ、神格化されている。商家においても、ムカデの多くの足から「客足が多い」、強い攻撃性から「他店に負けない」という意味で家紋や店紋、店名とすることがあった^[66]^[68]。宮城県の南部では養蚕業の大敵であるネズミがムカデを嫌うという言い伝えと毘沙門天の使いという話が合わさり、養蚕業者の信仰を集めた例もある^[66]。

男体山の大蛇と日光の戦場ヶ原で決闘した伝説、藤原秀郷による三上山の大百足退治伝説などが知られる^[69]。

昆虫やクモ、サソリなどと同様、アクセサリーやグラフィックのモチーフになることや、子供向けの絵本のキャラクターとしてムカデが登場することもある（ムスティなど）。

ムカデの名が付いた生物

ムカデでないものの、呼称は「ムカデ」と名付けられた生物はいくつかある。

コムカデ（コムカデ綱/結合綱）はムカデと同じく多足類に分類されるが、ムカデ（ムカデ綱/唇脚綱）ではない。
ムカデエビという海底洞窟に生息する甲殻類は、多足類を彷彿とさせる姿で、ムカデのように毒牙に特化した付属肢をもつが、それはムカデの顎肢とは別起源の第1小顎である^[70]。
ウミウシにムカデミノウミウシやムカデメリベという種類があり、これらはムカデの脚のように胴体が櫛状になっていることから、その名が付いた。
水生昆虫のヘビトンボの幼虫は、ムカデのように長い胴体と、その胴体の両側に櫛状に呼吸用エラがムカデの脚のように並び、性質が荒くて噛みつくことから、「川ムカデ」という俗称がある。噛まれると痛いが、ムカデのような毒は持たない。
ツツジ科の植物にジムカデ目と同じ和名をもつジムカデ（地百足）があり、葉と茎の形状がムカデに似ていることから名が付いた。
ラン科の着生植物にムカデランがある。これも、樹上・岩上を這う茎の両側に短い棒状の葉が互生する姿がムカデの姿に似ていることから名づけられた。

脚注

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注釈

^
- 左上：オオゲジ（ゲジ目ゲジ科）
- 右上：Lithobius melanops（イシムカデ目イシムカデ科）
- 左下：Scolopendra cataracta（オオムカデ目オオムカデ科）
- 右下：Geophilus sp.（ジムカデ目ジムカデ科）
^ 「maxilliped」は通常では甲殻類の顎脚を専門に指す用語である。
^ ^a ^b 顎肢と脚は同じ肢節名を用いられるが、両者の肢節相同性は未解明である。
^ イシムカデ類における Paitobius zinus の雄もこれに類する形の顎肢をもつ。
^ ^a ^b 転節を「第1転節」、前腿節を「第2転節」とする体系もある。
^ 跗節が種類により第1と第2跗節に分かれる場合がある。

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外部リンク

ムカデ（咬傷） (PDF, 141KB) 公益財団法人日本中毒情報センター保健師・薬剤師・看護師向け中毒情報

[1] 
左上：オオゲジ（ゲジ目ゲジ科）

右上：Lithobius melanops（イシムカデ目イシムカデ科）

左下：Scolopendra cataracta（オオムカデ目オオムカデ科）

右下：Geophilus sp.（ジムカデ目ジムカデ科）

[2] 左上：オオゲジ（ゲジ目ゲジ科）

[3] 右上：Lithobius melanops（イシムカデ目イシムカデ科）

[4] 左下：Scolopendra cataracta（オオムカデ目オオムカデ科）

[5] 右下：Geophilus sp.（ジムカデ目ジムカデ科）

[19] 「maxilliped」は通常では甲殻類の顎脚を専門に指す用語である。

[:1-22] 顎肢と脚は同じ肢節名を用いられるが、両者の肢節相同性は未解明である。

[24] イシムカデ類における Paitobius zinus の雄もこれに類する形の顎肢をもつ。

[:0-27] 転節を「第1転節」、前腿節を「第2転節」とする体系もある。

[28] 跗節が種類により第1と第2跗節に分かれる場合がある。

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[67] 危険な生物 - 東北森林管理局

[68] 保健管理センター - 岡山理科大学

[69] Eaton, Eric R.; Kaufman, Kenn (2007) (英語). Kaufman Field Guide to Insects of North America. Houghton Mifflin Harcourt. ISBN 9780618153107

[70] “House centipede | Arthropod Museum”. arthropod.uark.edu. 2022年8月19日閲覧。

[71] Johnston, T. Harvey, 1943. "Aboriginal names and utilization of the fauna in the Eyrean region" Transactions of the Royal Society of South Australia, 67: 2.

[:26-72] “宮城・角田のムカデ絵馬：時事ドットコム”. 時事ドットコム. 2021年9月30日閲覧。

[73] 赤城山と俵藤太（藤原秀郷）

[74] “川越の文化財建造物「百足屋」を再生日本文化を体験する場にも”. 川越経済新聞. 2021年9月30日閲覧。

[75] “立皇嗣の礼を前に秋篠宮さまが小6の時見た絵「再発見」：朝日新聞デジタル”. 朝日新聞デジタル. 2021年9月30日閲覧。

[76] Kaplan, Matt. “First venomous crustacean discovered” (英語). Nature News. doi:10.1038/nature.2013.13985.

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[70]

2022年8月19日 (金) 08:39時点における版

呼称

形態

頭部

胴部

顎肢

顎肢以降の体節

脚

気門

末端の体節

性的二形

生態

生息地

捕食行動

天敵

防衛と擬態

繁殖と発育

分類

下位分類

ゲジ

イシムカデ

ナガズムカデ

オオムカデ

ジムカデ

人間との関わり

咬傷

産業

飼育

モチーフ、象徴

ムカデの名が付いた生物

脚注

注釈

出典

関連項目

外部リンク