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== 日本における美人(地域単位) ==
== 日本における美人(地域単位) ==
日本国内において、特に美人が多いのが[[日本海側]]という指摘がある<ref>伊藤洋「[https://www.jstage.jst.go.jp/article/japt1933/57/4/57_4_334/_article/-char/ja/ 秋田県の資源行政]」石油技術協会誌 Vol. 57 (1992) No. 4 P 334-344</ref><ref>吉阪隆生(1970)「[https://www.jstage.jst.go.jp/article/seppyo1941/32/4-5/32_4-5_110/_pdf 雪国の都市と建築について]」雪氷32巻 4,5号</ref>。具体的には、[[秋田美人]]をはじめ、[[津軽美人]]、[[庄内美人]]、[[越後美人]]、[[加賀美人]]、[[越前美人]]、[[京美人]]、[[出雲美人]]、[[博多美人]]などである。
日本国内において、特に美人が多いのが[[日本海側]]という指摘がある<ref>伊藤洋「[https://doi.org/10.3720/japt.57.334 秋田県の資源行政]」石油技術協会誌 1992 57巻 4 p.334-344, {{doi|10.3720/japt.57.334}}</ref><ref>吉阪隆生(1970)、「[https://doi.org/10.5331/seppyo.32.110f (5) 雪国の都市と建築について]」雪氷』 1970年 32巻 4-5号 p.110-114, {{doi|10.5331/seppyo.32.110}}</ref>。具体的には、[[秋田美人]]をはじめ、[[津軽美人]]、[[庄内美人]]、[[越後美人]]、[[加賀美人]]、[[越前美人]]、[[京美人]]、[[出雲美人]]、[[博多美人]]などである。


全国20~60代の男女1,378名を対象に[[東京23区|東京]]、[[大阪市|大阪]]、[[横浜市|横浜]]、[[名古屋市|名古屋]]、[[札幌市|札幌]]、[[福岡市|福岡]]、[[京都市|京都]]、[[神戸市|神戸]]、[[仙台市|仙台]]、[[広島市|広島]]、[[新潟市|新潟]]の11大都市から一番美女が多いと思う都市をひとつ選んでもらったアンケートによると、全国から美女が集まる東京(1位)に次ぐ2位(福岡)・3位(新潟)に日本海沿いの都市がランクインし、4位の京都も京都府が日本海に面している<ref>[https://sirabee.com/2017/01/18/20161054993/ 美人との出会いは日本海から…美女が多い都市ランキング] 2017年9月 閲覧</ref>。
全国20~60代の男女1,378名を対象に[[東京23区|東京]]、[[大阪市|大阪]]、[[横浜市|横浜]]、[[名古屋市|名古屋]]、[[札幌市|札幌]]、[[福岡市|福岡]]、[[京都市|京都]]、[[神戸市|神戸]]、[[仙台市|仙台]]、[[広島市|広島]]、[[新潟市|新潟]]の11大都市から一番美女が多いと思う都市をひとつ選んでもらったアンケートによると、全国から美女が集まる東京(1位)に次ぐ2位(福岡)・3位(新潟)に日本海沿いの都市がランクインし、4位の京都も京都府が日本海に面している<ref>[https://sirabee.com/2017/01/18/20161054993/ 美人との出会いは日本海から…美女が多い都市ランキング] 2017年9月 閲覧</ref>。


===地域固有名称===
===地域固有名称===

2019年9月10日 (火) 06:55時点における版

美人(びじん)とは、容貌の美しい女性をさす言葉。美女(びじょ)・佳人(かじん)・麗人(れいじん)と同義。未成年者はとくに美少女と呼ばれる。男性に対して用いる際は美男子(未成年者は美少年)という。

概要

女性の何をもってとするかは、主観的なものであり、個人嗜好によって美人の基準は異なる。ある共同体において一般的とされる美人像がその共同体内の全ての個人に共通して美人と見なされるとは限らず、価値観の多様化が進んだ社会であれば美の基準においても個人差が大きくなる。

一方、美人とは多くの人が一致して美しいと見なす女性を指すものであり、ある女性に対する美的評価において、不特定多数の個人の嗜好が一致する場合があることも確かである。後述の平均美人説や黄金比率美人説などに見られるように、多くの人が美と感じる容姿を科学的に説明しようという試みも行われている。

ただし、美は社会的に共有されるものでもあり、時代や文化によってその基準も変動しており、形質に対する科学的な分析だけでは説明のつかない要素もある。ある時代や文化において多くの人に美と認識される要素が、他の時代や文化でも同様の評価を受けるとは限らない。同様に、ある社会で一般的に美とされる要素がすべての個人の嗜好を全面的に規定するわけではないが、その社会固有の文化として多かれ少なかれ個人に影響を与えることもまた事実である。日本でも特定の女優芸能人が時代を代表する美人として扱われ、それに似せたファッションが流行することがある[1]

このように、美人という審美的判断は、判断主体個人の嗜好・その文化的背景・対象の客観的形質という複数の要素によって総合的に形成され、いずれか一つの要素によって排他的に決定されるものではない。

ちなみに、ミス・コンテストなど、容姿の美しさを基準にして女性を評価することは、男性が女性を性的欲望の対象としてのみ視るような差別意識の表れとして、フェミニズムの立場からは社会倫理上問題視される傾向がある。ただし、こうした批判は女性の美を礼賛するという自然な欲求を抑圧し党派的議論を押しつけるものとして、男性のみならず女性からの反発も根強い。

各国の美しい女性像

日本の平安時代には、肌理(きめ)の細かい色白の肌、ふっくらした頬、長くしなやかな黒髪が典型的な美人の条件として尊ばれた。ただし、一定以上の身分のある女性は近親者以外の男性に顔を見せないものとされたため、男性はめあての女性の寝所に忍んで行き、ほの暗い灯火の下で初めてその姿を見るということが普通であった。化粧は、顔に白粉を塗り、眉を除去して墨で描き(引眉)、歯を黒く染める(お歯黒)といったもので、健康美よりはむしろ妖艶さが強調された。当時の女性の成年年齢は初潮を迎える12~14歳であり、30代はすでに盛りを過ぎた年齢とみなされていた。ちなみに、しばしば言及される引目鉤鼻源氏物語絵巻等の平安絵画において高貴な人物を描く際に用いられた表現技法の名称である。

戦国時代に日本に30年以上滞在した西洋人ルイス・フロイスは「ヨーロッパ人は大きな目を美しいとしている。日本人はそれを恐ろしいものと考え、涙の出る部分の閉じているのを美しいとしている。」[2]と、当時の日本人が大きな目よりも絵巻物美人画に描かれるような涼しい目を理想としていた様子を記している。

江戸時代以来、日本では色白できめ細かい肌、細面、小ぶりな富士額、涼しい目元、鼻筋が通り、豊かな黒髪が美人の典型とされた(浮世絵で見られる女性は、当時の理想的な美人を様式化した作品である。詳しくは美人画を参照)。当時最も売れた化粧指南書『都風俗化粧伝』において「目の大なるをほそく見する伝」という項が存在し、目に関しては現在とは異なる美意識だったことを表している。井原西鶴の作品[要出典]には、低いを高くしてほしいと神社で無理な願いことをする、との記述があり、当時鼻の高さを好んだ傾向が伺える。こうした美意識は、明治時代から大正時代に至るまで美人像の基調となった。

明治時代に入ると欧化主義とそれに伴う洋装化の動きがおこり、大正時代関東大震災後からパーマネントや断髪、口紅を唇全体に塗るなど、従来の美意識と相容れないような欧米式の美容が広まった。

今日では、雑誌やマスメディアを通じて、化粧品メイクに関する情報が広く共有され、美白二重まぶた長身美脚など、ファッション産業と密接に結びついた審美観が普及している。その反面、容姿の美醜が従来以上に女性の幸福感を左右するようになった。こうした傾向は、摂食障害美容整形への過度の依存など身体的・精神的健康をむしばむ新たな問題を生じている。

美人の比喩

日本では木花咲耶姫以来、神代から、正真正銘の美人を指すのにの比喩をよくつかう。

立てば芍薬座れば牡丹歩く姿は百合の花

ただし、これは飽くまでも日本の文化(大和民族の文化)における伝統的美意識による発想である。たとえば金田一京助は、アイヌに「お前、の花きれいだと思わないか」と訊いたところ「きれいだ」との返答だったので、「じゃ美人のときに、花のようだと言ったら」と重ねて問うと、そのアイヌから「だって全然違うじゃないか。花はこんな形をしているし、顔とは全然違う」と笑われたと伝えられる[3]

日本や中国では、美人(の意味)を比喩したことわざ・四字熟語が存在している。

日本語では、美男子には眉目秀麗、美女には容姿端麗という四字熟語がある。

  • 佳人薄命 - 美人は薄幸であるという意味。美人薄命、美女薄命とも
  • 八方美人 - どこから見ても美人という意味から派生した言葉。
  • 明眸皓歯 - 杜甫の哀江頭で楊貴妃について書かれた表現
  • 雲鬢花顔・雲鬢花顔金歩揺 - 白楽天長恨歌で楊貴妃について書かれた表現
  • 朱唇皓歯 - 微笑む女性の口紅と白い歯を表した表現
  • 仙姿玉質 - 仙女の様な優雅な姿と玉のように滑らかな肌を表した表現

平均美人説

Judith LangloisとLori Roggmanは、無作為に抽出した顔写真の合成写真を被験者に示した時に、その写真が魅力的であると判断されることが多いとする研究結果を発表した(Psychological Science 1990)。この事から、美人とはそのコミュニティにおいて最も平均的な容姿を持つものであるという仮説が提唱された。この説によると、美人像の変遷は、そのコミュニティの構成員の変化を背景としているものと考えられる(鼻が高い人が多くなれば、鼻が高いことが美人の要素となる)。このように平均的な女性が美しいと感じられる理由としては、平均的であるということが、当該コミュニティで失敗のない生殖を行う可能性が高いことを示している(繁殖実績が多い)と考えられるためと説明されている。

黄金比率美人説

カナダトロント大学のカン・リー(Kang Lee)が視覚研究の専門誌「Vision Research」で白人女性のみを対象にした研究結果を発表した。そこで女性の見た目の美しさは両目の間隔や目鼻と口の距離が顔全体に占める割合によって決まるという研究結果が発表されている。その研究結果は目と口の距離は顔の長さの36%のときに一番美しいと感じられ、両目の間隔は顔の幅の46%のときに一番美しいと感じられることが分かった[4]

日本における美人(地域単位)

日本国内において、特に美人が多いのが日本海側という指摘がある[5][6]。具体的には、秋田美人をはじめ、津軽美人庄内美人越後美人加賀美人越前美人京美人出雲美人博多美人などである。

全国20~60代の男女1,378名を対象に東京大阪横浜名古屋札幌福岡京都神戸仙台広島新潟の11大都市から一番美女が多いと思う都市をひとつ選んでもらったアンケートによると、全国から美女が集まる東京(1位)に次ぐ2位(福岡)・3位(新潟)に日本海沿いの都市がランクインし、4位の京都も京都府が日本海に面している[7]

地域固有名称

日本三大美人

その他

その他の美人

脚注

  1. ^ 例:原節子山本富士子吉永小百合藤原紀香鈴木京香仲間由紀恵など。
  2. ^ ヨーロッパ文化と日本文化 (岩波文庫)ルイス・フロイス (著), 岡田 章雄 (訳注)ISBN 978 4003345917
  3. ^ 金田一春彦團伊玖磨の対談「別れのことば『思うわよォ』」〜「週刊読売1972年12月16日
  4. ^ http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2814183/
  5. ^ 伊藤洋、「秋田県の資源行政」『石油技術協会誌』 1992年 57巻 4号 p.334-344, doi:10.3720/japt.57.334
  6. ^ 吉阪隆生(1970)、「(5) 雪国の都市と建築について」『雪氷』 1970年 32巻 4-5号 p.110-114, doi:10.5331/seppyo.32.110
  7. ^ 美人との出会いは日本海から…美女が多い都市ランキング 2017年9月 閲覧

参考文献

関連項目