美人

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懐月堂安度、『立姿美人図』1700-1720年頃。
喜多川歌麿の美人画
陸奥亮子陸奥宗光夫人。明治の東京で「鹿鳴館の華」と呼ばれた)
柳原白蓮大正三美人のひとり。

美人(びじん)とは、容貌の美しい人物をさす言葉。麗人と言う場合もある。

概要[編集]

元々は「人」と言う漢語が、主に男性を社会的に指す言葉であった[注 1]ので、古語では、「美人」は美しい男性を指した。女性を指す場合は「美女(びじょ)」という言葉を用いた。

文化時代によって美人ないし美女の基準は異なる。同じ地域でも時代により美人の定義は変化し、同時代であっても地域・文化圏の違いによって基準は異なる。さらに、ある共同体での一般的な美人像がその共同体内の全ての個人に共通している訳ではない。価値観の多様化が進んだ社会であれば美人に対する基準にも個人差が大きくなる。日本ではかつて、銀幕女優(山本富士子など)が美人(美女)の代名詞的存在として扱われたことがあった。

美人という言葉は内面を指すこともあるが、一般には外見の判断であることが多い。[独自研究?]ミス・コンテストなど、美人を基準にした社会での女性の扱いについては、フェミニストなどから問題提起されることもある。

日本の美しい女性像[編集]

平安時代には、肌理(きめ)の細かい色白の肌、ほほのぽっちゃりした丸顔、長くしなやかな黒髪が典型的な美人の条件として尊ばれた。ただし、一定以上の身分のある女性は近親者以外の男性に顔を見せないものとされたため、男性はめあての女性の寝所に忍んで行き、ほの暗い灯火の下で初めてその姿を見るということが普通であった。化粧は、顔に白粉を塗り、眉を除去して墨で描き(引眉)、歯を黒く染める(お歯黒)といったもので、健康美よりはむしろ妖艶さが強調された。当時の女性の成年年齢は初潮を迎える12~14歳であり、30代はすでに盛りを過ぎた年齢とみなされていた。ちなみに、しばしば言及される引目鉤鼻源氏物語絵巻等の平安絵画に用いられた表現技法の名称であり、美人の条件を指すものではない。

江戸時代以来、日本では色白できめ細かい肌、細面、小ぶりな富士額、涼しい目元、鼻筋が通り、豊かな黒髪が美人の典型とされた(浮世絵で見られる小さな目で描かれた女性は、当時の理想的な美人を様式化した作品である。詳しくは美人画を参照)。こうした美意識は、明治時代から大正時代に至るまで日本の美人像の基調となった。井原西鶴の作品[要出典]には、低いを高くしてほしいと神社で無理な願いことをする、との記述があり、当時鼻の高さを好んだ傾向が伺える。また朝鮮通信使の記録には、「沿道の女性の肌はお白いをせずとも白く、若い女性の笑い声は小鳥のようである」と国王に報告している。

関東大震災後から、パーマネントや断髪、口紅を唇全体に塗るなど、欧米の影響を受けて従来の美意識と相容れないような美容が広まった。戦後の日本では、西洋の影響を受けて、白人に近い顔立ちが美人とされた。

また、20世紀には映画・テレビをはじめとする動画が一般化日常化するなかで、静止画的な美しさだけでなく、動的な美しさも評価されるようになった。美人の基準も多様化しているため、美人の代名詞と言えるような女性はいなくなった。上記の美人像とはかなり異なる顔立ちの女性であっても、美しいと見なされることがままある。


美人の比喩[編集]

日本では木花咲耶姫以来、神代から、正真正銘の美人を指すのにの比喩をよくつかう。

ただし、これは飽くまでも日本の文化(大和民族の文化)における伝統的美意識による発想である。たとえば金田一京助は、アイヌに「お前、の花きれいだと思わないか」と訊いたところ「きれいだ」との返答だったので、「じゃ美人のときに、花のようだと言ったら」と重ねて問うと、そのアイヌから「だって全然違うじゃないか。花はこんな形をしているし、顔とは全然違う」と笑われたと伝えられる[1]

平均美人説[編集]

Judith LangloisとLori Roggmanは、無作為に抽出した顔写真の合成写真を被験者に示した時に、その写真が魅力的であると判断されることが多いとする研究結果を発表した(Psychological Science 1990)。この事から、美人とはそのコミュニティにおいて最も平均的な容姿を持つものであるという仮説が提唱された。この説によると、美人像の変遷は、そのコミュニティの構成員の変化を背景としているものと考えられる(鼻が高い人が多くなれば、鼻が高いことが美人の要素となる)。このように平均的な女性が美しいと感じられる理由としては、平均的であるということが、当該コミュニティで失敗のない生殖を行う可能性が高いことを示している(繁殖実績が多い)と考えられるためと説明されている。

黄金比率美人説[編集]

カナダトロント大学のカン・リー(Kang Lee)が視覚研究の専門誌「Vision Research」で白人女性のみを対象にした研究結果を発表した。そこで女性の見た目の美しさは両目の間隔や目鼻と口の距離が顔全体に占める割合によって決まるという研究結果が発表されている。その研究結果は目と口の距離は顔の長さの36%の時に一番美しいと感じられ、両目の間隔は顔の幅の46%の時に一番美しいと感じられることが分かった。http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2814183/

美人に関する諺[編集]

日本や中国では、美人(の意味)を比喩したことわざが存在している。

その他の美人[編集]

脚注[編集]

  1. ^ 例えば、美しい少年は「美少人」と呼ばれた
出典
  1. ^ 金田一春彦團伊玖磨の対談「別れのことば『思うわよォ』」〜「週刊読売1972年12月16日

参考文献[編集]

関連項目[編集]