TOKYO VICE
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『TOKYO VICE』(トウキョウ バイス)は、アメリカ合衆国のHBO Maxが制作した全8話のテレビシリーズ。日本からはWOWOWが共同制作に参加した[1]。1999年の東京を舞台に、警視庁のベテラン刑事に連れられヤクザが支配する暗黒世界に足を踏み入れた若きアメリカ人新聞記者を描く。
TOKYO VICE | |
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ジャンル | テレビドラマ |
原作 |
ジェイク・エーデルスタイン著 『トウキョウ・バイス: アメリカ人記者の警察回り体験記』 |
脚本 |
ジェイク・エーデルスタイン J・T・ロジャース ナオミ・イイヅカ |
監督 |
マイケル・マン アラン・プール ジョセフ・クボタ・ラディカ |
出演者 |
アンセル・エルゴート 渡辺謙 レイチェル・ケラー 笠松将 伊藤英明 菊地凛子 |
音楽 |
ダニー・ベンシ サウンダー・ジュリアンズ |
製作 | |
製作総指揮 |
ジョン・レッシャー ジェイク・エーデルスタイン マイケル・マン J・T・ロジャース アラン・プール デスティン・ダニエル・クレットン アンセル・エルゴート 渡辺謙 鷲尾賀代 エミリー・ガーソン・セインズ |
制作 |
HBO Max エンデヴァー・コンテント WOWOW |
製作 |
ラルフ・ウィンター サッチ・ワタナベ アレックス・ボーデン |
製作費 | 88億円 |
放送 | |
放送期間 | 2022年4月7日 - 2022年4月28日(米国) 2022年4月24日 - 2022年6月12日(日本) |
放送時間 | 54〜63分 |
回数 | 8エピソード |
ストーリー[編集]
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登場人物[編集]
- ジェイク・エーデルスタイン (Jake Adelstein)
- 演 - アンセル・エルゴート
- 新聞記者。
- ミズーリ州生まれ。日本の大学を卒業し、日本初の外国人記者として明調新聞社に入社する。
- 片桐ヒロト (Katagiri Hiroto)
- 演 - 渡辺謙
- 警視庁暴力団対策課の刑事。
- サマンサ・ポーター (Samantha Porter)
- 演 - レイチェル・ケラー
- 歌舞伎町の高級クラブ「オニキス」のホステス。将来自分のクラブを所有する野心を持つ[2]。ユタ州プロボ出身。
- 宮本ジン (Miyamoto Jin)
- 演 - 伊藤英明
- 警視庁保安課の刑事。
- 丸山詠美 (Maruyama Eimi)
- 演 - 菊地凛子
- 明調新聞社の記者。エーデルスタインの先輩。
- 佐藤 (Sato)
- 演 - 笠松将
- 千原会組員。
- アキラ (Akira)
- 演 - 山下智久
- ホストクラブ「ミラリナ」のカリスマホスト。ポリーナの恋人。
- ポリーナ(Polina)
- 演 - エラ・ルンプフ
- 東欧出身のホステス。モデルを夢見て来日したがクラブオニキスに引き込まれた。
- デューク (Duke)
- 演 - 萩原聖人
- クラブオニキスのオーナー
エピソード[編集]
話数 | サブタイトル | 監督 | 脚本 | 米国放送日 | 日本放送日 |
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#1 | 新聞記者 The Test |
マイケル・マン | J・T・ロジャース | 2022/4/7 | 2022/4/24 |
#2 | 起死回生 Kishi Kaisei |
ジョセフ・クボタ・ラディカ | カール・タロー・グリーンフェルド | 2022/4/7 | 2022/5/2 |
#3 | 精神一到 Read the Air |
ジョセフ・クボタ・ラディカ | アーサー・フィリップス | 2022/4/7 | 2022/5/8 |
#4 | 虎穴虎子 I Want It That Way |
HIKARI | ナオミ・イイズカ | 2022/4/14 | 2022/5/15 |
#5 | 因果応報 Everybody Pays |
HIKARI | アダム・ステイン | 2022/4/14 | 2022/5/22 |
#6 | 虚々実々 The Information Business |
ジョセフ・クボタ・ラディカ | ジェシカ・ブリックマン | 2022/4/21 | 2022/5/29 |
#7 | 不義不徳 Sometimes They Disappear |
ジョセフ・クボタ・ラディカ | ブラッド・ケイン | 2022/4/21 | 2022/6/5 |
#8 | 剣ヶ峰 Yoshino |
アラン・プール | J・T・ロジャース | 2022/4/28 | 2022/6/12 |
製作概要[編集]
企画・製作[編集]
原作はジェイク・エーデルスタインが2009年に発表した小説『トウキョウ・バイス: アメリカ人記者の警察回り体験記』 "TokyoVice:American Reporter on the Police Beatin Japan" [3]。ミズーリ州コロンビア出身のエーデルスタインは、上智大学文学部を卒業後、1993年に読売新聞社に入社し日本で初めての外国人新聞記者となった[4]。この小説は13年間に渡ってヤクザの裏社会を取材したときの回想録が基になっている。
2013年にダニエル・ラドクリフ主演、アンソニー・マンドラー監督、脚本をトニー賞やオビー賞の受賞歴があるJ・T・ロジャースにより映画化が企画された。エーデルスタインとJ・T・ロジャースは高校時代からの友人でエーデルスタイン本人から脚本執筆を依頼されたという[5]。しかし撮影が始まる直前に頓挫してしまった[6]。
しばらく放置されていたが、2019年にイギリスのエンデヴァーコンテントが権利を取得するとテレビシリーズとして復活した[7]。6月には製作総指揮にアラン・プール、マイケル・マン、デスティン・ダニエル・クレットン、ジョン・レッシャー、主演も兼ねるアンセル・エルゴート、渡辺謙らが発表され、10月に第一話の監督がマイケル・マンが決まったと報道された。
引き続き脚本を担当したJ・T・ロジャースによると、このドラマはエーデルスタインの実体験をヒントにしているが、伝記でもドキュメンタリーでもなくフィクションだという。エーデルスタインは続編にあたる"TOKYO Private Eye” を完成させているが、2022年5月の段階ではテレビシリーズ化は決まっていない。
撮影[編集]
都内での撮影は東京ロケーションボックスがサポートした。東京は撮影許可が下りにくい都市であることは海外でも知られており、富士山の近くに1990年代の東京を模したオープンセットを作る案もあったという[8]。
しかしマイケル・マンは本物の東京ロケを強く要望し、敢行した。撮影開始の直前にマンとジョン・レッシャーは小池百合子都知事を表敬訪問して許可が得られたことへの感謝の言葉を伝えた[9]。
2020年3月に撮影がスタートしたが、新型コロナウィルス対策の緊急事態宣言が発出されたため2週間もしないうちに中断してしまう[10]。同年11月に再開したものの、出入国制限により米国人スタッフの訪日が困難となったため大部分を日本人に変更した。マンは日本人スタッフの能力の高さを称賛したが、撮影許可に関する役所の動きの遅さを批判しつつ今後の対応に期待した[11]。
撮影が終了したのは再開から7ヶ月後の2021年6月であったが、その間スタッフとキャストは毎週のようにPCR検査を受け、その回数は延べ300回を超えた[12]。ただ緊急事態宣言により人の往来が少なくなっており屋外ロケはとてもやりやすくなっていた。中でも困難と思われていた歌舞伎町や新宿ゴールデン街の撮影も順調に終えることが出来た[13]。
配役[編集]
主人公ジェイク・エーデルスタインを演じるのは『ベイビー・ドライバー』(2017年)や『ウェスト・サイド・ストーリー』(2021年)で知られるアンセル・エルゴート。
役が決まったときマイケル・マン監督から最初に指示されたのは報道とジャーナリズムについて学ぶことだった。エルゴートはロサンゼルス・タイムズの元記者と1週間行動を共にし、インタビューの仕方や文章の書き方等の指導を受けた[14]。実際に告発されている会社社長の自宅を訪ねインタビューさせられたりもした[15]。
それから日本語を学び始めたのだが、7ヶ月間の撮影中断は彼にとっては救いだった。その間は勉強のため東京に留まり[16]、再開してからも毎日4時間は日本語の会話を学んだという。インタビューでは半分近くを通訳なしで受け答えできるまで上達した[17]。
渡辺謙の出演は、彼が主演した舞台劇「王様と私」の演出家バートレット・シャーが、J・T・ロジャースを紹介したのがきっかけだった[18]。渡辺が演じる片桐刑事のモデルは関口千秋という埼玉県警の刑事で、エーデルスタインにとって良き指導者であり第二の父親のような存在だったという[19]。普段は温厚だがヤクザと対面すると途端に冷酷になったという関口刑事の性格をエーデルスタインから聞かされた渡辺は、その二面性を汲み取った[20]。関口氏は2008年に癌で亡くなっている[21]。
サマンサ・ケラー役にはオデッサ・ヤングが決まっていたが、撮影延期によりスケジュールが合わなくなったため急遽レイチェル・ケラーに代えられた[22]。母親が日本育ちで日本には馴染みがあったが日本語の知識はまったく無く、日本語教師から数ヶ月特訓を受けた。
暴力団組員の佐藤を演じるはずだった鈴木亮平もスケジュール変更でキャンセルせざるを得ず、笠松将がキャスティングされた[23]。
脚注[編集]
注釈[編集]
出典[編集]
- ^ April 08, Christian Holub. “What Michael Mann brought to 'Tokyo Vice'” (英語). EW.com. 2022年5月14日閲覧。
- ^ “Tokyo Vice's Samantha Backstory: Mormon Missionaries In Japan Explained” (英語). ScreenRant (2022年4月19日). 2022年5月14日閲覧。
- ^ Lopez, Kristen (2022年3月29日). “‘Tokyo Vice’: Everything to Know About the HBO Max Drama” (英語). IndieWire. 2022年5月14日閲覧。
- ^ “Tokyo Vice's Jake Adelstein: Everything You Wanted To Know (But Were Mildly Afraid To Ask)” (英語). Unseen Japan (2022年4月12日). 2022年5月15日閲覧。
- ^ “'Tokyo Vice' Captures an Outsider's View of Culture and Crime in Japan” (英語). www.metacritic.com. 2022年5月14日閲覧。
- ^ “Tokyo Vice” (英語). HBO Max Wiki. 2022年5月14日閲覧。
- ^ Palm, Erik Augustin (2022年4月1日). “‘Tokyo Vice’ Revisits a Faded Underworld” (英語). The New York Times. ISSN 0362-4331 2022年5月14日閲覧。
- ^ “「TOKYO VICE」渡辺謙が語る“1990年代”東京とそこに生きる人々…「人間の精神構造や社会構造にものすごく大きな変化を及ぼした」|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS” (日本語). MOVIE WALKER PRESS. 2022年5月14日閲覧。
- ^ “detail” (日本語). 東京ロケーションボックス. 2022年5月15日閲覧。
- ^ Shrestha, Naman (2022年4月6日). “Where is Tokyo Vice Filmed?” (英語). The Cinemaholic. 2022年5月14日閲覧。
- ^ “detail” (日本語). 東京ロケーションボックス. 2022年5月14日閲覧。
- ^ Shrestha, Naman (2022年4月6日). “Where is Tokyo Vice Filmed?” (英語). The Cinemaholic. 2022年5月15日閲覧。
- ^ “Where is Tokyo Vice Filmed? TV Show Filming Locations” (英語). Infography.in (2022年4月6日). 2022年5月14日閲覧。
- ^ Carvajal, Edduin (2022年4月14日). “Get To Know 'Tokyo Vice' Star Rachel Keller Who Replaced Odessa Young” (英語). news.amomama.com. 2022年5月14日閲覧。
- ^ “インタビュー 第1弾:アンセル・エルゴート” (日本語). 「TOKYO VICE」特設サイト powered by WOWOW. 2022年5月16日閲覧。
- ^ “Ken Watanabe And Alan Poul Fought For Tokyo Vice's' Authenticity”. theplaylist.net. 2022年5月14日閲覧。
- ^ “アンセル・エルゴートが日本語で語る!『TOKYO VICE』 ハリウッド俳優が見た日本文化とジャーナリズム” (日本語). BANGER!!!. 2022年5月14日閲覧。
- ^ “「TOKYO VICE」渡辺謙が語る“1990年代”東京とそこに生きる人々…「人間の精神構造や社会構造にものすごく大きな変化を及ぼした」|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS” (日本語). MOVIE WALKER PRESS. 2022年5月14日閲覧。
- ^ “Tokyo Vice's Jake Adelstein: Everything You Wanted To Know (But Were Mildly Afraid To Ask)” (英語). Unseen Japan (2022年4月12日). 2022年5月15日閲覧。
- ^ Kundu, Tamal (2022年4月6日). “Is Hiroto Katagiri Based on a Real Tokyo Police Detective?” (英語). The Cinemaholic. 2022年5月14日閲覧。
- ^ Palm, Erik Augustin (2022年4月1日). “‘Tokyo Vice’ Revisits a Faded Underworld” (英語). The New York Times. ISSN 0362-4331 2022年5月15日閲覧。
- ^ “アンセル・エルゴートら東京ロケ「トウキョウ・バイス」11月後半より撮影再開へ” (日本語). THE RIVER (2020年11月2日). 2022年5月14日閲覧。
- ^ “Tokyo Vice : Exclusive Interview with Executive Producer/Director Alan Poul” (英語). Cinema Daily US (2022年5月1日). 2022年5月15日閲覧。
外部リンク[編集]
- TOKYO VICE - WOWOW公式サイト
- TOKYO VICE - allcinema:映画データベース
- TOKYO VICE - IMDb
- TOKYO VICE - epguides.com