HERO'S
| HERO'S | |
|---|---|
| 設立 | 2005年 |
| 主催 |
HERO'S実行委員会 (FEG・TBSテレビほか) |
| 本部 |
|
| 代表者 | 谷川貞治 |
| サイト | HERO'S公式サイト |
HERO'S(ヒーローズ)は、日本の総合格闘技イベント。TBSテレビ・FEGを始めとするHERO'S実行委員会が主催し[注 1]、前田日明がスーパーバイザーとして関与していた。2005年から2007年まで開催され、2008年よりFEGは「DREAM」、前田は「THE OUTSIDER」を開始させた。
歴史
[編集]2004年5月にFEG主催で行われた『K-1 ROMANEX』を発展的終了させ、HERO'Sとしてリニューアル。大会名は、新たなヒーローを発掘する願いをこめたことから付けられた。2005年3月26日に旗揚げ戦を開催。日本人選手を中心とした中量級路線と、K-1選手の総合格闘技進出を二本柱として開始。
前田日明がスーパーバイザーとしてマッチメイクやルール制定に関わった。初期は同じく前田がスーパーバイザーを務めていたビッグマウスが主催し、友好関係にあった谷川貞治率いるFEGが協力する形を取り、ビッグマウス社長の上井文彦が総合プロデューサーを務めた[1]。前田のリングスコネクションによる外国人選手の発掘も行うとし、トーナメントは当初リングスで使われていた呼称「メガバトルトーナメント」と命名していた[2]。既存のヒース・ヒーリングやイアン・シャファーといった選手にリングスUSA、リングス・オーストラリア所属を名乗らせていた[3]。演出面でもリングスのテーマ曲を使用し、リングアナウンサーにリングスのリングアナであった古田信幸[注 2]を起用[4]。第1回大会の閉会式では前田コールを送るファンの姿もあったが[5]、メガバトルトーナメントの呼称は不採用となった。
旗揚げ後は中量級世界最強決定トーナメントを開催。2006年8月5日の大会からライトヘビー級世界最強王者決定トーナメントを開始。また、「Road to Dynamite!!」をキャッチフレーズにHERO'Sで活躍した選手を「K-1 PREMIUM Dynamite!!」に出場させ、トーナメントの決勝をK-1 PREMIUM Dynamite!!で行うなどしていた。
冠スポンサーは、2005年と2006年はパチンコ・パチスロメーカーのサミー、2007年はパチスロメーカーのオリンピア。FEGは当初、K-1に専念するとしていたが[6]、前田がビッグマウスと袂を分かち、同社のスーパーバイザーを退任したことから、ビッグマウスはHERO'Sから撤退。以降はFEGがHERO'S実行委員会の中心を担った[7]。なお、「HERO'S」は登録商標となっており、商標権はK-1創始者の石井和義が保有している。
2007年にPRIDEが活動停止し、同年大晦日にPRIDEを運営していたドリームステージエンターテインメントの元スタッフとの共同開催興行『やれんのか! 大晦日! 2007』を開催したことから、この関係を発展させ、新たにFEG主催による後継イベント「DREAM」を2008年3月から開始し、HERO'Sは終了した。前田はDREAMには関与せず、自身がCEOを務めるリングスの興行「THE OUTSIDER」を旗揚げ。THE OUTSIDERの試合はHERO'Sに準ずるルールを採用していた。
復活
[編集]2025年9月3日、HERO'Sの中心選手のひとりであった須藤元気がK-1プロデューサーに就任し、HERO'Sを18年ぶりに復活させる意向を示した。9月7日に代々木第二体育館で開催されたK-1大会では、「HERO'Sルール」と題したMMAルール2試合が組まれた[8]。
ルール
[編集]以下の2点を禁止としていた。
- 「スタンドポジション状態の選手によるグラウンドポジション状態の選手への顔面、頭部への蹴り」(サッカーボールキック)
- 「4点ポジション等を含むあらゆるグランドポジション状態の選手の顔面・頭部への膝蹴り」
両選手間に有効な攻防が見られない状態からのブレイクのタイミングに関し、レフェリー・ジャッジの注意にもかかわらず、「5秒から10秒を目安に改善が見られない場合、両選手をブレイクし、スタンドから試合を再開させる」としていた。
主に5分3ラウンド制を採用していたが、桜庭和志が1ラウンド目を10分にすることを要望したこと受け、2006年8月より桜庭の階級であるライトヘビー級のみ10分と5分の2ラウンド制で延長ラウンドが5分という変則的なルールとなった[9]。
ジャッジとレフェリーは、和術慧舟會が中心となって運営しているJapan Totalfight Championshipから派遣された[10]。ルールディレクターは和術慧舟會の磯野元、審判長は平直行が務めた[11]。
トーナメント優勝者
[編集]| 大会 | 氏名 | 開催年月日 |
|---|---|---|
| 2005 ミドル級世界最強王者決定トーナメント | 2005年12月31日 | |
| 2006 ライトヘビー級世界最強王者決定トーナメント | 2006年10月9日 | |
| 2006 ミドル級世界最強王者決定トーナメント | ||
| 2007 ミドル級世界王者決定トーナメント | 2007年9月17日 |
テレビ中継
[編集]TBSが地上波放送を行った。平日開催の場合は21:00 - 22:54、土曜日開催の場合は19:00 - 20:54に放送していた。地上波放送から数週間後にCS放送のTBSチャンネルで完全版を放送。実況はTBSのアナウンサー。解説は谷川貞治と、2007年3月までは船木誠勝、2007年7月は中井祐樹。旗揚げ当初は動画配信サービスGyaOによる無料配信も行われていた。
捏造問題
[編集]TBSが2007年3月12日に放送した『総合格闘技HERO'S 2007 開幕戦』の中で、出場選手の桜庭和志を紹介する際にファンのコメントが書き込まれたインターネット掲示板とする映像を放送したが、実際は担当ディレクターが捏造していたことが明らかとなった[12]。
スタッフ
[編集]- 監修:渡邊健一、藤井誠
- 構成:吉村幹彦、河合秀仁、武田郁之輔、野村安史、高宮進吉、望月佐一郎、むらこし豪昭、遠藤正也、井上修、牧田英士
- TM:河野志朗
- VTR編集:七條健司
- MA:増田仁
- 選曲効果:ZACK
- 美術プロデューサー:古川雅之
- 美術制作:小美野淳一
- 美術デザイン:岡嶋正浩
- 宣伝:大下慎太郎
- 演出:筧哲一
- プロデューサー:長尾昇、石井宏昌
- 技術協力:ProCam、東通、エヌ・エス・ティー、TAMCO、TECNONET、MT Planning、サークル、SiS
- 協力:HERO'S実行委員会、FEG
- 制作:TBSテレビ、ドリマックス・テレビジョン
- 製作著作:TBS
スタッフ
[編集]レフェリー
[編集]ジャッジ
[編集]- 会田雅芳
- 大藪吉郁
- 松本天心
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ 新日本と前田&K-1が真っ向激突 3・26さいたま「HEROS」開催決定 スポーツナビ 2005年3月1日
- ^ K-1選手に“前田イズム”を注入だ 「打撃の選手を総合でトップに育てる」 スポーツナビ 2005年3月27日
- ^ 腕相撲王者がHERO'Sへ バンナを握りつぶす!? 宇野vsハンセン、ヒーリングも参戦 スポーツナビ 2005年3月12日
- ^ “HERO'S”. 金ちゃんのドンとやってみようGT. 2025年11月14日閲覧。
- ^ (レポ&写真) HERO'S 3.26 さいたま:宇野、ハンセンに逆転KO負け BOUTREVIEW 2005年3月29日
- ^ FEG、本業のK-1に専念 BOUTREVIEW 2005年3月3日
- ^ 前田スーパーバイザーが一夜明け会見で、HERO'Sのシステム面に苦言 angle JAPAN 2006年8月6日[リンク切れ]
- ^ “【K-1】須藤元気・新プロデューサーが〝HERO’S復活構想〟の詳細激白「1シーズン1回ぐらいはやりたい」”. 東京スポーツ. (2025年9月4日) 2025年9月7日閲覧。
- ^ やっぱり主役は、“サク咲く”桜庭和志 [リンク切れ] HERO'S 公式サイト 2006年8月4日
- ^ ミスジャッジ トイカツ記(戸井田カツヤ公式サイト) 2006年8月7日
- ^ 【K-1】12・31秋山成勲VS桜庭和志戦の裁定についての記者会見全文(2) GBR 2007年1月11日
- ^ “TBSまた不祥事 2ちゃん映像「捏造」”. J-CASTニュース (2007年3月13日). 2007年6月6日閲覧。