IT'S SHOWTIME

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IT'S SHOWTIME(イッツ・ショータイム)は、オランダアムステルダムに拠点を置くキックボクシング団体。主催はヨーロピアン・ファイティング・ネットワーク。代表はサイモン・ルッツ。一時はヨーロッパ最大にしてK-1と並ぶ世界最大級のキックボクシング団体であった。

概要[編集]

長年に渡って格闘技のレフェリーを務めていたサイモン・ルッツがプロモーターとして1999年10月24日にロブ・カーマンの現役引退試合をメインイベントとして旗揚げし、カーマンの相手には当時19歳だったアレクセイ・イグナショフを抜擢した[1]

ルッツはIT'S SHOWTIMEのプロモーターであると同時にバダ・ハリジョルジオ・ペトロシアンメルヴィン・マヌーフといった有力選手達のマネージメントもしていた。

オランダ国外で大会を開催する際には現地のキックボクシング大会との共同開催を行っていた。日本K-1とも協力関係にあり、2006年、2007年、2008年とK-1 WORLD GPアムステルダム・アレナ大会をIT'S SHOWTIMEとの2部興行として共催した。2009年5月16日には単独開催し、バダ・ハリ vs. セミー・シュルト戦を始めとした豪華対戦カードを実現させた。

2012年6月30日、IT'S SHOWTIME 57 & 58でGLORYを主催するグローリー・スポーツ・インターナショナル(GSI)にIT'S SHOWTIMEが買収されることが発表された[2]

2013年からIT'S SHOWTIMEをGLORYに統合することとなったため、同年9月17日にパシフィコ横浜国立大ホールで開催予定だった日本大会が中止された[3]

ごく稀に総合格闘技ルールの試合を組むことがあり、2006年12月に総合格闘技ルールのタイトルであるIT'S SHOWTIME 69kg MAX MMA王座が創設されたが、同王座も直ぐに廃止されるなど、本格的に総合格闘技の試合が組まれることはなかった。

テレビ放送[編集]

2007年12月、リアリティ番組「It's Showtime Reality Show」の第1シーズンをユーロスポーツで放送した。2008年、新たなリアリティ番組「Enfusion」を放送。

2010年4月、日本でのテレビ放映をJ SPORTSで「最強打撃格闘技 IT'S SHOWTIME」という番組名で放送開始。

2011年1月の時点では世界89カ国でテレビ放映され、またIT'S SHOWTIME公式サイトにて、全世界に有料ライブ・ストリーミング生中継を行っていた。

IT'S SHOWTIME JAPAN[編集]

2011年5月23日、ジャパン・マーシャルアーツ・ディレクターズ(JMD)及びREBELSが合同で「IT'S SHOWTIME JAPAN」(STJ)を設立することが発表された[4]。運営は6月13日に設立された株式会社IT'S SHOWTIME JAPANが行った[5]

2012年春に東京で旗揚げ大会が開催予定だったが[4]、旗揚げ大会が延期になるとJMD賛同プロモーションの興行内でSTJ公式戦が行われ[6]、2012年1月22日のREBELS.10では松本哉朗がコウイチ・ペタスに勝利し初代STJ95kg級王座を獲得した。

しかしその後、前述のGLORYがIT'S SHOWTIME本体を買収し統合した影響から、IT'S SHOWTIMEブランドの日本での展開が消滅。IT'S SHOWTIME Japanのコンセプトを引き継ぐ形でREBELSが、ムエタイ大会から肘打ち無しルールの大会へとリニューアルされた。

ルール[編集]

  • 基本的にはK-1ルールとほぼ同じ。
  • K-1では有効のバックハンドブローが禁止となっている(拳ではなく肘が当たるケースもあるため、肘打ちと同様に反則と見なすようになった)。
  • クリンチが禁止なのはK-1と同様だが、膝蹴りを打つための首相撲は認められている。
  • 通常のワンマッチは3分3ラウンド(引き分けの場合、延長1ラウンドが認められている)、ラウンド間のインターバルは1分間。タイトルマッチでは3分5ラウンド(ただしヘビー級タイトルマッチは3分3ラウンド)。
  • K-1や通常のキックボクシングではジャッジは3人制だが、IT'S SHOWTIMEではフェアな判定をするため、3つの異なる国から5名のジャッジを大会ごとに招聘し、5人制ジャッジで判定を行っていた。
  • K-1では禁止になっている身体へのタイオイルの塗布が認められている。
  • タイトルマッチ以外の出場者は試合前日計量で規定体重をオーバーしても500g以内であればペナルティはなし、かつ試合をすることが認められている。これは日本などと違って、計量で計りを使用しておらず、ヘルスメーターで計量を行っているため正確な計量をすることができないことを踏まえてのものとされている。

階級・王座[編集]

ヘビー級世界王座[編集]

氏名 在位期間 防衛回数
モロッコの旗 バダ・ハリ 2009年5月16日 - 2010年5月29日 1
2 エジプトの旗 ヘスディ・カラケス 2010年5月29日 - 2012年1月28日 0
3 ルーマニアの旗 ダニエル・ギタ 2012年1月28日 - 2012年11月10日(団体消滅)

95kg MAX世界王座[編集]

氏名 在位期間 防衛回数
スリナムの旗 タイロン・スポーン 2008年11月29日 - 2011年1月(返上) 0
2 コンゴ民主共和国の旗 ダニョ・イルンガ 2011年3月26日 - 2012年11月10日(団体消滅) 3

85kg MAX世界王座[編集]

氏名 在位期間 防衛回数
オランダの旗 メルヴィン・マヌーフ 2009年8月29日 - 2011年4月(剥奪) 0
2 アルメニアの旗 サハーク・バーバリアン 2011年5月21日 - 2012年11月(剥奪) 1
3 オランダの旗 ジェイソン・ウィルニス 2012年11月10日 - 2012年11月10日(団体消滅)

77kg MAX世界王座[編集]

氏名 在位期間 防衛回数
ベラルーシの旗 デミトリー・シャクタ 2008年9月5日 - 2010年3月13日 2
2 ブラジルの旗 コスモ・アレキサンドラ 2010年3月13日 - 2010年11月(剥奪) 1
3 ロシアの旗 アーテム・レヴィン 2010年12月18日 - 2012年11月10日(団体消滅) 1

73kg MAX世界王座[編集]

氏名 在位期間 防衛回数
フランスの旗 ヨハン・リドン 2011年5月14日 - 2012年1月28日 0
2 モロッコの旗 ローシン・オズニ 2012年1月28日 - 2012年11月10日(団体消滅)

69kg MAX世界王座[編集]

氏名 在位期間 防衛回数
トルコの旗 ムラット・ディレッキー 2009年2月8日 - 2010年12月11日 1
2 コンゴ民主共和国の旗 クリス・ナギンビ 2010年12月11日 - 2012年6月30日 1
3 オランダの旗 アンディ・サワー 2012年6月30日 - 2012年11月10日(団体消滅)

65kg MAX世界王座[編集]

氏名 在位期間 防衛回数
ベルギーの旗 ハッサン・エルハムサオイ 2009年3月14日 - 2009年5月16日 0
2 タイ王国の旗 オロノー・ウォー・ペットプーン 2009年5月16日 - 2012年(剥奪) 1

61kg MAX世界王座[編集]

氏名 在位期間 防衛回数
スリナムの旗 セルジオ・ヴィールセン 2009年9月12日 - 2011年3月26日 1
2 フランスの旗 カリム・ベノーイ 2011年3月26日 - 2011年6月18日 0
3 スペインの旗 ハビエル・エルナンデス 2011年6月18日 - 2012年7月21日 0
4 日本の旗 山本真弘 2012年7月21日 - 2012年11月10日(団体消滅)

70kg MAX MMA王座[編集]

氏名 在位期間 防衛回数
ブラジルの旗 チアゴ・タバレス 2006年12月3日 - 2012年11月10日 0

トーナメント[編集]

75kg MAX Trophyトーナメント[編集]

開催日 優勝 準優勝
2006年9月23日 トルコの旗 シャヒン・ヤクート アルメニアの旗 オンドレ・ハートニンク
2008年3月15日 ベラルーシの旗 デミトリー・シャクタ フランスの旗 グレゴリー・チョップリン

Fast & Furious 70kg MAXトーナメント[編集]

開催日 優勝 準優勝
2011年9月24日 オランダの旗 ロビン・ファン・ロスマレン ウクライナの旗 アルトゥール・キシェンコ

脚注[編集]

外部リンク[編集]