闇金ウシジマくん外伝 肉蝮伝説

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闇金ウシジマくん外伝 肉蝮伝説
ジャンル 経済犯罪漫画
クライム・サスペンス猟奇
青年漫画
漫画
作者 原作:真鍋昌平
作画:速戸ゆう
出版社 小学館
掲載誌 ビッグコミックスピリッツ
レーベル ビッグコミックス
発表期間 2017年12月7日 -
巻数 既刊6巻(2019年2月現在)
テンプレート - ノート

闇金ウシジマくん外伝 肉蝮伝説』(やみきんウシジマくんがいでん にくまむしでんせつ)は、原作:真鍋昌平・作画:速戸ゆうによる日本漫画。『やわらかスピリッツ』にて隔週火曜日に連載中。

概要[編集]

闇金ウシジマくん』に登場する悪漢・肉蝮を主人公に置いたスピンオフ作品。

『ウシジマくん』以上に暴力的シーンが目立ち、綿密に描かれる登場キャラクターたちの極限の心理状態が特長。

あらすじ[編集]

刑期満了で出所することになった極悪人・肉蝮は、出所するなり虫本組のヤクザ連中を返り討ちにしてしまう。その後、拾った車に偶然いた青年・有麻洋に自分を新宿へ連れて行くよう命令する。彼の目的は、自身に傷を負わせ刑務所に入るきっかけを作ったヤクザ・毘婆への復讐だった。

登場人物[編集]

全編共通[編集]

肉蝮(にくまむし)
本作の主人公。倫理観が著しく欠如している神出鬼没の凶悪犯。巷では「100人の女性を犯したレイプ魔」という犯罪歴が知られている。
極めて自己中心的であり、誰に対しても傍若無人に振る舞う。強靭な肉体を有しており、その強さは裏社会の人間に広く認知されている。なかには彼を仲間に引き入れようとする者や、うまく利用しようとする者もいるが、ほとんどが返り討ちとなり悲惨な末路を迎える。自分の機嫌を損ねた者は決して許さず、一般人・ヤクザ・警察の別なく制裁を加える。さらに、場合によっては「ムカつく顔つきをしている」「自分の前を歩いた」などの理不尽な理由から暴力を振るうこともあり、行動の予測・制御は不可能に近い。衣食住を得るのではなく奪うことを良しとしており、自らの行動で他者が傷ついても一顧だにしない。また、短期間で無数の犯罪行為に手を染めながら「俺たちが何か悪いことしたか」と発言するなど、自らの悪事に自覚すらない様子を見せている。
外見
金髪にフライトジャケットの大男。常人より頭一つ分以上高い身長と、筋骨隆々とした肉体を持つ。異様に尖った歯と、思考が読めない不気味な瞳が特徴。刑務所から出所して間もなく髪を染め直しており、独自のこだわりが伺える。愛用しているフライトジャケットに強い執着を示し、着用の際は必ずフードをかぶり、夏場でも脱ぐことはない。
人物
類を見ない凶暴性と圧倒的な腕力を併せ持ち、本人も「タイマンなら自分が最強」と豪語している。
『ウシジマくん』以上に卓越した身体能力が見せ、フルアクセルで突っ込んできた車両にしがみついたり、素手で鉄の棒を引きちぎるなどしている。戦闘の際は腕力で敵を圧倒することが多いが、思慮深く立ち回って相手を翻弄することもあり、頭の回転が速い。意外にも博識な一面を持っており、一般常識から雑学まで幅広い分野に精通している。また、優れた洞察力を有し、嘘や建前を即座に見抜くことができる。その残忍さと強烈な自意識から、誰の下にもつくことはない。
複数の女性を足腰が立たなくなるまで犯すなど、常人離れした精力を持つ。なお、女であれば誰でもいいというわけではなく、中年の女性や醜悪な精神の女性には興味を示さない。基本的に敵対者には容赦せず、過剰なまでの暴力を加える。特に、危害を加えられた相手には強い殺意を示し、どこまでも追跡して排除しようとする。自身に協力的な者でも気に入らなければ制裁を加え、躊躇なく弾除けとして利用する。ただし、十分な働きを見せた者は認める程度の度量を持つ。とりわけ「イベサー編」の山下に対しては、復讐への決意と覚悟を認め「頑張り屋さん」と称している。彼を食事や遊びに誘い、多少のわがままも大目に見るなどしており、別れの際は名残惜しそうな様子を見せた。
経歴
刑務所内では虫本組の田瓶に因縁をつけて耳を引きちぎり、取り巻きの囚人もろとも叩きのめしていた[1]。出所直後、田瓶を暴行した報復として虫本組に拉致されそうになるが、その場で全員を撃退する。その際、偶然居合わせていた有麻を雑用係に任命し、行動をともにするようになる。自身に傷を負わせ刑務所送りにしたヤクザである毘婆を憎んでおり、執念深く付け狙う。毘婆の情報操作により捜索は難航するが「思索の際に足裏で地面を叩く」という彼の癖を監視カメラ越しに指摘する。これがきっかけで捜索が大きく進展し、毘婆の所在を突き止めるに至った。無数の刺客と罠を乗り越えて毘婆と対峙し、決着がつかないまま痛み分けとなる。翌日、虫本組との対話に向かう最中の毘婆を襲撃し、再戦。死闘の果てに、かつて自身が受けた仕打ちへの意趣返しとしてドロップキックを放ち、とどめを刺した。その後、田舎へ逃れていた有麻の居場所を特定し、再会したところで毘婆編は終了となる。
イベサー編では、所属していたサークルの幹部に恋人を輪姦された大学生の青年・山下から復讐を依頼される。ただし、幹部たちの高慢な態度が気に入らなかったのか、山下の依頼抜きでも「どのみち俺がぶっ殺す」としている。とりわけ木村に対しては顔写真を見た時点で「ムカつく顔した野郎」と嫌悪し、獲物を横取りされて以降は最優先のターゲットとして追跡している。手始めに藤原を襲撃し、その後も岡田・吉沢・金子の順で手を下していくが、とどめは全て木村に横取りされている。サマーフェスティバル当日は休館中の図書館で待ち伏せていた幹部たちと交戦する。竜崎に死角から銃撃されるが、事前に木村からプランを聞かされていた山下の活躍もあり、これを退ける。図書館から場所を変えて佐々木と一騎打ちになり、一進一退の攻防を経て勝利。残るターゲットは木村のみとなったところで山下に裏切られ、手製の爆弾を用いたトラップで吹き飛ばされる。しかし、山下の裏切りはブラフで、彼の密告によって危険を察知して生き延びていた。爆発で折れた大時計の短針と長針を携え、木村の前に姿を現す。散弾銃で銃撃されるが、大時計の針やマイムくんを盾にして距離を詰めていく。狙撃に最適な狭路へ逃げ込まれるが、ガラス張りの側面を破壊して奇襲することで木村に勝利。命乞いする彼の口を大時計の針で塞ぎ、百舌の早贄がごとく頭を貫いて殺害した。その後、山下から残りの報酬である50万円を受け取り、遊びに誘うも「自分と会うのはこれっきりにしてほしい」と告げられる。一度は憤慨するも最終的に「俺の機嫌を損ねるな。ずっとお前を見張っている」と言い残し、立ち去るところでイベサー編は終了となる[2]

毘婆編[編集]

相棒[編集]

有麻 洋(ありま ひろし)
本エピソードの語り部。平凡な大学生。
片思いしていた女性に告白するも振られてしまい、その腹いせとして風俗で本番を懇願していたところをヤクザの伐田に見咎められ手下となる。伐田たちが肉蝮に叩きのめされて以降は、彼の雑用係になった。基本的に小心者で、周囲に流されやすい人物。たとえ自身に危害を加えた者でも、苦しんでいれば救おうとする甘さと優しさの持ち主。
表向きは従順な態度を見せながら、どうにか肉蝮から逃れようと立ち回る。肉蝮とともに蓮田の行方を追いつつ、伐田と連絡を取り合って情報共有する。捜索の途中で肉蝮を警察へ突き出すチャンスに恵まれるが、山嵐組に拉致されたため失敗する。山嵐組から肉蝮の監視を命じられ、以降は毘婆とも通じるようになるなど、立場を二転三転させながら行動していく。肉蝮と毘婆の決着を見届け、犯罪の証拠を写真に収める。証拠を警察へ届けることで、肉蝮を再び刑務所送りにしようとする。しかし、肉蝮と似た服装の男性を本物と勘違いし、恐怖に支配され交番を目の前にして挫折。その際、多大なストレスにより頭髪が白くなっていた。都会から田舎へ逃れ、アルバイトをしながら生活していたが、居場所を肉蝮に特定される。アルバイトから帰宅した際に肉蝮と鉢合わせ、蛇に睨まれた蛙のごとく身動きできなくなり、絶望と諦念の涙を流した。その後の動向は不明。

山嵐組[編集]

毘婆(びば)
本エピソードのキーパーソン。山嵐組の若頭。顔に一筋の切り傷があり、左目は義眼である。
蓮田を襲っていた肉蝮の前に現れ、彼にドロップキックを浴びせて撃退した。そのため、肉蝮から復讐の対象として執拗な追撃を受けることになる。どこの組も資金繰りに喘いでいるなか、株の売買で莫大な利益を上げる経済ヤクザ。頭脳だけでなく喧嘩も強く、腕の立つ半グレに襲われても問題なく一蹴できる。
人心掌握に長け、自身の筋書き通りに他者を操ることを娯楽としており「人を思い通りにコントロールするのは本当に楽しい」と語る。平時は理知的に振るまうが、率先して荒事を楽しもうとする一面もある。有麻と蓮田に指示を出し、情報操作で肉蝮の行動をコントロールする。肉蝮の殺意を利用し、組にとって不利益な人間を排除していく。さらに、伐田を扇動し組同士の抗争へ発展させ、騒ぎに便乗して虫本組を潰そうと画策。計画の本質は、重役が集まる会合へ肉蝮を誘導して暴れさせることで、出世の邪魔となる人間を一網打尽にすることにある。
自身の「思索の際に足裏で地面を叩く癖」を肉蝮に指摘されたことで、監視カメラ越しに正体を明かす。居城のビルにて伐田率いる半グレ集団を蹴散らし、復讐を果たしに来た肉蝮と対峙。優れた格闘センスと判断力で渡り合うが、彼を仕留めるには至らなかった。翌日、虫本組との対話に向かう道中で、再び肉蝮から襲撃を受ける。彼に右腕脱臼などの手傷を負わせ、頭部をナイフで貫くことに成功する。しかし、フライトジャケットのフードが邪魔になって狙いが外れており、思わぬ反撃を受けてしまう。劣勢となっても戦意を失わず立ち向かうが、最後は肉蝮の強烈なドロップキックで屋外へ蹴り飛ばされ、落ちた先にあった鉄パイプに胴体を貫かれて死亡。死体は肉蝮によってトラックで山中まで運ばれ、全身の皮膚をナイフで剥ぎ取られ両手の指を全て切断された上で遺棄された。またこれにより、『ウシジマくん』本編の35巻で語られていた「いざこざで殺したヤクザ者を刺青から身元がバレないよう全身の皮膚を剥がして山に捨てた」という噂が事実であると同時に、そのヤクザが毘婆であることが明らかになった。
羽塚(はつか)
山嵐組の構成員。茂味・土部とともに毘婆に付き従う。
毘婆と行動をともにし、彼の抜け目なさや有能さを目の当たりにしていく。毘婆が肉蝮に襲撃された際は、身を挺して彼を守った。
茂味(もみ)
山嵐組の構成員。羽塚・土部とともに毘婆に付き従う。毘婆を高く評価しており、山嵐組でもっとも危険な男だと認識している。
毘婆が肉蝮に襲撃された際は、肩に銃弾を受け負傷する。その後、逃亡した肉蝮の捜索と捕縛を富狩兄弟に依頼した。翌日、毘婆に随伴して虫本組との対話へ向かう道中で肉蝮の襲撃を受け、車中で気絶する。
土部(どぶ)
山嵐組の構成員。スキンヘッドの大男。羽塚・茂味とともに毘婆に付き従う。
毘婆を襲撃に来た肉蝮に単身挑み、時間を稼ぐ。しかし、彼の並外れた膂力に敵わず両腕をへし折られ、壁に投げ飛ばされて敗北した。

虫本組[編集]

伐田(ばった)
虫本組の構成員。風俗で本番を懇願していた有麻を脅迫し、自身の手下にした。
刑務所内で田瓶を暴行した報復として肉蝮に接触・拉致しようとするも、まるで歯が立たず叩きのめされる。以降は有麻と連絡を取り合いながら、肉蝮の動向を探っていく。肉蝮に遅れを取ったことを毘婆から嘲笑されて以降は、彼も始末するターゲットとして認識するようになる。秋津の命令を振り切って独断で行動するなど、ヤクザとしての面子を何より重視している。
毘婆の居城であるビルに肉蝮が現れることを予期し、半グレ集団を率いて先回りする。そこで山嵐組との抗争に発展し、混戦のなか姿を現した毘婆と対峙。頼りにしていた腕利きの半グレである弦と吾朗を倒され、自身も敵わず敗北する。遅れて現れた肉蝮に殺されかけるが、有麻が彼の注意を引きつけたため救われる。彼に切り札である銃を託し、自分の代わりに肉蝮の始末をするよう命じた。その後、独断で山嵐組との抗争を引き起こした責任を追及され、秋津から制裁される。
蝶野(ちょうの)
虫本組の兄貴分。刑務所内で田瓶を暴行した報復として、部下を引き連れ肉蝮に接触する。しかし、両目をえぐり出されて敗北し、部下もろとも叩きのめされた。
田瓶(たがめ)
虫本組の兄貴分。刑務所内で肉蝮に因縁をつけられ、取り巻きの囚人もろとも叩きのめされる。耳を引きちぎられるなどの重傷で、長期の入院生活を余儀なくされた。
秋津(あきつ)
虫本組の舎弟頭。独断で山嵐組との抗争を引き起こした伐田を制裁する。

その他[編集]

蓮田 ゆめ(はすだ ゆめ)
キャバクラ嬢。かつて肉蝮に襲われたが、駆けつけた毘婆に救われ難を逃れる。
毘婆の指示を受けながら肉蝮を釣るための餌として行動する。最後まで肉蝮と再会することはなく、直接的な被害を受けなかった。
弦(げん)
腕利きの半グレ。吾朗の兄。釣りを趣味として嗜んでおり、釣り針で人体を引き裂き拷問する残忍な男。吾朗とともに伐田の右腕として行動する。
肉蝮に先んじて毘婆の居城であるビルへ向かい、山嵐組と交戦。無数の敵を始末するが、突然姿を現した毘婆に吾朗を倒される。怯まず毘婆に挑むが、全ての攻撃を見切られ敗北した。
吾朗(ごろう)
腕利きの半グレ。弦の弟。兄同様に釣りを趣味としており、釣り針で人間を拷問する残忍な人物。弦とともに伐田の右腕として行動する。
毘婆の居城であるビルを訪れ、山嵐組と交戦。多勢を相手に奮戦するが、毘婆には敵わず一撃で倒された。
富狩(とがり)
報酬次第で人探しから殺人まで請け負う便利屋の兄弟。眼鏡の男が兄で、大柄な男が弟。
茂味から肉蝮の捜索と捕縛を依頼され引き受ける。闇サイトを利用した情報収集でいち早く肉蝮の動向を掴むが、兄弟揃って彼に叩きのめされる。
葉益(はえき)
ゲームセンターで遊んでいた肉蝮と有麻の近くに偶然居合わせていたチンピラ。
格闘ゲームに負けた腹いせとして肉蝮に因縁をつける。太鼓のバチで喉を突かれてダウンし、角椅子の足で作った鋭利な金属棒により体中を刺されて半殺しにされた。

イベサー編[編集]

相棒[編集]

山下 リョウ(やました りょう)
本エピソードの語り部。立田大学のテニスサークルに所属する大学生。
所属していたサークルの幹部たちに恋人を輪姦され、それから復讐の鬼と化す。
本来は善良な性格の持ち主だが、最愛のミホを傷つけられ復讐鬼と化す。ただし、どれだけ幹部たちを憎んでも非情になりきることができず、最後まで誰一人として手を下すことはなかった。際立った頭脳や身体能力を備えているわけではないが、ここ一番という場面で物怖じせずに行動できる根性を持つ。事実として、肉蝮が審判する理不尽なゲームで、不利な条件のなか吉沢に勝利するなどしている。肉蝮から常に威圧的な態度を取られているが、復讐への決意と覚悟は認められている。また、彼から食事や遊びといった個人的な誘いを受けており、目をかけられている。木村からも「簡単に死んだ竜崎たちより、よほど気骨がある」と評されている。
チンピラに絡まれた際、偶然通りがかった肉蝮の圧倒的な力を目にし、協力を要請する。彼に報酬として100万円を要求され、前金で50万円を支払ったため正式に契約することとなった。彼の協力を得たことで、幹部たちを次々に襲撃し追い詰めていく。サマーフェスティバル当日は休館中の図書館で待ち伏せていた幹部たちと交戦する。事前に木村からプランを聞かされていたため、死角から銃撃する竜崎の存在にいち早く気付く。銃で武装している竜崎に臆することなく立ち向かい、何度叩きのめされても食い下がって時間を稼ぐなどの活躍を見せた。その後、木村から肉蝮を爆殺する計画を提案され協力するが、実はブラフで彼のことは全く信用していなかった。あらかじめ通話モードにしておいた携帯電話を利用して肉蝮へ警告し、木村を出し抜くことに成功する。肉蝮が木村を殺害したことで、全ての復讐を果たしたと実感し安堵した。後日、自分と肉蝮との関係は伏せたうえで、警察へ木村に関する虚偽の供述をする。警察署からの帰り道、肉蝮に報酬である50万円を支払い、自分と会うのはこれで最後にしてほしいと持ちかける。彼に「俺の機嫌を損ねるような真似はするな」と脅されるも見逃され、立ち去っていく姿を見送った。

幹部[編集]

木村(きむら)
本エピソードのキーパーソン。テニスサークルの広報担当であり、学内一のカリスマ。ミホの輪姦事件に関わった生徒の1人。
眉目秀麗、学業優秀、スポーツ万能の三拍子そろった完璧超人。しかし、その裏で密かに「完全犯罪による幹部殺害」を企てていた冷酷非情なサイコキラー。元々はまったく別のシナリオを用意していたが、山下・肉蝮の介入を「スケープゴート」として利用し、結果的に幹部7人の殺害を成就する。
サマーフェスティバル当日は自ら囮となり、肉蝮を仕留めるためのプランを進める。ただし、提案したプランの内容は表面的なもので、本質は竜崎を罠にはめ陥れることにあった。目論見は成功し、山下・肉蝮・玄葉との連戦で消耗していた竜崎を背後から射殺。その後も佐々木・清水を立て続けに始末し、サークル幹部全員の殺害計画を成就させた。大学構内へ戻り、山下に自作の爆弾で肉蝮を始末する計画を提案する。彼に連絡させて爆弾を設置した部屋へ肉蝮を呼び出し、ドアの開閉と同時に起爆した。直後、自身の企みを見抜いていた山下にスタンガンを向けられるが、特に動じることもないまま難なく制圧する。彼をスタンガンで痛めつけ射殺しようとするが、携帯電話による密告で爆殺計画を察知して生き延びていた肉蝮に襲撃される。肉蝮を散弾銃で射殺しようとするも、距離が遠すぎたこと、物や人間を盾にされたことなどが重なり苦戦する。狙撃に絶好の環境である狭路へ逃げ込むが、ガラス張りの側面から奇襲され敗北。頭を大時計の針で執拗に殴られ瀕死となる。追い詰められてなおサイコキラーとしての本質は揺らがず「まだ殺し足りない。大勢の人間が俺に殺されるのを待っている」と命乞いするが、口から大時計の針を押し込まれ頭を貫かれて死亡した。
それから警察の家宅捜査により、殺人の証拠物件が押収されて犯行が明るみになる。さらに作中に登場した木村は、「過去に失踪した木村という男の戸籍を使って生きていた出自不明の人物」と判明する。彼の死体は肉蝮が回収・処理したため身元の特定はされず、最後まで正体が明かされることはなかった。
竜崎(りゅうざき)
テニスサークルの部長。半グレ組織「史威砲主(シーホース)」のリーダー。ミホの輪姦事件に関わった生徒の1人。
アウトローを思わせるサングラスをかけた大男。幹部らを筆頭にエゴの塊のような部員たちをまとめ上げている。表向きは一般学生を装っているが、実はヤクザの息子。日常的に恐喝や詐欺を繰り返しており、部長の座も強引に奪い取った。サークル幹部の佐々木とは10年来の付き合いであり、彼のことを懐刀として重用している。
弱肉強食を至上とする価値観から暴力を生きる術と考えており「人生を思い通りに生きる権利と実力が俺にはある」と自負している。ただし、肉蝮に対しては正攻法ではなく銃による狙撃を選んだため、山下から「自分より弱い人間に暴力を振るうしか能のない臆病者」と吐き捨てられた。事実として容赦なく弱者を踏みにじる尊大な自意識の持ち主だが、困難な状況から何度も巻き返す機転と精神力を併せ持っており、佐々木と同じく一筋縄ではいかない実力者である。
恋人の吉沢が拉致されたため本格的に行動を開始、建物の屋上に山下と肉蝮を追い詰める。しかし逃走を許してしまい、用心棒である金子も失ってしまう。この失態がきっかけとなり、史威砲主幹部の一人である玄葉を筆頭とした一部の半グレたちに造反される。玄葉からリーダーの座を賭けた一騎打ちを挑まれるが、これに難なく勝利。自身の力を誇示し、リーダーとしての威厳を取り戻した。しかし、肉蝮に配下の四天王を潰されたことで史威砲主が瓦解し、大幅に戦力を削がれてしまう。
早い段階から木村の裏切りに気付いており、やがて容赦なく始末しようとするが、肉蝮を仕留めるプランを聞かされたことで一時的に踏みとどまる。
当日、木村に提案されたプラン通り、サマーフェスティバル当日に休館中の図書館で肉蝮を待ち伏せする。用意した散弾銃で肉蝮を射殺しようとするが、山下に妨害され好機を逃す。山下を叩きのめしたうえで再度肉蝮に照準を合わせるが、逆に死角からポリッシャーで殴られ敗北。肉蝮が去ったところで隙をついて山下を制圧し、リベンジに来た玄葉も叩き伏せるが、木村に背後から散弾銃で撃ち抜かれ死亡した。その後、木村に佐々木を動揺させるための道具として利用される。死体は佐々木・清水とともに炎の中に放置された。
藤原(ふじわら)
テニスサークルの副部長。ミホの輪姦事件に関わった生徒の1人。
御曹司であり、自意識が高い。周りの人間は自分の引き立て役になるべきだと考えており、気に入らない発言をする者は徹底的に叩く。木村を中学時代からの親友として信頼しており、彼からも「フジ」と呼ばれ親しまれている。テニスのダブルス戦では木村とともに抜群のコンビネーションを発揮し、佐々木・金子ペアに勝利した。かつて木村と共謀して邪魔な教師を辞職に追い込んだことがあり、その時から自分と彼の間に唯一無二の信頼関係が生まれたとしている。ただし、当の木村からは全く意識されておらず、フルネームすら覚えられていない。
山下と肉蝮の襲撃を受けて負傷し、車で逃走を図った矢先、偶然出くわした木村へ助けを求める。しかし、彼に自分が信じていた友情は仮初めに過ぎないという事実を突きつけられ、ガラス片で頸動脈を切られて混乱と絶望のなかで死亡した。
岡田(おかだ)
スポーツ万能のファッションリーダー。ミホの輪姦事件に関わった生徒の1人。
有名デザイナーの父親とスーパーモデルの母親を持ち、自身も優れたファッションセンスを有している。しかし、自分のセンスにそぐわない者は全員死んでも構わないと語るほど傲慢な性格をしている。また、甘言で女性を騙し、断れない状況に追い込んだうえでAV業界に売り飛ばすなど、非道な手段を用いて荒稼ぎしている。
人脈を活かしてファッションショーを開催し、自らの才能に酔っていたところで肉蝮に襲撃される。全身を火で炙られ吊し上げられて瀕死の重傷を負う。さらに、木村が「火傷は専門学生による特殊メイク」だと誤魔化したうえ、館内放送で「一連の騒ぎはドッキリである」と発言するなどの隠蔽工作を講じたため警察沙汰にはならず、完全に逃げ場を失う。その後、木村に人気のない場所へ連れ込まれ絞殺された。
吉沢 夏美(よしざわ なつみ)
テニスサークルの会計係兼マネージャー。竜崎の恋人。フルネームが判明している唯一のメンバー。
女子部員のまとめ役であり、後輩たちと共に以前から美人局を行っている。力のない人間を見下している高慢ちきな性格。「財力・権力・性的魅力に欠ける者は、自分と釣り合わない」と考えており、竜崎を差し置いてホストクラブで豪遊するなど、欲望に忠実な人物。
ミホの輪姦事件が起こった際は、隠蔽工作として彼女を丸め込もうとしていた。肉蝮と山下に襲撃・拉致された際は、一貫して自身の無実を主張する。金をちらつかせることで肉蝮を懐柔しようとするも、彼に「投げた物を取り合うゲームを行い、負けた者はこの場で殺す」と宣言される。山下は後ろ手に拘束されていたため、終始有利にプレイを進めるが、熱したパーマコテを誤って落としてしまったことで敗北。金を払う気など毛頭なかったと肉蝮に見抜かれており、私財の全てを奪って搾り殺すと脅される。たまらず逃げ出すがモップに足を取られ、建物の屋上から転落する。この際は積み上がったゴミ袋がクッションとなり、どうにか一命を取り留めた。しかし、その直後に木村からの襲撃に遭い、転落死と見せかける形で殺害される(殺害シーンは描かれていない)。
金子(かねこ)
サークルの用心棒役。空手の高校総体で優勝経験がある。ミホの輪姦事件に関わった生徒の1人。
腕っぷしが強く、チンピラを一蹴するほどの実力者。しかし、輪姦事件を棚に上げて山下を「卑怯者」と罵るなど、極めて狭量かつ独善的な正義感の持ち主。その高圧的な態度が災いし、肉蝮から優先的に狙われる。
肉蝮と交戦時、攻撃を掻い潜って自慢の拳を叩き込むが、まるで有効打にならなかった。再度殴りかかったところで肉蝮の拳と正面からぶつかり、圧倒的なパワーに敵わず拳を砕かれ側頭部への蹴りでダウンし、抵抗できないまま股間を踏み潰され敗北。しばらく気絶していたが、木村に声をかけられ意識を取り戻す。彼の優しげな言葉に安堵した直後、歩道橋から放り投げられトラックに轢かれて死亡した。
佐々木(ささき)
剣道有段者。ミホの輪姦事件に関わった生徒の1人。
細身の色男。口数が少なく、クールでドライな性格。幼少の頃、借金で夜逃げした母親から置き去りにされ、行くあてもなかったところを竜崎に拾われる。以降の10年間は彼の懐刀として修羅場を切り抜けてきた。
早い段階から木村の裏切りを見抜いていたものの、竜崎以外の幹部たちに仲間意識がなかったため、口に出して警告することはなかった。木村からは「竜崎以上に隙を見せない一番面倒な相手」と認識されていた。
サークルの用心棒である金子を上回る実力者。とっさの判断力と危機回避能力に優れ、木刀で肉蝮と対等に戦えるほどの腕を持つ。また、肉蝮との戦闘中に介入してきた警察官を白昼堂々気絶させるなど、大胆で物怖じしない一面がある。肉蝮に仲間を身代わりにされた際は、助けるどころか平気で叩き伏せるなど酷薄な性格をしている。ただし、10年来の付き合いである竜崎には恩義を感じており、深く信頼している。
サマーフェスティバル当日は日本刀を携えて肉蝮と再戦、一進一退の攻防を繰り広げる。沖田総司さながらの三段突きで肉蝮の体勢を崩すが、身代わりとして脱ぎ捨てられたフライトジャケットに視界を奪われ仕留め損なう。背後から力任せに振り下ろされた階段の手すりを受け止めきれず、怯んだ隙に横なぎの一撃を叩き込まれ敗北した。その後、とどめを刺しに姿を現した木村と対峙し、抵抗の意思を見せる。しかし、竜崎の死体を見て動揺し刀を落としてしまい、失意のなかで射殺された。死体は竜崎・清水とともに炎の中に放置された。
清水(しみず)
昨年度のミスコン優勝者。木村の恋人。肉蝮から直接被害を受けなかった唯一のメンバー。
政治家の父を持ち、他の幹部メンバーに劣らぬ利己的な人物。目立った悪事こそしていないが、実はミホの輪姦事件が生まれる原因を作った張本人。高飛車で人を見下ろすことを好み、常に他力本願な姿勢を崩さない。
サマーフェスティバル当日は、木村に連れられ負傷した佐々木のもとを訪れる。そこで彼の本性を目の当たりにし、父親に連絡しようとするも手首を切断される。容姿・財力に優れる自分がなぜ殺されなければならないのかと泣き叫びながら、刀で心臓を貫かれ刺殺された。死体は竜崎・佐々木とともに炎の中に放置された。

末端[編集]

小島(こじま)
サークル部員で本田の知り合い。
木村の浮気現場を目撃し、彼に接触する。証拠写真をちらつかせて脅すことで自分の扱いを良くしてもらおうとするが、逆に追い詰められ彼の手駒にされた。以降は木村の手足として行動するが、途中で竜崎に寝返るなど長いものに巻かれやすい性格をしている。
サマーフェスティバル当日は木村の指示に従って行動する。劇場に放火して人払いを済ませたうえで、竜崎の死体を運び込んだ。その後、木村に裏切りを謝罪し忠誠を誓うも「二枚舌の仲間は必要ない」として日本刀で切り伏せられる。しかし重傷ながらも生還しており、玄葉・マイムくんとともに入院生活を送っている。
本田(ほんだ)
サークル部員で山下の友人。
堅実な人生設計を語る山下に「俺は一人の女に縛られるのは嫌だ」と返すなど、軽薄な性格の持ち主。小島から連絡を受けて山下をファッションショーに誘っており、本人の気付かないところで木村の計画に利用されている。

史威砲主[編集]

青島(あおしま)
半グレ組織「史威砲主」の幹部たる四天王の一人。クラブの支配人。肉蝮に叩きのめされる。
玄葉(げんば)
半グレ組織「史威砲主」の幹部たる四天王の一人。キャバクラの経営者。英語を交えた独特の口調で話す。
ダンスを応用した格闘術を得意とする。木村にそそのかされたことで竜崎に造反し、リーダーの座を賭けた一騎打ちを行うも一蹴される。その後、肉蝮の襲撃で重傷を負い入院した。
サマーフェスティバル当日は再び木村にそそのかされ病院を脱走、手負いの竜崎を襲撃する。彼をナイフで刺殺しようとするが刃先を右手で受け止められ、顔面から手すりに叩きつけられて敗北した。その後、小島・マイムくんとともに病院で入院生活を送っている。
赤峰(あかみね)
半グレ組織「史威砲主」の幹部たる四天王の一人。ホテヘルの責任者。ナイフで相手をいたぶることを得意とする。肉蝮にバイクで跳ね飛ばされる。
久白(くしろ)
半グレ組織「史威砲主」の幹部たる四天王の一人。太った体格の残忍な男。オレオレ詐欺の主犯格。事務所で肉蝮の襲撃に備えていたが、車で背後の壁を突き破って現れた彼に跳ね飛ばされる。
マイムくん
半グレ組織「史威砲主」の一人。名前の由来は、肉蝮と佐々木が戦闘中に彼の周囲を回ったことから。本名不明。
肉蝮から乾燥機に放り込まれる拷問を受けたことで、史威砲主と幹部である四天王の情報を提供する。以降も彼らと行動をともにし、山下に次ぐ二人目の雑用係となった。肉蝮の圧倒的な強さに魅せられており、うまく取り入ることで彼の舎弟になろうと画策している。
サマーフェスティバル当日は肉蝮・山下とともに大学を訪れる。用意していたロープで木村の爆殺計画を回避するのに一役買う。肉蝮が木村と交戦した際は、彼に弾除けとして利用され両肩を撃ち抜かれた。その後、玄葉・小島とともに病院で入院生活を送っている。

その他[編集]

小川 ミホ(おがわ みほ)
本エピソードのヒロイン。山下の恋人。サークル幹部たちに輪姦され、心身ともに大きなダメージを受ける。
暴行されて以降はアパートで塞ぎ込み、山下との関係も険悪なものになってしまう。ただし、傷心のなか再起して「暴力に屈して生きていくのは嫌」だと語り、休学せず大学に通い続けるなど芯の強い一面を持つ。木村と清水の計らいで山下と再会し、彼と和解する。山下の復讐には気付いていないが、危険なことに関与していると感じ取り不安そうな様子を見せた。後日、警察署へ向かう山下を見送る。最後まで肉蝮の存在を認知せず、直接的な被害を受けなかった。
のぞみ
女子大生。岡田の人脈を利用して芸能界との繋がりを得ようとするも、彼に騙されAV業界に売られてしまう。
岡田の主催するファッションショーにモデルとして出演する。彼が肉蝮から襲撃を受け火あぶりにされた際は、他の被害者たちとともに冷たい眼差しを向けていた。サマーフェスティバル当日は劇場に居合わせ、肉蝮と佐々木の一騎打ちを目撃する。肉蝮が姿を現すたびに大きな事件が起きる事実に困惑し、戦慄する様子を見せた。
松井(まつい)
吉沢のボディガードを務める太った男。美人局で騙した男を脅迫する役割を担っている。
吉沢を狙ってホストクラブに現れた肉蝮と対峙する。彼に頭を掴まれ片手で持ち上げられて身動きできなくなり、そのままシャンパンタワーに放り投げられ敗北。割れたボトルを何度も叩きつけられ半殺しにされた。

刑事編[編集]

相棒[編集]

漆原 祐輔(うるしばら ゆうすけ)
本エピソードの語り部。上野町警察署のベテラン刑事。階級は巡査部長
かつて最愛の娘を殺人事件で亡くし、それから独自に真犯人を追っている。逮捕術はからっきしだが、饒舌家で口先が巧い。
普段は飄々としたお調子者を装っているが、実際はかなりの切れ者。上述の目的を果たすために日々、真実を追い続けている。また、娘の殺人事件の真相解明を打ち切った警察には期待しておらず、自身の力だけで事件を解明しようとしている。また、肉蝮相手でも堂々とした態度で意見するなど、その覚悟と度胸は本物。  
久絵の隠れ家を捜索している時に児童買春の顧客名簿を手に入れ、そこから真犯人の手掛かりを掴もうとするも、久絵の隠れ家に押入ろうとしていたチンピラ達と鉢合わせしてしまい、暴行を受けた末に拉致されそうになるも、そこに乱入してきた肉蝮を見たことで、味方に付けることを思い付く。

上野町警察署[編集]

宮田(みやた)
漆原とコンビを組んでいる新米の女刑事。
真面目で融通の利かない堅物。合気道を得意としており、大柄な男ですら一蹴するほど腕が立つ(漆原曰く「武闘派」)。

その他[編集]

久絵 春彦(くえ はるひこ)
風俗店「キティシュガー」の経営者。享年29。
女子中高生らの売春行為を行っていたものの、謎の首吊り自殺をする。

書誌情報[編集]

出典[編集]

  1. ^ 闇金ウシジマくん外伝 肉蝮伝説 第1話やわらかスピリッツ公式サイト
  2. ^ 闇金ウシジマくん外伝 肉蝮伝説 第50話やわらかスピリッツ公式サイト

外部リンク[編集]