愛知機関区

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愛知機関区
手前の建物が仕業庫、奥の建物が検修庫
基本情報
鉄道事業者 日本貨物鉄道
帰属組織 東海支社
所属略号
車両基地概要
敷地面積 100,810 m2
配置両数
電気機関車 23両
内燃機関車 35両
合計 58両
備考 2024年令和6年)3月現在のデータ[1]
敷地面積は有価証券報告書の値[2]
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愛知機関区(あいちきかんく)は、愛知県稲沢市下津町にある日本貨物鉄道(JR貨物)の機関区である。東海道本線清洲駅 - 稲沢駅間に隣接する。JR貨物の電気機関車ディーゼル機関車貨車内燃機関の検査修繕業務を行う。

歴史[編集]

構内設備[編集]

所在地は愛知県稲沢市下津町字南カマである[19]

敷地の中ほどには、有効長4両の検修庫が6線あり[20]、交番検査・台車検査・重要部検査が施工される[21]。西側より、貨車用の1・2番線、電気機関車・ディーゼル機関車を在姿状態で検査する3・4番線、リフティングジャッキを備えた5・6番線となっている[21]

敷地北側には、3線を備える仕業庫があり[20]、電気機関車やディーゼル機関車の仕業検査を行っている[22]。敷地南側には、転削庫を2線備えている[23]

稲沢派出は、敷地中ほどの検修庫の北東、稲沢線上り線の外側の用地(稲沢駅貨物取扱所[24]跡)に設置されている。重要部検査・全般検査の際に機関車から取り外されたディーゼルエンジンが機関区・車両所から搬入され、整備を行う。

主な業務は、自区所属の電気機関車については仕業検査・交番検査・台車検査(重要部検査)および臨時修繕を担当するほか、各種貨車や内燃機関の検修を行っている[15][19]

所属車両の車体に記される略号[編集]

」・・・愛知を意味する「愛」から構成される。

所属車両[編集]

2024年令和6年)3月現在[1]

電気機関車[編集]

EF64形
1000番台23両(1020 - 1028・1033 - 1039・1042 - 1047・1049号機)が所属している。

ディーゼル機関車[編集]

DE10形
1500番台1両(1557)が所属している。
  • 日本車輌からの甲種輸送も担当する。
  • 以前は西浜松駅に常駐していた車両が日本車輌の甲種輸送を行っていたが、2019年(平成31年)3月のダイヤ改正で西浜松駅での入換作業は担当しなくなり、日本車輌からの甲種輸送の際は、甲種輸送がある前日に当機関区がある稲沢駅から単機回送されることになった。
DF200形
200番台8両(201・205 - 207・216・220・222・223号機)が所属している。
  • 五稜郭機関区所属の100番台を改造した200番台を導入し、DD51形をすべて置き換えた。
  • 主に関西本線名古屋 - 四日市間)で運用されている。
DD200形
900番台1両、0番台25両の計26両(901・1 - 25号機)が所属している。

過去の所属車両[編集]

DD51形
運用終了時点では、1000番台1両、800番台5両の計6両(1028・825・857・1801・1802・1804号機)が所属していた。

支区・派出[編集]

機関車のエンジンの検修を行う前述の稲沢派出の他、貨車の検修基地として、四日市駅構内に四日市支区を、名古屋貨物ターミナル駅構内に名古屋貨物ターミナル派出を、東港駅構内に東港派出を、それぞれ設置している[9][27]。四日市支区・東港派出の検修業務は名古屋臨海鉄道に委託されており、四日市支区には同社の事業所も設置されている[9][28]

脚注[編集]

  1. ^ a b 貨物時刻表』2024年3月ダイヤ改正版、鉄道貨物協会、2024年、p.221
  2. ^ 第35期有価証券報告書 35頁 (PDF) - 日本貨物鉄道
  3. ^ 『JR気動車客車編成表』'02年版、ジェー・アールアール、2002年、p.230、ISBN 4-88283-123-6
  4. ^ 鉄道ダイヤ情報』1995年11月号(No.139)p.29
  5. ^ 『トワイライトゾーン・マニュアル9』 ネコ・パブリッシング、2000年、p.56
  6. ^ 『鉄道ダイヤ情報』1995年11月号(No.139)p.30
  7. ^ 渡利正彦「高山本線(岐阜 - 高山間)の貨物列車」『鉄道ピクトリアル』1996年9月号(No.626)pp.94-95
  8. ^ a b 岩成政和「高山本線全通88年通史」『鉄道ピクトリアル』2023年2月号(No.1008)pp.25-26
  9. ^ a b c d 『鉄道ピクトリアル』2002年12月号(No.725)pp.60-61
  10. ^ 『鉄道ピクトリアル』2000年12月号(No.694)pp.53-54
  11. ^ a b 『鉄道車両年鑑2010年版』(『鉄道ピクトリアル』2010年10月臨時増刊号(No.840))p.65
  12. ^ 2013年2月20日付朝日新聞三重版記事「紀勢貨物よ、さらば 唯一の定期便、JR運行廃止へ 製紙会社 コスト削減、船輸送に」
  13. ^ 『鉄道車両年鑑2013年版』(『鉄道ピクトリアル』2013年10月臨時増刊号(No.881))p.71
  14. ^ 『鉄道車両年鑑2015年版』(『鉄道ピクトリアル』2015年10月臨時増刊号(No.909))p.114
  15. ^ a b 『鉄道ジャーナル』通巻598号、p.22
  16. ^ 鉄道ファン』2018年8月号(No.688)pp.92-95
  17. ^ 『鉄道ダイヤ情報』2018年6月号(No.410)p.6
  18. ^ 2021年3月16日付交通新聞記事「JR貨物 DD51が定期運用から退く」
  19. ^ a b 『鉄道ジャーナル』通巻598号、p.23
  20. ^ a b 『鉄道ジャーナル』通巻598号、p.21
  21. ^ a b 『鉄道ジャーナル』通巻598号、p.24
  22. ^ 『鉄道ジャーナル』通巻598号、p.29
  23. ^ 『鉄道ジャーナル』通巻598号、p.30
  24. ^ 停車場配線研究会 『新 停車場線路配線ハンドブック』 吉井書店、1995年、p.347
  25. ^ 0番台はJR東日本高崎車両センター所属の37号機のみ在籍し(2020年時点)、JR貨物所属機は残存しない
  26. ^ 『貨物時刻表』2024年3月ダイヤ改正版、鉄道貨物協会、2024年、p.233
  27. ^ 『鉄道ピクトリアル』2008年1月号(No.798)pp.28-30
  28. ^ 名古屋臨海鉄道公式サイト掲載『事業案内 - 受託事業』(2024年1月11日閲覧)

参考文献[編集]

  • 鶴通孝「愛知機関区に注目」『鉄道ジャーナル』第598号、鉄道ジャーナル社、2016年8月、18 - 31頁。 

関連項目[編集]