市ノ坪 (川崎市)

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市ノ坪
市ノ坪のマンション
市ノ坪のマンション
市ノ坪の位置(川崎市内)
市ノ坪
市ノ坪
市ノ坪の位置
市ノ坪の位置(神奈川県内)
市ノ坪
市ノ坪
市ノ坪 (神奈川県)
北緯35度33分53.02秒 東経139度40分4.04秒 / 北緯35.5647278度 東経139.6677889度 / 35.5647278; 139.6677889
日本の旗 日本
都道府県 Flag of Kanagawa Prefecture.svg 神奈川県
市町村 Flag of Kawasaki, Kanagawa.svg 川崎市
中原区
町名制定 1933年(昭和8年)
面積
 • 合計 0.453154178 km2
人口
2021年(令和3年)12月31日現在)[2]
 • 合計 11,512人
 • 密度 25,000人/km2
等時帯 UTC+9 (日本標準時)
郵便番号
211-0016[3]
市外局番 044(川崎MA[4]
ナンバープレート 川崎

市ノ坪(いちのつぼ)は、神奈川県川崎市中原区大字[5]住居表示未実施[6]。面積は全域で45.22 haである[1]

地理[編集]

中原区のほぼ中央に位置し、二ヶ領用水の左岸に細長く広がっている[7]。一帯は住宅地や工場となっている[8]国道409号府中街道)が二ヶ領用水とほぼ並行する形で域内を縦断するほか、東急東横線綱島街道東海道新幹線横須賀線など多くの交通路が当地を横断している。

市ノ坪は北東端で小杉町新丸子東中丸子北谷町田尻町と、南端で幸区鹿島田と、南西端で二ヶ領用水を挟んで苅宿木月住吉町今井南町と接する(特記のない町域は中原区)。

地価[編集]

住宅地の地価は、2021年令和3年)1月1日公示地価によれば、市ノ坪字田向464番59の地点で328,000円/m2となっている[9]

歴史[編集]

条里制の遺構と考えられる地名を持つ[7]当地であるが、当地の古い歴史は残っておらず、かつて鹿島田と一村だったことだけを「新編武蔵風土記稿」が伝えている[10][11]

江戸時代の当地は旗本の内藤氏領だったものが、元禄時点では天領となっており[5]、さらに徳川家継の御仏殿料として増上寺に寄進され[7]、幕末まで増上寺領であった[5]。村は、正保年間の「武蔵田園簿」で200、「元禄郷帳」では302石4斗あまり、「天保郷帳」や幕末の「旧高旧領取調帳」では299石3斗あまりというように推移していた[7]。「新編武蔵風土記稿」では民家49軒[11]

水利としては二ヶ領用水や、その分水である[12]市ノ坪川[10]という水路が使われていた。また、多摩川の氾濫も、江戸時代には5年に1度ほど起きていた[13]。農産品としては花づくりが行われ、池上幸豊がその隆盛を「与楽亭集」に書き残している[7]ほか、天明の大飢饉以降にはヒエジュズダマエンドウなども植えられ[13]、農閑期にはしめ飾り作りも行われた[10]

明治に入ると、花づくりがさらに広まり、60戸あった農家のほとんどで行われるようになった[13]。さらに、大正時代にはフレームを使うようになり、昭和には冷蔵庫を用いた促成栽培が開発されるなど、技術的に発展を遂げていった[14]。また当地は、行政上住吉村中原町川崎市と推移していき、住吉村時代には当地に小学校も作られたが、中原町になるのと前後して廃止となった[15]

当地には大正末期以降に多数の鉄道が通ったため、土地や水路、神社の参道までが分断されていった[16]。そして、戦時中には当地にも軍需工場が作られたほか、食糧増産を目的として花や、など果樹の栽培も中断することとなった[17]

戦後には花の栽培も一時復活したが、周囲で急激に宅地化が進んだこと、また交通の発達で遠方からでも出荷できるようになったこともあり、衰退の道をたどっていった[14]。一方、しめ飾り作りは平成の世にも続けられている[10]

地名の由来[編集]

条里制で36に割られた区画のうちの「一ノ坪」に由来するものと考えられている[7]。ただ、条里遺構は判然としない[10]ほか、通常の6里四方より区画が小さかったとする見方もある[13]

沿革[編集]

小字[編集]

当地には、地租改正の際に[7]外屋敷[1~138番地]・中村通[139~154番地]・道内(みちうえ)[155~356番地]・広町[357~396番地]・田向[397~506番地]・下橋場[507~578番地]・新田[579~647番地]・平間境[652~721番地]という8つの小字が設定された[18]

世帯数と人口[編集]

2021年(令和3年)12月31日現在(川崎市発表)の世帯数と人口は以下の通りである[2]

大字 世帯数 人口
市ノ坪 5,800世帯 11,512人

人口の変遷[編集]

国勢調査による人口の推移。

1995年(平成7年) 7,643人 [19]
2000年(平成12年) 7,499人 [20]
2005年(平成17年) 8,418人 [21]
2010年(平成22年) 8,796人 [22]
2015年(平成27年) 9,214人 [23]
2020年(令和2年) 11,835人 [24]

世帯数の変遷[編集]

国勢調査による世帯数の推移。

1995年(平成7年) 3,320世帯 [19]
2000年(平成12年) 3,505世帯 [20]
2005年(平成17年) 4,051世帯 [21]
2010年(平成22年) 4,278世帯 [22]
2015年(平成27年) 4,520世帯 [23]
2020年(令和2年) 5,949世帯 [24]

学区[編集]

市立小・中学校に通う場合、学区は以下の通りとなる(2022年3月時点)[25][26]

番・番地等 小学校 中学校
22~283番地
373~375番地
449番地
川崎市立東住吉小学校 川崎市立住吉中学校
284~370番地
378~399番地
432番地
484~579番地
川崎市立苅宿小学校
410~418番地
440~445番地
452~467番地
581番地以降
川崎市立玉川小学校 川崎市立玉川中学校

事業所[編集]

2016年(平成28年)現在の経済センサス調査による事業所数と従業員数は以下の通りである[27]

大字 事業所数 従業員数
市ノ坪 153事業所 1,610人

交通[編集]

鉄道[編集]

当地を通過する鉄道はいくつかあるが、いずれも当地に駅は現存しない。

路線バス[編集]

東急バスが、府中街道を経由して当地と川崎駅武蔵小杉駅溝の口駅を結ぶ路線を運行している。

道路[編集]

施設[編集]

教育[編集]

川崎市立橘高等学校川崎市立玉川中学校の敷地の一部が市ノ坪にかかるが、当地を住所とする学校は存在しない。

その他[編集]

日本郵便[編集]

警察[編集]

町内の警察の管轄区域は以下の通りである[29]

番・番地等 警察署 交番・駐在所
26~36番地、54~82番地
89番地、94~98番地
中原警察署 武蔵小杉駅前交番
321番地、331~354番地
358~445番地、452~720番地
中丸子交番
40~53番地、83~87番地
90番地、103~319番地
322~328番地、355番地
449~451番地
向河原交番

関連項目[編集]

脚注[編集]

[脚注の使い方]
  1. ^ a b 町丁別面積(総務省統計局「地図で見る統計(統計GIS)」の数値)” (日本語). 川崎市 (2018年5月22日). 2021年12月12日閲覧。
  2. ^ a b 令和3年町丁別世帯数・人口 12月末日現在 Page white excel.png (Microsoft Excelの.xls)” (日本語). 川崎市 (2022年1月25日). 2022年2月20日閲覧。 “(ファイル元のページ)
  3. ^ a b 市ノ坪の郵便番号”. 日本郵便. 2021年8月11日閲覧。
  4. ^ 市外局番の一覧”. 総務省. 2019年6月24日閲覧。
  5. ^ a b c 角川日本地名大辞典 14 神奈川県』、p.116。
  6. ^ 区別町名一覧表(中原区)”. 川崎市 (2022年1月28日). 2022年4月2日閲覧。
  7. ^ a b c d e f g h i 川崎地名辞典(上)』、p.211。
  8. ^ 川崎の町名』、p.152。
  9. ^ 土地総合情報システム”. 国土交通省. 2021年8月21日閲覧。
  10. ^ a b c d e 川崎の町名』、p.151。
  11. ^ a b 新編武蔵風土記稿 市ノ坪村.
  12. ^ 川崎地名辞典(上)』、p.214。
  13. ^ a b c d e 川崎 新中原誌』、p.241。
  14. ^ a b 川崎 新中原誌』、p.242。
  15. ^ a b 川崎 新中原誌』、pp.243-244。
  16. ^ 川崎の町名』、pp.151-152。
  17. ^ a b c d 川崎地名辞典(上)』、p.212。
  18. ^ 川崎地名辞典(上)』、p.213。
  19. ^ a b 平成7年国勢調査の調査結果(e-Stat) - 男女別人口及び世帯数 -町丁・字等” (日本語). 総務省統計局 (2014年3月28日). 2019年8月16日閲覧。
  20. ^ a b 平成12年国勢調査の調査結果(e-Stat) - 男女別人口及び世帯数 -町丁・字等” (日本語). 総務省統計局 (2014年5月30日). 2019年8月16日閲覧。
  21. ^ a b 平成17年国勢調査の調査結果(e-Stat) - 男女別人口及び世帯数 -町丁・字等” (日本語). 総務省統計局 (2014年6月27日). 2019年8月16日閲覧。
  22. ^ a b 平成22年国勢調査の調査結果(e-Stat) - 男女別人口及び世帯数 -町丁・字等” (日本語). 総務省統計局 (2012年1月20日). 2019年8月16日閲覧。
  23. ^ a b 平成27年国勢調査の調査結果(e-Stat) - 男女別人口及び世帯数 -町丁・字等” (日本語). 総務省統計局 (2017年1月27日). 2019年8月16日閲覧。
  24. ^ a b 令和2年国勢調査の調査結果(e-Stat) -男女別人口,外国人人口及び世帯数-町丁・字等” (日本語). 総務省統計局 (2022年2月10日). 2022年2月20日閲覧。
  25. ^ 中原区の小学校(町丁名順)”. 川崎市 (2021年4月1日). 2022年3月20日閲覧。
  26. ^ 中原区の中学校(町丁名順)”. 川崎市 (2021年4月1日). 2022年3月20日閲覧。
  27. ^ 平成28年経済センサス-活動調査 / 事業所に関する集計 産業横断的集計 都道府県別結果” (日本語). 総務省統計局 (2018年6月28日). 2019年10月23日閲覧。
  28. ^ 郵便番号簿 2021年度版 (PDF)” (日本語). 日本郵便. 2022年2月28日閲覧。
  29. ^ 交番案内”. 中原警察署. 2022年3月20日閲覧。

参考文献[編集]

  • 「市ノ坪村」 『新編武蔵風土記稿』 巻ノ65橘樹郡ノ8巻内務省地理局、1884年6月。NDLJP:763984/43 
  • 『川崎の町名』、日本地名研究所 編川崎市、1995年。 
  • 『川崎地名辞典(上)』、日本地名研究所 編川崎市、2004年。 
  • 角川日本地名大辞典 14 神奈川県』角川書店、1984年。 
  • 新中原誌刊行会 『川崎 新中原誌』有隣堂、1977年。