ジェネシスヘルスケア

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ナビゲーションに移動 検索に移動
ジェネシスヘルスケア株式会社
Genesis Healthcare Co.
種類 株式会社
本社所在地 150-6026
東京都渋谷区恵比寿四丁目20番3号 恵比寿ガーデンプレイスタワー15階・26階
設立 2004年3月1日
法人番号 3011001066943 ウィキデータを編集
事業内容 遺伝子診断サービスの提供
代表者 取締役会長:城野親徳
代表取締役:関根章博
外部リンク ジェネシスヘルスケア株式会社
テンプレートを表示

ジェネシスヘルスケア株式会社英語: Genesis Healthcare Co.)は、東京都渋谷区に本社を置く医療機器製造業者、遺伝子検査事業者。

概要[編集]

2004年にDavid Baranと佐藤バラン伊里(佐藤芹香)が、前身となる日本ウェイトマネジメント社を創業。2006年に現在の社名に変更[1]。2012年より遺伝子診断キット「GeneLife」を販売している[2]

2015年には手塚治虫の遺品に残されていた遺髪から手塚の遺伝子を解析する「手塚治虫遺伝子解析プロジェクト」を実施した[3](しかしながら結果は公開されていない)。

2017年には楽天が出資し、三木谷浩史会長兼社長が社外取締役に就任した[4]

2006年、佐藤の「米国の心臓外科医」「21歳で米コーネル大学の医学部と政治学部を卒業した」との経歴に詐称疑惑が浮上し[5]、2007年に佐藤は代表を辞任した[6]。2014年に佐藤は代表に再就任した。

2020年4月に疑惑が再燃し[7]、David Baranは会長を、佐藤は代表を辞任した[8]。佐藤は同年4月から顧問として[9]、同年8月には取締役副会長として職務を継続している[2]

製品・サービス[編集]

遺伝子診断事業[編集]

  • GeneLife - 消費者向け遺伝子診断サービス
  • GenesisPro - 医療機関・研究機関向け遺伝子診断サービス
  • GenesisGaia - 遺伝子情報のプラットフォーム

新型コロナウイルス感染症のPCR検査キット[編集]

新型コロナウイルス感染症PCR検査キットを開発し(厚生労働省と相談し連絡を取りながら製品開発したとされる)[10]2020年4月20日から出資元の楽天と共同で販売を開始した[11]

本キットは検査を希望する本人が綿棒で鼻から検体を採取した後、容器に入れてジェネシスヘルスケアに提出するものである。新型コロナウイルスに特徴的な遺伝子配列を増幅させて検出されるか調べるPCR検査の手法を用い、3日以内で結果がわかるという。ただし、陰性か陽性かを判断するものではなく、新型コロナウイルスの遺伝子配列が検出されたか否かが示される[12]。また、検査試料はウィルスが不活化されているため、集配の際の感染リスクはないとされている[13]

日本医師会常任理事の釜萢敏は「検体の採取が不適切なら、結果は信用できない。周囲に感染が拡大する危険もある。対策をとれるのか」と批判的な見解を述べている[12][14]。 また、国立国際医療研究センターの感染症専門医である忽那賢志BuzzFeed Japanの取材に対して「非医療従事者が適切に検体を取れるのか」という問題があると指摘し、「PCR検査が神格化されているように思いますが、偽陽性や偽陰性が起こり得るものであり、完璧な検査ではありません」と述べている[15]

また、楽天代表取締役会長兼社長であり、ジェネシスヘルスケアの社外取締役でもある三木谷浩史は、4月22日に「日本復活計画」と題した発表を政府の会議で行った[15][16]。この中で三木谷は「オールジャパンで一刻も早く全国民のセルフPCR検査(無料)を実行するべき」とし、アメリカ食品医薬品局(FDA)が4月20日に在宅での自己採取PCR検査キットの使用を承認したことを引用している。これに対し、免疫学を専門とする医師の峰宗太郎は「三木谷氏がプレゼンで引用しているニューヨーク・タイムズ紙で取り上げられている自己採取式のPCR検査キットはFDAのEUA(Emergency Use Authorizations)という緊急承認を得ているもの」とした上で「医師の判断で指示があった場合に購入可能であり、医療従事者と地域も限定されて販売」されているものであり、楽天・ジェネシスヘルスケアが販売しているものとは異なると述べている。また、アメリカでも同様に複数の会社が無認可のキットを販売しており、それらの会社の多くがキットの販売を停止していると指摘し、「アメリカでいえばこの無認可の自宅検査キット(unauthorized home kits)に相当するものであり、どこの審査も受けていないという意味で非常に危うく、問題が起こる可能性もあります」と批判した[15]

科学雑誌のニュートンなどに寄稿しているサイエンスライターの島田祥輔は、ジェネシスヘルスケアによる遺伝子解析サービスの技術力や研究への意欲は高いと評した一方で、病気の診断を行っている企業ではないと指摘した。その上で、検査キットの発売を提案したのが楽天側かジェネシスヘルスケア側かはわからないものの、PCR検査の難易度を知っているはずのジェネシスヘルスケア側が中止を提言すべきものであったと批判している[17]

2020年4月28日に創業者で代表取締役の佐藤バラン伊里の経歴詐称疑惑が報じられ[18][19]、同日の取締役会で佐藤が辞任したことを受け、楽天は4月30日、ジェネシスヘルスケアの新しい経営体制やコンプライアンス体制を精査するため、販売を見合わせることを発表した[8][20][21][22]

ジェネシスヘルスケア社は夕刊フジの取材に対し、佐藤の辞任は経歴詐称疑惑の報道とは関係ないと否定し、「もともとPCR検査キットは医療従事者への提供が主な目的だった。楽天側の働きかけでターゲットを法人向けに範囲を広げたが、結果的にそれが混乱を招いてしまった。今回の辞任は混乱を招いたことが理由になる」[23]と答えている(しかし、同年4月には顧問、8月には取締役副会長として職務を継続している)。

2020年6月8日に新型コロナウイルス感染症PCR検査を再開[24]。唾液検体郵送を用いた検査を行うとしている[25]

脚注[編集]

  1. ^ 日経バイオテクONLINE. “日本ウェイトマネージメントが事業拡大を理由に、ジェネシスヘルスケアに社名を変更、旧約聖書から引用” (日本語). 日経バイオテクONLINE. 2020年4月28日閲覧。
  2. ^ a b ジェネシスヘルスケア株式会社 企業情報
  3. ^ ベレー帽の遺髪から遺伝子をひも解く 「手塚治虫遺伝子解析プロジェクト」始動”. ITmedia. 2020年4月27日閲覧。
  4. ^ 楽天、遺伝子検査サービスを提供するジェネシスヘルスケア社に出資 | 楽天株式会社” (日本語). New Corporate Site. 2020年4月28日閲覧。
  5. ^ 「週刊文春」編集部. ““遺伝子ダイエット”佐藤芹香に「ニセ医者疑惑」を直撃――「楽天PCR検査キット」開発会社トップの正体”. 文春オンライン. 2020年4月28日閲覧。
  6. ^ 文春オンライン
  7. ^ 「週刊文春」編集部. “楽天PCR検査キット開発企業トップ 経歴詐称疑惑で交代へ”. 文春オンライン. 2020年4月28日閲覧。
  8. ^ a b 楽天、コロナ検査キットを一時販売停止「性能問題ない」:朝日新聞デジタル” (日本語). 朝日新聞デジタル. 2020年4月30日閲覧。
  9. ^ 「週刊文春」編集部. ““楽天PCR検査キット販売停止 “経歴詐称疑惑”開発企業トップは辞任も「顧問で残る”. 文春オンライン. 2020年4月30日閲覧。
  10. ^ MdN Design Interactive
  11. ^ コロナ検査キット 楽天が法人に販売 遺伝子解析企業が開発” (日本語). 日本経済新聞 電子版. 2020年4月21日閲覧。
  12. ^ a b 楽天のPCR検査キットに「大きな問題」 日本医師会”. 朝日新聞 (2020年4月24日). 2020年4月27日閲覧。
  13. ^ 当社サービスご利用会員に提供していた新型コロナウィルスPCR検査キットについて
  14. ^ 楽天のPCR検査キットに日本医師会がNO。「非常に大きな問題があると危惧」”. ハフポスト (2020年4月22日). 2020年4月27日閲覧。
  15. ^ a b c 「全国民のセルフPCR検査」を政府に勧める楽天の狙いは? 厚労省は「非現実的」、医療者は「不安商法の延長」”. BuzzFeed Japan (2020年4月22日). 2020年4月27日閲覧。
  16. ^ 日本復活計画 - 2020年4月22日 楽天株式会社代表取締役会長兼社長 三木谷 浩史
  17. ^ 島田祥輔 (2020年4月27日). “楽天のPCR検査を請け負うジェネシスヘルスケアとは何者なのか”. 2020年4月29日閲覧。
  18. ^ 「週刊文春」編集部. “楽天PCR検査キット開発企業トップ 経歴詐称疑惑で交代へ”. 文春オンライン. 2020年4月30日閲覧。
  19. ^ 「週刊文春」編集部. ““遺伝子ダイエット”佐藤芹香に「ニセ医者疑惑」を直撃――「楽天PCR検査キット」開発会社トップの正体”. 文春オンライン. 2020年4月30日閲覧。
  20. ^ 「新型コロナウィルスPCR検査キット」販売代理について | 楽天株式会社” (日本語). New Corporate Site. 2020年4月30日閲覧。
  21. ^ 楽天、新型コロナ検査キットの販売を一時見合わせ” (日本語). 日本経済新聞 電子版. 2020年4月30日閲覧。
  22. ^ INC, SANKEI DIGITAL (2020年4月30日). “楽天、PCR検査キットの販売停止 開発会社創業者の経歴に疑惑” (日本語). 産経ニュース. 2020年4月30日閲覧。
  23. ^ “迷走”楽天どうした? PCR検査キット販売取りやめ 識者「三木谷氏のスピード感に周囲が付いていけていない」” (2020年5月4日). 2020年5月7日閲覧。
  24. ^ ジェネシスヘルスケア株式会社プレスリリース
  25. ^ 新型コロナウイルス唾液PCR検査キット

関連項目[編集]

外部リンク[編集]