イン・マイ・ライフ

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イン・マイ・ライフ
ビートルズ楽曲
収録アルバムラバー・ソウル
英語名In My Life
リリース1965年12月3日
録音
ジャンル
時間2分28秒
レーベルパーロフォン
作詞者レノン=マッカートニー
作曲者レノン=マッカートニー
プロデュースジョージ・マーティン
ラバー・ソウル 収録曲
君はいずこへ
(B-3)
イン・マイ・ライフ
(B-4)
ウェイト
(B-5)
音源
「In My Life (Remastered 2009)」 - YouTube

イン・マイ・ライフ」(In My Life)は、ビートルズの楽曲である。1965年に発売された6作目のイギリス盤公式オリジナル・アルバム『ラバー・ソウル』に収録された。レノン=マッカートニーの作品で、楽曲の貢献度についてジョン・レノンポール・マッカートニーの双方で食い違っている。本作はプロデューサーのジョージ・マーティンによるピアノソロが特徴となっていて、テープの回転速度が変更されてチェンバロを彷彿させる音色に仕上がっている。

ローリング・ストーンの選ぶオールタイム・グレイテスト・ソング500(2010年版)では第23位にランクされている。英国レコード産業協会からゴールド認定を受けた[3]

歌詞[編集]

レノン直筆のオリジナルの歌詞

「イン・マイ・ライフ」は、レノンが故郷のリヴァプールでの思い出の場所や人々について綴った楽曲で[4]、オリジナルの歌詞には故郷にある通り「ペニー・レイン」やレノンが幼少期に遊んでいた救世軍の孤児院「ストロベリー・フィールド」に対する言及も含まれていた[注釈 1]。その後、レノンはオリジナルの歌詞について「馬鹿げている」と考えて、現行のものに書き直した。

1980年にレノンは、本作について「ぼくが意識して自分の生活について書いた最初の歌だったな。(歌い出す)『忘れることのない場所がある/そのいくつかは変わるだろうが、一生を通じて忘れることのない場所が…』 それ以前に、エヴァリー・ブラザーズバディ・ホリー流に歌を書いていただけなんだ。歌の文句以上のことは何も考えないポップ・ソングを書いていたんだな。歌詞の文句は自分とは関係ないといってもよかった。『イン・マイ・ライフ』の発想が浮かんだのは、メンラブ通り250番地のぼくの家から町へ行くのに乗ったバスの中でね。ぼくの思いつくだけの場所の名前をあげていったんだ。で、こいつは放っておくことにして、ひっくりかえっていたら、昔の友だちや恋人たちについてのあの歌詞が浮かんできたんだ。真ん中の部分はポールが手伝ってくれたよ」と語っている[5][6]。完成した楽曲には、オリジナルの歌詞からわずか数行が残された[7]。レノンの友人で伝記作家のピート・ショットン英語版は、「Some are dead and some are living / In my life I've loved them all(死んでしまった人たち、元気でいる人たち / この人生でぼくは、そのみんなを愛してきた)」というフレーズは、自身と元ビートルズのメンバーのスチュアート・サトクリフ(1962年逝去)についての言及としている[8]

作曲[編集]

本作の作曲に関して、レノンとマッカートニーの奏法で見解の相違がある。レノンはマッカートニーの楽曲の貢献度について「ポールが書いたのはハーモニーとミドルエイトだけ」とする一方で、マッカートニーは1984年に「僕が書いたと思う…なんて言ったら論争の種になってしまうのかな。ジョンは僕が書いたことを忘れて、自分が描いたと思い込んでいるみたいだったね。僕の記憶だとこうだ。彼は自分の記憶の中にある人々についてのポエムを書いていて、僕はその詩を受け取って彼のメロトロンを使って30分ほどで曲をつけたんだ。ミラクルズ英語版のようなやつをね。実際かなり参考にさせてもらったよ」と語っている[9]

2018年にハーバード大学のマーク・グリックマンらが、かつてシェイクスピアの作品のいくつかは劇作家のクリストファー・マーロウとの共著であると解明したのと同じ統計学の手法を用いて楽曲や作曲背景の分析を行い、分析の結果からマッカートニーが書いた可能性を0.18%とし、「"In My Life"はジョンの作品であることは確実である」と発表した[10][11]

レコーディング[編集]

「イン・マイ・ライフ」のレコーディングは、1965年10月18日にレコーディングが開始され、同日には間奏を除いた大部分が完成していた[12]

間奏部分について、レノンはどの楽器を使用するかについて特に決めておらず、ジョージ・マーティンがバロック音楽風のピアノを入れることを提案した[1]。マーティンはバッハの影響を受けたフレーズを考えたが、本作のテンポでは考えていたバロック調のフレーズを弾くのは困難であった。この問題は、10月22日のセッションで、録音された4トラック・テープを半分の速度(15 in/sを7½ in/s)で再生しながら空きトラックへオーバー・ダビングすることで解決させた。なお、元の速度に戻して再生したピアノのサウンドは、チェンバロ(ハープシコード)を思わせるものとなっている[7][12]

リリース・評価[編集]

「イン・マイ・ライフ」は、1965年12月3日に発売されたオリジナル・アルバム『ラバー・ソウル』のB面4曲目に収録された[13]。その後、『ザ・ビートルズ1962年〜1966年』や『リヴァプールより愛を込めて ザ・ビートルズ・ボックス』などのコンピレーション・アルバム、レノンのドキュメンタリー映画『イマジン』のサウンドトラック・アルバムにも収録された。また、2006年に発売された『LOVE』に収録の「ストロベリー・フィールズ・フォーエバー」には、本作のピアノソロが含まれている[14]

ジャーナリストのブルース・エダーは、本作について「ビートルズのソングライティングとレコーディングの歴史における創造的な分水嶺」と評している[15]

ローリング・ストーン誌が発表した「オールタイム・グレイテスト・ソング500」(2010年版)では第23位[16]、「100 Greatest Beatles Songs」では第5位にランクインしている[17][18]英国レコード産業協会からゴールド認定を受けた[19]

演奏[編集]

※出典[20]

楽曲中で聞こえるベルについて、イアン・マクドナルド英語版はスターによる演奏と推測している。

カバー・バージョン[編集]

脚注[編集]

[脚注の使い方]

注釈[編集]

  1. ^ 1967年にストロベリー・フィールドの庭園で遊んでいた幼少期を題材とした「ストロベリー・フィールズ・フォーエバー」(レノン作)と、同名の通りを題材とした「ペニー・レイン」(マッカートニー作)が発表された。

出典[編集]

  1. ^ a b Hertsgaard 1996, p. 156.
  2. ^ Doyle Greene (10 March 2014). The Rock Cover Song: Culture, History, Politics. McFarland. pp. 161. ISBN 978-1-4766-1507-3. https://books.google.com/books?id=oJlDAwAAQBAJ&pg=PA161 
  3. ^ BRIT Certified”. 英国レコード産業協会. 2020年5月7日閲覧。 ※検索窓から「In My Life」と検索することで確認出来る。
  4. ^ Sheehan, Ivan (2015年12月3日). “Finding John Lennon's "first real major piece of work"”. Rock and Roll Hall of Fame. 2016年1月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年5月7日閲覧。
  5. ^ Sheff 1981, p. 129.
  6. ^ Playboy編集部『ジョン・レノン PLAYBOYインタビュー』集英社、1981年、93-94頁。
  7. ^ a b Spitz 2005, p. 587-591.
  8. ^ Everett 2001, p. 319.
  9. ^ Dowlding 1989, p. 204-205.
  10. ^ “ビートルズ、“In My Life”の作曲者について統計学を使って分析した研究結果が発表に”. NME Japan (Bandlab UK Limited.). (2018年7月30日). https://nme-jp.com/news/58858/ 2021年3月30日閲覧。 
  11. ^ “ビートルズ - ジョンとポールのどっちが曲を書いたか問題に決着か / ハーバードの研究者が統計学を用いて分析”. ロケットニュース24 (ソシオコーポレーションメディア事業部). (2018年7月31日). https://rocketnews24.com/2018/07/31/1097487/ 2018年9月27日閲覧。 
  12. ^ a b Lewisohn 1988, p. 64-65.
  13. ^ Davies 2017, p. 346.
  14. ^ The Beatles: Love – PopMatters Music Review”. PopMatters (2006年12月15日). 2019年12月8日閲覧。
  15. ^ Eder, Bruce. In My Life - The Beatles | Song Info - オールミュージック. 2021年3月30日閲覧。
  16. ^ The Beatles, 'In My Life'”. Rolling Stone. 500 Greatest Songs of All Time. Penske Business Media (2011年4月7日). 2020年5月7日閲覧。
  17. ^ The Rolling Stone 100 Greatest Beatles Songs”. Rolling Stone (2010年8月). 2010年8月30日閲覧。
  18. ^ 5. In My Life”. Rolling Stone. 2021年3月30日閲覧。
  19. ^ BRIT Certified”. 英国レコード産業協会. 2020年5月7日閲覧。 ※検索窓から「In My Life」と検索することで確認出来る。
  20. ^ MacDonald 2005, p. 169.
  21. ^ 大物日本人アーティストが参加!レノン・トリビュート”. ORICON NEWS (2005年9月16日). 2021年2月10日閲覧。
  22. ^ “<A GRAMMY Salute To The Beatles> ポール・マッカートニーとリンゴ・スターの共演パフォーマンス映像が一部公開”. amass.jp (amass.jp). (2014年2月8日). http://amass.jp/35127/ 2018年12月27日閲覧。 
  23. ^ “主役は“ザ・ビートルズの楽曲”…映画『イエスタデイ』脚本家が選曲理由を語る”. music.jpニュース (エムティーアイ). (2019年10月17日). https://music-book.jp/music/news/news/332876 2020年5月7日閲覧。 
  24. ^ Yesterday [Original Motion Picture Soundtrack] - Original Motion Picture Soundtrack | Songs, Reviews, Credits - オールミュージック. 2020年8月28日閲覧。

参考文献[編集]

外部リンク[編集]