「火山爆発指数」の版間の差分
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[[Image:VEIfigure en.svg|thumb|270px|VEI区分ごとの[[テフラ]]量を、球の大きさで表したもの。]] |
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'''火山爆発指数'''(かざんばくはつしすう、{{Lang-en|Volcanic Explosivity Index, VEI}})とは、[[1982年]]に[[アメリカ地質調査所]]の{{仮リンク|クリス・ニューホール|en|Christopher G. Newhall}}と[[ハワイ大学マノア校]]の{{仮リンク|ステフェン・セルフ|en|Stephen Self}}が提案した[[火山]]の爆発規模の大きさを示す区分である。火山そのものの大きさではなく、その時々の爆発の大きさの指標である。 |
'''火山爆発指数'''(かざんばくはつしすう、{{Lang-en|Volcanic Explosivity Index, '''VEI'''}})とは、[[1982年]]に[[アメリカ地質調査所]]の{{仮リンク|クリス・ニューホール|en|Christopher G. Newhall}}と[[ハワイ大学マノア校]]の{{仮リンク|ステフェン・セルフ|en|Stephen Self}}が提案した[[火山]]の爆発規模の大きさを示す区分である。火山そのものの大きさではなく、その時々の爆発の大きさの指標である。 |
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== 解説 == |
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区分は、[[火山噴出物|噴出物]]の量でなされる<ref name="kamata">鎌田桂子 [http://www.kazan-g.sakura.ne.jp/J/koukai/99/kamata.html 巨大噴火で何が起こるか?]</ref>。0から8に区分され、8が最大規模である。VEI=0は[[テフラ]]体積が10<sup>4</sup>[[立方メートル]]未満の状況を指す。VEI=8はテフラ体積が10<sup>12</sup>立方メートル以上の爆発を指す。それぞれの区分には噴火の状況を示す名称(「小規模(gentle)」など)が付けられている。 |
区分は、[[火山噴出物|噴出物]]の量でなされる<ref name="kamata">鎌田桂子 [http://www.kazan-g.sakura.ne.jp/J/koukai/99/kamata.html 巨大噴火で何が起こるか?]</ref>。0から8に区分され、8が最大規模である。VEI=0は[[テフラ]]体積が[[10000|10<sup>4</sup>]][[立方メートル]]未満の状況を指す。VEI=8はテフラ体積が[[1000000000000|10<sup>12</sup>]]立方メートル(1000立方キロメートル)以上の爆発を指す。それぞれの区分には噴火の状況を示す名称(「小規模(gentle)」など)が付けられている。 |
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注意すべきことは、VEIの決定にはテフラの種類は影響しないということである。噴出物には[[火山灰]]、[[火山弾]]、[[イグニンブライト]]などさまざまなものがあり、同じ量であってもその噴出に必要とするエネルギーは異なる。従って、VEIは噴火のエネルギーの大小は意味しない。また、静かに流れる[[マグマ]]の量は、どれだけ多くても考慮されない<ref>早川由紀夫研究室 |
注意すべきことは、VEIの決定にはテフラの種類は影響しないということである。噴出物には[[火山灰]]、[[火山弾]]、[[イグニンブライト]]などさまざまなものがあり、同じ量であってもその噴出に必要とする[[エネルギー]]は異なる。従って、VEIは噴火のエネルギーの大小は意味しない。また、静かに流れる[[マグマ]]の量は、どれだけ多くても考慮されない<ref>早川由紀夫研究室 {{Wayback |url=http://www.edu.gunma-u.ac.jp/~hayakawa/volcanology/c5.html |title=5章 噴火の大きさを測る |date=20090714000759}}</ref>。これがVEIという区分の欠点である。一方で、有史以前の噴火の規模を、噴火の機構がよく分かっていなくても決められるという利便性がある。日本の[[火山学|火山学者]]である[[早川由紀夫]]は、[[地震]]の規模を表わす[[マグニチュード]]のように、噴出したマグマの質量で噴火の規模を表現する指標として「'''噴火マグニチュード'''」を提唱している<ref>{{Cite journal |和書 |author=早川由紀夫 |authorlink=早川由紀夫 |title=噴火マグニチュードの提唱 |journal=火山 |volume=38 |issue=6 |publisher=[[日本火山学会]] |date=1993-12-20 |pages=223-226 |doi=10.18940/kazan.38.6_223 |ref=}}</ref>。 |
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== 区分 == |
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VEIの値が1上がるごとに、噴出物の量は10倍になる。ただしVEI=0はVEI=1未満の全てが含まれ、VEI=1とVEI=2の間は100倍の差が付けられている。以下の表に、参考としてその区分の噴火が起きやすい機構、噴煙 |
VEIの値が1上がるごとに、噴出物の量は10倍になる。ただしVEI=0はVEI=1未満の全てが含まれ、VEI=1とVEI=2の間は100倍の差が付けられている。以下の表に、参考としてその区分の噴火が起きやすい機構(噴火のタイプ)、[[噴煙]][[高度]]、発生頻度、発生例、1994年時点で調べられた過去1万年間の発生数を示す。 |
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|> 10km{{Sup|3}}||colossal<br /><small>(巨大)</small>||rowspan="2"|プリニー式/[[プリニー式噴火#ウルトラプリニー式噴火|ウルトラプリニー式]]||200–500km||≥ 100年||[[ピナトゥボ山]](1991年)||39 |
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[[オルドビス紀]]から[[更新世]]にかけてVEI=8以上の火山爆発が47回発生している。そのうち42回は3600万年以上前の噴火である。直近に起こったVEI=8の噴火は、2万6500年前に起こった[[ニュージーランド]]の[[タウポ湖]]付近で起こった |
[[オルドビス紀]]から[[更新世]]にかけてVEI=8以上の火山爆発が47回発生している。そのうち42回は3600万年以上前の噴火である。直近に起こったVEI=8の噴火は、2万6500年前に起こった[[ニュージーランド]]の[[タウポ湖]]付近で起こった{{仮リンク|オルアヌイ噴火|en|Oruanui eruption}}である<ref name="Mason2004">{{Cite journal |last=Mason |first=Ben G. |authorlink= |coauthors=Pyle, David M.; Oppenheimer, Clive |year=2004 |month= |title=The size and frequency of the largest explosive eruptions on Earth |journal=Bulletin of Volcanology |volume=66 |issue=8 |pages=735 - 748 |doi=10.1007/s00445-004-0355-9 |url= |accessdate= |quote= }}</ref>。 |
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== VEIで分類した噴火の例 == |
== VEIで分類した噴火の例 == |
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{{注意|2022年のフンガ・トンガ噴火のVEIは確定していないため、記載しないでください。}} |
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!VEI!!火山(噴火名)!!場所!!年 |
!VEI!!火山(噴火名)!!場所!!年 |
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|{{仮リンク|フードゥー山|en|Hoodoo Mountain}}||[[カナダ]]||[[紀元前8千年紀|紀元前7050年]]? |
|{{仮リンク|フードゥー山|en|Hoodoo Mountain}}||[[カナダ]]||[[紀元前8千年紀|紀元前7050年]]? |
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|[[マウナ・ロア]]||[[ハワイ島]]||1984年 |
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|[[ニオス湖]]||[[カメルーン]]||1986年 |
|[[ニオス湖]]||[[カメルーン]]||1986年 |
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|{{仮リンク|ウェルズグレイ・クリアウォーター火山地帯|en|Wells Gray-Clearwater volcanic field}}||カナダ||1500年? |
|{{仮リンク|ウェルズグレイ・クリアウォーター火山地帯|en|Wells Gray-Clearwater volcanic field}}||カナダ||1500年? |
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|[[キラウエア火山]]|| |
|[[キラウエア火山]]||ハワイ島||1983年 - 現在 |
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|[[ニーラゴンゴ山]]||[[コンゴ]]||2002年 |
|[[ニーラゴンゴ山]]||[[コンゴ]]||2002年 |
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|[[キラウエア火山]]||ハワイ島||1924年 |
|[[キラウエア火山]]||ハワイ島||1924年 |
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|[[硫黄鳥島]]|| |
|[[硫黄鳥島]]||日本||[[1959年]] |
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|[[トリスタンダクーニャ]]||[[大西洋|南大西洋]]||1961年 |
|[[トリスタンダクーニャ]]||[[大西洋|南大西洋]]||1961年 |
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|[[有珠山]]||日本||2000年 - 2001年 |
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|[[ホワイト島]]||[[ニュージーランド]]||2001年 |
|[[ホワイト島]]||[[ニュージーランド]]||2001年 |
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|[[御嶽山]]([[2014年の御嶽山噴火|2014年の噴火]])|| |
|[[御嶽山]]([[2014年の御嶽山噴火|2014年の噴火]])||日本||2014年 |
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|[[ヘクラ山]]||[[アイスランド]]||1947年 |
|[[ヘクラ山]]||[[アイスランド]]||1947年 |
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|[[ガルングン山]]||[[インドネシア]]||1982年 |
|[[ガルングン山]]||[[インドネシア]]・[[ジャワ島]]||1982年 |
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|[[スパー山]]||アメリカ||1992年 |
|[[スパー山]]||アメリカ||1992年 |
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|[[エイヤフィヤトラヨークトル]]([[2010年のエイヤフィヤトラヨークトルの噴火|2010年の噴火]])||アイスランド||rowspan="2"|2010年 |
|[[エイヤフィヤトラヨークトル]]([[2010年のエイヤフィヤトラヨークトルの噴火|2010年の噴火]])||アイスランド||rowspan="2"|2010年 |
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|[[ムラピ山]]||インドネシア |
|[[ムラピ山]]||インドネシア・ジャワ島 |
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|[[福徳岡ノ場]]||日本||2021年 |
|[[福徳岡ノ場]]||日本||2021年 |
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|[[ヘクラ山]]({{仮リンク|ヘクラ3噴火|en|Hekla 3 eruption}})<!-- 7.3 cubickm=VEI 5.5 -->||アイスランド||紀元前1021 +130/-100年 |
|[[ヘクラ山]]({{仮リンク|ヘクラ3噴火|en|Hekla 3 eruption}})<!-- 7.3 cubickm=VEI 5.5 -->||アイスランド||紀元前1021 +130/-100年 |
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|[[タラウェラ山]]||ニュージーランド||1886年 |
|[[タラウェラ山]]||ニュージーランド||1886年 |
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|[[アグン山]]||[[バリ島]]||1963年 |
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|[[セント・ヘレンズ山]]([[1980年のセント・ヘレンズ山噴火|1980年の噴火]])||アメリカ||1980年 |
|[[セント・ヘレンズ山]]([[1980年のセント・ヘレンズ山噴火|1980年の噴火]])||アメリカ||1980年 |
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|[[プジェウエ=コルドン・カウジェ火山群|プジェウエ山]]||2011年 |
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|{{仮リンク|マニンジャウ湖|en|Lake Maninjau}}<!-- 100-250 cubickm=VEI 7 -->||インドネシア||BP 280,000 |
|{{仮リンク|マニンジャウ湖|en|Lake Maninjau}}<!-- 100-250 cubickm=VEI 7 -->||インドネシア||BP 280,000 |
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|[[洞爺カルデラ]]||rowspan="3"|日本||BP 約106,000 - 109,000 |
|[[洞爺湖|洞爺カルデラ]]||rowspan="3"|日本||BP 約106,000 - 109,000 |
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|[[阿多カルデラ]]||BP 約105,000 - 110,000 |
|[[阿多カルデラ]]||BP 約105,000 - 110,000 |
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|[[タウポ湖]]({{仮リンク|ハテペ噴火|en|Hatepe eruption}})<!-- 100-120 cubickm=VEI 7.0 -->||ニュージーランド||[[181年]] |
|[[タウポ湖]]({{仮リンク|ハテペ噴火|en|Hatepe eruption}})<!-- 100-120 cubickm=VEI 7.0 -->||ニュージーランド||[[181年]] |
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|[[白頭山]]/長白山([[946年白頭山噴火]])<!-- 90 cubickm=VEI 6.9 -->||[[中朝国境]]||[[946年]] |
|[[白頭山]]/長白山([[946年白頭山噴火|946年の噴火]])<!-- 90 cubickm=VEI 6.9 -->||[[中朝国境]]||[[946年]] |
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|[[タンボラ山]]([[1815年のタンボラ山噴火|1815年の噴火]])<!-- 100-150 cubickm=VEI 7.0 -->||インドネシア||[[1815年]] |
|[[タンボラ山]]([[1815年のタンボラ山噴火|1815年の噴火]])<!-- 100-150 cubickm=VEI 7.0 -->||インドネシア||[[1815年]] |
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|{{仮リンク|スカーフェル山塊|en|Scafells}}||rowspan="2"|[[イギリス]]||[[オルドビス紀]] |
|{{仮リンク|スカーフェル山塊|en|Scafells}}||rowspan="2"|[[イギリス]]||[[オルドビス紀]] |
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|{{仮リンク|グレンコー|en|Glen Coe}}||[[シルル紀]](4億2000万年前) |
|{{仮リンク|グレン・コー|en|Glen Coe}}||[[シルル紀]](4億2000万年前) |
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|[[ラ・ガリータ・カルデラ]]({{仮リンク|フィッシュキャニオン噴火|en|Fish Canyon Tuff}})<!-- 5,000 cubickm=VEI 8.6 -->||アメリカ・[[コロラド州]]||2700万年前<ref>地質学の国際標準試料となっている。</ref> |
|[[ラ・ガリータ・カルデラ]]({{仮リンク|フィッシュキャニオン噴火|en|Fish Canyon Tuff}})<!-- 5,000 cubickm=VEI 8.6 -->||アメリカ・[[コロラド州]]||2700万年前<ref>地質学の国際標準試料となっている。</ref> |
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== 関連項目 == |
== 関連項目 == |
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* [[破局噴火]] |
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* [[スーパーボルケーノ]] |
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* [[火山の一覧]] |
* [[火山の一覧]] |
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* [[火山噴火の歴史]] |
* [[火山噴火の歴史]] |
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== 外部リンク == |
== 外部リンク == |
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* |
* {{Wayback |url=http://volcanoes.usgs.gov/images/pglossary/vei.php |title=VHP Photo Glossary: VEI |date=20110630123414}} from a [[アメリカ地質調査所|USGS]] website |
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* |
* {{Wayback |url=http://talk.workunlimited.co.uk/life/feature/story/0,13026,1294868,00.html |title=How to measure the size of a volcanic eruption |date=20070312094637}}, from ''[[ガーディアン|The Guardian]]'' |
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* [ |
* [https://link.springer.com/article/10.1007/s00445-004-0355-9 The size and frequency of the largest explosive eruptions on Earth], a 2004 article from the ''Bulletin of Volcanology'' |
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* |
* {{Wayback |url=http://www.volcano.si.edu/world/largeeruptions.cfm |title=List of Large Holocene Eruptions(VEI > 4) from the Smithsonian Global Volcanism Program |date=20130512094942}} |
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* [https://www.data.jma.go.jp/svd/vois/data/tokyo/history_kaisetsu.html 有史以降の火山活動について] - [[気象庁]] |
* [https://www.data.jma.go.jp/svd/vois/data/tokyo/history_kaisetsu.html 有史以降の火山活動について] - [[気象庁]] |
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2023年6月26日 (月) 05:05時点における版
火山爆発指数(かざんばくはつしすう、英語: Volcanic Explosivity Index, VEI)とは、1982年にアメリカ地質調査所のクリス・ニューホールとハワイ大学マノア校のステフェン・セルフが提案した火山の爆発規模の大きさを示す区分である。火山そのものの大きさではなく、その時々の爆発の大きさの指標である。
解説
区分は、噴出物の量でなされる[1]。0から8に区分され、8が最大規模である。VEI=0はテフラ体積が104立方メートル未満の状況を指す。VEI=8はテフラ体積が1012立方メートル(1000立方キロメートル)以上の爆発を指す。それぞれの区分には噴火の状況を示す名称(「小規模(gentle)」など)が付けられている。
注意すべきことは、VEIの決定にはテフラの種類は影響しないということである。噴出物には火山灰、火山弾、イグニンブライトなどさまざまなものがあり、同じ量であってもその噴出に必要とするエネルギーは異なる。従って、VEIは噴火のエネルギーの大小は意味しない。また、静かに流れるマグマの量は、どれだけ多くても考慮されない[2]。これがVEIという区分の欠点である。一方で、有史以前の噴火の規模を、噴火の機構がよく分かっていなくても決められるという利便性がある。日本の火山学者である早川由紀夫は、地震の規模を表わすマグニチュードのように、噴出したマグマの質量で噴火の規模を表現する指標として「噴火マグニチュード」を提唱している[3]。
区分
VEIの値が1上がるごとに、噴出物の量は10倍になる。ただしVEI=0はVEI=1未満の全てが含まれ、VEI=1とVEI=2の間は100倍の差が付けられている。以下の表に、参考としてその区分の噴火が起きやすい機構(噴火のタイプ)、噴煙高度、発生頻度、発生例、1994年時点で調べられた過去1万年間の発生数を示す。
VEI | 火砕物の量 | 規模[1] | 噴火のタイプ | 噴煙高度 | 噴火雲の半径[4] | 発生頻度 | 例 | ここ1万年の 発生数[* 1] |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
0 | < 0.00001km3 | non-explosive (非爆発的) |
ハワイ式 | < 100m | - | ほぼ毎日 | キラウエア | 無数 |
1 | > 0.00001km3 | gentle (小規模) |
ハワイ式/ストロンボリ式 | 100 - 1000m | < 10km | ストロンボリ島 | ||
2 | > 0.001km3 | explosive (中規模) |
ストロンボリ式/ブルカノ式 | 1 - 5km | < 10km | ほぼ毎週 | ガレラス山(1993年) | 3477* |
3 | > 0.01km3 | severe (やや大規模) |
ブルカノ式 | 3 - 15km | < 10km | ほぼ毎年 | コリャークスカヤ山(2008年) | 868 |
4 | > 0.1km3 | cataclysmic (大規模) |
プリニー式 | 10 - 25km | 10–100km | ≥ 10年 | プレー山(1902年) | 278 |
5 | > 1km3 | paroxysmal (非常に大規模) |
プリニー式 | > 25km | 100–200km | ≥ 50年 | セント・ヘレンズ山(1980年) | 84 |
6 | > 10km3 | colossal (巨大) |
プリニー式/ウルトラプリニー式 | 200–500km | ≥ 100年 | ピナトゥボ山(1991年) | 39 | |
7 | > 100km3 | super-colossal (超巨大) |
500–1,000km | ≥ 1000年 | タンボラ山(1815年) | 5(+推定2) | ||
8 | > 1,000km3 | mega-colossal (非常に巨大) |
ウルトラプリニー式(破局噴火) | > 1,000km | ≥ 10,000年 | トバ湖(BP 73,000) | 0 |
- ^ 「ここ10000年の発生数」は、1994年にスミソニアン博物館がGlobal Volcanism Programの一環として調べた数値である。
オルドビス紀から更新世にかけてVEI=8以上の火山爆発が47回発生している。そのうち42回は3600万年以上前の噴火である。直近に起こったVEI=8の噴火は、2万6500年前に起こったニュージーランドのタウポ湖付近で起こったオルアヌイ噴火である[5]。
VEIで分類した噴火の例
VEI | 火山(噴火名) | 場所 | 年 |
---|---|---|---|
0 | フードゥー山 | カナダ | 紀元前7050年? |
マウナ・ロア | ハワイ島 | 1984年 | |
ニオス湖 | カメルーン | 1986年 | |
ピトン・ドゥ・ラ・フルネーズ | レユニオン(インド洋) | 2004年 | |
1 | ウェルズグレイ・クリアウォーター火山地帯 | カナダ | 1500年? |
キラウエア火山 | ハワイ島 | 1983年 - 現在 | |
ニーラゴンゴ山 | コンゴ | 2002年 | |
2 | 八丈島 | 日本 | 1605年 |
フッド山 | アメリカ | 1865年 - 1866年 | |
磐梯山(1888年の噴火) | 日本 | 1888年 | |
キラウエア火山 | ハワイ島 | 1924年 | |
硫黄鳥島 | 日本 | 1959年 | |
トリスタンダクーニャ | 南大西洋 | 1961年 | |
有珠山 | 日本 | 2000年 - 2001年 | |
ホワイト島 | ニュージーランド | 2001年 | |
御嶽山(2014年の噴火) | 日本 | 2014年 | |
3 | ガリバルディ山 | カナダ | BP 9300 |
ナズココーン | BP 7200 | ||
エジザ山 | 950 ± 1000年頃 | ||
青ヶ島 | 日本 | 1785年、1783年 | |
ヴェスヴィオ | イタリア | 1913年 - 1944年 | |
伊豆鳥島 | 日本 | 1939年 | |
スルツェイ島 | アイスランド | 1963年 - 1967年 | |
エルトフェットル | 1973年 | ||
有珠山 | 日本 | 1977年 - 1978年 | |
ネバドデルルイス火山 | コロンビア | 1985年 | |
伊豆大島 | 日本 | 1986年、1821年、1552年、1338年、1307年、838年、822年、BP 1300、BP1350、BP 1375、BP 1400、BP 1425 | |
雲仙岳 | 1990年 - 1995年 | ||
三宅島 | 2000年 - 2002年、1983年、1940年、1811年、1595年、1154年 | ||
エトナ火山 | イタリア | 2002年 - 2003年 | |
新燃岳 | 日本 | 2018年、2011年 | |
4 | 榛名山 | 日本 | 489年 |
羅臼岳 | BP 1400 | ||
神津島 | 838年 | ||
開聞岳 | 885年、874年 | ||
新島 | 886年 - 887年 | ||
霧島山 | 1235年 | ||
那須岳 | 1408年 - 1410年 | ||
伊豆大島 | 1421年、1183年、713年 | ||
新燃岳 | 1716年 - 1717年 | ||
渡島大島 | 1741年 - 1742年 | ||
三宅島 | 1763年 - 1769年、850年 | ||
桜島 | 1779年 - 1781年 | ||
浅間山 | 1783年、1128年、BP 1650 | ||
諏訪之瀬島 | 1813年 | ||
有珠山 | 1853年、1822年、1769年 | ||
プレー山 | マルティニーク(西インド諸島) | 1902年 | |
桜島(大正大噴火) | 日本 | 1914年 | |
北海道駒ヶ岳 | 1929年、1856年、1694年 | ||
昭和硫黄島 | 1934年 - 1935年 | ||
パリクティン山 | メキシコ | 1943年 - 1952年 | |
ヘクラ山 | アイスランド | 1947年 | |
ガルングン山 | インドネシア・ジャワ島 | 1982年 | |
スパー山 | アメリカ | 1992年 | |
オクモク山 | アメリカ・アラスカ州 | 2008年 | |
エイヤフィヤトラヨークトル(2010年の噴火) | アイスランド | 2010年 | |
ムラピ山 | インドネシア・ジャワ島 | ||
福徳岡ノ場 | 日本 | 2021年 | |
5 | ヘクラ山(ヘクラ3噴火) | アイスランド | 紀元前1021 +130/-100年 |
ミーガー山 | カナダ | 紀元前約400年(BP 2350) | |
ヴェスヴィオ(79年の噴火) | イタリア | 79年 | |
プタウアキ | ニュージーランド | 300年頃 | |
榛名山 | 日本 | 525年 | |
十和田湖 | 915年 | ||
摩周岳 | BP 約1000 | ||
浅間山 | 1108年 | ||
桜島 | 1471年 | ||
北海道駒ヶ岳 | 1640年 | ||
有珠山 | 1663年 | ||
富士山(宝永大噴火) | 1707年 | ||
樽前山 | 1739年、1667年 | ||
タラウェラ山 | ニュージーランド | 1886年 | |
アグン山 | インドネシア・バリ島 | 1963年 | |
セント・ヘレンズ山(1980年の噴火) | アメリカ | 1980年 | |
エルチチョン | メキシコ | 1982年 | |
ハドソン山 | チリ | 1991年 | |
チャイテン山 | 2008年 | ||
プジェウエ山 | 2011年 | ||
フンガ・トンガ(2022年の噴火) | トンガ | 2022年 | |
6 | 阿蘇山 | 日本 | (Aso-2)BP 約141,000、(Aso-1)BP 約266,000 |
阿寒カルデラ | BP 約120,000 - 210,000 | ||
箱根カルデラ | BP 約60,000 - 65,000 | ||
倶多楽カルデラ | BP 約40,000 - 45,000 | ||
屈斜路カルデラ | (Kp II/III)BP 87,500、(Kp VI)BP 190,000、(FWT)BP 400,000 | ||
ディアブロティン山 | ドミニカ | BP 30,000 | |
浅間山 | 日本 | BP 約16,000 | |
十和田カルデラ | BP 約15,000、BP 36,000 | ||
桜島 | BP 約13,000 | ||
トルカ山 | メキシコ | BP 10,500 | |
オクモク山 | アメリカ・アラスカ州 | BP 8,300 | |
エトナ火山 | イタリア | BP 8,000? | |
摩周カルデラ | 日本 | BP 約7,600 | |
ベニアミノフ山 | アラスカ半島 | 紀元前1750年前後 | |
ヴェスヴィオ(アヴェリーノ噴火) | イタリア | 紀元前1660 ± 43年 | |
アニアクチャク山 | アメリカ・アラスカ州 | 紀元前1645年頃 | |
オクモク山 | 紀元前400年頃 | ||
アンブリム | バヌアツ | 100年頃 | |
イロパンゴ火山 | エルサルバドル | 450 ± 30年 | |
チャーチル山(White River Ash) | アメリカ・アラスカ州 | 750年頃(BP 1,200) | |
サマラス火山・リンジャニ山 | インドネシア | 1257年 | |
クワエ海底火山 | バヌアツ | 1452年または1453年 | |
ワイナプチナ | ペルー | 1600年 | |
ラキ火山 | アイスランド | 1783年、934年 | |
クラカタウ | インドネシア | 1883年 | |
サンタマリア山 | グアテマラ | 1902年 | |
ノバルプタ | アメリカ・アラスカ州 | 1912年 | |
ピナトゥボ山 | フィリピン | 1991年 | |
7 | |||
ベネットレイク火山複合体 | カナダ | 5000万年前 | |
ヴァレスカルデラ(Lower Bandelier eruption) | アメリカ | 147万年前 | |
イエローストーン(Yellowstone hotspot)(Mesa Falls eruption) | 130万年前 | ||
ヴァレスカルデラ(Upper Bandelier eruption) | 115万年前 | ||
ロングバレーカルデラ(Bishop eruption) | BP 759,000 | ||
マニンジャウ湖 | インドネシア | BP 280,000 | |
洞爺カルデラ | 日本 | BP 約106,000 - 109,000 | |
阿多カルデラ | BP 約105,000 - 110,000 | ||
阿蘇カルデラ | (Aso-4)BP 約90,000、(Aso-3)BP 約123,000 | ||
アティトラン湖 | グアテマラ | BP 84,000 | |
支笏カルデラ | 日本 | BP 約44,000 | |
クリル湖 | ロシア | BP 41,000 | |
屈斜路カルデラ | 日本 | (Kp I)BP 39,000、(Kp IV)BP 117,500 | |
フレグレイ平野 | イタリア | BP 37,000 | |
姶良カルデラ(入戸火砕流) | 日本 | BP 30,000 | |
ラーハー湖 | ドイツ | BP 10,900? | |
クリル湖 | ロシア | 紀元前6440 ± 25年 | |
クレーター湖(マザマ山噴火) | アメリカ | BP 7700 ± 150年 | |
鬼界カルデラ(アカホヤ噴火)(鬼界葛原) | 日本 | (鬼界アカホヤ)BP 7,300、(鬼界葛原)BP 95,000 | |
サントリーニ・カルデラ(ミノア噴火) | ギリシャ | 紀元前1620年代 | |
タウポ湖(ハテペ噴火) | ニュージーランド | 181年 | |
白頭山/長白山(946年の噴火) | 中朝国境 | 946年 | |
タンボラ山(1815年の噴火) | インドネシア | 1815年 | |
8 | スカーフェル山塊 | イギリス | オルドビス紀 |
グレン・コー | シルル紀(4億2000万年前) | ||
ラ・ガリータ・カルデラ(フィッシュキャニオン噴火) | アメリカ・コロラド州 | 2700万年前[6] | |
イエローストーン(ハックルベリーリッジ噴火) | アメリカ | 220万年前 | |
ガラン山 | アルゼンチン | ||
イエローストーン(Lava Creek eruption) | アメリカ | BP 640,000 | |
トバ湖 | インドネシア | BP 73,000 | |
タウポ湖(オルアヌイ噴火) | ニュージーランド | BP 26,500 |
参考文献
- ^ a b 鎌田桂子 巨大噴火で何が起こるか?
- ^ 早川由紀夫研究室 5章 噴火の大きさを測る - ウェイバックマシン(2009年7月14日アーカイブ分)
- ^ 早川由紀夫「噴火マグニチュードの提唱」『火山』第38巻第6号、日本火山学会、1993年12月20日、223-226頁、doi:10.18940/kazan.38.6_223。
- ^ Robert Constantinescu, et al. (2021). “The radius of the umbrella cloud helps characterize large explosive volcanic eruptions”. Communications Earth & Environment 2 (3). doi:10.1038/s43247-021-00096-9.
- ^ Mason, Ben G.; Pyle, David M.; Oppenheimer, Clive (2004). “The size and frequency of the largest explosive eruptions on Earth”. Bulletin of Volcanology 66 (8): 735 - 748. doi:10.1007/s00445-004-0355-9.
- ^ 地質学の国際標準試料となっている。
- Newhall, Christopher G.; Self, Steve (1982). “The volcanic explosivity index(VEI): An estimate of explosive magnitude for historical volcanism”. Journal of Geophysical Research 87 (C2): 1231 - 1238. doi:10.1029/JC087iC02p01231 .
関連項目
外部リンク
- VHP Photo Glossary: VEI - ウェイバックマシン(2011年6月30日アーカイブ分) from a USGS website
- How to measure the size of a volcanic eruption - ウェイバックマシン(2007年3月12日アーカイブ分), from The Guardian
- The size and frequency of the largest explosive eruptions on Earth, a 2004 article from the Bulletin of Volcanology
- List of Large Holocene Eruptions(VEI > 4) from the Smithsonian Global Volcanism Program - ウェイバックマシン(2013年5月12日アーカイブ分)
- 有史以降の火山活動について - 気象庁