白米

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

これはこのページの過去の版です。119.105.137.118 (会話) による 2012年1月24日 (火) 13:18個人設定で未設定ならUTC)時点の版 (→‎概要)であり、現在の版とは大きく異なる場合があります。

ファイル:IMG 0784.JPG
醸造用精白米 - 清酒の原料
白米、長粒種、生
100 gあたりの栄養価
エネルギー 1,527 kJ (365 kcal)
79.95 g
糖類 0.12 g
食物繊維 1.3 g
0.66 g
飽和脂肪酸 0.18 g
一価不飽和 0.206 g
多価不飽和 0.177 g
7.13 g
トリプトファン 0.083 g
トレオニン 0.255 g
イソロイシン 0.308 g
ロイシン 0.589 g
リシン 0.258 g
メチオニン 0.168 g
シスチン 0.146 g
フェニルアラニン 0.381 g
チロシン 0.238 g
バリン 0.435 g
アルギニン 0.594 g
ヒスチジン 0.168 g
アラニン 0.413 g
アスパラギン酸 0.67 g
グルタミン酸 1.389 g
グリシン 0.325 g
プロリン 0.335 g
セリン 0.375 g
ビタミン
ビタミンA相当量
(0%)
0 µg
(0%)
0 µg
0 µg
チアミン (B1)
(6%)
0.07 mg
リボフラビン (B2)
(4%)
0.049 mg
ナイアシン (B3)
(11%)
1.6 mg
パントテン酸 (B5)
(20%)
1.014 mg
ビタミンB6
(13%)
0.164 mg
葉酸 (B9)
(2%)
8 µg
ビタミンB12
(0%)
0 µg
コリン
(1%)
5.8 mg
ビタミンC
(0%)
0 mg
ビタミンD
(0%)
0 IU
ビタミンE
(1%)
0.11 mg
ビタミンK
(0%)
0.1 µg
ミネラル
ナトリウム
(0%)
5 mg
カリウム
(2%)
115 mg
カルシウム
(3%)
28 mg
マグネシウム
(7%)
25 mg
リン
(16%)
115 mg
鉄分
(6%)
0.8 mg
亜鉛
(11%)
1.09 mg
マンガン
(52%)
1.088 mg
セレン
(22%)
15.1 µg
他の成分
水分 11.62 g
アルコール (エタノール)
0 g
%はアメリカ合衆国における
成人栄養摂取目標 (RDIの割合。
出典: USDA栄養データベース(英語)
白米アミノ酸スコア[1][2]

白米(はくまい)とは、玄米を精米(精白、搗精)したのこと。精米、精白米ともいう。精米という語は精白する事と共に出来た白米の意味でも使われる。

概要

名前の通り、原料の玄米より白っぽく、透明感がある。炊いてとしたり、加工食品清酒原料にもする。

平成元年(1989年11月22日 国税庁告示第8号「清酒の製法品質表示基準を定める件」により以下のとおり定められている。

白米とは、農産物検査法(昭和26年(1951年)法律第144号)により、3等以上に格付けされた玄米又はこれに相当する玄米を精米したものをいうものとする。」

デンプン以外の栄養素は擦り落とされた胚芽と層に多く、胚乳のみの白米は栄養的に偏っている。特にビタミンB1に関しては、100g中、白米は0.07mg、玄米は0.4mgと、白米は玄米の6分の1しかビタミンB1が含まれていない。白米のみの食事は脚気のようなビタミンB1欠乏症をもたらす。「美味しいご飯があればおかずは要らない」等と言う人がいるが、栄養的に可能でない。米飯は、デンプンの割合が多い程、食感に日本人好みの粘りがあり、良食味米はタンパク質等のデンプン以外の成分が更に少ない。

精米後の白米は、皮をはがれた状態であり、日数の経過と共に酸化等により劣化していくので、少しずつ購入する方が新鮮である。低温貯蔵がより望ましい。

古くはで搗いた米を舂米(しょうまい/つきしね/つきよね、「春」ではない)と呼んだ。古代には女性が臼とを使って作業を行い、大和朝廷屯倉には特に舂米部(しょうまいべ)を置いたと伝えられている。

江戸時代、上流階級は精米した白米を常食していたが、当時の多くの歴史上の著名人(徳川家光徳川綱吉桜町天皇徳川家定徳川家茂和宮小松帯刀)が脚気を患っていた。明治以降、地方の庶民層にまで白米を常食する習慣が広まるが、当時未知の栄養素であるビタミンB1を補うことに配慮が十分に回らず、そのためにひと頃は脚気が国民病とまで言われたことがある[3][4]。白米は庶民の憧れであったことを背景に、1904-5年の日露戦争時には陸軍が白米支給に固執し、陸軍脚気惨害を引き起こした。国外への動員兵数100万人のうち、戦死4万6千人、戦傷15万人で、25万人強の脚気患者が発生した。この入院脚気患者のうち、2万7千人が死亡したと見られている[5][6][4]

日本では、精米して白米と米糠に分け、それぞれ販売され利用されてきた。消費者への小売りでは白米(無洗米を含む)であることが通常であるが、玄米も一定の需要があり、広く販売されている。

脚注

  1. ^ http://www.nal.usda.gov/fnic/foodcomp/search/
  2. ^ アミノ酸スコア
  3. ^ 脚気
  4. ^ a b 日本の脚気史
  5. ^ 陸軍省編『明治三十七八年戦役陸軍衛生史』第二巻統計、陸軍一等軍医正・西村文雄編著『軍医の観たる日露戦争』
  6. ^ 山下政三『鴎外森林太郎と脚気紛争』日本評論社、2008年、332-333頁

関連項目

外部リンク