沙羅曼蛇

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沙羅曼蛇
ジャンル シューティングゲーム
対応機種 アーケード[AC]
ファミリーコンピュータ[FC]
MSX
X68000
PCエンジン[PCE]
セガサターン[SS]
プレイステーション[PS]
携帯電話
プレイステーション・ポータブル
コモドール64[C64]
開発元 [FC]コナミ/[SS][PS]コナミコンピュータエンタテインメント東京
発売元 コナミ
デザイナー 町口浩康
音楽 東野美紀
人数 1 - 2人(同時プレイ可)
メディア [FC]1Mbit+64KRAMカセット
[MSX]
[X680x0]5インチフロッピーディスク1枚
[PCE]2MbitHuCARD
[SS][PS]CD-ROM1枚
[PSP]UMD
発売日 [AC]1986年7月4日
[FC]1987年9月25日
[PCE]1991年12月6日
[SS]1997年6月19日
[PS]1997年7月6日
[S!]2003年8月18日
[PSP]2007年1月25日
対象年齢 CERO:全年齢対象 (PSP)
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専用筐体(アップライト型)
専用筐体(テーブル型)

沙羅曼蛇』(サラマンダ SALAMANDER)は、1986年コナミが発売したアーケードシューティングゲーム。『グラディウス』の続編に当たる作品。「沙羅曼」や「沙羅蛇」などとしばしば誤記される。

本作の海外版の名称は『LIFE FORCE(ライフフォース)』となっているが、この名称の作品には2種類存在する。1つは背景の一部を差し替えて海外向けに販売したもの(「Stereo Sound」と付く)、もう1つは海外版を元に多数のアレンジを施し日本国内向けに販売したものである(詳細は『ライフフォース』を参照されたい)。なお、海外版ではボイスの追加、ストーリー説明の追加などの改変が見られる。

1996年には本作品の続編として『沙羅曼蛇2』も製作された。プレイステーション・セガサターンでは『ライフフォース』も含めたシリーズ3作をまとめて、「沙羅曼蛇 DELUXE PACK PLUS」としてオリジナルにほぼ忠実に移植された。PSPでは、さらにXEXEXとシークレットタイトルの5作が「沙羅曼蛇 ポータブル」として移植された。

なお、本文中特に断り書きがない場合はアーケード版についての解説である。これを元にした各種移植作品についての解説は移植版の項目を参照。ただしMSX版に関してはアーケード版などと共通する要素はタイトルとBGMくらいで、ステージ構成などは大幅に変更されているため別項目とした。詳細は沙羅曼蛇 (MSX) を参照頂きたい。

概要

8方向レバーと2ボタン(ショット、ミサイル)で操作する。全6面で、奇数面が横スクロール、偶数面が縦スクロールである。2人同時プレイもできるようになっている。コンティニューはできないが、クレジットを追加することで、上限はあるが残機が増える仕様。得点による残数の増加はない。ループゲームで、周回数を重ねるごとに地形が変わるほか、3周目以降は倒した敵機が弾を撃ち返すようになるなど10周目まで難度が上がり続ける。

ステレオ対応のFM音源サウンドや場面に合わせたボイス(合成音声)、プロミネンスに代表されるグラフィックや演出効果が話題を呼んだ。当時はステレオ対応筐体が皆無だったこともあり、2Dシューティングゲームとしては異例である専用筐体販売が行われた。そのため流通数が少なく、当初はプレイ待ちの行列がいたるところで見られた。

パワーアップは『グラディウス』のカプセルストック制ではなくアイテム制になっている(ファミコン版、MSX版はカプセルストック制。各移植版の項も参照されたい)。自機が破壊されても画面が切り替わることもなくその場で自機が復帰し、ゲームは続行される。このようなシステムの違いからグラディウスシリーズの中でも異質な作品で、『グラディウス』とは似ているものの、かなり違った印象を受けるが、一方で、同じコナミの横スクロール二人同時プレイシューティングの『サンダークロス』や、『パロディウス』のシリーズの『極上パロディウス』から始まる二人同時プレイにも繋がっており、『グラディウス』とはまた違った独自のシステムとなっている。

パワーアップが『グラディウス』と同じカプセルストック制になった『ライフフォース』(元は沙羅曼蛇の海外バージョン名で、国内版と海外版では内容が異なる)も発売されている。

パワーアップ

パワーアップの構成は『グラディウス』と似ているが、パワーアップの方法はそれぞれの装備に該当するアイテムを取得する事によって行う。本作ではアイテムのことをパワーユニットと称する。パワーユニットは特定の敵(ほとんどの場合、赤い色違いの敵)を倒すことによって出現する。なお、このパワーユニットを持った敵の出現位置はすべて固定(数はプレイによって異なる)。プレイされない間のデモンストレーション中に各パワーユニットの説明が表示される。

パワーユニットとその効果

各装備の細かい性能や補足事項などについては#パワーアップの制約・固有性能で解説する。特記ないものは1段階しかパワーアップしないが、いずれもパワーアップ限界数を越えて取っても得点にはなる。

スピードアップ (SPEED UP)
自機の移動速度が上がる。最大5速。
ミサイル (MISSILE)
横スクロール時は上下、縦スクロール時は左右に地表を滑走するミサイルを発射。壁を登る性能もある。グラディウスシリーズに準じ、地上のハッチは一撃で破壊できる性能を持つ。
リップルレーザー (RIPPLE LASER)
徐々に拡大するリング状レーザーを前方に発射。貫通力なし。レーザーとは併用できない。
レーザー (LASER)
威力が高く雑魚敵を貫通する螺旋模様のレーザーを前方に発射。リップルレーザーとは併用できない。
マルチプル (MULTIPLE)
自機の分身を装備。自機の攻撃と同じ攻撃をする。最大4つ。グラディウスシリーズでいうところの「オプション」。マルチプルという名称の初出は本作ではなくグラディウスの海外版「ネメシス」である。
フォースフィールド (FORCE FIELD)
一定の方向に敵の攻撃を防ぐバリアを装備。最大4つ(実質3つ)。あまり役に立たない。詳細は後述参照されたい。

パワーアップの制約・固有性能

  • ミサイルは特定の障害物(2, 5面の岩、3, 6面のボス等)に撃ち込む事で、その障害物の当り判定を消す事が可能。
  • 縦スクロールの4・6面でミサイルを装備していると、ミサイルが一定の距離を置いた前方画面奥に投下され、特定の施設(地上物)を破壊する事ができる。
  • メインウェポンで一番弾速が速いのはリップルレーザー。
  • リップルレーザーの地形との接触判定はレーザーの中央付近にしかないため、拡大した状態であっても中央付近が地形と接触していない限りは消滅しない。
  • レーザーはシリーズ他作品(ライフフォースを除く)と違い、ショットボタン連打で細切れ状に連射できる。ただし、どれも自機の位置(奇数面では自機の高さ、偶数面では左右)に合わせて同一射線上を移動するので連射する事に意味はない。
  • 自機が破壊されると、装備していたマルチプルは全てアイテムとなり、スクロールと共に流れていく。復帰した自機が回収すれば再度装備される。ただしこのマルチプルのアイテムは取得しても得点は加算されない。
  • マルチプルは2人同時プレイ時では、2人合わせて4つまで。
  • マルチプルには「マルチプルの間隔がマルチプルを展開する画面の位置で変わる」「自機から近い順に、追従がワンテンポずつ遅れる」など、他シリーズのオプションにはない癖がある。そのため、「ゴム紐オプション」などといった愛称で呼ばれることもあった。
  • フォースフィールドはアイテムが1周回中で3つしか出現しないため、最大装備数は実質3つ。(デラックスパック版では、裏技を使用することで4つ付けることができる。)
  • フォースフィールド装着順序は、前方→上(縦スクロール時:左)→下(縦スクロール時:右)→後方。1つでもダメージを受けて解除された場合は前述の装着順序が優先順位となって消えた所から装着し直される。
  • フォースフィールドは、1周回中最初に装着したものと、それ以降に装着したもので性能が以下のように変化する。共通事項としては、触れた敵機にダメージを与える、地形との接触により耐久力を減らされることはない、ゲーム難度は装備しているフォースフィールドの数に従って上昇することが挙げられる。
    • 1周回中最初に装着したフォースフィールドは敵弾を防ぐ。フォースフィールドがアイテムに接触するとそのアイテムを取得することができる。しかし、アイテムとの接触によってもその耐久力が減らされる。
    • 上記以降に装着したフォースフィールドは敵弾を防がない。アイテムを取得する効果も消滅し、アイテムとの接触によってその耐久力が減らされることもない。左右と後ろに装着するフォースフィールドは、自動的にこちらの性能のものになる。

2人同時プレイ

発売された当時としては画期的な2人同時プレイを実現している。1P側が『グラディウス』と同じビックバイパーで色は青、2P側がロードブリティッシュで色は赤。なお、それぞれ性能に違いはない。

双方の機体は互いに重なる事ができず、ぶつかると相手の機体を押す事になる。押された結果、地形に接触してしまうとミスとなるため、狭い場所では左右に少し動くことさえ制限しなければならなかった。これはアーケード版『沙羅曼蛇』やこれを忠実に移植した作品のみの現象で、国内版『ライフフォース』やファミコン版などではこの現象は起きない。また、押された側のマルチプルは移動しないので、通常ではできないような自機とマルチプルの距離の開け方も可能であり、2人同時プレイの場合はこれを利用してボス戦に有利なフォーメーションを取るなどといった使い方もあった。

縦横スクロール

本作品最大の特徴であり、『グラディウス』と比べて最大の違いが、スクロール方向が横だけではなく縦にもなる事である。これにより本作品の戦略性が高まっている。スクロール方向により装備の性能が変わったり、自機の当り判定が変わるなどの要素も含まれている。

装備面ではミサイルがその影響を多大に受けており、『グラディウス』に比べて大きく変更されている。横スクロールでは上下、縦スクロールでは左右と同時に2発も発射可能となっている。また2面を除く縦スクロール面では前方画面奥側にも発射するが、これは空間のリアルさを表現する手法に留まらず、画面奥の一部の地上物を破壊することもできた。

なお、『グラディウス』に比べスクロール速度がかなり速いのも本作品の特徴である。

ステージ構成


注意:以降の記述には物語・作品・登場人物に関するネタバレが含まれます。免責事項もお読みください。


Stage 内容 解説 ボス
1(横) 増殖性細胞 巨大な生命体の内部のようなステージ。増殖する細胞により壁面が盛り上がってきたり、壁面で覆われておりショットで破壊しないと進めないエリアなどがある。 ゴーレム
2(縦) 隕石空域 大量の隕石が浮遊している地帯。地面はなく、破壊不能の隕石を回避しながら進む。しかし隕石にミサイルを当てるとその隕石の攻撃判定が無くなる。 巡洋艦テトラン
3(横) 高密度エネルギー 生命エネルギーが炎となって噴き出しているステージ。出現する敵キャラクターもほとんどが炎タイプ。 イントルーダ
4(縦) 地底火山 グラディウスの火山ステージを縦にしたようなステージ。左右や下に配置された火山から火山弾が降り注ぐ。 要塞ヴァリス
5(横) 小惑星 小惑星帯で戦闘機の編隊と戦う。このステージもステージ2同様に地面がない。 空母デス
6(縦) 要塞地帯 前半は都市上空で、中ボスはビッグコア。後半は要塞内部だが、道中にモアイが出現する。ある条件を満たすとZAPする。 ビッグコア ゼロスフォース

主要敵キャラ

ベルベルム
全ステージに登場する編隊雑魚。前作に登場するファンに相当するが、登場頻度と動きのバリエーションの多さからガルンやビーンズも兼ねた存在で敵の主力戦闘機。赤と灰色の2種類がおり、赤の編隊は全滅させるとパワーアップアイテムが出現する。縦スクロール面に登場するものをベルベルムIIとする記述もある。
デスハンド
ステージ1に登場する触手。壁面から突如として発生する。弱点は赤い部分。
オクタ
ステージ1に登場する生物タイプの移動砲台。壁面を移動しながら弾を発射してくる。
スパルグ
ステージ1に登場する生物タイプの固定砲台。
スワァーム
ステージ1に登場するアメーバ状の敵。
シャープ・クロッサー
ステージ1中盤に登場する血の付いた巨大な角。上下運動をして自機の行く手を阻む。破壊不可能。
ケピット
ステージ2, 5, 6に登場する戦闘機。動きから前作のルグルに相当する。動きが前作に比べ遅い。
アムカケムドミラ
ステージ2, 6に登場。高速で飛来し、画面上部で静止し弾を撃った後、飛び去る。
ファイアーガイスト
ステージ2, 5に出現。撃つとフォースフィールドでも防げない分裂弾を高速で打ち返す。
サンダーミュー
ステージ2, 5に出現する中型の敵。直接攻撃は行なわないが、画面をフラッシュさせてプレイヤーを眩惑させる。
フェニックス
ステージ3に出現する火の鳥。前方から羽ばたきながら前進してくる。巨大化してくるものもいる。
ファイヤープラネット
ステージ3に登場する燃え盛る火球。炎の海から出現して、自機に対して突進してくる。
ウグ
ステージ4に登場する戦闘機。画面奥のハッチから上昇して来る。
グレムリン
前作のダッカーに相当。ステージ4のみの登場。
バルガニス
ステージ4に配置された固定砲台。高速の砲弾(相殺可能)を連射してくる。
ドーム2331
ステージ4に配置されたドーム状のハッチ。グラディウスシリーズのハッチは空中物を出すことが多いが、これは地上物(グレムリン)を発進させる珍しいタイプ。
ファランクス
ステージ5に登場する中型機。耐久力があり、倒すと数発の誘導ミサイル(これも破壊可能)を打ち返し弾のように発射。丸腰では破壊不可能と言ってもよい。
ザブII
ステージ5後半に出現する時空間移動爆雷。前作のザブとは異なり自機を中心とした円周上に出現し、(自機ではなく)円の中心に突入して消失する。
グロブダー
ステージ6に登場する対空砲火。破壊不能。(ゼビウスの敵キャラ及びそのスピンオフタイトルと同名だが無関係である)
クリスタムボム
ステージ6に登場する敵。大量に出現し、3色に光りながら突進してくる。
アイアンメイデン
ステージ6に登場する敵。前作に登場したものと名前こそ同じだが、小型化されており耐久力も低い。ライフフォースではモアイに変わっている。
モアイ
ステージ6後半に出現。この作品のモアイはジャンプをしながら、壁を反射するイオンリングを放つ。

難易度

敵の出現位置、攻撃方法、アイテムの場所などは完全に固定されており、安全地帯も多いため、パターン化によって攻略法を確立できる。

なお、本作では『グラディウス』とは異なり、再開時に一定の場所まで戻される事もなくその場で復活し、装備していたマルチプル(オプション)も回収可能である(「ゲーメスト」など当時のゲーム雑誌では他のゲームで同種のシステムを表現する場合に「曼蛇復活」と呼ぶこともあった)。そのため、低次周ならばミスした場合でも『グラディウス』よりは復活が容易な場面が多い(ただし、高次周だと逆になってしまう)。復活時は数秒間の無敵時間があるが、すべての装備を失ってしまうため、その無敵時間を活用して立て直すことは困難であった。

2周目以降は周回数によって地形が変わったり(1面の盛り上がる地形の場所や、3面のプロミネンスの噴出する場所や組み合わせが変わる)、周回を重ねる毎に撃ち返し弾が増えていくなど、最終的には尋常でないほどの攻撃をしてくるようになり、高次周では一度ミスすると復活は極めて困難になる。

なお、4面最後の砲台など、一旦破壊されるとその後のプレイでは攻撃をしてこないという仕様[1]のため、プレイ条件は常に一定ではない。

演出

先述の通り、グラフィックやステレオサウンドが特徴として挙げられる。さらにシリーズを通じて初めて「声(英語)」による演出を行っている[2]。主に、武器をゲームプレイの最初に装備した時、ステージの切り替わり、ボス戦の直前に発せられる。ミサイルを装備していないときにミサイルショットボタンを押すと音声 (Missile chamber is empty.) で警告される演出もある。ただし、これら音声の演出は、周囲で他のゲームが稼働しているゲームセンターなどでは聞きとりづらく、さらに低音質だったため、聞き流されることがほとんどであった。

ボス直前の音声は "An intruder has penetrated our force field." で、訳すると「我が勢力圏内に敵機侵入」となる。

この「声」の演出は、以降のグラディウスシリーズにも標準的に搭載される。

音楽

本作の音楽は当時まだ音大生だった東野美紀がアルバイトで作曲を担当した。本作のBGMには三連符を多用したものが多い。これは作曲担当者が後に語った中で、作曲したBGMが次々に没になり、苦し紛れに三連符を多用したところ、多少の批判を受けながらも採用された、という内容がCDのライナーノーツに記載されている。当時制作しながら没になった曲のいくつかはPSPソフト「沙羅曼蛇PORTABLE」に収録されている。

音楽演奏はFM音源チップYM2151が使われている。『沙羅曼蛇』発売当時、ゲーム内の音楽を8ビットパソコン上にて再現して聴くことのできるプログラムが雑誌マイコンBASICマガジンに掲載された。これは2台のパソコンを用意し、1台ずつ片チャンネルのMMLを入力して同時実行する、という内容の力作であった。しかしながら移植先の音源がYM2203であり、音源の違いは技量でカバーできるものの、MMLの機能に制限が多かったために完全再現とまではいかなかったようだ。なおそのプログラムを作成したのは、当時同誌のライターだった古代祐三である。

またタイトルについては(『ライフフォース』で使用されたものも含め)当初は付けられていなかったようで、1986年にアポロン音楽工業から発売された『オリジナル・サウンド・オブ・沙羅曼蛇』では「第1ステージ・サウンド」などとなっている。以下の曲名は1992年に発売された『沙羅曼蛇 -Again-』に基づいている。

使用箇所 曲名
1面 Power of Anger
2面 Fly High
3面 Planet RATIS
4面 Starfield
5面 Burn the Wind
6面 Destroy Them All
ビッグコア Aircraft Carrier
ボス Poison of Snake
オールパターンクリア(エンディング) Crystal Forever
ゲームオーバー Peace Again

移植版

ファミリーコンピュータ
『沙羅曼蛇』初の家庭用移植作品。ハードの制約からアーケード版から大きくアレンジされているが、コナミが独自開発した特殊チップVRCの搭載により前作FC版グラディウスよりオプションの搭載可能数が多くなり、大型ボスも登場している。カセットが半透明で内部の基板が見えるスケルトンカセットを使い、そのスケルトンカセットをアピールしたTVCM(後に、発売延期を発表したCMもあった)や、「グラディウス」の正統続編ということで話題を呼び、ファミリーコンピュータMagazineの集計では初登場の売り上げ1位に輝いている。以下、AC版からの変更点。
  • 前作で不評だった短いレーザーは前回同様スプライトを用いた描画であるが、デザインを破線状に変更し、明滅させることで擬似的に長いレーザーを実現している。
  • パワーアップシステムは『グラディウス』同様のパワーカプセル方式に変更されている。1Pと2Pのゲージの並びは同じ。
  • ステージ構成もアレンジされており、オリジナルのステージやボスも登場する。5面に『ライフフォース』2面の音楽も使われている。
  • 音声はなし。隕石面(ステージ2、ステージ5)もなし。
  • スクロールはグラディウスと同じぐらい。
  • ミサイルとレーザーは2段階のパワーアップが可能で、2段階目は弾速が上がる。
  • オプション(AC版でのマルチプル)は1Pと2P合わせて3つまでつけられる。
  • フォースフィールドはファミコン版『グラディウス』同様に全方位バリアで、グラフィックが後のアーケード版『グラディウスII』の物に近くなっている。FC版はグラディウスIIより前に発売されているので、バリアが機体を包む方式のフォースフィールドは本作が初登場となる。
  • 難易度は前作グラディウスよりも格段に上がっており、ファミコンでも高難度シューティングと呼ばれた。
  • ステージ6のボス、ビッグアイを倒し損ねたまま脱出するとステージ4からやり直しになる。そのため点数は条件に当てはまらなくなった。
  • コンティニューが3回まで可能になっており、回数によってエンディングで表示される絵が変化する。ビッグアイを倒し、ノーコンティニューでクリアーするとビックパイパーのパイロットとおぼしき女性が登場する。コンティニュー1, 2回ではビックバイパー、3回ではヘルメットになる。
  • エンディングのBGMが少し長い
  • NESで『LIFEFORCE』のタイトルで発売されたが、こちらはオプションが二つまでしか付かない他、パワーアップゲージがコンパクト化されている。エンディングでは「KONAMI」のロゴでしか表示されない。
Stage 内容 解説 使用曲 ボス
1(横) 細胞 惑星生命体と化したラティスの内部。 Power of Anger ゴーレム
2(縦) 火山 AC版の4面に相当。
左右に配置された火山から火山弾が降り注ぐ。
Starfield メタルボール
巡洋艦テトラン
3(横) プロミネンス 生命エネルギーが炎となって噴き出す。ボスのイントルーダは頭部分だけで胴体は見えない。 Planet RATIS イントルーダ
4(縦) 細胞II FCオリジナルステージ。中盤の血管内部は高速スクロール。 Burn the Wind ギーガ
5(横) 神殿 FCオリジナルステージ。
前半は『グラディウス』の火山ステージ風、後半は神殿内部へ。
Thunderbolt
Aircraft Carrier
クラッシュバム
ツタンカーム
6(縦) 機械都市 前半は都市上空。後半は要塞内部。ビックコアはクラッシュバムという設定上、このステージには存在しない。 Destroy Them All
Poison of Snake
沙羅曼蛇
ビッグアイ
MSX
沙羅曼蛇 (MSX) を参照されたい。
X68000
アーケード版におけるブート時のメモリチェックやクロスハッチ表示、テストモード(裏技を使う事により可能)まで忠実に移植され、アーケードからコンシューマー機への忠実移植ブームの火付け役となったとされる。しかし動作はやや重く、3面のプロミネンスの表示が特にもたつく(本ソフト発売当時、純正ハードは10MHzモデルしか存在しなかった)。また、1面のBGMに若干の違いがある。開発はSPSで、発売はシャープ
発表から発売までに当時としては異例なほどの発売延期が繰り返された。後にSPSの担当者が雑誌インタビューにて、「ほぼ完成していたバージョンの出来に納得できず、それまでに作成したすべてのデータを破棄して一から作り直したため」と説明していた。
裏技でBGMだけを聴くことができるが、未完成どころか明らかに曲になっていない物なども存在する。X68030の高速動作モードではBGMが正常に演奏されず、不具合を解消するためには有志が作ったパッチソフトを使う必要がある。
PCエンジン
画面写真を見る限りでは、グラフィックはアーケード版の雰囲気に近く、一見忠実な移植のように見えるが、システム・ゲーム内容ともにかなりのアレンジが施されており、もはやアーケード版とは別物となっている。中でも一番の違いは、グラディウスと同じ「自機が破壊されると復活ポイントに戻されるシステム(戻り復活)」に変更されている(1人プレイ時のみ)点である。それ以外にも、敵(ザコ・ボス共に)のアルゴリズム等、アーケード版とは全く異なる。例をあげれば、全体を通して、アーケード版よりもスピードの速い敵が多く(例えば、ステージ1ボスのゴーレムの移動速度や、ステージ2のザコが発射してくる弾の速さなどが顕著である)、ステージ3のプロミネンスの出現パターンもアーケード版とは全く異なり、ステージ4に至ってはアーケード版では可能だった画面背面へのミサイル発射が出来ず、その画面背面に配置されているハッチ(攻撃してくる)が破壊できない。それ以外にも、アイテムの出現数・出現位置もかなり違う。音楽は、PCエンジンの内蔵音源の特性から、どちらかと言えばMSX版に近い雰囲気になっているが、少し音が取れていない所もある。。また、「グラディウス」のPCエンジン版同様、横スクロール面で画面が上下にスクロールする。2007年9月11日よりWiiバーチャルコンソールで、2010年7月21日よりゲームアーカイブス(発売元:ハドソンPSPPS3用)で配信されたほか、2010年12月20日発売のiOS用ソフト『PC Engine GameBox』に収録されている。なお、バーチャルコンソール及びゲームアーカイブス版では画面が点滅する演出が削除されている。
セガサターン
「沙羅曼蛇 DELUXE PACK PLUS」として『沙羅曼蛇2』、『ライフフォース』も同時収録され、いずれもほぼ忠実に移植されている。CD-ROM内に開発者によるテキストファイルおよび壁紙が入っている。画面の左右が黒く表示されるARCADE、画面を左右に拡大したARCADE ZOOMの2種類の画面モードを選択可能。ただし、ARCADE ZOOMにしてもスコアの表示はARCADEのままになるので、バランスの悪い画面となる。また、このモードでは元々256ドット×224ラインのグラフィックを320ドット×224ラインに引き伸ばして表示している関係上、画質が低下している。『ライフフォース』も同様。
アーケード版のレーザーを撃つとちらつく3面のイントルーダーが、ちらつかなくなっている。
プレイステーション
「沙羅曼蛇 DELUXE PACK PLUS」として『沙羅曼蛇2』、『ライフフォース』も同時収録。いずれもほぼ忠実な移植。こちらはARCADE ZOOMの画面モードしかないが、SS版と違ってスコアも拡大された状態で表示され、画質の低下もない。また、オプションで画面の位置を調整可能。
携帯電話
グラフィックこそオリジナルに近いが、「マルチプルの動きが素直で間隔が広い」「縦スクロール面で下にミサイルを撃てない」「壊せる壁がすべて再生する」「ノーミスで進むと3面の炎がたくさん出現する」「ノーミスで4面に進むと1周目で打ち返し弾が発生する」といった違いがある(S!アプリ版で確認)。また、iアプリ版は自機の当たり判定が異様に大きい。
Windows
i-revoにて、ファミコン版、MSX版、PCエンジン版『沙羅曼蛇』が配信されている。
プレイステーション・ポータブル
DELUXE PACK PLUSにさらに『グラディウス2』と『XEXEX』を加え、合計5作を忠実に収録。詳しくは「沙羅曼蛇 ポータブル」を参照。

関連作品

前出の通り、『ライフフォース』、『沙羅曼蛇2』がそれぞれ本作のアレンジ、続編として存在する。これらはすべて本作から発生した沙羅曼蛇シリーズと見た場合のものであり、実際には本作を含めたこれらはグラディウスシリーズの1つである。

本作をモチーフにした『沙羅曼蛇』を第1作とするOVAシリーズも発売され、続編には(正確には第1作目の前話になる。)『グラディウス』をモチーフにした『沙羅曼蛇 瞑想のパオラ』と、『グラディウスII』をモチーフにした完結編『沙羅曼蛇 ゴーファーの野望』が存在する。

グラディウスシリーズ以外の後のコナミ作品にも、たびたび本作のキャラクターが登場している。以下はその一例である。

脚注

  1. ^ バグと推測される。通常はゲームを開始する際にワークエリアを初期化するが、この部分は初期化されない模様。電源を一度切り、ある程度放置した後に電源を再投入するとようやく元に戻る。
  2. ^ シリーズ以外でのコナミ作品では、「ツインビー」「イー・アル・カンフー」などにも用いられていた。ちなみに、本作を含めた当時のコナミのアーケード作品には音声合成チップ「VLM5030」が搭載されていた。

外部リンク