徳島製粉

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徳島製粉株式会社
Tokushima Seifun Inc.
種類 株式会社
略称 徳粉、金ちゃん
本社所在地 日本の旗 日本
770-8063
徳島市南二軒屋町3丁目1-8
設立 1943年昭和18年)1月
業種 食料品
法人番号 7480001001455 ウィキデータを編集
事業内容 製粉業、即席ラーメンの製造・販売
代表者 田中信義代表取締役社長
資本金 2,920万円
売上高 80億円
従業員数 130人
関係する人物 田中殖一(創業者)
外部リンク https://www.kinchan.co.jp/
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徳島製粉株式会社(とくしませいふん)は、徳島県徳島市南二軒屋町に本社を置く、日本の製粉業者・食品加工品業者である。1943年昭和18年)に創業し小麦粉の製造、販売を行う一方、1965年(昭和40年)以降インスタントラーメンの製造、販売を開始。1973年(昭和48年)からは「金ちゃんヌードル」(きんちゃんぬーどる)などカップ麺の製造・販売も手掛けている[1]。即席麺業界では日本初のISO 22000食品安全マネジメントシステム認証取得企業である。

「金ちゃん」

「金ちゃん」の名称は徳島製粉で製造していた小麦粉の商品名「鳴門金鶴」(なるときんつる)に由来する。徳島製粉が1965年(昭和40年)に発売した最初のインスタントラーメンは「キンツルラーメン」だったが、他社が既に同名のラーメンを発売していたため「ナルトナミキンツルラーメン」に名称を変更し、1967年(昭和42年)にはテレビコマーシャル放映に合わせ名称を短くする必要が生じ「金ちゃんラーメン」に改められた[2]。「金鶴」の名残として、金ちゃんラーメンの包装には鶴を模ったロゴマークが描かれている[3]

徳島製粉が徳島県に本社を置く企業であることから生じる営業体制や輸送コストの都合上、徳島製粉の即席めんの公認の販売エリアとしては静岡県以西で主に中四国地方等の西日本が中心となっており、特に四国静岡県沖縄県での販売が多く、静岡県と沖縄県では本拠地である四国地方や関西地方東海地方をも凌ぐシェアを誇る[3]。反面、静岡県以外の東日本九州南部では殆ど流通していないが、非公認の販売エリアではあるが関東地方や東北地方のスーパーマーケットや日用品店等でひっそりと売られているケースもある。徳島製粉は「金ちゃんヌードル」の、静岡と沖縄でのシェアが高い理由として、静岡県には「マルちゃん」の即席めんで知られる東洋水産の工場があり県民に即席めんを食べる習慣が根付いていたことを[3]、元々本土そばうどんを食べる習慣のない沖縄県では味付けが沖縄県民の味覚に合っていること、カップが熱さの伝わりにくい二重構造かつ開閉可能な蓋がついていて、畑仕事の合間に食べやすいこと、麺ののびにくさを、それぞれ挙げている[4][5]。なお、沖縄県については、「金ちゃんヌードル」が1972年(昭和47年)5月15日の沖縄返還の翌年(1973年(昭和48年))に県内で発売され、国内販売数首位である日清食品カップヌードルよりも沖縄進出が早かったことからシェアを伸ばしたという説があるが、これは徳島製粉側が否定している[4][5]。他、静岡県は同社製品に加え東日本中心に展開しているまるか食品ペヤングブランドと東海地方中心に展開している寿がきや製品の3ブランドが入手可能となっている。

金ちゃんヌードルは、2004年平成16年)放送のフジテレビのバラエティ番組『トリビアの泉 〜素晴らしきムダ知識〜』のトリビアの種のコーナーで、中華人民共和国の高級宮廷料理人(中国が国賓を招いた際に起用される料理人、中国全土で数人しかいない高級厨師、特級レストラン総料理長の3人)が一番美味しいと思うカップラーメンは何かという企画で、620種類あるカップラーメンの内で2004年(平成16年)上半期の売れ筋20商品の中から、ベスト5に残った(1位は日清食品シーフードヌードル[6]

アーティストの久保田利伸は、好きな食べ物の一つとして金ちゃんヌードルを挙げており、本人もSNS等でファンと公言しているほど金ちゃんヌードルを気に入っている。

事業所 

本社及び工場

徳島市南二軒屋町3丁目1-8、製粉部門と即席麺の工場。

小松島工場

小松島市金磯町8-74、生タイプLL麺の工場。当初はフリーズドライ麺を生産していた。松茂工場が徳島空港の拡張で閉鎖されたため設置。

営業所

名古屋市瑞穂区に名古屋営業所を置くほか、静岡県島田市広島県富山県に駐在所を置く。

小麦粉

パン用

  • 鳴門コスモス
  • 特・剣山
  • 上・剣山
  • 金鶴(これが後述するインスタントラーメンシリーズ「金ちゃん」ブランドの元になった)

麺粉

  • 白富士
  • 鳴門渦
  • 麺・眉山

中華麺粉

  • 特・中華万里
  • 中華万里

菓子粉

  • かえで
  • 菓・特桜

即席麺

袋入り即席麺

  • 金ちゃんラーメン(袋入り)
  • 金ちゃん徳島ラーメン(袋入り)

棒ラーメン

  • 金ちゃん棒ラーメン ※ 同じ徳島県の岡本製麺のOEMである。

カップ麺

  • 金ちゃんヌードル(しょうゆ味)
  • 金ちゃんヌードル(しお味)
  • 金ちゃんヌードル(カレー味)
  • 金ちゃんヌードル(エスニック味)
  • 金ちゃんトクフン食堂(しょうゆ味)
  • 金ちゃんトクフン食堂(みそ味)
  • 金ちゃんラーメン(カップ)
  • 金ちゃんラーメンメンマ入り
  • 金ちゃん徳島ラーメン(カップ)
  • 金ちゃんねぎラーメン
  • 金ちゃんたまねぎラーメン
  • 金ちゃん飯店焼豚ラーメン - レトルト包装の焼豚・メンマ入りのプレミアムカップ麺。
  • 金ちゃんうどん(縦型カップ)
  • 金ちゃんきつねうどん
  • 金ちゃん肉うどん
  • 金ちゃん天ぷらそば
  • 金ちゃん八分目でご麺
  • 金ちゃん金どんチャンポンめん
  • 金ちゃん金どん山菜ラーメン
  • 金ちゃん焼そば
  • 金ちゃん焼そば(カレー味)
  • 金ちゃん焼そばソース革命!?
  • 金ちゃんお好み焼そば

生タイプカップ麺

  • 金ちゃん亭うどんシリーズ(きつね、天ぷら、肉、カレー)
  • 金ちゃん煮込みうどんシリーズ(きつね、天ぷら、肉、カレー)※ IHクッキングヒーター対応のアルミ容器入り。
  • 金ちゃんぶっかけうどん(きつね、天ぷら、肉)

CM

CMの特徴

田中殖一社長自らCMに出演している作品がいくつかある。

「金ちゃん徳島ラーメン」CMには、JR徳島駅2・3番ホームで撮影されたものもある。

過去にはTBS系列で放送された『ろぼっ子ビートン』のスポンサーを担当していた。

2003年(平成15年)から、小松島競輪場で「金ちゃんヌードル杯争奪戦」競走が開催されている。

北陸地方、静岡、東海地方、関西地方、中国地方、四国地方、福岡、長崎、沖縄のANN系列を除く[7]民放テレビ局においてスポットCMで放送されている。

CMキャラクター

歴代CMキャラクター

脚注

  1. ^ 商品開発年表2021年2月5日閲覧。
  2. ^ 「金ちゃんラーメン」とは”. 徳島製粉. 2021年6月29日閲覧。
  3. ^ a b c 鈴木さくら (2016年9月27日). “なぜ「金ちゃんヌードル」は西日本でしか販売されていないのか”. デイリーポータルZ. ニフティ. 2021年6月29日閲覧。
  4. ^ a b manabu (2017年2月9日). “なぜ「金ちゃんヌードル」は、沖縄でこんなに売れているのか?【前篇】”. DEEokinawa. 2017年2月8日閲覧。
  5. ^ a b 金ちゃんヌードルは沖縄県人に「懐かしい味」で人気 徳島発のカップ麺、1000キロ離れた二つの土地結ぶ”. 徳島新聞 (2022年5月14日). 2022年5月16日閲覧。
  6. ^ フジテレビトリビア普及委員会『トリビアの泉〜へぇの本〜 11』講談社、2005年。 
  7. ^ ANN系列の放送局では徳島製粉のスポットCMの放送実績は無い。

関連項目

  • まるか食品群馬県伊勢崎市) - 徳島製粉とは逆に、東日本を中心にカップ麺を発売している会社。ペヤングブランドを展開している。ただし、まるか食品は2010年代半ば頃から西日本にも本格進出している。なお、北海道は徳島製粉・まるか食品の両社の製品とも、ほとんど出回っていない。又、静岡県は前述の通り、徳島製粉・まるか食品の両社の製品に加えて、後述の寿がきや製品も同時に流通している。
  • 寿がきや愛知県豊明市)- 徳島製粉と販売エリアが重複している東海地方を中心にカップ麺・即席麺を販売している会社。但し、静岡県は前述の通り、徳島製粉・まるか食品・寿がきやの3社の製品が同時に流通している。
  • イトメン兵庫県たつの市) - 徳島製粉と同様、販売地域が西日本が中心の製麺会社。
  • 製粉協会

外部リンク