信長の野望・天道

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信長の野望・天道
ジャンル 歴史シミュレーションゲーム
対応機種 Microsoft Windows XPVista78、8.1[1][PC]
PlayStation 3[PS3]
Xbox 360
PlayStation Vita[PSVITA]
開発元 コーエー
発売元 コーエー[PC][PS3][Xbox 360]
コーエーテクモゲームス[PS3PK][PSVITA]
人数 1人
発売日 2009年9月18日[PC]
2010年3月4日[PS3][Xbox 360]
2010年12月17日[PCPK]
2011年5月26日[PS3PK]
2012年1月19日[PS3/ PS3 the Best]
2012年6月29日[PC/ ソースネクスト]
2012年9月27日[PSVITA]
2015年3月13日[PC/ ソースネクスト](パワーアップキット)
対象年齢 CEROA(全年齢対象)
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信長の野望・天道』(のぶながのやぼう・てんどう)は、2009年9月18日コーエー(現・コーエーテクモゲームス)からに発売されたWindows歴史シミュレーションゲーム。「信長の野望シリーズ」の第13作。

内容

公式サイトや北見健プロデューサーへのインタビュー記事によると、本作は「道」をテーマにしている。基本的なゲームシステムは前作『革新』を元にしており、道敷設・破壊による施設占拠や防衛の要素が取り入れられている。音楽は山下康介が担当した。

概要

前作からの変更点

ターン制でなく、内政をしながら部隊を動かして戦闘するなど、『革新PK』の基本的なシステムは踏襲されているが、変更点も多い。

道の敷設

『革新PK』では部隊の移動する際に通る道はあらかじめ存在し、その道を通って隣の城に攻め込むが、本作では武将に命令して部隊の移動のための道を作らなければならない。道のない場所を通ることもできるが移動速度が大きく低下する。道を敷設するだけでなく、逆に道を撤去し、敵軍の進行を妨害するなどの戦略も可能。また城と城が道でつながっている場合に、城を陥落させずとも町並みだけ自勢力のものとして占領することができるようになった。これは部分的に領土を奪い合うという現実の抗争を反映させようという試みと見られる。

内政の簡略化

『革新PK』では領地内にまず町並みを建設し、その後町並みの中に施設を立てるというものであったが、本作では城下の町並みの数と種類が決まっており、施設を建設するだけになった。南蛮町・門前町・公家町が廃止され、村落・商人町・武家町・匠ノ町のみになり、専用の施設を建設すると文化人が来訪するようになった。施設のグラフィックも目立たなくなっている。また施設を完成させずに武将を帰還させると、その施設はまったく建設されなかった場合と同じになり、『革新PK』のように作りかけの状態という概念がなくなった。

技術の柔軟化

技術を研究する際、『革新PK』では一定数の学舎が建設されていることが条件であったが、本作では学舎が廃止され、金銭と匠ノ町だけ(上位技術の研究にはさらに1種~2種の資源生産地の支配も必要)で可能になった。また同時にいくつでも技術を研究できるようになり、加えて武将の適性による制限がなくなった。一方で『革新PK』では一度、習得した技術は失われる事はなかったが、本作では技術が匠ノ町1つにつき1つずつ所有され、匠ノ町が他勢力に奪われるとその匠ノ町にあった技術も喪失するようになった(資源生産地が必要な技術については資源生産地を奪われると匠ノ町が奪われなくても喪失する)。これにより、領有している匠ノ町や資源生産地の数が持ちうる技術の数に直結し、大勢力に有利なシステムとなったが、技術の喪失の概念が加わった事で相手勢力を技術面で弱体化させられるようになり、高度な技術を保有している勢力にも対抗しやすくなった側面もある。水軍と築城のカテゴリーが廃止され、水軍技術は兵器技術に、築城技術は内政技術に編入された。かわりに内政技術から兵糧・募兵・軍馬にかかわる技術が分離した「牧農」というカテゴリーが作られた。南蛮との貿易により獲得する南蛮技術は廃止され、貿易に必要だった特産品も登場しなくなった。

築城の平等化

プレイヤーが奪い合う拠点である城の耐久度は、『革新PK』では築城技術を獲得することで改築し、増やすことができたが、本作では、低級の内政技術を獲得することで改築できるようになった。これによりプレイヤーの操作する大勢力の城は耐久度が高く、COMの小勢力の城は弱いという差は縮まった。また自動で攻撃する施設である櫓・鉄砲櫓は廃止され、大幅に弱体化した「櫓」に変更された。「要塞」「櫓ロード」など呼ばれ、城のまわりを鉄砲櫓で埋めてCOMの攻撃を防ぐという『革新PK』での常套手段は本作で不可能になり、大兵力で攻めこまれると基本的に防ぐ手立てがなくなった。

ダメージ系戦法の強化

部隊どうしが戦闘すると闘志というポイントがたまり、一定量の闘志がたまると戦法を発動するシステムはそのまま踏襲されているが、そのうち鼓舞・混乱・火牛といった計略・サポート系の戦法が大幅に弱体化され、一方で槍衾などダメージを与える戦法が強化され、槍衾之一・二・三・四・極(きわみ)というように効果が5段階まで細分された。また鎮静・謀殺・乱破・金剛之備(そなえ)など新しい戦法が加わった。一方で、戦闘によって経験値を得ると武将が戦法をおぼえるシステムは廃止され、ある武将の使える戦法は固定して1つになった。

自動調達

募兵・鉄砲調達・馬調達は、それぞれ「奉行」と呼ばれる武将を指定するとその武将が自動で行うようになった。革新PKでは自動で募兵することはできるが、城で待機している武将の中で最も統率値の高い武将が募兵するようになっており、やや不便な点があったが、これによって改善された。鉄砲調達と馬調達も指定した武将を用いて自動で行えるようになり、プレイヤーの操作の負担が減少した。兵器の製造は『革新PK』と同様である。

シナリオ

全国モード

信長元服 〜うつけ信長
1546年1月
尾張統一 〜三好家の台頭
1555年10月
信長上洛 〜九州の覇者
1568年11月
姉川の戦い
1570年6月
長篠の戦い 〜騎馬 vs 鉄砲
1575年6月
夢幻の如く 〜真田家登場
1582年1月
次代を継ぐ者
1580年1月
群雄集結 〜夢のオールスター
1565年3月
信長誕生
1534年5月
野望、再び
1582年12月
関ヶ原の戦い
1600年4月
上洛の夢
1511年8月
慶長大転封
1588年1月

群雄覇権モード

瀬戸内の覇者
1560年1月 中国四国地方
毛利元就尼子経久宇喜多直家長宗我部元親三好長慶
関東の群狼
1560年1月 関東地方
北条氏康長野業正佐竹義重里見義堯
三つ巴と六文銭
1570年1月 関東・甲信越地方
上杉謙信武田信玄、北条氏康、真田幸隆
信長包囲網
1570年1月 近畿地方
織田信長足利義昭浅井長政朝倉義景
九州三国志
1580年1月 九州地方
島津義久大友宗麟龍造寺隆信
不如帰の行方
1590年1月 近畿・東海北陸地方
織田信長、豊臣秀吉徳川家康松永久秀本願寺顕如鈴木重秀 
奥州、乱る
1600年1月 東北地方
伊達政宗上杉景勝最上義光南部信直津軽為信
上田城攻め
1600年7月 関東・甲信地方
徳川秀忠真田昌幸
関ヶ原決戦
1600年10月 近畿・東海地方
徳川家康、石田三成
嵐の前夜
1540年1月 東海地方
織田信秀斎藤道三松平広忠今川義元武田信虎
光秀の野望
1582年6月 近畿地方
明智光秀、羽柴秀吉、柴田勝家細川忠興
のぼうの城
1590年5月
成田長親、石田三成
大坂の陣
1615年5月
徳川家康、豊臣秀頼
鳥なき島の蝙蝠(体験版オリジナルシナリオ)
1575年1月 四国地方
長宗我部元親
信長の初陣(体験版オリジナルシナリオ)[2]
1550年3月 東海地方
織田信長

タイアップ

本作では、地方自治体や映画作品などとタイアップしており、所縁のある人物やキャラクターの武将データと顔CGの配信やイベントが行われた。

以下はタイアップ先と、データ配信された関連人物。

岡部又右衛門
樋口兼豊谷柏直家成沢道忠
片倉喜多萱場元時亘理元宗
かねたんいしだみつにゃんしまさこにゃんおおたににゃんぶがもにゃんとらにゃん
下記のキャラクターは顔CGとしてダウンロードができる。
やちにゃんひこちゅうさばにゃんさばトラななちゃんけーぶるんぼっくりんパパたこいが☆グリオはいくちゃんハンバーグマのグーグー謙信くんけんけん兼続くんコッペちゃんねぎっちょバンク
  • 福島商工会議所青年部
飯坂猫穴沢俊光傑山雲勝
中村忠滋久米五郎神吉頼定
堀秀村雨森清貞安養寺氏種
前野忠康小幡信世山田去暦
的場昌長佐武義昌奥重政
小野坂龍虎竹本ポルト

この他、『信長の野望Online』ゲーム内に「天道を知る者」というイベントが登場した。

パワーアップキット

定番であるパラメータのエディット機能を始め、以下の新要素が追加された。

新シナリオ・新武将の追加

シナリオは全国モード5本、群雄覇権モード6本が追加され、新武将はおよそ100人が追加された。

AIエディタ・勢力登場切替の追加

「AIエディタ」により、大名の思考パターンに手を加える事が可能になった。これにより、好戦的な大名を理知的にするなどして、通常とは異なるゲーム展開を楽しめる。

「勢力登場切替」はゲーム開始前に登場する勢力を設定するシステムであり、特定の地方の勢力のみ登場など様々なシチュエーションでゲームを始めることができる。

文化の概念の追加

「武家文化」「公家文化」「寺社文化」「南蛮文化」の4系統32種類(1系統につき8種類ずつ)の文化が登場した。

武家文化は武将および部隊、公家文化は外交、寺社文化は内政、南蛮文化は防衛に特化した効果を有しており、それぞれの文化に対応する名声上昇施設を規定数建設する事で新たに文化を習得していくという『革新PK』の技術革新のようなシステムとなっている。

脚注

  1. ^ 当初は動作保証対象外だったが、Windows8および8.1においても動作確認済み(ソースネクスト版の無印版の一部にはそれを示す記述がある)。
  2. ^ Ver1.1より収録。東京ゲームショウ2009の試遊台で公開されていたシナリオ。

外部リンク