人形佐七捕物帳 (1977年のテレビドラマ)
ドラマ |
『人形佐七捕物帳』(にんぎょうさしちとりものちょう)は、1977年(昭和52年)4月9日から12月24日までテレビ朝日系列にて毎週土曜日20時から20時54分に放映された松方弘樹主演のテレビ時代劇。全34回。
概要
おなじみ人形佐七親分は、神田お玉が池で親の代から十手捕縄を預かる御用聞き。人形焼き屋を営む恋女房のお粂に息子の三太、乾分のきんちゃくの辰とうらなりの豆六の佐七一家が、次々に起きる怪事件の謎を追って、花のお江戸を東奔西走する。
キャスト
- 人形佐七…松方弘樹
- お粂…真屋順子
- きんちゃくの辰(辰五郎)…渡辺篤史
- 鳥越の茂平次…室田日出男(1-23)→志賀勝(24-34)
- 弥兵衛…牟田悌三
- お咲……山本由香利
- 三太…田沢充
- おりょう…野川由美子
- 神崎甚五郎…高橋悦史
- うらなりの豆六…川谷拓三(1-23)→笑福亭鶴光(24-34)
スタッフ
- プロデューサー:落合兼武、杉井進、渡辺操、今川行雄
- 原作:横溝正史
- 脚本:鈴木兵吾、津田幸於、飛鳥ひろし、押川国秋、和久田正明、大津一郎、中村勝行、鈴木生朗、今村文人
- 音楽:渡辺岳夫
- 監督:原田隆司、荒井岱志、松尾昭典、池広一夫、山下耕作、小沢茂弘
- 制作:東映、テレビ朝日
放映リスト(サブタイトルリスト)
話数 | 放送日 | サブタイトル | 脚本 | 監督 | ゲスト |
---|---|---|---|---|---|
1 | 1977/4/9 | 涙で咲いた愛の凧 | 鈴木兵吾 | 原田隆司 | 大坂志郎、草野大悟、遠藤太津朗、弓恵子、伊沢一郎、遠藤真理子 |
2 | 1977/4/16 | 罠を砕いた木十手 | 荒井岱志 | 岡田英次、高田敏江、和崎俊哉、勝部演之 | |
3 | 1977/4/23 | 呪われた錦絵美人 | 津田幸於 | 原田隆司 | 本阿弥周子、中村錦司、川合伸旺、内藤武敏 |
4 | 1977/4/30 | 過去を見失った男 | 飛鳥ひろし | 荒井岱志 | 河原崎長一郎、渡辺やよい、天津敏、野口貴史 |
5 | 1977/5/7 | 遺恨十年逆十手 | 押川国秋 | 松尾昭典 | 梅津栄、森下哲夫、志乃原良子、今井健二 |
6 | 1977/5/14 | 音羽の猫は金の爪 | 飛鳥ひろし | 竜崎勝、山田吾一、瞳順子、石井富子、川崎あかね、鳥巣哲生、長澄修 | |
7 | 1977/5/21 | 十手嵐の晴れ祝言 | 和久田正明 | 荒井岱志 | 永野裕紀子、名和宏、北村英三、織田あきら、谷口完、山岡徹也 |
8 | 1977/5/28 | 仏が消えた雷の宿 | 鈴木兵吾 | 池波志乃、柴田侊彦、藤山律子、奥村裕子 | |
9 | 1977/6/4 | 冥土の恨み独楽 | 押川国秋 | 原田隆司 | 三ツ矢雄二、深江章喜、近藤宏、大前均 |
10 | 1977/6/18 | 罪をかぶった罪 | 飛鳥ひろし | 寺田農、矢吹二朗、三木敏彦 | |
11 | 1977/6/25 | 友を狙った火薬弾 | 鈴木兵吾 | 池広一夫 | 森次晃嗣、志摩みずえ、二宮さよ子 |
12 | 1977/7/2 | 寅の日は御用の日 | 津田幸於 | 三崎千恵子、辻萬長、東三千、永野達雄、志賀勝 | |
13 | 1977/7/9 | 謎を運んだ難破船 | 飛鳥ひろし | 荒井岱志 | 今出川西紀、田島義文、須賀不二男 |
14 | 1977/7/16 | 朝泳ぐ女 | 鈴木兵吾 | 穂積隆信、久富惟晴、北原義郎、八木昌子 | |
15 | 1977/7/23 | 火事を出した幽霊 | 津田幸於 | 池広一夫 | 堀越陽子、沼田曜一、日高吾郎、中井啓輔、松木聖、小山あけみ、小田正作 |
16 | 1977/7/30 | 四日に一度の恋 | 押川国秋 | 服部妙子、井上昭文、高田直久、富永真沙子 | |
17 | 1977/8/13 | 怨霊を呼ぶ蛍屋敷 | 大津一郎 | 荒井岱志 | 長谷川明男、新海百合子、成瀬正 |
18 | 1977/8/20 | 鶴千番が死を招く | 鈴木兵吾 | 宮園純子、織本順吉、早川保、小林昭二 | |
19 | 1977/8/27 | 贋金を裂く仮親子 | 津田幸於 | 山下耕作 | 中原早苗、立花直樹、天田俊明、神田隆、折原真紀 |
20 | 1977/9/3 | 悪を走らせた純愛 | 押川国秋 | 竹田かほり、石田信之、大関優子 | |
21 | 1977/9/10 | 花火に震える女 | 鈴木兵吾 | 萩原将司 | 赤座美代子、高橋長英、石橋蓮司、小田部通麿、中田博久 |
22 | 1977/9/17 | お粂が仕掛けた罠 | 押川国秋 | 池広一夫 | 奈三恭子、北上弥太朗、青山良彦、中野誠也、三浦徳子 |
23 | 1977/10/1 | 障子を開けた不幸 | 津田幸於 | 野際陽子、西沢利明、伊藤久哉 | |
24 | 1977/10/15 | 他人の名で死ぬ男 | 中村勝行 | 荒井岱志 | 常田富士男、和崎俊哉、大森不二香 |
25 | 1977/10/22 | 喉笛を突く美女 | 鈴木兵吾 | 鮎川いずみ、横森久、小林幸子 | |
26 | 1977/10/29 | はぐれた二人の絆 | 津田幸於 | 池広一夫 | 目黒祐樹、丘夏子、奈美悦子、山本清、稲葉義男 |
27 | 1977/11/5 | 豆六に女難の相! | 鈴木生朗 | 小池朝雄、菅貫太郎、ひし美ゆり子 | |
28 | 1977/11/12 | 護送し損ねた幸福 | 押川国秋 | 荒井岱志 | 高津住男、江幡高志、若柳禄寿、新井和夫 |
29 | 1977/11/19 | 銚子をつぶす左指 | 鈴木兵吾 | 工藤堅太郎、金井大、鳥居恵子、川合伸旺、汐路章 | |
30 | 1977/11/26 | 毒蛇に噛まれた心 | 今村文人 | 松尾昭典 | 高田敏江、御木本伸介、酒井修、森下愛子、南道郎 |
31 | 1977/12/3 | 捕物くらべ西東 | 飛鳥ひろし | 萩原将司 | 桑山正一、結城しのぶ、原田清人、奈美悦子 |
32 | 1977/12/10 | 十手に含めた因果 | 押川国秋 | 松尾昭典 | 奈美悦子、成田三樹夫、早川絵美、岡崎二朗、小林幸子 |
33 | 1977/12/17 | 泥棒市が結ぶ恋 | 中村勝行 | 小沢茂弘 | 待田京介、小林かおり、南条弘二、吉田隆之、志摩靖彦 |
34 | 1977/12/24 | 逆夢を買った女 | 津田幸於 | 志穂美悦子、有川博、山岡徹也 |
主題歌
備考
- 横溝正史の原作では、人形佐七の由来は「人形のようにいい男」だが、本作品では女房が人形焼き屋を営んでることが由来という新解釈がとられた。また、原作では子供はいないが、本作品では三太という子供がおり、家庭的な雰囲気を強調して佐七の従来のイメージを一新した。
- 佐七役の松方弘樹は、1965年(昭和40年)にNHKの「大衆名作座 人形佐七捕物帳」でも人形佐七を演じている(テレビで人形佐七を演じたのは、若柳敏三郎、松方弘樹、林与一、単発の片岡孝夫、堤大二郎の5名だが、松方が一番作品本数が多い)。
- ちょうど原作者の横溝正史作品が注目を浴びていた時期で、放送されている土曜日には、横溝正史原作の「横溝正史シリーズ」がTBS系(毎日放送製作)系列で夜10:00からで放送されていた。
- 佐七のイメージチェンジは好評で10月以降も(「黄金の日日」出演で川谷拓三が降板等)一部メンバー変更があったが延長された。だが、ほどなく主演の松方と仁科亜季子との恋愛(当時松方は既婚者)が週刊誌を賑すことになり早々に終了した。しかし、急遽放送されたのが「吉宗評判記 暴れん坊将軍」であり、松平健を時代劇の大スターに育てるきっかけとなった。