ソメイヨシノ

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ソメイヨシノ
分類
: 植物界 Plantae
: 被子植物門 Magnoliophyta
: 双子葉植物綱 Magnoliopsida
亜綱 : バラ亜綱 Rosidae
: バラ目 Rosales
: バラ科 Rosaceae
亜科 : サクラ亜科 Amygdaloideae
: サクラ属 Cerasus もしくは
スモモ属サクラ亜属 Prunus subg. Cerasus
学名
Cerasus × yedoensis (Matsum.) Masam. & Suzuki ‘Somei-yoshino’[1]
和名
ソメイヨシノ
ソメイヨシノの花

ソメイヨシノ染井吉野学名: Cerasus × yedoensis (Matsum.) Masam. & Suzuki ‘Somei-yoshino’)は、母をエドヒガン、父を日本固有種オオシマザクラの雑種とする交配で生まれた日本産の栽培品種サクラ[2]。遺伝子研究の結果、1995年にソメイヨシノはエドヒガンとオオシマザクラの雑種が交雑してできた単一の樹を始源とする、栽培品種のクローンであることが明らかにされた[2][3][4][5]

日本では、サクラは固有種を含んだ10もしくは11の基本の野生種を基に[6][7][注釈 1]、これらの変種を合わせて100種以上の自生種がある。さらに、これらから古来から改良開発されてきた栽培品種が200種以上あり[8]、分類によっては600種とも言われる品種が確認されている[9]

これら多品種のサクラのうち、ソメイヨシノは江戸時代後期に開発され、昭和高度経済成長期にかけて日本全国で圧倒的に多く植えられた。このため今日では気象庁沖縄県以東、札幌以西の各地のサクラの開花・満開を判断する「標本木」としている[10][注釈 2]など、現代の観賞用のサクラの代表種となっており、単に「サクラ」と言えばこの品種を指す事が多い。

名称

学名

ソメイヨシノに限らず、サクラ名はスモモ属(Prunus)とする分類と、サクラ属Cerasus)とするものがある。日本ではスモモ属(Prunus)のサクラ亜属 (subg. Cerasus) とするものが多かったが、1992年の大場秀章の論文をきっかけに近年は後者のサクラ属(Cerasus)が主流となっており、ロシア中国も同様である[11][注釈 3]。しかしCerasusとすることで決着した訳ではなく[13][16]、西欧と北米では現在もPrunusに分類するのが主流であり、両方の分類が並存している[11]

ソメイヨシノの学名が栽培品種名の‘Somei-yoshino’の記述が無しで、単にC.(もしくは P.)× yedoensisと表記されることがある[12][17]。しかしC.(もしくは P.)× yedoensisは、エドヒガンオオシマザクラという違う分類学上のが交わった種間雑種のサクラの全てを表す表記であり(×は雑種を表す符号)、例えばアメリカ(米国名:Akebono)という栽培品種のサクラの学名はCerasus × yedoensis ‘Akebono’である。ソメイヨシノはエドヒガンとオオシマザクラの雑種が交雑して生まれたサクラの品種の中から特徴のある特定の一本を選び抜いて接ぎ木で増やしていったクローンであることから、ソメイヨシノを特定して記述する場合には栽培品種名‘Somei-yoshino’を後ろに付けて表記する必要がある。

命名の由来

江戸時代末期から明治初期に、染井村(現在の東京都豊島区駒込巣鴨付近)に集落を作っていた造園師や植木職人達によって育成された。

初め、サクラの名所として古来名高く、西行法師の和歌にも度々詠まれた大和吉野山(奈良県山岳部)にちなんで、「吉野」「吉野桜」として売られ、広まったが、藤野寄命による上野公園のサクラの調査によって、ヤマザクラとは異なる種のサクラであることが分かり(1900年)、この名称では吉野山に多いヤマザクラと混同される恐れがあった。このため、『日本園芸雑誌』において染井村の名を取り「染井吉野」と命名したという。翌年(1901年)、松村任三学名Prunus × yedoensis」(読み方はプルヌス・エドエンシス)と付けた[18][19]

特徴

外見的特徴と花期

樹勢を横に大きく広げたソメイヨシノ(篠山川堤防). 古木になるほど枝を横に広げ、枝垂れてくる。

樹形は横に大きく広がる傘状。花弁は5枚で葉が出る前に花が開き、満開となる。開花期は九州・四国地方で3月下旬頃。花色はでは萼等も含めて濃い赤に見えるが、咲き始めは淡紅色で、満開になると白色に近づく。原種の一方であるエドヒガン系統と同じく満開時には花だけが密生して樹体全体を覆うが、エドヒガンよりも花が大きく、派手である。エドヒガン系統の花が葉より先に咲く性質とオオシマザクラの大きくて整った花形を併せ持った品種である。

ソメイヨシノ誕生以前に花見の主流だった野生種のヤマザクラより開花してから散るまでが速いと誤解されることも多いが、これはヤマザクラが野生種であり同地であっても花期に前後の幅があるのに対し、ソメイヨシノは栽培品種のクローンであり花期が同地では統一されていることから起きた誤解であり、単一の木で見れば、むしろソメイヨシノの方がヤマザクラより花期は長い[20]

萼筒は紅色で、のような形をしている。樹高はおおよそ10-15 m。若い木から花を咲かすために非常に良く植えられている。実(サクランボ)は小さく、わずかに甘みもあるが、苦みと酸味が強いため、食用には向かない。

繁殖

森林総合研究所などによる遺伝子マーカーを用いた研究で、各地から収集されていたソメイヨシノが同一クローンであることが確認されるなどして[21]、ソメイヨシノはクローンであることが判明しており(#遺伝子解析の結果)、各地にある樹は全て人の手で接ぎ木挿し木で増やしたものである。ソメイヨシノの発根性の問題から挿し木より接ぎ木の方が繁殖の成功率が高いことから、接ぎ木を主流として増殖されたと考えられている[22]

ソメイヨシノのゲノム構成はヘテロ接合性が高く、自家不和合性が強い品種である[23]。よって遺伝子が同一であるソメイヨシノ同士では結実しても種子発芽に至ることはないが、ソメイヨシノ以外のサクラとの間での交配は可能であり、実をつけその種子が発芽することもあり不稔性ではない。こうして誕生したサクラはソメイヨシノとは別品種になる。ソメイヨシノとその他の品種の桜の実生子孫としては、ミズタマザクラウスゲオオシマショウワザクラソメイニオイソトオリヒメなど100種近くの品種が確認されている。このようなソメイヨシノの実生種から、ソメイヨシノに似て、より病害などに強い品種を作ろうという試みも存在する。

用途と人気

日本では明治以降に花見の用途で他のサクラを圧倒する人気の品種であり、公園、河川敷街路、学校などに広く植栽されている。その起源がクローンのため全ての個体が同一に近い特徴を持ち、その数も非常に多いため「さくらの開花予想」(桜前線)に主に使われるのもソメイヨシノである。

葉より先に花が咲くことや大量に花が付くことで開花が華やかであること、クローンであるため同地では同時に開花し満開になること、若木から花を咲かすこと、成長が速く大木になりやすいことなどから、桜の名所を作るのに適した品種と認識され、明治以来徐々に広まり第二次世界大戦後に爆発的な勢いで各地に植樹され日本で最も一般的な桜となった。

ソメイヨシノは街中で他種より目にする機会が圧倒的に多い人気の品種であることから、以前からその起源についてとともに、ソメイヨシノ一種ばかりが植えられている現状やソメイヨシノばかりが桜として取り上げられる状態を憂慮する声もあるなど、愛桜家の間で論争の絶えなかった栽培品種である。(#起源について#遺伝子汚染も参照)

欧米には1902年にカンザン(‘関山’)と共に最初に渡っている[24][疑問点]。アメリカ、欧州、中国、韓国など世界各地に多くのソメイヨシノが寄贈されており、ワシントンポトマック川タイダルベイスンで毎年春に行われる全米桜祭りでのソメイヨシノが有名である。

さらに秋の紅葉も美しい種である。

起源について

栽培品種

ソメイヨシノの起源を探るための様々な遺伝子研究により、ソメイヨシノはエドヒガンを母、日本固有種のオオシマザクラ(最新の研究成果によると、正確にはオオシマザクラとヤマザクラの交雑種)を父とする栽培品種のクローンであることが証明されている(#遺伝子解析の結果)。

ソメイヨシノは、江戸時代後期の江戸染井村の植木屋が、ヤマザクラの名所として有名な「吉野の桜」のブランド名を借りて「吉野桜」として売り出して、明治時代に日本全国に広まった。当時の染井村は大名屋敷日本庭園を管理する植木屋が集まる地区であり、庭園に植えるための多くの栽培品種が生み出された江戸の園芸の一大拠点であった。このため、最初のソメイヨシノは全国から集められたエドヒガンとオオシマザクラが染井村で自然交雑、もしくは人為的に交雑して誕生したか、各地から採取されたサクラ中にあったエドヒガンとオオシマザクラの雑種の1本で、花付きの良さと成長の速さにより優良個体と見なされ、植木家が接ぎ木挿し木によって増やして(つまりクローン)全国に広まったことが定説となっている[注釈 4]。植樹の記録としては、1873年(明治6年)に福島県郡山市開成山に、1875年(明治8年)に小石川植物園に、1882年(明治15年)に弘前城に植樹されたものが残っている。「吉野の桜」として売り出された経緯からヤマザクラと混同されることもあったが、1900年(明治33年)に藤野寄命が日本園芸雑誌に「染井吉野」の名前を発表し、翌1901年に松村任三が学名(Prunus yedonsis Matsum.)を発表し、ソメイヨシノの存在が植物学的に分類された[27]

遺伝子解析の結果

以下にソメイヨシノの遺伝子解析の研究成果をあげる。

1995年にはDNAフィンガープリント法で遺伝子の解析が試みられ、ソメイヨシノがクローンであること、遺伝的にエドヒガンとオオシマザクラを親に持つことが明らかとなった[3]

2007年3月、千葉大学の中村郁郎・静岡大学の太田智などの研究グループは、ソメイヨシノが「コマツオトメのようなエドヒガン系品種を母親に、オオシマザクラを父親として起源したことを示唆している」と発表した[28][29]。(関連論文)[30][31][32]

2012年に千葉大の研究チームは、北関東のエドヒガンがソメイヨシノの母親と推定され、コマツオトメはソメイヨシノの母親ではなく近縁にとどまることを園芸学会で発表した[33]。これは、千葉大学園芸学部の国分尚准や安藤敏夫の研究チームが、江戸時代から生えているエドヒガン系の天然記念物級の古木を青森県から鹿児島県まで523本探して、新たに葉緑体DNAを解析したところ、ソメイヨシノのDNAと一致する古木が、群馬県で4本、栃木県、山梨県、長野県、兵庫県、徳島県の各県で1本ずつ見つかったことを受けてである。また国分は、各地から桜の苗が染井村の植木屋に集まりソメイヨシノができた可能性を話した[33]。今後、細胞核DNAのS遺伝子等の解析も併せて総合的に判断することで、母親の起源が特定される可能性があるという。

2014年1月に首都大学東京の研究者らは、DNAフィンガープリント法より精度が高い核SSR(シンプル・シーケンス・リピート)法を利用したDNA解析によって、日本のサクラの栽培品種の起源を明らかにし、その中で、ソメイヨシノの交雑割合が、エドヒガン47%、オオシマザクラ37%、ヤマザクラ11%、その他5%であることを示した[34][35][36]

加藤の共同研究者である勝木俊雄(森林総合研究所)は、ソメイヨシノの起源として、ソメイヨシノの片方の親はエドヒガン、もう片方の親はオオシマザクラとヤマザクラが交雑したものではないかと推測している。つまり、ソメイヨシノ = (オオシマザクラ×ヤマザクラ) × エドヒガンとの推測である。なお、オオシマザクラとヤマザクラの交雑種は人里でよく見られるので、ソメイヨシノは全くの自然から生まれたものではないとも推測している[37]

2017年1月には森林総合研究所と岡山理科大学の共同研究により、改めてソメイヨシノ等の4種の種間雑種のサクラの遺伝情報と学名が整理され、エドヒガンとオオシマザクラを親とするソメイヨシノは、エドヒガンとオオヤマザクラを親とする王桜(エイシュウザクラ)とは異なる種であることが発表され(後述)、この詳細は2016年12月にTaxon誌でオンライン公開された[2]。さらに、2017年に森林総合研究所と岐阜大学の共同研究によりソメイヨシノは1回の種間交雑による雑種では無く、より複雑な交雑に由来するとの説が発表された[38]

2019年4月1日、かずさDNA研究所島根大学京都府立大学が共同でソメイヨシノのゲノム情報(全遺伝情報)の解読を完了したことを発表し、通説通りソメイヨシノはエドヒガンとオオシマザクラを祖先に持つことが判明した。またこの祖先の2種は552万年前に異種に分かれ、百数十年前に交雑してソメイヨシノが誕生したと考えられるという[39]

異説

王桜起源説

鎮海の桜に見られるように、韓国には日本統治中にソメイヨシノが導入されたが[40]、韓国ではソメイヨシノの正体は韓国固有種の王桜(エイシュウザクラ)であるとする韓国起源説が主張されている。そのため朝鮮語においても両者を区分せず、どちらも「왕벚나무(ワンボンナム)」と呼称されている。このため現在においても王桜の名所を作るという名目で韓国内でソメイヨシノの大量植樹が行われている。しかし上記の通り様々な遺伝子解析によってソメイヨシノの片親は日本固有種のオオシマザクラであり、ソメイヨシノと王桜は遺伝的に異なることが明らかにされている。2017年には改めて森林総合研究所(チーム長 勝木俊雄)と岡山理科大学の池谷祐幸がサクラの種間雑種について分類体系を整理し、韓国済州島の王桜(エイシュウザクラ)はエドヒガンとオオヤマザクラの種間雑種であり、ソメイヨシノと異なることを明らかにして、新たな王桜の学名(Cerasus × nudiflora (Koehne) T.Katsuki & Iketani)を確立させて、国際的な周知が行われた[2]

またソメイヨシノはエドヒガンと伊豆諸島に固有分布するオオシマザクラとの交雑により誕生したことから、「ソメイヨシノ韓国起源説」は成立しないが、広義の種の定義ではオオシマザクラは、ヤマザクラの一種という意見もあり、ヤマザクラは4つの変種(通常はそれぞれ独立種とする場合が多い)からなり、そのうちのカスミザクラは朝鮮半島にも分布しているため、韓国でエドヒガンとカスミザクラを交配したら「ソメイヨシノそっくり」という場合も可能性としては有り得るが、仮にオオシマザクラとカスミザクラを「同じ種族」と仮定しても、DNA解析からソメイヨシノは伊豆諸島産の集団が親であることが確定しているため、仮に韓国で作られた「ソメイヨシノそっくり」が存在したとしても、それはソメイヨシノではない[41]

伊豆半島における自然発生説

1916年、屋久島ウィルソン株にその名を残すアメリカのアーネスト・ヘンリー・ウィルソンによって、ソメイヨシノはオオシマザクラとエドヒガンの自然交雑による雑種であるという説が唱えられた。その後、国立遺伝学研究所竹中要の交配実験により、オオシマザクラとエドヒガンの交雑種の中からソメイヨシノおよびソメイヨシノに近似の亜種「イズヨシノ」が得られることが分かり、1965年に発表された。この発表によって自然交雑説の研究が行われ、この立場をとる場合、オオシマザクラとエドヒガンは伊豆半島に多く自生することから、伊豆半島付近で発生したとする伊豆半島発生説が唱えられた。しかし、伊豆半島における調査によれば、オオシマザクラとエドヒガンの分布域には差異があり[42]、伊豆半島で自然交雑によって生まれた可能性は否定的である。

独立種説

20世紀初頭、アメリカの植物学者アーネスト・ヘンリー・ウィルソンは、ソメイヨシノはオオシマザクラとエドヒガンの雑種ではなく独立した種であるとの説を唱えていた。この説を実験的に検証するため竹中要博士が様々な交配を行ない、その中から広い意味で形質が基本的に「ソメイヨシノ」と差異のないイズヨシノを生み出した。これが、ソメイヨシノの起源探究の原点にもなっている。現在、ソメイヨシノはオオシマザクラとエドヒガンのサクラの交雑種であることが確実となっており、ウィルソンの、この別説が唱えられることはない。

健康と寿命

サクラに存在する生物学的弱点はソメイヨシノにも同様である。ただし全個体が栽培品種の単一クローンであるため、突然変異以外に新しい耐性を獲得する可能性はない。またソメイヨシノは都市部の街路樹などに人為的に大量に集中的に植樹されていることが、より病害を広げ環境の悪影響を受ける要因となっているため、その点を本項目に記す[43]

菌類による病気

他のサクラよりてんぐ巣病(てんぐすびょう)に弱い[44]。サクラてんぐ巣病は子嚢菌に属するタフリナ属の1種 Taphrina wiesneri の感染により起こる病気で、その上部では小枝が密生していわゆる「天狗の巣」を作る。さらに、開花時には小さい葉が開くので目障りとなったり、罹病部位は数年で枯死したりといった被害を与える[45]。罹病した病枝は専門家に切り取ってもらうなどの措置を取る。

また、コフキサルノコシカケなどの白色腐朽菌類が繁殖し、罹病した病木を切り取らなければならないケースが急増しており、特に、公園や街路樹として植えられている木が深刻な状況に陥っている[46]。こうした症状は外からではわからないため、特別な機械を使わないと診断できない。京都府立植物園では2006年頃から衰弱するソメイヨシノが増え、調査のため、京都府立大学の共同研究員らと弱った木を掘り起こし調査したところ、「ナラタケモドキ」の白い菌糸が根を覆っていた。専門家は対策や観察の強化を呼びかけている[47]

害虫による食害

2012年(平成24年)に初めて中国や朝鮮半島由来の外来種のクビアカツヤカミキリによるサクラの食害が報告されて以来、日本各地で被害報告が相次いでいる。その被害の深刻さから、2018年(平成30年)1月にクビアカツヤカミキリが環境省より特定外来生物に指定された[48][49][50]。このカミキリはサクラに穴をあけて卵を産み付けるが、その幼虫が大量発生して木の内部を食い散らかす事態が相次いでおり、特に大量に植樹されているソメイヨシノの被害が著しく、回復不能なダメージを受けて伐採される事例が相次いでいる[51]。2017年5月にはクビアカツヤカミキリに対応可能な住友化学の薬剤「ロビンフッド」の適用範囲がサクラにも拡大され、対応策の一例となっている[50]。また埼玉県環境科学国際センターではサクラへ寄生するクビアカツヤカミキリ対策として、薬剤注入やネットによる成虫の拡散防止などの方法を広く公開している[52]

植樹環境による光・水・養分の不足

ソメイヨシノは都市部に街路樹として植えられている場合が多いが、これがソメイヨシノの健康に悪影響を与え樹勢を削ぐことが多い。街路樹では新たな建物の建設や隣のサクラの成長により陰となってしまい十分な光が得られなくなる場合があるほか、根の近くまで舗装されていることで根への酸素と水と有機物の供給が滞りソメイヨシノの健康を害している。特に健全な土壌である程度生育してから再開発などで突然根の近くまで舗装されると、根が死んでいき生育した上部に必要な分だけの十分な酸素と水と養分が供給できなくなり、大きく健康を害する[53]。また排気ガスに晒されることで健康に悪影響を与える可能性が指摘されている。花見に一番使われる木であることも病気の遠因といえ、根に近い土壌を過剰に踏みしめられることで舗装したのと同じような悪影響与え、花見客に枝を折られたりすることも健康に悪影響を与えると推測される[54][55]

地球温暖化

地球温暖化が進行すれば、将来的に九州南西部ではソメイヨシノの生育が不可能になる可能性が指摘されている。サクラの健全な成長と開花には冬季の低温刺激による休眠解除(休眠打破)が重要であり、5℃程度まで下がるのが望ましく低温時間の積算が重要と考えられているが、温暖化により冬季の気温が上昇して、九州南西部では十分な低温刺激が得られなくなる見込みからである。2010年代後半時点での日本におけるソメイヨシノが健全に生育できる南限は、低地では鹿児島県の屋久島種子島、高地では鹿児島県の奄美大島であるが、既に現地のソメイヨシノでは開花異常が観測されている。なお温暖化すれば生育可能な地域では温暖化に比例して開花期が早まるという誤解があるが、冬の低温刺激が減ることは開花期が遅れる一つの要因となり、単純に温暖化に比例して開花期が早まるというわけではなく低温刺激の要素と全体の温暖化の要素のバランスで開花期が決まる[56]

寿命

大径になる木は理論上は寿命がないと考えられており[57]ヤマザクラやエドヒガンでは数百年、稀に千年以上の古木になることもある一方で、江戸時代に誕生したソメイヨシノは、野生種に比べて新しく誕生した種であることを割り引いても、高齢の木が少ない。老木の少なさの原因ははっきりしていないが、「ソメイヨシノは生長が早いので、その分老化も早い」という説があるほか、街路樹として多用されているソメイヨシノは、根の周辺まで舗装されていたり排気ガスなどで傷むことが多く、公園といった踏み荒らされやすい場所に植樹されているということが多いことも寿命を縮める原因となっているのではないかとの指摘がある。ソメイヨシノはクローンであるため、全ての株が同一に近い特性を持ち、病気や環境の変化に負ける場合には、多くの株が同じような影響を受け、植樹された時期が同時期ならば、同時期に樹勢の衰えを迎えると考えられている。一般的にソメイヨシノは植えてから20年から30年後に花付きの最盛期を迎え、その後は徐々に衰えていく傾向がある[58]。21世紀に入り樹勢の衰えが目立つようになったため、戦後に大量に植えられた本種の寿命が到来しつつあると危惧されており、ソメイヨシノ60年寿命説が唱えられることもある[59]

一方、ソメイヨシノの老木が存在していることも事実である。例えば青森県の弘前城弘前公園)には1882年に植樹された樹齢130年を超えるソメイヨシノがあり、これは本種の現存する最も古い株であると言われることがあるほか[60][注釈 5]、福島県の開成山公園には1878年[61]、東京都の小石川植物園には1877年ごろに植樹された樹齢約140年の現存する最古のソメイヨシノと言われる株がある。多摩森林科学園の勝木俊雄はこれらをもってソメイヨシノ60年寿命説を否定している[62]。また、神奈川県秦野市の小学校には1892年に植樹された樹齢120年を超える2本の老木が存在し、東京都内の砧公園のソメイヨシノは1935年に植えられ、既に80年以上が経過している。

青森県弘前市ではリンゴ剪定技術をソメイヨシノの剪定管理に応用するなどして樹勢回復に取り組んだ結果、多くのソメイヨシノの樹勢を回復することに成功している。ただし、紅葉・落葉直後にすぐ剪定することでC/N比(炭素/窒素比)を変えたり根回しや土壌交換による細根の発生をもたらすなど、管理に留意を要する。木が休眠している冬場、若い枝が育ちやすい箇所を選んで剪定を行い、切り口には墨汁を混ぜた殺菌剤を塗る。こうした工夫は「弘前方式」と呼ばれている[63]

遺伝子汚染

ソメイヨシノは極めて多く植えられているため、地域に自生する野生種のサクラと交雑してしまう遺伝子汚染が報告されている。これにより各地に自生する野生種の子孫の桜の花の形や耐候性、強健性などの性質が将来的に変わってしまう可能性があり、自生する野生種の保存の観点から、野生種の桜が自生する地域にソメイヨシノを植える際には、鳥による花粉媒介の可能性を低くするために距離をとって植えるなど、注意が必要であるとされている [64]。この遺伝子汚染の問題はオオシマザクラの植樹でも懸念されている(参照)。

代替品種への植え替え

代替品種候補のひとつのジンダイアケボノ国立劇場にて)

公益財団法人日本花の会は、桜の名所作りに適した品種として、樹勢が強健で鑑賞性が高い複数の品種を推奨して配布している。その対象は、2020年(令和2年)度はコシノヒガン、タイリョウザクラ、ジンダイアケボノ、マイヒメ、ハナカガミ、イチヨウ、コウカ、カンザンの8品種である[65]

従来はソメイヨシノも、その人気から配布対象品種であり、日本花の会だけでも200万本以上の苗木を配布してきたが、上記のようにてんぐ巣病に弱いため、2005年(平成17年)度から苗木の配布を、2009年(平成21年)度からは販売も終了し、ソメイヨシノから植え替えする場合の代替品種としては、花や開花時期がソメイヨシノと類似している上に、サクラ類てんぐ巣病にも強いジンダイアケボノコマツオトメへの植え替えを推奨している[66][67]

また生長が速く、大木になりやすいソメイヨシノは、根が浅く広く張り、それに伴って街路や隣接敷地の舗装を変形させて破壊し、バリアフリーの面で障害となりやすい。大木になりやすい上に樹形が横に広がる傘状のため、狭い街路に街路樹として植えた場合は、車道からの見通しや隣接区域への障害になる可能性がある。このため特に都市部では、植え替え時にソメイヨシノより、小型のジンダイアケボノが選好されやすくなっている[68]

ギャラリー

脚注

注釈

  1. ^ ヤマザクラオオヤマザクラカスミザクラオオシマザクラエドヒガンチョウジザクラマメザクラタカネザクラミヤマザクラクマノザクラの10種。疑義のあるカンヒザクラも含めると11種。
  2. ^ 気候による生育問題から、例外的に沖縄県はカンヒザクラ、札幌以東・根室以西の北海道オオヤマザクラ根室市チシマザクラ(2011年以降根室市に業務移管)が標本木となる。
  3. ^ Prunusの例: 「樹に咲く花」[12]。Cerasusの例: 「新日本の桜」[13]Ylist[1]、Tropicos[14]多摩森林科学園のデータベースも見よ[15]
  4. ^ 過去には、岩崎文雄により江戸時代中期の1720年から1735年頃に染井村の伊藤伊兵衛・政武親子がソメイヨシノを最初に交雑したという仮説を立てたが[25]、伊藤の著書にはソメイヨシノと断定できる記録は記載されておらず仮説に留まった[26]
  5. ^ なお、このソメイヨシノを1882年に植林したのは「青森りんごの始祖」ともいわれる菊池楯衛である。

出典

  1. ^ a b c 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)”. 2012年4月30日閲覧。
  2. ^ a b c d 国立研究開発法人 森林総合研究所 染井吉野’など、サクラ種間雑種の親種の組み合わせによる正しい学名を確立 国立研究開発法人 森林総合研究所 2017年1月18日
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  4. ^ 「ソメイヨシノ」はどこからやって来たのか 3 読売新聞調査研究本部主任研究員 佐藤良明、2017年03月19日
  5. ^ 「ソメイヨシノ」はどこからやって来たのか 4 読売新聞調査研究本部主任研究員 佐藤良明、2017年03月19日
  6. ^ 勝木俊雄『桜』p13 - p14、岩波新書、2015年、ISBN 978-4004315346
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  8. ^ さくらの基礎知識 公益財団法人 日本さくらの会
  9. ^ 日本の桜について”. このはなさくや図鑑. 2010年10月20日閲覧。
  10. ^ 「ソメイヨシノ→ジンダイアケボノ/桜 世代交代へ/病気に強く うり二つ」『読売新聞』夕刊2019年4月3日(社会面)2019年4月8日閲覧の用語解説。
  11. ^ a b 勝木俊雄『桜』p16 - p18、岩波新書、2015年、ISBN 978-4004315346
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参考文献

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関連項目

外部リンク