オオシマザクラ

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オオシマザクラ
Cerasus speciosa1.jpg
オオシマザクラ(2006年4月撮影)
分類
: 植物界 Plantae
: 被子植物門 Magnoliophyta
: 双子葉植物綱 Magnoliopsida
: バラ目 Rosales
: バラ科 Rosaceae
: サクラ属 Cerasus
: オオシマザクラ C. speciosa
学名
Cerasus speciosa(Koidz.) H.Ohba, 1992
和名
オオシマザクラ(大島桜)

オオシマザクラ(大島桜)とはバラ科の植物の一種。学名はCerasus speciosa (Koidz.) H.Ohba, 1992、(Synonym : Prunus speciosa (Koidz.) Nakai, 1915) [1]春に白色の花を多数つける、野生種のサクラの一種。

分類[編集]

サクラの属名は日本では長いことPrunus、和名ではスモモ属とする分類が主流だったが、昨今の研究ではCerasus(サクラ属)とするものがある。日本では前者、分けてもサクラ亜属(subg. Cerasus)とするものが多かったが、近年は後者が増えてきているしかしCerasusとすることで決着した訳ではない。

特徴[編集]

高さは15mに達する落葉高木。葉は長さ5cm~10cm程度で、先端が尖った倒卵形または楕円形で互生、細かい鋸歯を持つ。晩秋に紅葉する。花期は春、3月から4月にかけ、葉の成長とともに茎の先端から数個の花をつける。花弁は白色で5弁、淡い芳香を持つ。初夏にかけて結実し、十分に熟した果実は食用となる。丈夫で潮風にも強いことから、庭木や公園等の植林に用いられる。晩秋に紅葉する。カスミザクラの島嶼型であり、母種と比較して葉に細かい毛がないことで判別できる。また、このオオシマザクラは、多くの園芸品種を生み出したサクラでもある。また、庶民の間で食される桜餅は、このサクラの若葉を塩漬けにした物を使用する。この独特な香りの由来はクマリンと言う成分が主体で、秋の七草のフジバカマと同様の香りがする。

日本における生育地[編集]

関東以南の島嶼の海岸沿いから山地にかけて多く生育する。特に伊豆諸島に多く、和名の由来となっている。伊豆半島房総半島にも自生するが、製炭のため持ち込まれたものと言われている。

特別天然記念物・大島のサクラ株[編集]

伊豆大島(東京都大島町)北東部の泉津地区の山中にある本種の株。樹齢は推定800年であり、幹の周囲は7mに達する。主幹は高さ2mほどの部分を残して枯死しているが、数本の子株が立ち上がり、樹木を維持している。 1935年12月24日、天然記念物指定。また1952年3月29日に、特別天然記念物に指定されている。

大島のサクラ株
(東京都大島町)

利用[編集]

果実
熟した果実は可食であるが、通常の食用種であるセイヨウミザクラ(サクランボ)と比較してえぐみが強く、食用として流通することはない。
葉を塩漬けとすることで特徴的な芳香を生じる。香気成分の主体はクマリンの配糖体であり、桜餅の材料とする。ヤマザクラと比較して、葉に産毛がないため本種の葉が多く用いられる。
樹皮
漢方薬材料として本種の樹皮を桜皮として用いる。鎮咳、去痰効果があるとされる。
磨くと光沢が出るため、工芸品として茶筒などの原料として用いられる。
木材
本種の材は木炭原料として用いられる。
材の目が細かく均質であるため、浮世絵の版木として用いられた。
建材、家具の材料として用いられる。
園芸
本種そのものも庭木や公園の植樹、街路樹として利用されるが、数々の園芸品種の親株となっている。例としてフユザクラは本種とマメザクラの種間雑種であるほか、ソメイヨシノは本種と「コマツオトメようなエドヒガン系品種」との交配によることが千葉大学静岡大学の研究チームの遺伝子解析により明らかになった(参照)。また、本種は他のサクラの接ぎ木の台木にされる。

地方公共団体の木[編集]

脚注[編集]

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