ジャスティン・ガトリン
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ジャスティン・ガトリン(2005年世界陸上選手権) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
選手情報 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
フルネーム | ジャスティン・ガトリン | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
国籍 | アメリカ合衆国 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
種目 | 短距離走 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
大学 | テネシー大学 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
生年月日 | 1982年2月10日(42歳) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
生誕地 | アメリカ合衆国ニューヨーク州ニューヨーク市ブルックリン区 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
身長 | 185cm | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
体重 | 83kg | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
自己ベスト |
100m:9秒74(2015年) 200m:19秒57(2015年) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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編集 |
ジャスティン・ガトリン(Justin Gatlin, 1982年2月10日 - )は、ニューヨーク市ブルックリン区出身の元短距離競走選手。テネシー大学卒業。アテネオリンピック100mの金メダリスト。同種目の自己ベストは9秒74で世界歴代5位。
経歴
学生時代
地元中学校からフロリダ州ペンサコーラのウッドハム高校に進学した。当時は110mハードルが専門種目だったが、テネシー大学のコーチであるVinceAndersonとBillWebbによって短距離走の才能が見いだされ、奨学金の援助をうけてテネシー大学に進学し、スプリンターとなった [1] 。大学1年次の2001年は100メートルと200メートルでNCAA屋外タイトルを獲得したが、その後のドーピング検査によってアンフェタミンが陽性を示し、IAAFによって2年間の国際大会出場禁止処分となった。ガトリンはこのドーピングに対して、注意欠陥障害と診断されたときに服用していた薬が陽性の原因であると訴えた [2]。
大学2年次のシーズン後にはプロアスリートになる事を決意し、新しいコーチのトレバー・グラハムと一緒にフロリダでトレーニングを始めた [3]。
プロアスリート時代
2003年
プロアスリートとして初めての試合は、ボストンで行われた全米室内陸上競技大会。同大会では60mに出場し、6秒45の自己ベストで優勝をした。その2週間後にはバーミンガムで開催された世界室内選手権にアメリカ代表として出場し、6秒46のセカンドベストで自身初の世界大会優勝を果たした。しかし、その後間もなくにハムストリングを負傷したため、屋外シーズンにパロアルトで開催された2003年世界陸上競技選手権大会の代表選考を兼ねた全米選手権を欠場することを余儀なくされた[4]。
8月15日、思うような練習が出来なかった中、ガトリンはヴェルトクラッセチューリッヒで自身初10秒の壁を破り、9秒97をマークした。来年のアテネオリンピックに向けて完全回復し、万全な準備をするために、2004年上半期の屋内シーズンなどには大会に出場をしない選択をとった [5]。
2004年
ガトリンの計画はうまくいき、サクラメントで開催された2004年アテネオリンピックの代表選考を兼ねた全米選手権で100mと200mの両種目で2位入賞をし、2種目での本戦出場権を得た。翌月、おこなわれた100mの本戦ではポルトガルのフランシス・オビクウェルやモーリス・グリーンを抑え、9秒85の自己ベストで優勝した。同大会の200mでは、アメリカのクロフォードと同国のバーナード・ウィリアムズについで20秒03で3位入賞し、同国が表彰台を独占した。また、4×100mRでは2走を務めイギリスに100分の1秒劣ったものの38秒08で2位に入賞した。その後同年の秋にテネシー大学を卒業した。
2006年
同年5月12日、カタールアスレチックスーパーグランプリの100mで当時パウエルが保持していた9秒77の世界記録を100分の1秒上回る9秒76をマークし、一躍世界新記録となった。しかし、4日後にIAAFが9秒766だった事を明らかにした事によって、規則に従って9秒77に切り上げられ世界タイ記録保持者となった [6]。
同年の7月29日「テストステロンまたはその前駆体」がドーピング検査で陽性反応を示した事が明らかにされた[7]。コーチであるトレバー・グラハムには、パフォーマンス向上薬のテストなどによってドーピング陽性または出場禁止処分などを受けた選手が8人居た事から疑惑が残ったが、同氏はテストステロンを含むクリームをガトリンの臀部にこすりつけたとして、マッサージ療法士を非難した。[8]。セラピストはこの主張を否定し、「トレバー・グラハムの発言は事実とは異なる。」と述べた[9]。
8月22日、ガトリンはドーピング検査を行った当局との協力と引き換えに、生涯出場禁止処分を回避したものの2回目のドーピング違反ということもあり、最長8年間の大会出場禁止処分となった。 USADA(アメリカドーピング機構)の最高経営責任者は、「彼の協力とガトリン氏の最初の違反に関連する状況を考えると、仲裁委員会によって発行された4年間の罰則は公正かつ公平な結果である」と説明した。 [10] [11]その後、同年5月に記録した世界タイ記録である9秒77の記録を剥奪された。
2010年
2010年7月下旬、ドーピングによる資格停止が解除され、同年8月3日、エストニアでの小規模な国際大会で100mに出場し競技に復帰。10秒24で優勝した。
2012年
2012年6月24日、全米オリンピックトライアルの100mに出場。9秒80で優勝し、同種目のオリンピック米国代表に内定した。
同年8月5日、ロンドンオリンピック男子100m決勝で9秒79で自己新記録を更新し、銅メダルを獲得した。4×100mリレーでも銀メダルを獲得したが、タイソン・ゲイのドーピング違反により後に剥奪された。
2013年以降
2013年8月11日、世界陸上モスクワ大会、男子100m決勝で9秒85で銀メダル獲得。世界選手権のメダル獲得は8年ぶり。
2014年5月31日、ダイヤモンドリーグ・ユージーン大会で9秒76(+2.7)を記録し、優勝した[12]。
2014年9月5日に行われたダイアモンドリーグにおける男子100m決勝にて自己ベストとなる9秒77を記録して優勝。
2015年5月15日に行われたカタールスーパーグランプリ男子100m決勝では9秒74を記録し、33歳にして自己新記録を更新した。
2017年8月5日、世界陸上ロンドン大会男子100m決勝で9秒92で優勝。世界陸上では実に12年ぶりの金メダル獲得となった。
2019年10月5日、世界陸上ドーハ大会男子4×100mリレーにおいて2走を務め優勝に貢献した。
2022年2月10日、自身のInstagramで現役引退を表明した[13]。
ドーピングについて
2006年5月12日に100mで9秒77を出し、世界タイ記録(当時)を保持していたが、2001年と2006年の2回、ドーピング検査で陽性反応を示したため抹消された。2006年8月23日、米国反ドーピング機関(USADA)は今後ドーピングに関する調査に協力することを条件に、最長8年間の出場停止処分にしたと発表。2008年2月に、処分は4年に短縮された。さらに、一度目に犯したとされるドーピングが、注意欠陥障害の治療薬が原因であるため、ガトリン側は、一度目の件はドーピングには当たらないと主張していた。その後、巣立った高校の男子陸上部のコーチをしていた。
ドーピングの出場期間停止中、NFLの入団テストを受けたことがある[14]。
主な成績
年 | 大会 | 場所 | 種目 | 結果 | 記録 |
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2003 | 世界室内陸上選手権 | バーミンガム(イギリス) | 60m | 1位 | 6.46 |
IAAFワールドアスレチックファイナル | モナコ(モナコ) | 100m | 4位 | 10.12 | |
2004 | オリンピック | アテネ(ギリシャ) | 100m | 1位 | 9.85 |
200m | 3位 | 20.03 | |||
4x100mR | 2位 | 38.08 | |||
2005 | 世界陸上選手権 | ヘルシンキ(フィンランド) | 100m | 1位 | 9.88 |
200m | 1位 | 20.04 | |||
IAAFワールドアスレチックファイナル | モナコ(モナコ) | 200m | 4位 | 20.25 | |
2011 | 世界陸上選手権 | 大邱(韓国) | 100m | 4位(sf) | 10.23 |
4x100mR | DNF | - | |||
2012 | 世界室内陸上選手権 | イスタンブール(トルコ) | 60m | 1位 | 6.46 |
ロンドンオリンピック | ロンドン(イギリス) | 100m | 3位 | 9.79 | |
4x100mR | DQ | - | |||
2013 | 世界陸上選手権 | モスクワ(ロシア) | 100m | 2位 | 9.85 |
4x100mR | 2位 | 37.66 | |||
2015 | IAAF世界リレー大会 | ナッソー(バハマ) | 4x100mR | 1位 | 37.38 |
4x200mR | DQ | - | |||
世界陸上選手権 | 北京(中国) | 100m | 2位 | 9.80 | |
200m | 2位 | 19.74 | |||
4x100mR | DQ | - | |||
2016 | リオデジャネイロオリンピック | リオデジャネイロ(ブラジル) | 100m | 2位 | 9.89 |
200m | 3位(sf) | 20.13 | |||
4x100mR | DQ | - | |||
2017 | IAAF世界リレー大会 | バハマ(ナッソー) | 4x100mR | 1位 | 38.43 |
世界陸上選手権 | ロンドン(イギリス) | 100m | 1位 | 9.92 | |
4x100mR | 2位 | 37.52 | |||
2019 | 世界陸上選手権 | ドーハ(カタール) | 100m | 2位 | 9.89 |
4x100mR | 1位 | 37.10 |
年次ベスト
100m | 風速 | 備考 | 200m | 風速 | 備考 | |
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2000年(18歳) | 10秒36 | +0.7 | ||||
2001年(19歳) | 10秒08 | 0.0 | 20秒29 | +0.6 | ||
2003年(21歳) | 9秒97 | +1.3 | 20秒04 | -0.1 | ||
2004年(22歳) | 9秒85 | +0.6 | 20秒01 | ‐0.7 | ||
2005年(23歳) | 9秒88 | +0.4 | 20秒00 | +0.4 | ||
2010年(28歳) | 10秒09 | +0.9 | 20秒63 | -0.1 | ||
2011年(29歳) | 9秒95 | +1.3 | 20秒20 | +1.9 | ||
2012年(30歳) | 9秒79 | +1.5 | 20秒11 | +1.0 | ||
2013年(31歳) | 9秒85 | -0.3 | 20秒21 | 0.0 | ||
2014年(32歳) | 9秒77 | +0.6 | 19秒68 | -0.5 | ||
2015年(33歳) | 9秒74 | +0.9 | 世界歴代5位 | 19秒57 | +0.4 | 世界歴代6位 |
2016年(34歳) | 9秒80 | +1.6 | 19秒75 | +1.6 | ||
2017年(35歳) | 9秒92 | -0.8 | ||||
2018年(36歳) | 10秒03 | ‐0.7 | ||||
2019年(37歳) | 9秒87 | ‐0.1 | 35歳以上世界最高記録 | 22秒16 | +1.0 | |
2020年(38歳) | 10秒07 | +1.1 | ||||
2021年(39歳) | 9秒98 | +1.9 | 20秒49 | +.04 |
自己記録
- 60m 6秒45 (2003年3月1日、世界歴代9位)
- 100m 9秒74(+0.9)(2015年5月15日、世界歴代5位)
- 150m 15秒23(-0.3)(2018年3月8日)
- 200m 19秒57(+0.4) (2015年6月28日、世界歴代6位)
- 400m 48秒02 (2019年3月23日)
- 110mH 13秒78(+1.6) (2001年5月12日)
脚注
- ^ “USOC profile: Justin Gatlin”. 2007年5月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2007年7月24日閲覧。
- ^ “The Best Ever World Juniors”. オリジナルの2006年5月24日時点におけるアーカイブ。 2007年7月19日閲覧。
- ^ “Gatlin's search for consistency - an interview with the World indoor champion and $500,000 Moscow winner”. World Athletics. 2021年6月22日閲覧。
- ^ “Gatlin’s search for consistency - an interview with the World indoor champion and $500,000 Moscow winner | NEWS | World Athletics”. worldathletics.org. 2021年12月22日閲覧。
- ^ “Gatlin's search for consistency - an interview with the World indoor champion and $500,000 Moscow winner”. World Athletics. 2021年6月22日閲覧。
- ^ “Gatlin's time corrected to 9.77 – EQUALS 100m World Record”. IAAF. (2006年5月17日) 2019年10月12日閲覧。
- ^ “Sprinter Gatlin reveals failed drug test”. オリジナルの2007年5月18日時点におけるアーカイブ。 2007年7月19日閲覧。
- ^ MacKay, Duncan (2006年7月31日). “Gatlin turns into the fastest falling hero in the world”. The Guardian (London) 2007年7月24日閲覧。
- ^ “Gatlin masseur denies dope claim”. BBC News. (2006年8月2日) 2007年7月24日閲覧。
- ^ “Gatlin ban reduced to four years”. BBC News. (2008年1月1日) 2019年10月12日閲覧。
- ^ Gallagher, Brendan (2010年8月2日). “Justin Gatlin ends four-year drugs ban as US sprinter makes low-key comeback in Estonia”. The Daily Telegraph 2019年10月12日閲覧。
- ^ 100 Metres Result - Prefontaine Classic | iaaf.org
- ^ “陸上=ガトリンが引退表明、アテネ五輪100m金メダリスト”. ロイター (2022年2月12日). 2022年2月13日閲覧。
- ^ [1]
外部リンク
- Justin Gatlin-Twitter(英語)
- ジャスティン・ガトリン - ワールドアスレティックスのプロフィール(英語)
- ジャスティン・ガトリン - Olympedia(英語)
- TBS「世界陸上ヘルシンキ」 最強伝説の継承者 ジャスティン・ガトリン
記録 | ||
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先代 パトリック・ジョンソン 2003(9秒93) |
男子100m シーズンベスト記録保持者 2004(9秒85) |
次代 アサファ・パウエル 2005(9秒77) 2006(9秒77) 2007(9秒74) |
先代 ウサイン・ボルト 2011(9秒76) 2012(9秒63) 2013(9秒77) |
男子100m シーズンベスト記録保持者 2014(9秒77) 2015(9秒74) 2016(9秒80) |
次代 クリスチャン・コールマン 2017(9秒82) |
先代 ウサイン・ボルト 2013(19秒66) |
男子200m シーズンベスト記録保持者 2014(19秒68) |
次代 ウサイン・ボルト 2015(19秒55) |
先代 キム・コリンズ (9秒93) 2016年5月29日 |
男子100m 35歳以上世界最高記録保持者 (9秒92) 2017年8月5日- |
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