カワサキ・J1

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1964年仕様[1]
基本情報
排気量クラス 小型自動二輪車
メーカー 日本の旗カワサキ
エンジン 81.5 cm3 2ストローク
空冷ロータリーディスクバルブ単気筒
内径×行程 / 圧縮比 47.0 mm × 47.0 mm / 6.8:1
最高出力 5.5kW(7.5PS)/6,800rpm
最大トルク 8.1Nm(0.83kgf・m)/5,000rpm
乾燥重量 76 kg
      詳細情報
製造国 日本の旗 日本
製造期間 1964年- 不明
タイプ
設計統括
デザイン
フレーム バックボーン
全長×全幅×全高 1,840 mm × 650 mm × 950 mm
ホイールベース 1,160 mm
最低地上高 140 mm
シート高
燃料供給装置 キャブレター (ミクニVM17SC)
始動方式 キック式
潤滑方式 分離スーパールーブ
駆動方式 チェーンドライブ
変速機 4段ロータリー
サスペンション 正立テレスコピック式
スイングアーム式
キャスター / トレール 27.0° / 94 mm
ブレーキ φ110mmドラムブレーキ
φ110mmドラムブレーキ
タイヤサイズ 2.50-17
2.50-17
最高速度
乗車定員
燃料タンク容量 7 L
燃費 80 km/L
カラーバリエーション
本体価格 76,000円(税別)
備考
先代
後継 カワサキ・G1
姉妹車 / OEM カワサキ・D1
同クラスの車
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85J1(はちじゅうごジェイワン、ジェイワン)とは、当時の川崎航空機1964年昭和39年)から販売していた、85 cc2ストロークエンジンを搭載した小型自動二輪車である。 なお、川崎重工業統合以前の製品ではあるが、便宜上、本記事では川崎重工業、あるいは現行制度下での川崎重工業モーターサイクル&エンジンカンパニーの製品と解釈する。

概要[編集]

発売当時、高性能を謳う車種を持たなかったカワサキが1960年代の最新技術であったロータリーディスクバルブ吸入方式を採用し、技術力の高さを広める目的で開発された車両[2]。82 ccという排気量でありながら他車のフルサイズ90 ccエンジンに見劣りしない7.5 ps/6,800 rpmを発揮し、最高時速は90 kmに達した[2]。デビュー前のモトクロスレースにおいてもブリヂストンスズキを相手に上位を独占するなど、性能の高さを遺憾なく発揮し、カワサキ車として初めてのバックオーダーをかかえるほどの人気を博した[2]。本車両の販売面での成功によりロータリーディスクバルブの技術に自信を得たカワサキは、本車両を基に各種派生車種を開発し、B1C1D1G1といった車種が販売された[3]

モデル一覧[編集]

  • J1T
ツーリング用途にアップタイプマフラーを装着した仕様。
  • J1L
分離給油ポンプを搭載した仕様。
  • J1TL
J1Tに分離給油ポンプを搭載した仕様
  • J1TR
スクランブラースタイルを採用した仕様。リヤホイールにドリブンスプロケットが2つ付いており、状況に応じてファイナルレシオを変更することが可能だった。
  • J1TRL
J1TRに分離給油ポンプを搭載した仕様。出力が8.2 psに増強されていた。
  • J1D
セルダイナモを搭載した仕様。

沿革[編集]

  • 1964年(昭和39年)10月 - モーターショーに出品される。
  • 1964年(昭和39年)11月 - 販売開始。
  • 1965年(昭和40年)3月 - 月産2,000台を達成。
  • 1965年(昭和40年)6月 - J1T、J1L、J1TLを生産開始。
  • 1965年(昭和40年)10月 - J1T、J1L、J1TLに加え、J1TRをモーターショーにて公開。

脚注[編集]

注釈[編集]

出典[編集]

参考文献[編集]

  • 小関和夫『カワサキモーターサイクルズストーリー』三樹書房、2011年9月10日、82-88頁。ISBN 978-4-89522-576-2 

関連項目[編集]

外部リンク[編集]