カワサキ・Z900

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Z900(ゼットきゅうひゃく)は川崎重工業が製造販売している大型二輪車である。なお本項ではZ900の派生車種であるZ900RS、Z900RS CAFEについても述べる。

Z900(ZR900BKF)[編集]

基本情報
排気量クラス 大型自動二輪車
メーカー 日本の旗カワサキ
車体型式 2BL-ZR900B
エンジン 948 cm3 4ストローク
水冷並列4気筒/DOHC4バルブ
内径×行程 / 圧縮比 73.4 mm × 56.0 mm / 11.8:1:1
最高出力 92kW(125PS)/9,500rpm
最大トルク 98N・m(10.0kgf・m)/7,700rpm
車両重量 210 kg
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Z900は2016年11月、イタリアミラノで開催された国際モーターサイクルショーでお披露目され、日本仕様は2018年3月1日に発表された。Z900はZシリーズのミドルサイズのオートバイとしてZ750Z800と排気量を増やしながら進化してきたが、Z900はトップモデルのZ1000から排気量を下げるかたちで開発がはじめられた。Z1000の排気量1043ccからボアを77cmから73.4cmとしたことでZ900の排気量は948ccとした。Z1000は220kg-141PSに対して、Z900は210kg-125PS、日本国内価格はZ1000は115万200円、Z900は95万400円と約20万の価格差がありZ1000とは明確に差別化が図られている。

フレームはZ800のバックボーン式からトレリスフレーム式に変更。フロントサスペンションは倒立フォークを採用。フロントブレーキはラジアルマウント式は採用されず、アキシャルマウント式である。派生モデルであるRS・CAFE等とは違い灯火類は一般的な電球を採用しているが、テールランプはLEDでZをあしらった形状となる。

先代のZ800では仕向け地によってABS装備・非装備とあったがZ900からはABSモデルのみとなった。

生産国はタイ及び日本で、各国への輸出はタイからとなっている。

Z900RS(ZR900CJF)/ Z900RS CAFE[編集]

Z900RSは2017年に開催された東京モータショーで発表され[1]同年12月に日本国内で発売された[2]。Z900をベースに、往年のカワサキの名車であるZ1のスタイルを模したいわゆるネオクラシックモデル、オマージュであり、車名のRSとは「レトロスポーツ」を表している。丸目ヘッドライトやダブルシート、ティアドロップタンク、水冷ながら空冷を連想するのダミーフィンを装備するなど、Z1をオマージュした一方、マフラーは集合タイプであり、サイドカバー付近のデザイン処理など、ZEPHYRシリーズの面影をも感じさせるデザインとなっている。レトロ風のデザインながら最新機能がおごられ、フロントサスペンションは倒立式、ラジアルマウント式ブレーキキャリパーなどを採用している。メーターユニットは砲弾式であるが、ユニット中央にはギアポジションや各インジケーターが表示できる液晶パネルが設けられている。日本国内向けの標準シートは、運転者の着座位置が大きく削られたローシート仕様。海外向けは削られていないハイシート仕様が軸となっている。国内向けは日本人の2輪需要層の平均的な体格を考慮した。

Z900RS CAFEはZ900RSにビキニカウルを装備したカフェレーサー風モデル。装備はZ900RSに準ずるがZ900RS CAFEはZ900RSよりステアリング位置がやや低められている[3]

日本二輪車文化協会は2018年12月19日、第1回「日本バイクオブザイヤー2018」に「Z900RS」を選んだと発表した。昔ながらのスタイルと最新技術を兼ね備えた性能などが一般投票や選考委員から高い評価を得た[4]

関連項目[編集]

脚注[編集]

  1. ^ [Z900RS]話題のニューモデルが東京モーターショー2017で遂に発表!川崎壱番
  2. ^ カワサキZ900RS(MR/6MT)【レビュー】Web CG
  3. ^ カワサキZ900RS vs Z900RS CAFE(Z900RSカフェ)比較試乗インプレッションヤングマシン
  4. ^ 平成最後の年に…「日本バイクオブザイヤー」初開催のワケ日刊工業新聞 2018年12月20日

外部リンク[編集]