軍区 (中国人民解放軍)

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中華人民共和国の軍事
中国人民解放軍軍徽
最高軍事指導機関
中央軍事委員会
中国共産党中央軍事委員会中華人民共和国中央軍事委員会
中国人民解放軍構成
中国人民解放軍 中国人民解放軍
陸軍 陸軍 海軍 海軍空軍 空軍
第二砲兵部隊戦略ミサイル部隊(第二砲兵)

政治委員 兵種 予備役 人武部
国防大学 軍事科学院 国防科技大学


People's Armed Police cap badge 2007.png中国人民武装警察部隊

中国民兵
駐特別行政区部隊
駐香港部隊 駐マカオ部隊
四総部
総参謀部  総政治部
総後勤部  総装備部
七大軍区・三大艦隊
瀋陽軍区 北京軍区 蘭州軍区
済南軍区 南京軍区 広州軍区
成都軍区
北海艦隊 東海艦隊 南海艦隊
階級制度
人民解放軍  武装警察
行政機関
国防部(国防省) 国防科工局
国家国防動員委員会 国家辺海防委員会
軍事思想と歴史
人民戦争理論 人海戦術
解放軍の歴史
ゲリラ 運動戦 超限戦
関連法規
国防法 兵役法
国防動員法 国防教育法 人民防空法
現役将校法 預備役軍官法
中国人民解放軍軍官軍銜條例 中国人民解放軍政治工作条例

軍区(ぐんく、军区)は、中国人民解放軍軍管区統合部隊である。大軍区とも称する。

概要[編集]

軍区は、中国の行政単位、地理、戦略方面、作戦任務等に基づき設置された軍事組織であり、管轄区域内の最高軍事指揮機関である。一般に、指揮機関の所在地、管轄区域、地理、方位により命名される。旧赤軍ソビエト軍)の軍管区制度に倣ったものだが、異なる点も存在する。

平時は、所属する陸・海・空軍及び第二砲兵部隊の軍事訓練、政治工作、行政管理、後方保障を指導し、管轄区域内の民兵、兵役、動員及び築城工作を指導する。軍区は、統合部隊でもあり、戦時には、管轄区域内の全武装力を指揮する。

大軍区の首長[編集]

18回党大会体制下での7大軍区の首長(2013年8月現在)
職名 氏名 階級 任命年月 主な経歴 生年月 籍貫
瀋陽軍区 司令員 王教成 中将 12.10 南京軍区副司令員、第12集団軍軍長 52.? 安徽来安
政治委員 褚益民 中将 10.12 南京軍区政治部主任、第47集団軍政治委員 53.07 江蘇如皋
北京軍区 司令員 張仕波 中将 12.10 駐香港部隊司令員、第20集団軍軍長 52.02 浙江諸曁
政治委員 劉福連 上将 09.12 北京衛戍区政治委員、第27集団軍政治委員 53.08 安徽来安
蘭州軍区 司令員 劉粤軍 中将 12.10 蘭州軍区参謀長第42集団軍軍長 54.09 山東栄成
政治委員 李長才 上将 07.09 南京軍区副政治委員、南京軍区政治部主任 49.01 安徽合肥
済南軍区 司令員 趙宗岐 中将 12.11 済南軍区参謀長、第13集団軍軍長 55.? 黒龍江賓県
政治委員 杜恒岩 上将 10.07 済南軍区副政治委員、済南軍区政治部主任 51.07 山東竜口
南京軍区 司令員 蔡英挺 上将 12.10 副総参謀長、南京軍区参謀長 54.04 福建石獅
政治委員 鄭衛平 中将 12.10 広州軍区政治部主任、第41集団軍政治委員 55.? 山西万栄
広州軍区 司令員 徐粉林 上将 09.12 広州軍区参謀長、第21集団軍軍長 53.07 江蘇金壇
政治委員 魏亮 中将 12.10 総政治部主任助理武警部隊政治部主任 53.02 江蘇高淳
成都軍区 司令員 李作成 中将 13.07 成都軍区副司令員、広州軍区副参謀長 53.10 湖南安化
政治委員 朱福熙 中将 12.10 空軍政治部主任、総政治部幹部部部長 55.07 浙江臨海

大軍区の変遷[編集]

六大軍区(1949年~1955年)[編集]

国共内戦後期の1948年11月1日、中国共産党中央軍事委員会は、全軍の組織編制・番号に対する統一規定を発布し、軍区は、一級軍区(大軍区)、二級軍区、三級軍区、軍分区に区分された(四級軍区体制)。一級軍区は党中央局に相当する区域に、二級軍区は中央分局に相当する区域に、三級軍区は省行政区に、軍分区は地(専)区に設置された。また、一級軍区は野戦軍に、二級軍区は兵団に、三級軍区は軍に、軍分区は師団に相当した。各級軍区は、所在区域の地区又は地点に基づき命名された。

一級軍区[編集]

中華人民共和国建国時、5個一級軍区が存在し、1950年2月に西南軍区が設置され、六大軍区体制が確立した。

二級軍区[編集]

この時期、18個二級軍区が存在し、1951年12月に西蔵軍区が設置された。二級軍区指揮機関は、兵団の指揮機関を兼務した。

  • 山西軍区
  • 綏遠軍区
  • 内蒙古軍区
  • 山東軍区
  • 浙江軍区
  • 福建軍区
  • 河南軍区
  • 湖北軍区
  • 湖南軍区
  • 江西軍区
  • 広東軍区
  • 広西軍区
  • 川東軍区
  • 雲南軍区
  • 貴州軍区(第3兵団)
  • 甘粛軍区(第2兵団)
  • 陕西軍区(第19兵団)
  • 新疆軍区
  • 西蔵軍区 - 1951年12月設置

1954年、山東、福建、雲南、西蔵、新疆の5個二級軍区を残して、その他の他省軍区は、全て三級軍区とされた。

三級軍区[編集]

この時期、25個三級軍区が存在した。三級軍区指揮機関は、軍の指揮機関を兼務した。

  • 遼東軍区
  • 遼西軍区
  • 河北軍区
  • 平原軍区
  • 察哈尔軍区
  • 胶東軍区
  • 渤海軍区
  • 魯中南軍区
  • 蘇北軍区
  • 蘇南軍区
  • 皖南軍区
  • 皖北軍区
  • 贛西南軍区
  • 湘西軍区
  • 海南軍区
  • 川南軍区(第10軍)
  • 川西軍区
  • 川北軍区
  • 西康軍区
  • 陕南軍区
  • 喀什軍区(第2軍)
  • 迪化軍区
  • 伊犁軍区
  • 寧夏軍区
  • 青海軍区(第1軍)

その他、熱河、吉林、松江、龍江に4個省軍事部(軍級)が設置された。

十三大軍区(1955年~1985年)[編集]

1955年2月11日、国務院と国防部は、中共中央局、中央分局の設置情況、中共中央と中央軍事委員会の全国戦略区に対する新しい区分に基づき、六大軍区を十二大軍区に改編することを決定した。各大軍区の大部分は、大都市に基づき命名された。同年5月1日、各大軍区は業務を正式に開始した。

1956年、福州軍区が増設され、十三大軍区体制が確立した。その後、1960年代に内蒙古、西蔵軍区が省級軍区に降格され、十一大軍区体制となった。

大軍区[編集]

  • 瀋陽軍区 - 1955年3月22日設置
  • 北京軍区 - 1955年4月14日、華北軍区の改編により設置。京津衛戍区を兼務
  • 済南軍区 - 1955年5月1日設置
  • 南京軍区 - 1955年4月1日設置
  • 広州軍区 - 1955年4月15日設置
  • 武漢軍区 - 1955年3月7日設置。湖北軍区を兼務
  • 成都軍区 - 1955年4月14日設置。雲南軍区を兼務
  • 昆明軍区 - 1955年4月1日、四川軍区に基づき設置
  • 蘭州軍区 - 1955年5月1日設置
  • 新疆軍区 - 1955年5月1日設置
  • 内蒙古軍区 - 1955年4月20日設置。1967年5月、省級軍区に降格され、北京軍区に編入
  • 西蔵軍区 - 1955年5月1日設置。1968年12月、省級軍区に降格され、成都軍区に編入
  • 福州軍区 - 1956年7月1日、福建軍区の改編により設置

七大軍区(1985年~現在)[編集]

長年に渡る文化大革命の影響で人民解放軍は弱体化し、1979年の中越戦争では、これが露呈することとなった。これに鑑み、鄧小平は、軍縮を行い、指揮統制機構の簡素化を図ることによって、人民解放軍の近代化を行うことを決心した。

1985年6月、中央軍事委員会拡大会議は、「軍隊体制改革、精簡整編方案」を可決し、100万人の兵力削減を行うと同時に、十一大軍区を七大軍区に統廃合することを決定した。

大軍区[編集]