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|名 = ビワハイジ<ref name="jbis">{{Cite web|url= https://www.jbis.or.jp/horse/0000275176/ |title=ビワハイジ |work=JBISサーチ |publisher=公益社団法人日本軽種馬協会|accessdate=2019-08-21}}</ref>
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'''ビワハイジ'''([[1993年]][[3月7日]] - )は、[[日本]]の[[競走馬]]現在は[[繁殖牝馬]]である。おもな勝ち鞍は1995年の[[阪神3歳牝馬ステークス]]。おもな産駒に[[競馬の競走格付け|GI]]・6勝の[[ブエナビスタ (競走馬)|ブエナビスタ]]や[[阪神ジュベナイルフィリーズ]]の勝ち馬[[ジョワドヴィーヴル]]、近親に[[競馬の競走格付け|GI]]・3勝の[[マンハッタンカフェ]]がいる
'''ビワハイジ'''(欧字名:{{Lang|en|Biwa Heidi}}、[[1993年]][[3月7日]] - )は、[[日本]]の[[競走馬]]、[[繁殖牝馬]]。


1995年の[[JRA賞最優秀3歳牝馬]]である。主な勝ち鞍は1995年の[[阪神3歳牝馬ステークス]]({{GI}})、[[札幌3歳ステークス]]({{GIII}})、1998年の[[京都牝馬特別]]({{GIII}})。
== 競走馬時代 ==
※[[馬齢]]は旧表記([[数え年]])で統一する。


繁殖牝馬としては、{{GI}}優勝馬の[[ブエナビスタ (競走馬)|ブエナビスタ]]や[[ジョワドヴィーヴル]]、重賞優勝馬の[[アドマイヤジャパン]]、[[アドマイヤオーラ]]、[[トーセンレーヴ]]、[[サングレアル]]を産んだ。JRA重賞を5頭産んだ時点で史上最多となったが<ref>{{Cite web|author=下村静史|date=2012-06-10|url=http://gallop.sanspo.com/gallop/headline/news/120610/jra12061015590003-n1.html|title=【エプソムC】トーセンレーヴ重賞初制覇!5きょうだい重賞Vは初|work=[[週刊Gallop|Gallop online]]|publisher=産経デジタル|language=日本語|accessdate=2012-06-19}}</ref><ref>{{Cite web|author=有吉正徳|date=2012-06-12|url=https://aspara.asahi.com/blog/keiba/entry/qpMFabFfvW|title=馬事当風「偉大なる母ビワハイジ」|work=[[アスパラクラブ]]|publisher=[[朝日新聞]]|language=日本語|accessdate=2012-06-19}}</ref>、後にその記録を6頭に伸ばした。
=== 3歳 ===
デビュー戦は[[1995年]][[6月10日]]、[[札幌競馬場|札幌]]芝1000mの[[新馬|新馬戦]]に出走し、単勝1.5倍の1番人気に応えて勝利した。次走の[[札幌3歳ステークス]]も制して、重賞ウィナーとなった。その後、約4ヶ月の調整を経て[[阪神3歳牝馬ステークス]]に直行、4番人気だったが、[[エアグルーヴ]]らを退けて逃げ切りでGI初制覇を遂げた。このGI制覇が決め手となり、この年の[[JRA賞最優秀2歳牝馬|JRA賞最優秀3歳牝馬]]を受賞した。


=== 4歳 ===
== 経歴 ==
[[1996年]]、初戦の[[チューリップ賞]]ではエアグルーヴの2着と順調なスタートを切ったが、本番の[[桜花賞]]では2番人気に支持されるも体調不良により15着と大敗した。ここで陣営は次走に[[優駿牝馬|オークス]]ではなく、[[シャダイソフィア]]([[1983年]]の桜花賞馬)以来13年ぶりとなる牝馬による[[東京優駿|日本ダービー]]挑戦を選択したが、全く見せ場なく13着に敗れた。さらにレース後に骨折が判明し、長期休養に入った。


=== 5歳以降 ===
=== デビューまで ===
アグサンは、[[アイルランド]]産の牝馬であり、[[イギリス]]で競走馬として4戦未勝利ののち[[繁殖牝馬]]となった<ref>{{Cite web|url=https://www.jbis.or.jp/horse/0000383652/|title=アグサン(IRE)|accessdate=2021-7-16|publisher=JBISサーチ}}</ref>。イギリスやアイルランドで数年生産を続ける中<ref>{{Cite web|url=https://www.jbis.or.jp/horse/0000383652/|title=アグサン(IRE)の繁殖成績|accessdate=2021-7-16|publisher=JBISサーチ}}</ref>、[[早田牧場]]の牧場主である[[早田光一郎]]が購入<ref name="優駿-2012-12-75" />。アイルランドの[[種牡馬]]である[[カーリアン]]との仔をお腹に宿したまま日本に渡った。日本では[[北海道]][[新冠町]]の早田牧場新冠支場に移動し、1993年3月7日、[[青鹿毛]]の牝馬(後のビワハイジ)が誕生する<ref name="優駿-2012-12-75" />。
復帰したのは、翌[[1997年]]10月のオープン特別・カシオペアステークスだった。このレースで5着になった後、[[エリザベス女王杯]]に出走したが7着に敗れ、12月には[[阪神牝馬特別]]にも出走したが7着に終わった。


誕生後、[[栗東トレーニングセンター]]の[[浜田光正]][[調教師]]の検分を受け、浜田は親しい[[ビワ (会社)|有限会社ビワ]]代表の中島勇に購入を依頼し、有限会社ビワによる所有が決定した<ref name="優駿-2012-12-75" />。「早田牧場、浜田光正、有限会社ビワ」のタッグは、同年に活躍中の[[ビワハヤヒデ]]<ref group="注釈">この年、[[JRA賞年度代表馬]]を受賞した。</ref>で全く同じ組み合わせであった<ref name="優駿-2012-12-75">『優駿』2012年12月号 75頁</ref>。
年が明けて[[1998年]]1月の[[京都牝馬特別]]で同期の桜花賞馬[[ファイトガリバー]]らを下し、2年1か月ぶりに勝利を飾った。だが、その後再び脚部不安に陥ったため、競走生活を断念。引退して、繁殖牝馬となった。


育成が施されたのち、1995年4月末、栗東トレーニングセンターの浜田厩舎に移動した<ref name="優駿-2012-12-76" />。
== 競走成績 ==
以下の内容は、netkeiba.com<ref name="netrcd">{{Cite web|url= https://db.netkeiba.com/horse/result/1993109481/ |title= ビワハイジの競走成績|work= netkeiba|publisher=Net Dreamers Co., Ltd.|accessdate=2019-08-21}}</ref>およびJBISサーチ<ref name="jbisrcd">{{Cite web|url= https://www.jbis.or.jp/horse/0000275176/record/ |title=ビワハイジ 競走成績|work=JBISサーチ |publisher=公益社団法人日本軽種馬協会|accessdate=2019-08-21}}</ref>に基づく。


=== 3歳(1995年) ===
{| style="font-size: 90%; text-align: center; border-collapse: collapse;"
[[6月10日]]、[[札幌競馬場]]の[[新馬|新馬戦]](芝1000メートル)に出走。1993年生世代最初の新馬戦に[[武豊]]が騎乗し、単勝オッズ1.5倍の1番人気に推された。先行して直線では外から追い上げ、内外から追い上げる2頭を半馬身退けて初勝利を挙げた<ref name="優駿-2012-12-76">『優駿』2012年12月号 76頁</ref>。続いて7月30日、世代最初の重賞である[[札幌3歳ステークス]]({{GIII}})では3番人気に推され、再び武が騎乗して出走。スタートから先行し、最終コーナーで先頭に並びかけると、それから差を広げて先頭で入線。後方に3馬身半差を広げて[[重賞]]初勝利となった<ref name="優駿-2012-12-76" />。その後は、さらなる強化のために早田牧場に戻り、1か月間坂路や屋内馬場で調教が施された<ref name="優駿-2012-12-76" />。牧場を去るころには、筋肉が発達し札幌3歳ステークスの時と比べて約30キログラム増加していた<ref name="優駿-2012-12-77">『優駿』2012年12月号 77頁</ref>。

12月3日、[[阪神3歳牝馬ステークス]]({{GI}})で4か月ぶりの復帰となった。これまで2戦に騎乗した武は新馬戦、条件戦と2連勝中の[[イブキパーシヴ]]を選び、イブキパーシヴは1番人気に推されていた<ref name="優駿-2012-12-77" />。対するビワハイジには[[角田晃一]]が騎乗し、単勝オッズ8.7倍の4番人気という支持であった。好スタートから先頭に立って逃げ、スローペースを刻んだ<ref name="優駿-2012-12-77" />。先頭で直線に入り、2番手の[[エアグルーヴ]]や5番手から追い上げたイブキパーシヴを退けて決勝線を通過。2着のエアグルーヴには半馬身差で{{GI}}初優勝となった<ref name="優駿-2012-12-77" />。年末には、[[JRA賞最優秀2歳牝馬|JRA賞最優秀3歳牝馬]]に選出された<ref name="優駿-2012-12-77" />。

=== 4-6歳(1996年-98年) ===
3歳となった[[1996年]]、3月2日の[[チューリップ賞]]({{GIII}})で始動。2.3倍の1番人気に推されたが、僅差の2.7倍の2番人気は前走下したエアグルーヴであった。ビワハイジは大外枠からスタートし、2番手に位置<ref name="優駿-2012-12-7879">『優駿』2012年12月号 78-79頁</ref>。最終コーナーで先頭に立ったが直線でエアグルーヴにかわされ、それから5馬身差をつけられ2着となり、初めて敗戦した<ref name="優駿-2012-12-7879" />。4月7日の桜花賞({{GI}})では、優勝が期待され大きな注目を浴びたエアグルーヴが、直前で[[感冒]]のため回避。敗れた相手のいなくなったビワハイジに支持が集まり、僅差の2番人気に推されていた<ref name="優駿-2012-12-7879" />。レース前には公表されていなかったが、ビワハイジは出走直前に歯替わりと発情をしており、熱発など体調不良の中、出走することとなった<ref name="優駿-2012-12-7879" />。スタートから好位に位置取り、直線に入ったが全く伸びず15着に敗れた<ref name="優駿-2012-12-7879" />。

続いて、中島は次走に同じ距離の[[NHKマイルカップ]]や牝馬限定の[[優駿牝馬]](オークス)ではなく、牡馬が多数出走する[[東京優駿]](日本ダービー)を希望した<ref name="優駿-2012-12-80">『優駿』2012年12月号 80頁</ref>。中島は希望した理由について、距離延長でも通用することと、この時点では牡馬と牝馬の力量差が小さいことを挙げていた<ref name="優駿-2012-12-80" />。また、[[河村清明]]によれば、中島には「1993年(中略)[[ビワハヤヒデ]]が2着に敗れた悔しさ<ref name="優駿-2012-12-80" />」も存在したという。浜田は反対していたものの、優駿牝馬に出走してもエアグルーヴには敵わないとも考えていた<ref name="優駿-2012-12-80" />。6月2日、[[シャダイソフィア]]以来13年振りの牝馬による東京優駿出走が実現したが、13着敗退。レース後、左前脚[[骨折]]が判明し、1年以上の休養を強いられた<ref name="優駿-2012-12-80" />。

[[1997年]]10月18日、カシオペアステークス(OP)で復帰。その後、2戦に出走するも勝利には至らなかった。6歳となる[[1998年]]も現役を続行し、1月31日の[[京都牝馬特別]]({{GIII}})に[[オリビエ・ペリエ]]に乗り替わり出走。大外枠から先頭となり逃げると、ムチが入らないまま直線に入り、そのまま先頭で入線。後方に2馬身差をつけて2年振りの勝利で、重賞3勝目を果たした<ref name="優駿-2012-12-80" />。レース後に左前脚骨瘤が確認されたため、競走馬を引退した<ref name="優駿-2012-12-80" />。

=== 繁殖牝馬時代 ===
繁殖入りしてしばらくは育成時に過ごした早田牧場新冠支場で繋養されていた。しかし、早田牧場の[[破産|自己破産]]や中島の急死により、中野の馬を多く手掛けていた調教師の[[松田博資]]が[[ノーザンファーム]]の[[吉田勝己]]を仲介し、中島の遺した馬すべてをノーザンファームに移譲した<ref name="優駿-2012-12-80" /><ref>週刊競馬ブック 12月24/25日号 芦谷有香の特別インタビュー『松田博資調教師』</ref>。ビワハイジも同様に、ノーザンファームに渡っている<ref name="優駿-2012-12-80" />。

早田牧場では3頭を産み、中でも3番仔の[[アドマイヤジャパン]](父:[[サンデーサイレンス]])は、[[京成杯]]({{GIII}})勝利のほかに[[皐月賞]]({{GI}})3着、[[菊花賞]]({{GI}})2着とクラシックでも好走した。ノーザンファーム移動後は9頭を産み、[[シンザン記念]]({{JpnIII}})や[[弥生賞]]({{JpnII}})、[[京都記念]]({{GII}})を制した[[アドマイヤオーラ]]、{{GI}}6勝の[[ブエナビスタ (競走馬)|ブエナビスタ]]、以下[[トーセンレーヴ]]、[[ジョワドヴィーヴル]]、[[サングレアル]]といった{{GI}}、重賞優勝馬を輩出した。なお、ノーザンファーム移動後は、それを仲介した松田がほとんどの産駒を手掛けている<ref name="優駿-2012-12-80" />。

== 競走成績 ==
以下の内容は、[[netkeiba.com]]<ref name="netrcd">{{Cite web|url= https://db.netkeiba.com/horse/result/1993109481/ |title= ビワハイジの競走成績|work= netkeiba|publisher=Net Dreamers Co., Ltd.|accessdate=2019-08-21}}</ref>およびJBISサーチ<ref name="jbisrcd">{{Cite web|url= https://www.jbis.or.jp/horse/0000275176/record/ |title=ビワハイジ 競走成績|work=JBISサーチ |publisher=公益社団法人日本軽種馬協会|accessdate=2019-08-21}}</ref>に基づく。
{| style="border-collapse: collapse; font-size: 90%; text-align: center; white-space: nowrap;"
!競走日
! nowrap="nowrap" |競馬場
!競走名
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!距離(馬場)
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! colspan="2" |オッズ
(人気)
!着順
!タイム
(上り3F)
!着差
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[kg]
!1着馬(2着馬)
!馬体重
[kg]
|-
|-
|colspan="3"|年月日
|1995.{{0}}6.[[610|10]]
|競馬場
|競走名
|格
|頭数
|枠番
|馬番
|colspan="2"|オッズ<br />(人気)
|着順
|騎手
|斤量
|距離(馬場)
|タイム<br />(上り3F)
|style="text-align: right;"|タイム<br />差
|勝ち馬/(2着馬)
|-
|[[1995年|1995.]]
|6.
|[[6月10日|10]]
|[[札幌競馬場|札幌]]
|[[札幌競馬場|札幌]]
|[[新馬|3歳新馬]]
|[[新馬|3歳新馬]]
|
|
|芝1000m(良)
|9
|9
|4
|4
|4
|4
|{{0}}1.5
|style="text-align: right;"|1.5
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|{{0}}(1人)
|style="text-align: right;"|{{color|darkred|1着}}
|{{0}}{{color|darkred|1着}}
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|[[武豊]]
|[[武豊]]
|53
|53
|芝1000m(良)
|0:58.8 (35.5)
|style="text-align: right;"| -0.1
|(コバルトウインド)
|(コバルトウインド)
|424
|-
|-
|{{0|0000.}}{{0}}[[7月30日|7.30]]
|
|7.
|[[7月30日|30]]
|札幌
|札幌
|[[札幌3歳ステークス|札幌3歳S]]
|[[札幌3歳ステークス|札幌3歳S]]
|GIII
|{{GIII}}
|芝1200m(稍)
|15
|15
|3
|3
|5
|5
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|{{0}}(3人)
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|{{0}}{{color|darkred|1着}}
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|武豊
|武豊
|53
|53
|芝1200m(稍)
|1:12.0 (37.6)
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|(キッスパシオン)
|(キッスパシオン)
|426
|-
|-
|{{0|0000.}}[[12月3日|12.{{0}}3]]
|
|12.
|[[12月3日|3]]
|[[阪神競馬場|阪神]]
|[[阪神競馬場|阪神]]
|[[阪神3歳牝馬ステークス|阪神3歳牝馬S]]
|[[阪神3歳牝馬ステークス|阪神3歳牝馬S]]
|GI
|{{GI}}
|芝1600m(良)
|11
|11
|6
|6
|6
|6
|{{0}}8.7
|style="text-align: right;"|8.7
|style="text-align: right;"|(4人)
|{{0}}(4人)
|style="text-align: right;"|{{color|darkred|1着}}
|{{0}}{{color|darkred|1着}}
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|{{Nowiki|-}}0.1
|[[角田晃一]]
|[[角田晃一]]
|53
|53
|芝1600m(良)
|1:35.3 (34.2)
|style="text-align: right;"| -0.1
|([[エアグルーヴ]])
|([[エアグルーヴ]])
|434
|-
|-
|[[1996年|1996.]]
|[[1996年|1996]].{{0}}[[3月2日|3.{{0}}2]]
|3.
|[[3月2日|2]]
|阪神
|阪神
|[[チューリップ賞]]
|[[チューリップ賞]]
|GIII
|{{GIII}}
|芝1600m(稍)
|14
|14
|8
|8
|14
|14
|{{0}}2.3
|style="text-align: right;"|2.3
|style="text-align: right;"|(1人)
|{{0}}(1人)
|style="text-align: right;"|{{color|darkblue|2着}}
|{{0}}{{color|darkblue|2着}}
|{{0}}1:35.0 (36.2)
|{{0|-}}0.8
|角田晃一
|角田晃一
|54
|54
|芝1600m(稍)
|1:35.0 (36.2)
|style="text-align: right;"|0.8
|エアグルーヴ
|エアグルーヴ
|436
|-
|-
|{{0|0000.}}{{0}}[[4月7日|4.{{0}}7]]
|
|4.
|[[4月7日|7]]
|阪神
|阪神
|[[桜花賞]]
|[[桜花賞]]
|GI
|{{GI}}
|芝1600m(良)
|18
|18
|6
|6
|11
|11
|{{0}}4.8
|style="text-align: right;"|4.8
|style="text-align: right;"|(2人)
|{{0}}(2人)
|15着
|style="text-align: right;"|15着
|{{0}}1:37.0 (37.3)
|{{0|-}}2.6
|角田晃一
|角田晃一
|53
|53
|芝1600m(良)
|1:37.0 (37.3)
|style="text-align: right;"|2.6
|[[ファイトガリバー]]
|[[ファイトガリバー]]
|430
|-
|-
|{{0|0000.}}{{0}}[[6月2日|6.{{0}}2]]
|
|6.
|[[6月2日|2]]
|[[東京競馬場|東京]]
|[[東京競馬場|東京]]
|[[東京優駿]]
|[[東京優駿]]
|GI
|{{GI}}
|芝2400m(良)
|17
|17
|7
|7
|14
|14
|71.8
|style="text-align: right;"|71.8
|style="text-align: right;"|(10人)
|(10人)
|13着
|style="text-align: right;"|13着
|{{0}}2:27.9 (36.1)
|{{0|-}}1.8
|角田晃一
|角田晃一
|55
|55
|芝2400m(良)
|2:27.9 (36.1)
|style="text-align: right;"|1.8
|[[フサイチコンコルド]]
|[[フサイチコンコルド]]
|430
|-
|-
|[[1997年|1997.]]
|[[1997年|1997]].[[10月18日|10.18]]
|10.
|[[10月18日|18]]
|[[京都競馬場|京都]]
|[[京都競馬場|京都]]
|カシオペアS
|カシオペアS
|OP
|OP
|芝2000m(良)
|8
|8
|4
|4
|4
|4
|{{0}}9.6
|style="text-align: right;"|9.6
|style="text-align: right;"|(5人)
|{{0}}(5人)
|{{0}}5着
|style="text-align: right;"|5着
|{{0}}2:01.4 (36.7)
|{{0|-}}0.7
|角田晃一
|角田晃一
|55
|55
|芝2000m(良)
|2:01.4 (36.7)
|style="text-align: right;"|0.7
|ユウトウセイ
|ユウトウセイ
|456
|-
|-
|{{0|0000.}}[[11月9日|11.{{0}}9]]
|
|11.
|[[11月9日|9]]
|京都
|京都
|[[エリザベス女王杯]]
|[[エリザベス女王杯]]
|GI
|{{GI}}
|芝2200m(良)
|15
|15
|5
|5
|9
|9
|23.0
|style="text-align: right;"|23.0
|style="text-align: right;"|(5人)
|{{0}}(5人)
|{{0}}7着
|style="text-align: right;"|7着
|{{0}}2:12.9 (35.9)
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|角田晃一
|角田晃一
|56
|56
|芝2200m(良)
|2:12.9 (35.9)
|style="text-align: right;"|0.4
|[[エリモシック]]
|[[エリモシック]]
|448
|-
|-
|{{0|0000.}}[[12月14日|12.14]]
|
|12.
|[[12月14日|14]]
|阪神
|阪神
|[[阪神牝馬特別]]
|[[阪神牝馬特別]]
|GII
|{{GII}}
|芝1600m(良)
|16
|16
|8
|8
|16
|16
|{{0}}8.9
|style="text-align: right;"|8.9
|style="text-align: right;"|(4人)
|{{0}}(4人)
|{{0}}7着
|style="text-align: right;"|7着
|{{0}}1:35.1 (36.2)
|{{0|-}}0.6
|角田晃一
|角田晃一
|55
|55
|芝1600m(良)
|1:35.1 (36.2)
|style="text-align: right;"|0.6
|エアウイングス
|エアウイングス
|446
|-
|-
|[[1998年|1998.]]
|[[1998年|1998.]]{{0}}[[1月31日|1.31]]
|1.
|[[1月31日|31]]
|京都
|京都
|[[京都牝馬特別]]
|[[京都牝馬特別]]
|GIII
|{{GIII}}
|芝1600m(良)
|13
|13
|8
|8
|13
|13
|{{0}}3.8
|style="text-align: right;"|3.8
|style="text-align: right;"|(3人)
|{{0}}(3人)
|style="text-align: right;"|{{color|darkred|1着}}
|{{0}}{{color|darkred|1着}}
|{{0}}1:35.1 (36.2)
|0.3
|[[オリビエ・ペリエ|O.ペリエ]]
|[[オリビエ・ペリエ|O.ペリエ]]
|55
|55
|芝1600m(良)
|1:35.1 (36.2)
|style="text-align: right;"| -0.3
|([[ランフォザドリーム]])
|([[ランフォザドリーム]])
|442
|}
|}


== 繁殖牝馬時代 ==
== 繁殖成績 ==
繁殖入り後は生まれ故郷でもある早田牧場新冠支場で繋養されていたが、早田牧場の[[破産|自己破産]]に伴い、2003年頃に[[ノーザンファーム]]へ移動している。


* 産駒の戦績は2021年6月23日現在
第3子[[アドマイヤジャパン]]が[[京成杯]]を勝ち、クラシックでも[[皐月賞]]3着、[[菊花賞]]2着と好走、[[ディープインパクト (競走馬)|ディープインパクト]]のライバルとして活躍した。また、第4子[[アドマイヤオーラ]]が[[シンザン記念]]と皐月賞トライアルの[[弥生賞]]を勝利した。さらに、第6子[[ブエナビスタ (競走馬)|ブエナビスタ]]は[[阪神ジュベナイルフィリーズ]](旧・阪神3歳牝馬ステークス)を勝ち、母娘制覇を果たしている。後に桜花賞・オークスに勝利し、牝馬二冠も達成したほか、天皇賞(秋)やジャパンカップで牡馬相手に優勝した。
*表中の'''太字強調'''は、{{GI}}優勝馬を示す。


なお、[[2005年]][[7月12日]]の[[セレクトセール]]ではビワハイジの2005(父:[[アグネスタキオン]]、競走馬名アドマイヤテンカ)が1億2500万円で落札されたが、[[2007年]][[9月5日]]、[[ノーザンファーム]]での調教中に右後肢を粉砕骨折し、[[予後不良 (競馬)|安楽死]]処分となった。

2007年にはディープインパクトと交配され、[[2008年]]に産駒は2億2千万円で落札された。この馬は後に[[トーセンレーヴ]]と名づけられ[[2011年]]にデビューした。

アドマイヤジャパン以降の産駒はトーセンレーヴを除いてすべて松田博資が管理しているが、これは有限会社ビワの中島勇が2002年に急逝し、馬主業から撤退することになり、その時松田が[[吉田勝己]]を紹介してビワハイジを含む競走馬を引き受けてもらったことが関係している<ref>週刊競馬ブック 12月24/25日号 芦谷有香の特別インタビュー『松田博資調教師』</ref>。

=== 繁殖成績 ===
※産駒の戦績は2021年6月23日現在
{| class="wikitable" style="font-size: 90%"
{| class="wikitable" style="font-size: 90%"
|-
|-
!||馬名||style="white-space: nowrap;"|誕生年||style="white-space: nowrap;"|毛色||父||性||厩舎||馬主||戦績
! ||馬名|| style="white-space: nowrap;" |誕生年|| style="white-space: nowrap;" |毛色||父||性||厩舎||馬主||戦績
|-
|-
| 1||ビワワールド||style="white-space: nowrap;"|1999年||鹿毛||[[ブライアンズタイム]]||[[せん馬|]]||栗東・濱田光正||(有)[[ビワ (会社)|ビワ]]||24戦3勝(引退)
| 初仔||ビワワールド|| style="white-space: nowrap;" |1999年||[[鹿毛]]||[[ブライアンズタイム]]||[[馬|]]||田光正(栗東)||(有)[[ビワ (会社)|ビワ]]||24戦3勝(引退)
|-
|-
|
| 2||ファインセラ||2001年||style="white-space: nowrap;"|青鹿毛||rowspan="2" style="white-space: nowrap;"|[[サンデーサイレンス]]||牝||style="white-space: nowrap;"|[[美浦トレーニングセンター|美浦]]・[[久保田貴士]]<br />など||吉田和美||14戦6勝(引退・繁殖)
|不受胎
|2000年
|
| rowspan="3" |[[サンデーサイレンス]]
|
|
|
|
|-
|-
| 3||style="white-space: nowrap;"|[[アドマイヤジャパン]]||2002年||栗毛||||rowspan="5"|栗東・[[博資]]||rowspan="3"|[[近藤利一]]||style="white-space: nowrap;"|102勝(引退・種牡馬)
| 2番仔||ファインセラ||2001年|| style="white-space: nowrap;" |青鹿毛|||| style="white-space: nowrap;" |[[久保貴士]](美浦)<br />など||吉田和美||146勝(繁殖牝馬)
|-
|-
| 4||[[アドマイヤオーラ]]||2004年||鹿毛||rowspan="2"|[[アグネスタキオン]]||||164勝(引退・種牡馬)
| 3番仔|| style="white-space: nowrap;" |[[アドマイヤジャパン]]||2002年||[[栗]]||牡|| rowspan="6" |[[松田博資]](栗東)|| rowspan="4" |[[近藤利一]]|| style="white-space: nowrap;" |102勝(種牡馬)
|-
|-
|
| 5||アドマイヤテンカ||2005年||鹿毛||牡||未出走(死亡)
|不受胎
|2003年
|
|ブライアンズタイム
|
|
|-
|-
| 6||[[ブエナビスタ (競走馬)|ブエナビスタ]]||2006年||鹿毛||[[スペシャルウィーク]]||牝||rowspan="2" style="white-space: nowrap;"|(有)[[デーレーシング]]||239勝(引退・繁殖
| 4番仔||[[アドマイヤオーラ]]||2004年||鹿毛|| rowspan="2" |[[アグネスタキオン]]||牡||164勝(種牡馬
|-
|-
| 7||アーデルハ||2007年||鹿毛||[[アグネスタキオン]]||牝||1戦0勝引退・繁殖
| 5番仔||アドマヤテンカ||2005年||鹿毛||||未出走死亡
|-
|-
| 6番仔||[[ブエナビスタ (競走馬)|'''ブエナビスタ''']]||2006年||[[黒鹿毛]]||[[スペシャルウィーク]]||牝|| rowspan="2" style="white-space: nowrap;" |(有)[[サンデーレーシング|サンデーR]]||23戦9勝(繁殖)
| 8||[[トーセンレーヴ]]||2008年||鹿毛||rowspan="2" style="white-space: nowrap;"|[[ディープインパクト (競走馬)|ディープインパクト]]||牡||栗東・[[池江泰寿]]||[[島川隆哉]]||33戦8勝(引退<ref>[http://www.jra.go.jp/news/201707/070502.html トーセンレーヴ号が競走馬登録抹消]日本中央競馬会、2017年7月5日閲覧</ref>・種牡馬)
|-
|-
| 7番仔||アーデルハイト||2007年||黒鹿毛||[[アグネスタキオン]]||牝||1戦0勝(繁殖牝馬)
| 9||style="white-space: nowrap;"|[[ジョワドヴィーヴル]]||2009年||鹿毛||牝||栗東・松田博資||rowspan="4"|(有)サンデーレーシング||6戦2勝(死亡)
|-
|-
| 8番仔||[[トーセンレーヴ]]||2008年||鹿毛|| rowspan="2" style="white-space: nowrap;" |[[ディープインパクト (競走馬)|ディープインパクト]]||牡||[[池江泰寿]](栗東)||[[島川隆哉]]||33戦8勝(種牡馬)
|10||[[サングレアル]]||2011年||青鹿毛||[[ゼンノロブロイ]]||牝||栗東・松田博資<br>→栗東・池添学||13戦2勝(引退・繁殖)<ref>[http://www.jra.go.jp/news/201603/032305.html サングレアル号が競走馬登録抹消]日本中央競馬会、2016年3月24日閲覧</ref>
|-
|-
| 9番仔|| style="white-space: nowrap;" |'''[[ジョワドヴィーヴル]]'''||2009年||鹿毛||牝||松田博資(栗東)|| rowspan="7" |(有)サンデーR||6戦2勝(現役中死亡)
|11||エルプシャフト||2013年||青鹿毛||ディープインパクト||牡||栗東・[[角居勝彦]]<br>→栗東・[[中竹和也]]<br>→栗東・[[角居勝彦]]
|-
→北海道・小野望
|
|不受胎
|2010年
|
|スペシャルウィーク
|
|
|
|-
|10番仔||[[サングレアル]]||2011年||青鹿毛||[[ゼンノロブロイ]]||牝||松田博資(栗東)<br>→池添学(栗東)||13戦2勝(繁殖牝馬)
|-
|
|種付けせず
|2012年
|
|
|
|
|
|-
|11番仔||エルプシャフト||2013年||青鹿毛||ディープインパクト||牡||[[角居勝彦]](栗東)<br>→[[中竹和也]](栗東)<br>→[[角居勝彦]](栗東)
→小野望([[ホッカイドウ競馬|北海道]])


佐賀・東眞市
→東眞市([[佐賀県競馬組合|佐賀]])
|42戦5勝(現役)
|42戦5勝(現役)
|-
|
|種付けせず
|2014年
|
|
|
|
|
|-
|-
|12||プリメラビスタ||2015年||栗毛||[[オルフェーヴル]]||牝||栗東・池添学 ||13戦2勝(引退・繁殖)
|12番仔||プリメラビスタ||2015年||栗毛||[[オルフェーヴル]]||牝||池添学(栗東) ||13戦2勝(繁殖牝馬
|-
|
|不受胎
|2016年
|
|[[ルーラーシップ]]
|
|
|
|
|}
|}

* 産駒のおもな勝ち鞍
** [[アドマイヤジャパン]](京成杯-GIII)
** [[アドマイヤオーラ]]([[京都記念]]-GII、弥生賞-JpnII、シンザン記念-JpnIII)
** [[ブエナビスタ (競走馬)|ブエナビスタ]]([[ジャパンカップ]]-GI、[[天皇賞|天皇賞(秋)]]-GI、優駿牝馬-JpnI、桜花賞-JpnI、[[ヴィクトリアマイル]]-GI、阪神ジュベナイルフィリーズ-JpnI、京都記念-GII、チューリップ賞-JpnIII)
** [[トーセンレーヴ]]([[エプソムカップ]]-GIII)
** [[ジョワドヴィーヴル]](阪神ジュベナイルフィリーズ-GI)
** [[サングレアル]]([[フローラステークス]]-GII)

2012年6月10日、トーセンレーヴのエプソムカップ優勝により、中央競馬の重賞を勝った産駒が5頭となり、初の記録と報じられた<ref>{{Cite web|author=下村静史|date=2012-06-10|url=http://gallop.sanspo.com/gallop/headline/news/120610/jra12061015590003-n1.html|title=【エプソムC】トーセンレーヴ重賞初制覇!5きょうだい重賞Vは初|work=[[週刊Gallop|Gallop online]]|publisher=産経デジタル|language=日本語|accessdate=2012-06-19}}</ref><ref>{{Cite web|author=有吉正徳|date=2012-06-12|url=https://aspara.asahi.com/blog/keiba/entry/qpMFabFfvW|title=馬事当風「偉大なる母ビワハイジ」|work=[[アスパラクラブ]]|publisher=[[朝日新聞]]|language=日本語|accessdate=2012-06-19}}</ref>。

== 血統表 ==
== 血統表 ==
{{競走馬血統表
{{競走馬血統表
355行目: 402行目:
母の[[競走馬の血統#競走馬の血縁関係|半妹]]の仔に[[菊花賞]]、[[有馬記念]]、[[天皇賞|天皇賞(春)]]勝ちのマンハッタンカフェや[[オールカマー]]勝ちの[[エアスマップ]]。その孫に[[クイーンステークス]]や[[クイーンカップ]]勝ちの[[アプリコットフィズ]]がいる。
母の[[競走馬の血統#競走馬の血縁関係|半妹]]の仔に[[菊花賞]]、[[有馬記念]]、[[天皇賞|天皇賞(春)]]勝ちのマンハッタンカフェや[[オールカマー]]勝ちの[[エアスマップ]]。その孫に[[クイーンステークス]]や[[クイーンカップ]]勝ちの[[アプリコットフィズ]]がいる。


== 出典 ==
== 脚注 ==

=== 注釈 ===
<references group="注釈" />

=== 出典 ===
{{Reflist}}
{{Reflist}}

== 参考文献 ==

* 芦谷有香「芦谷有香の特別インタビュー 松田博資」(『競馬ブック』12月24/25日号所収){{いつ|date=2021年7月}}
* 『[[優駿]]』([[日本中央競馬会]])
** 2012年12月号
*** [[河村清明]]「【優駿激闘譜】ビワハイジ 母になって輝きを増したドイツの名血」


== 外部リンク ==
== 外部リンク ==

2021年7月20日 (火) 08:07時点における版

ビワハイジ
欧字表記 Biwa Heidi[1]
品種 サラブレッド[1]
性別 [1]
毛色 青鹿毛[1]
生誕 1993年3月7日(31歳)[1]
登録日 1995年4月6日
抹消日 1998年3月27日
Caerleon[1]
アグサン[1]
母の父 Lord Gayle[1]
生国 日本の旗 日本北海道新冠町[1]
生産者 早田牧場新冠支場[1]
馬主 有限会社ビワ[1]
調教師 濱田光正栗東[1]
調教助手 上籠三男
厩務員 樺沢司
競走成績
タイトル JRA賞最優秀3歳牝馬(1995年)[1]
生涯成績 10戦4勝[1]
獲得賞金 1億5328万0000[1]
勝ち鞍
GI 阪神3歳牝馬ステークス 1995年
GIII 札幌3歳ステークス 1995年
GIII 京都牝馬特別 1998年
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ビワハイジ(欧字名:Biwa Heidi1993年3月7日 - )は、日本競走馬繁殖牝馬

1995年のJRA賞最優秀3歳牝馬である。主な勝ち鞍は1995年の阪神3歳牝馬ステークスGI)、札幌3歳ステークスGIII)、1998年の京都牝馬特別GIII)。

繁殖牝馬としては、GI優勝馬のブエナビスタジョワドヴィーヴル、重賞優勝馬のアドマイヤジャパンアドマイヤオーラトーセンレーヴサングレアルを産んだ。JRA重賞を5頭産んだ時点で史上最多となったが[2][3]、後にその記録を6頭に伸ばした。

経歴

デビューまで

アグサンは、アイルランド産の牝馬であり、イギリスで競走馬として4戦未勝利ののち繁殖牝馬となった[4]。イギリスやアイルランドで数年生産を続ける中[5]早田牧場の牧場主である早田光一郎が購入[6]。アイルランドの種牡馬であるカーリアンとの仔をお腹に宿したまま日本に渡った。日本では北海道新冠町の早田牧場新冠支場に移動し、1993年3月7日、青鹿毛の牝馬(後のビワハイジ)が誕生する[6]

誕生後、栗東トレーニングセンター浜田光正調教師の検分を受け、浜田は親しい有限会社ビワ代表の中島勇に購入を依頼し、有限会社ビワによる所有が決定した[6]。「早田牧場、浜田光正、有限会社ビワ」のタッグは、同年に活躍中のビワハヤヒデ[注釈 1]で全く同じ組み合わせであった[6]

育成が施されたのち、1995年4月末、栗東トレーニングセンターの浜田厩舎に移動した[7]

3歳(1995年)

6月10日札幌競馬場新馬戦(芝1000メートル)に出走。1993年生世代最初の新馬戦に武豊が騎乗し、単勝オッズ1.5倍の1番人気に推された。先行して直線では外から追い上げ、内外から追い上げる2頭を半馬身退けて初勝利を挙げた[7]。続いて7月30日、世代最初の重賞である札幌3歳ステークスGIII)では3番人気に推され、再び武が騎乗して出走。スタートから先行し、最終コーナーで先頭に並びかけると、それから差を広げて先頭で入線。後方に3馬身半差を広げて重賞初勝利となった[7]。その後は、さらなる強化のために早田牧場に戻り、1か月間坂路や屋内馬場で調教が施された[7]。牧場を去るころには、筋肉が発達し札幌3歳ステークスの時と比べて約30キログラム増加していた[8]

12月3日、阪神3歳牝馬ステークスGI)で4か月ぶりの復帰となった。これまで2戦に騎乗した武は新馬戦、条件戦と2連勝中のイブキパーシヴを選び、イブキパーシヴは1番人気に推されていた[8]。対するビワハイジには角田晃一が騎乗し、単勝オッズ8.7倍の4番人気という支持であった。好スタートから先頭に立って逃げ、スローペースを刻んだ[8]。先頭で直線に入り、2番手のエアグルーヴや5番手から追い上げたイブキパーシヴを退けて決勝線を通過。2着のエアグルーヴには半馬身差でGI初優勝となった[8]。年末には、JRA賞最優秀3歳牝馬に選出された[8]

4-6歳(1996年-98年)

3歳となった1996年、3月2日のチューリップ賞GIII)で始動。2.3倍の1番人気に推されたが、僅差の2.7倍の2番人気は前走下したエアグルーヴであった。ビワハイジは大外枠からスタートし、2番手に位置[9]。最終コーナーで先頭に立ったが直線でエアグルーヴにかわされ、それから5馬身差をつけられ2着となり、初めて敗戦した[9]。4月7日の桜花賞(GI)では、優勝が期待され大きな注目を浴びたエアグルーヴが、直前で感冒のため回避。敗れた相手のいなくなったビワハイジに支持が集まり、僅差の2番人気に推されていた[9]。レース前には公表されていなかったが、ビワハイジは出走直前に歯替わりと発情をしており、熱発など体調不良の中、出走することとなった[9]。スタートから好位に位置取り、直線に入ったが全く伸びず15着に敗れた[9]

続いて、中島は次走に同じ距離のNHKマイルカップや牝馬限定の優駿牝馬(オークス)ではなく、牡馬が多数出走する東京優駿(日本ダービー)を希望した[10]。中島は希望した理由について、距離延長でも通用することと、この時点では牡馬と牝馬の力量差が小さいことを挙げていた[10]。また、河村清明によれば、中島には「1993年(中略)ビワハヤヒデが2着に敗れた悔しさ[10]」も存在したという。浜田は反対していたものの、優駿牝馬に出走してもエアグルーヴには敵わないとも考えていた[10]。6月2日、シャダイソフィア以来13年振りの牝馬による東京優駿出走が実現したが、13着敗退。レース後、左前脚骨折が判明し、1年以上の休養を強いられた[10]

1997年10月18日、カシオペアステークス(OP)で復帰。その後、2戦に出走するも勝利には至らなかった。6歳となる1998年も現役を続行し、1月31日の京都牝馬特別GIII)にオリビエ・ペリエに乗り替わり出走。大外枠から先頭となり逃げると、ムチが入らないまま直線に入り、そのまま先頭で入線。後方に2馬身差をつけて2年振りの勝利で、重賞3勝目を果たした[10]。レース後に左前脚骨瘤が確認されたため、競走馬を引退した[10]

繁殖牝馬時代

繁殖入りしてしばらくは育成時に過ごした早田牧場新冠支場で繋養されていた。しかし、早田牧場の自己破産や中島の急死により、中野の馬を多く手掛けていた調教師の松田博資ノーザンファーム吉田勝己を仲介し、中島の遺した馬すべてをノーザンファームに移譲した[10][11]。ビワハイジも同様に、ノーザンファームに渡っている[10]

早田牧場では3頭を産み、中でも3番仔のアドマイヤジャパン(父:サンデーサイレンス)は、京成杯GIII)勝利のほかに皐月賞GI)3着、菊花賞GI)2着とクラシックでも好走した。ノーザンファーム移動後は9頭を産み、シンザン記念JpnIII)や弥生賞JpnII)、京都記念GII)を制したアドマイヤオーラGI6勝のブエナビスタ、以下トーセンレーヴジョワドヴィーヴルサングレアルといったGI、重賞優勝馬を輩出した。なお、ノーザンファーム移動後は、それを仲介した松田がほとんどの産駒を手掛けている[10]

競走成績

以下の内容は、netkeiba.com[12]およびJBISサーチ[13]に基づく。

競走日 競馬場 競走名 距離(馬場)

オッズ

(人気)

着順 タイム

(上り3F)

着差 騎手 斤量

[kg]

1着馬(2着馬) 馬体重

[kg]

1995.06.10 札幌 3歳新馬 芝1000m(良) 9 4 4 01.5 0(1人) 01着 00-58.8 (35.5) -0.1 武豊 53 (コバルトウインド) 424
0000.07.30 札幌 札幌3歳S GIII 芝1200m(稍) 15 3 5 06.1 0(3人) 01着 01:12.0 (37.6) -0.6 武豊 53 (キッスパシオン) 426
0000.12.03 阪神 阪神3歳牝馬S GI 芝1600m(良) 11 6 6 08.7 0(4人) 01着 01:35.3 (34.2) -0.1 角田晃一 53 エアグルーヴ 434
1996.03.02 阪神 チューリップ賞 GIII 芝1600m(稍) 14 8 14 02.3 0(1人) 02着 01:35.0 (36.2) -0.8 角田晃一 54 エアグルーヴ 436
0000.04.07 阪神 桜花賞 GI 芝1600m(良) 18 6 11 04.8 0(2人) 15着 01:37.0 (37.3) -2.6 角田晃一 53 ファイトガリバー 430
0000.06.02 東京 東京優駿 GI 芝2400m(良) 17 7 14 71.8 (10人) 13着 02:27.9 (36.1) -1.8 角田晃一 55 フサイチコンコルド 430
1997.10.18 京都 カシオペアS OP 芝2000m(良) 8 4 4 09.6 0(5人) 05着 02:01.4 (36.7) -0.7 角田晃一 55 ユウトウセイ 456
0000.11.09 京都 エリザベス女王杯 GI 芝2200m(良) 15 5 9 23.0 0(5人) 07着 02:12.9 (35.9) -0.4 角田晃一 56 エリモシック 448
0000.12.14 阪神 阪神牝馬特別 GII 芝1600m(良) 16 8 16 08.9 0(4人) 07着 01:35.1 (36.2) -0.6 角田晃一 55 エアウイングス 446
1998.01.31 京都 京都牝馬特別 GIII 芝1600m(良) 13 8 13 03.8 0(3人) 01着 01:35.1 (36.2) 0.3 O.ペリエ 55 ランフォザドリーム 442

繁殖成績

  • 産駒の戦績は2021年6月23日現在
  • 表中の太字強調は、GI優勝馬を示す。
馬名 誕生年 毛色 厩舎 馬主 戦績
初仔 ビワワールド 1999年 鹿毛 ブライアンズタイム 浜田光正(栗東) (有)ビワ 24戦3勝(引退)
不受胎 2000年 サンデーサイレンス
2番仔 ファインセラ 2001年 青鹿毛 久保田貴士(美浦)
など
吉田和美 14戦6勝(繁殖牝馬)
3番仔 アドマイヤジャパン 2002年 栗毛 松田博資(栗東) 近藤利一 10戦2勝(種牡馬)
不受胎 2003年 ブライアンズタイム
4番仔 アドマイヤオーラ 2004年 鹿毛 アグネスタキオン 16戦4勝(種牡馬)
5番仔 アドマイヤテンカ 2005年 鹿毛 未出走(死亡)
6番仔 ブエナビスタ 2006年 黒鹿毛 スペシャルウィーク (有)サンデーR 23戦9勝(繁殖)
7番仔 アーデルハイト 2007年 黒鹿毛 アグネスタキオン 1戦0勝(繁殖牝馬)
8番仔 トーセンレーヴ 2008年 鹿毛 ディープインパクト 池江泰寿(栗東) 島川隆哉 33戦8勝(種牡馬)
9番仔 ジョワドヴィーヴル 2009年 鹿毛 松田博資(栗東) (有)サンデーR 6戦2勝(現役中死亡)
不受胎 2010年 スペシャルウィーク
10番仔 サングレアル 2011年 青鹿毛 ゼンノロブロイ 松田博資(栗東)
→池添学(栗東)
13戦2勝(繁殖牝馬)
種付けせず 2012年
11番仔 エルプシャフト 2013年 青鹿毛 ディープインパクト 角居勝彦(栗東)
中竹和也(栗東)
角居勝彦(栗東)

→小野望(北海道

→東眞市(佐賀

42戦5勝(現役)
種付けせず 2014年
12番仔 プリメラビスタ 2015年 栗毛 オルフェーヴル 池添学(栗東) 13戦2勝(繁殖牝馬)
不受胎 2016年 ルーラーシップ

血統表

ビワハイジ血統 (血統表の出典)[§ 1]
父系 ニジンスキー系
[§ 2]

Caerleon
1980 鹿毛
父の父
Nijinsky II
1967 鹿毛
Northern Dancer Nearctic
Natalma
Flaming Page Bull Page
Flaring Top
父の母
Foreseer
1969 黒鹿毛
Round Table Princequillo
Knight's Daughter
Regal Gleam Hail to Reason
Miz Carol

*アグサン
Aghsan
1985 青毛
Lord Gayle
1965 黒鹿毛
Sir Gaylord Turn-to
Somethingroyal
Sticky Case Court Martial
Run Honey
母の母
Santa Luciana
1973 黒鹿毛
Luciano Henry the Seventh
Light Arctic
Suleika Ticino
Schwarzblaurot F-No.16-c
母系(F-No.) 16号族(FN:16-c) [§ 3]
5代内の近親交配 Princequillo4×5、Turn-to4×5 [§ 4]
出典
  1. ^ JBISサーチ ビワハイジ 5代血統表2017年8月30日閲覧。
  2. ^ netkeiba.com ビワハイジ 5代血統表2017年8月30日閲覧。
  3. ^ JBISサーチ ビワハイジ 5代血統表2017年8月30日閲覧。
  4. ^ JBISサーチ ビワハイジ 5代血統表2017年8月30日閲覧。

母の半妹の仔に菊花賞有馬記念天皇賞(春)勝ちのマンハッタンカフェやオールカマー勝ちのエアスマップ。その孫にクイーンステークスクイーンカップ勝ちのアプリコットフィズがいる。

脚注

注釈

  1. ^ この年、JRA賞年度代表馬を受賞した。

出典

  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o ビワハイジ”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2019年8月21日閲覧。
  2. ^ 下村静史 (2012年6月10日). “【エプソムC】トーセンレーヴ重賞初制覇!5きょうだい重賞Vは初”. Gallop online. 産経デジタル. 2012年6月19日閲覧。
  3. ^ 有吉正徳 (2012年6月12日). “馬事当風「偉大なる母ビワハイジ」”. アスパラクラブ. 朝日新聞. 2012年6月19日閲覧。
  4. ^ アグサン(IRE)”. JBISサーチ. 2021年7月16日閲覧。
  5. ^ アグサン(IRE)の繁殖成績”. JBISサーチ. 2021年7月16日閲覧。
  6. ^ a b c d 『優駿』2012年12月号 75頁
  7. ^ a b c d 『優駿』2012年12月号 76頁
  8. ^ a b c d e 『優駿』2012年12月号 77頁
  9. ^ a b c d e 『優駿』2012年12月号 78-79頁
  10. ^ a b c d e f g h i j 『優駿』2012年12月号 80頁
  11. ^ 週刊競馬ブック 12月24/25日号 芦谷有香の特別インタビュー『松田博資調教師』
  12. ^ ビワハイジの競走成績”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd.. 2019年8月21日閲覧。
  13. ^ ビワハイジ 競走成績”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2019年8月21日閲覧。

参考文献

  • 芦谷有香「芦谷有香の特別インタビュー 松田博資」(『競馬ブック』12月24/25日号所収)[いつ?]
  • 優駿』(日本中央競馬会
    • 2012年12月号
      • 河村清明「【優駿激闘譜】ビワハイジ 母になって輝きを増したドイツの名血」

外部リンク