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2020年2月15日 (土) 06:15時点における版

猪谷駅
駅舎(2019年5月3日撮影)
いのたに
Inotani
**杉原 (8.7 km)
(7.0 km) 楡原**

地図

猪谷駅の位置(富山県内)
猪谷駅
猪谷駅
猪谷駅位置図(富山県)
所在地 富山県富山市猪谷字旦暮1085
北緯36度28分18.16秒 東経137度14分17.04秒 / 北緯36.4717111度 東経137.2380667度 / 36.4717111; 137.2380667座標: 北緯36度28分18.16秒 東経137度14分17.04秒 / 北緯36.4717111度 東経137.2380667度 / 36.4717111; 137.2380667
所属事業者 西日本旅客鉄道(JR西日本)*
東海旅客鉄道(JR東海)
所属路線 高山本線(JR西日本)
CG 高山本線(JR東海)
キロ程 189.2 km(岐阜起点)
電報略号 イニ
駅構造 地上駅
ホーム 1面2線
乗車人員
-統計年度-
297人/日(降車客含まず)
-2017年-
開業年月日 1930年昭和5年)11月27日
備考 無人駅自動券売機 有)
* 会社境界駅(JR西日本の管轄駅)
** 杉原方 - JR東海
** 楡原方 - JR西日本
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猪谷駅
営業当時の神岡線の「おくひだ号」
いのたに
Inotani
(2.3km) 飛騨中山
所属事業者 神岡鉄道
所属路線 神岡線
キロ程 0.0 km(猪谷起点)
駅構造 地上駅
ホーム 1線を使用
開業年月日 1984年昭和59年)10月1日*
廃止年月日 2006年平成18年)12月1日*
* 神岡鉄道猪谷駅としての開業日・廃止日
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猪谷駅(いのたにえき)は、富山県富山市猪谷字旦暮にある、西日本旅客鉄道(JR西日本)と東海旅客鉄道(JR東海)の高山本線である。JRの境界駅の一つである。富山県最南端の駅。

かつては神岡鉄道神岡線も乗り入れていたが、2006年(平成18年)に廃線となった。

概要

1930年(昭和5年)の開業当初は鉄道省国鉄)飛越線の駅であったが[1][2]高山本線全通で同線に編入された[3]1931年(昭和6年)に神岡までの交通機関として神岡軌道が駅前に乗り入れたが[4]1966年(昭和41年)に当駅を起点として開業した国鉄神岡線に代わった[5][6]。この路線は、1984年(昭和59年)に神岡鉄道の経営に移った[6]

1987年(昭和62年)の国鉄分割民営化では、高山本線が当駅で分割して継承され(当駅より北はJR西日本、南はJR東海)、当駅は両社の境界駅となった[2]。駅の管理・業務はJR西日本金沢支社が行っている(管理は北陸広域鉄道部)[7][8]。その後、2006年(平成18年)に神岡鉄道神岡線は廃止され、再び高山本線単独の駅となった[6]

高山本線は、当駅から富山駅の間で日本貨物鉄道(JR貨物)が第二種事業者となっている[9]。しかし当駅自体はJR貨物の管轄ではない[2]

歴史

高山本線は、岐阜駅側から「高山線」として、富山駅側から「飛越線」としてそれぞれ建設され[10]、猪谷 - 笹津間の路線は1927年(昭和2年)11月に、猪谷 - 打保間の路線は1928年(昭和3年)5月に決定された[11]。笹津駅 - 猪谷駅間は1930年(昭和5年)11月27日に開業している[12]。開業当初の駅員は駅長を含めて8名が充てられたというが、これは元来当駅の開設が神岡鉱山の物資搬入の中継点として意図されたものであったからであるという[13]。それまで笹津駅まで乗入れていた神岡軌道は1931年(昭和6年)9月16日から直接猪谷駅に乗入れるようになり[6]、1933年(昭和8年)以降は年間6万トンを超える貨物を取扱うようになった[14]。ときには10万トンを超える年もあったという[14]。鉱山の移出品は当駅において高山本線の列車に組替えられ[14]、その主たる品目は亜鉛板、粉末亜鉛鉱、濃硫酸、鉛、銅等であった[15]。この神岡軌道の乗入れと共に、当駅周辺には多数の倉庫や社宅が建設されるようになったので[15]、当駅駅前の道路は整備され商店が集積し、山間の猪谷は漸く殷賑を極めるようになった[16]

しかし、1966年(昭和41年)10月6日に国鉄神岡線が開通すると[6]、それまで猪谷駅において組替えられていた神岡鉱山の貨物は直接国鉄によって輸送されることとなった[17]。これによって高山本線において随一の貨物取扱量を持っていた猪谷駅の地位は低下し、神岡軌道の作業員や貨物組換を担当していた仲仕は姿を消して、多数の倉庫も漸次撤去されていった[17]。その神岡鉱山の貨物輸送も2004年(平成16年)10月16日を以て終了し、神岡鉄道神岡線は2006年(平成18年)12月1日に廃止されるに至った[18][6]

年表

駅構造

地上駅であり、島式ホーム1面2線を有する[30][8]。ホーム東側が1番のりば、西側が2番のりばと称されている[30]。かつては切欠ホームの3番線に神岡鉄道線の列車が発着していたが、現在は柵が設けられている[30][8]。ホームと駅舎は構内踏切を以て連絡する[8]。構内には他に貨物線及び待避線を有している[30]

開業以来の駅舎内部には近距離用の自動券売機があり、キヨスク跡には自動販売機もある[8]。西日本旅客鉄道に継承された後に無人駅となったが、駅舎は運輸関係職員の詰所となっている[8]。西日本旅客鉄道北陸広域鉄道部の管理下である[7]。JR旅客会社の境界駅としては、中小国駅[注釈 1]と並び無人駅である。

特急列車は全列車が停車し、当駅において運転士及び車掌の交替を行う[30][8]。普通列車は両方向とも全列車が当駅始発・終着となる。接続列車は同一ホームでの対面乗り換えの他、一部列車は有効長の長い2番線にて縦列停車を行う。

ホームの使用状況
のりば 事業者 路線 方向 行先
1・2 西日本旅客鉄道 高山本線 下り 越中八尾富山方面
東海旅客鉄道 CG 高山本線 上り 高山下呂岐阜方面

貨物取扱

1948年(昭和23年)当時の猪谷駅周辺

当駅における貨物取扱は1971年(昭和46年)10月1日に一旦廃止されたが、その後1984年(昭和59年)10月18日に神岡鉄道神岡線連絡車扱貨物の取扱を開始した[25]。しかし、1987年(昭和62年)4月1日の国鉄分割民営化の際に当駅は日本貨物鉄道の管轄下とならず、以降は旅客駅として営業している[2]

1951年(昭和26年)12月15日付『鉄道公報』第732号通報「専用線一覧について(営業局)」別表によると、当駅接続の専用線は次の通りであった[31]

  • 神岡鉱山線(動力:手押、作業粁程:0.3粁)

1953年(昭和28年)10月10日付『鉄道公報』第1254号通報専用線一覧別表掲載中、当駅接続の専用線は次の通りであった[32]

  • 三井金属鉱業線(動力:手押、作業粁程:0.3粁)
  • 北陸電力線(第三者使用:日本通運、動力:日本通運借入機関車、作業粁程:0.3粁)

1970年(昭和45年)10月1日現在における当駅接続の専用線は以下の通りであった[33]

  • 北陸電力線(通運事業者:日本通運、動力:国鉄機関車及び手押、作業粁程:0.3粁、総延長粁程:0.4粁)

利用状況

「富山県統計年鑑」と「富山市統計書」によると、近年の1日平均乗車人員は以下の通り[34][35]

年度 1日平均
乗車人員
1995年 171
1996年 153
1997年 142
1998年 137
1999年 125
2000年 113
2001年 107
2002年 102
2003年 99
2004年 86
2005年 80
2006年 88
2007年 77
2008年 70
2009年 67
2010年 59
2011年 59
2012年 57
2013年 51
2014年 43
2015年 71
2016年 263
2017年 297

駅周辺

駅周辺は神通川(宮川)・高原川合流部近傍の峡谷(神通峡)沿いに位置する小集落となっている。特急停車駅であるが、駅前には郵便局と商店が点在するのみである。

バス路線

駅から徒歩3分の国道41号を楡原駅方面へ行くと、「猪谷」バス停がある[36]

隣の駅

※両社管轄区間を跨いで運転される特急「ひだ」の隣の停車駅は列車記事を参照。

西日本旅客鉄道(JR西日本)
高山本線
猪谷駅 - 楡原駅
東海旅客鉄道(JR東海)
CG 高山本線
杉原駅 - 猪谷駅

かつて存在した路線

神岡鉄道
神岡線
猪谷駅 - 飛騨中山駅
三井金属鉱業
神岡鉄道線
猪谷駅 - 東猪谷駅

脚注

注釈

  1. ^ JR東日本・JR北海道境界駅(管理はJR東日本)。但しJR北海道の定期列車の設定は無い。

出典

  1. ^ a b c 昭和5年11月20日鉄道省告示第307号(『官報』、1930年(昭和5年)11月20日、内閣印刷局)
  2. ^ a b c d e f g 『停車場変遷大事典 国鉄・JR編』2、JTB、1998年、168頁。
  3. ^ 昭和9年鉄道省告示第498号(『官報』、1934年(昭和9年)10月19日、内閣印刷局)
  4. ^ a b 鉄道省監督局編、『地方鉄道及軌道一覧附専用鉄道 昭和十年四月一日現在』、1935年(昭和10年)5月、鉄道同志会 
  5. ^ a b 昭和41年9月30日日本国有鉄道公示第602号(『官報』、1976年(昭和41年)9月30日、大蔵省印刷局)
  6. ^ a b c d e f 今尾恵介監修、『日本鉄道旅行地図帳 全線・全駅・全廃線 6号』(35頁)、2008年(平成20年)10月、新潮社
  7. ^ a b データで見るJR西日本2016 - 西日本旅客鉄道
  8. ^ a b c d e f g 郡司武編、『週刊朝日百科 JR全駅・全車両基地』48号(27頁)、2013年(平成25年)7月、朝日新聞出版
  9. ^ 国土交通省鉄道局編、『平成28年度 鉄道要覧』(60頁)、2016年(平成28年)9月、電気車研究会・鉄道図書刊行会
  10. ^ 細入村史編纂委員会編、『細入村史』(493頁)、1987年(昭和62年)3月、細入村
  11. ^ 細入村史編纂委員会編、『細入村史』(494頁)、1987年(昭和62年)3月、細入村
  12. ^ 細入村史編纂委員会編、『細入村史』(499頁)、1987年(昭和62年)3月、細入村
  13. ^ 細入村史編纂委員会編、『細入村史』(503頁)、1987年(昭和62年)3月、細入村
  14. ^ a b c 細入村史編纂委員会編、『細入村史』(508頁)、1987年(昭和62年)3月、細入村
  15. ^ a b 細入村史編纂委員会編、『細入村史』(509頁)、1987年(昭和62年)3月、細入村
  16. ^ 細入村史編纂委員会編、『細入村史』(509より511頁)、1987年(昭和62年)3月、細入村
  17. ^ a b 細入村史編纂委員会編、『細入村史』(679頁)、1987年(昭和62年)3月、細入村
  18. ^ 細入村史編纂委員会編、『細入村史』(77頁)、2005年(平成17年)3月、細入村
  19. ^ a b 今尾恵介監修、『日本鉄道旅行地図帳 全線・全駅・全廃線 6号』、2008年(平成20年)10月、新潮社
  20. ^ 昭和44年10月1日日本国有鉄道公示第309号(『官報』、1969年(昭和44年)10月1日、大蔵省印刷局)
  21. ^ 昭和46年日本国有鉄道公示第371号(『官報』、1971年(昭和46年)9月29日、大蔵省印刷局)
  22. ^ 昭和49年日本国有鉄道公示第208号(『官報』、1974年(昭和49年)9月12日、大蔵省印刷局)
  23. ^ 昭和59年日本国有鉄道公示第174号(『官報』、1984年(昭和59年)1月30日、大蔵省印刷局)
  24. ^ 昭和59年8月29日日本国有鉄道公示第53号(『官報』、1984年(昭和59年)8月29日、大蔵省印刷局)
  25. ^ a b 昭和59年10月18日日本国有鉄道公示第87号(『官報』、1984年(昭和59年)10月18日、大蔵省印刷局)
  26. ^ 昭和62年2月5日日本国有鉄道公示第210号(『官報』第17989号、1987年(昭和62年)2月5日、大蔵省印刷局)
  27. ^ 田中泰三・道下淳編、『高山線の60年』、1994年(平成6年)12月、郷土出版社
  28. ^ a b 高山本線(高山駅〜猪谷駅間)バスによる代行輸送について(インターネット・アーカイブ)- 東海旅客鉄道ニュースリリース 2004年(平成16年)10月22日
  29. ^ 「JR高山線、3年ぶり全線開通 角川―猪谷間が復旧」、『朝日新聞』(2007年(平成19年)9月8日)夕刊、朝日新聞社
  30. ^ a b c d e 川島令三編、『中部ライン 全線・全駅・全配線第6巻 加賀温泉駅―富山エリア』(26及び69頁)、2010年(平成22年)9月、講談社
  31. ^ 名取紀之・瀧澤隆久編、『トワイライトゾ~ン・マニュアル8』(『レイル・マガジン』第16巻15号)、1999年(平成11年)11月、ネコ・パブリッシング
  32. ^ 名取紀之・瀧澤隆久編、『RM POCKET 11 トワイライトゾ~ン・マニュアルⅣ』、1995年(平成7年)10月、ネコ・パブリッシング
  33. ^ 日本国有鉄道貨物局編、『専用線一覧表 昭和45年10月1日』(214頁)、1970年(昭和45年)、日本国有鉄道貨物局
  34. ^ 統計年鑑 - 富山県(2016年(平成28年)7月20日閲覧)
  35. ^ 富山市統計書 - 富山市
  36. ^ 富山地方鉄道乗合自動車停留所表 - 富山地方鉄道

関連項目

外部リンク