合同結婚式

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2010年10月14日の合同結婚式

合同結婚式(ごうどうけっこんしき)とは世界基督教統一神霊協会(以降「統一教会/統一協会」と表記する)の主催する宗教的行事の一つ。正式名は「国際合同祝福結婚式」。統一教会の内部では「祝福」と呼ばれる[1][2]。合同結婚式後に6500人の日本人女性が行方不明になり、被害者家族が捜索を訴えるなどしており、全国弁連は、反社会的違法行為であり、強く反対するとの声明を出している[3]

概略[編集]

統一教会/統一協会では、人間の原罪(罪の根本)は人類始祖のアダムとエバ(イブ)がサタンを中心として愛の関係を結んだことにあるとしており、それを正すためには、神を中心として男女が結婚しなければならないとしている。具体的には「文鮮明とのセックスによって人間は清められ、無原罪の子を産むことができる[2]」というセックス教義を象徴化した儀式である。そのため統一教会/統一協会の教義において、この結婚が最も重要視される。

初期には文鮮明と女性信者が実際にセックスをしていたともいうが、肥大化とともに象徴化が進み、文鮮明と女性信者が手を重ね合わせたり聖水を受ける等の形式に転じた[2]

1960年4月に3組の信者を祝福したのが最初で、その後数年ごとに行われ、ほぼ毎回参加人数は増えており、2000年文鮮明は人類の半数にあたる4億組を祝福すると話した。

草創期は目の前で教祖がカップルを指名したり、信者に希望する相手を書かせたりもしていた。1988年頃から参加人数が多くなったこともあって、写真を見てカップルを決めるようになった。未婚の男女が文鮮明に写真を送り、「マッチング」をしてもらった後、統一教会本部から「相対者」(婚約者のこと)となった相手の写真が送られて来て「約婚式」が行なわれる[4]

合同結婚式後の初めての性交は一定期間禁止されている。最近では式を挙げても33歳になるまで家庭を持つことを禁じられているという[4]。最初の性交に際しては3通りの体位とその順番が決められている[4]

文鮮明は人の性格、運命、長所、短所及び血統的因縁や課題まで見抜く力を持っているとされ、「自分の思いのままに結婚すれば行く先は地獄であり、自分の思いのままにでなくて結婚すれば行く先は天国なのです[4]」と言い、当人の欠点を補う相手であることに加え、先祖からの因縁や問題のすべてを清算できる夫婦となるに相応しい相手を推薦するという[5]

信者同士が結ばれる本来の祝福の他に既婚者で祝福を受けた場合を「既成祝福」、夫婦いずれかが死亡している場合を「独身祝福」と言う(1997年までは伴侶が絶対善霊ではなかったためと言われ、現在は「霊肉界祝福」と言う)。また、一時は伴侶に先立たれた信者を他の信者と再婚させ、夫婦として祝福する「慰労祝福」というものもあったが、文鮮明は本来の原則にはないものとして、行わなくなった。

近年は見合い形式で伴侶を捜して祝福を受けるようになっており、また信者の子供達は親同士の計らいで結婚させることができるようになっている。このことはすでに祝福を受けた信者に限られているが、ほとんどの信者が祝福を受けるようになるので、ほとんどの信者の子供達が対象である。

1960年に第1回の合同結婚式が行われて以来、教団の発表では参加者数は回数を重ねるごとに増えているようだが、1997年以降からの祝福は参加条件が次第に緩くなった。必須条件とされた事前の7日間断食や21日修練会への参加や「霊の子」(自分が伝道した信者)を一定数持つこと、3年以上の献身生活(出家)、女性の年齢が23歳以上等の従来の条件が緩和(現在は18歳以上(高卒以上で親権者の同意必要)、但し家庭出発できるのは33歳以上)が緩和ないし撤廃され、一度破局した者の再参加や、既婚者で相手の充分な了承なく一人で参加することや、教会員にならなくても、教祖をメシアとして受け入れれば、他の信仰を持ったままでの参加も許されるようになった。また参加せずとも、教義上飲むことが必須であるとされる「聖酒」を意味も知らずに飲まされたり[6]、「聖酒」をにしたものを舐めただけの人までカウントされたりしたこともあるため、実質上の数は不明である。

合同結婚式で結婚した夫婦の間に生まれた子は「神の子」「祝福子女」「祝福二世」と呼ばれ、そうでない子「ヤコブ」「信仰二世」と区別され、「神の子」と「ヤコブ」は教義上「血統が違う」ということで区分され、両者がカップリングされることはなかった。しかし祝福二世として生まれたにもかかわらず祝福相手と別れて結婚できないケースがあるなど、文鮮明の選んだ相手との婚姻の義務(日本国憲法第24条の問題)が薄れるにつれて、子女の不信心が芽生えてきたともいわれる。そこで近年は文鮮明教祖の後継者と目される三男の文顕進世界原研会長を中心に、子女教育に力を入れている。日本教会ではそのための本部の機構改編も行われたと言われ、子女の呼称も従来のように「祝福二世」「信仰二世」と区分せず単に「二世」と呼ぶように変わった。

問題と批判[編集]

日本人女性と結婚できることを売り物に韓国人男性信者を集めており、日本人女性が渡韓してみると相手の韓国人男性が教団に禁止されているはずの飲酒や喫煙をしていたり、中には愛人や妻子がいたという悲惨なケースもあるという[4]

信者が親などに連れ戻されたときに、夫婦として「人身保護請求」できる権利を得るためとか、外国に入国し長期間滞在するために、夫婦としての生活の実態がないのに便宜的に婚姻届を出させることへの批判もあり、元信者が「婚姻の無効」を求めた訴訟で、原告の訴えの多くが認められている。

2006年より韓国で統一教会の合同結婚式に参加した後、行方不明になった日本人女性6500人の捜索が韓国教会に要請されている[7]

日本人女性参加者に関していえば、タイインドネシアフィリピンなどの開発途上国の中の貧困層と結ばれることが多々ある。一方で、かつてこの結婚式で話題をよんだ有名芸能人の日本人女性にあてがわれた男性は韓国人の裕福層であったりと、無作為に(メシアの思し召しにより)運命の結婚を決められた、というわけではないことは事実といえよう。上記のような国には現地夫と家庭を持っていまなお暮らしている日本人女性が数多くおり、またこのような現実はあまり日本では知られていない。

統一教会/統一協会では中絶が認められておらず、年子がやたら多く、また子だくさんである傾向がある[4]。信者の二世は日本だけで10万人を超えるのではないかと推測されているが、実態は分かっていない[4]。「神の子」の父母「信仰一世」は熱心な信者であることが多いため、販売活動に明け暮れており育児に時間を割く余裕はなく、ベビーシッター兼家政婦になった信者が子どもの世話をしていた[4]。子どもは乳幼児時代は親に構ってもらえず物心つくと統一教会/統一協会の活動に組み入れられるため、精神的に非常に不安定になり、自殺を繰り返したり、殺人事件を起こして鑑別所に入れられた子どももいた[4]ベビーシッター家政婦として二世の世話を任せられた信者は、家庭崩壊で子どもが健やかに育っていないのを目の当たりにしてその後例外なく退会したという[4]

合同結婚式で結ばれた家庭は、ほぼ全家庭が多額の献金が原因である借金を持っている[4][8]。そして祝福二世の元信者による「現在、80%以上の家庭が壊れています。」という証言がある[4]

歴史[編集]

教団公式ホームページなどから抜粋。参加者の数字はあくまでも教団の発表(教団の機関紙『ファミリー』2000年1月号)であり、その内容については、前節を参照。

参考文献[編集]

教団側の文献[編集]

  • 世界基督教統一神霊協会広報部 『マスコミ&vs62郷』歓迎社 2004年3月
  • 光言社出版企画部 『誰も書かなかった国際合同結婚式』光言社 1993年3月
  • 世界基督教統一神霊協会 『統一教会の合同結婚式』世界基督教統一神霊協会 1993年5月

批判側の文献[編集]

関連項目[編集]


外部リンク[編集]

教団側のサイト[編集]

批判側のサイト[編集]