フィル・ラモーン

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フィル・ラモーン

フィル・ラモーンPhil Ramone1934年1月5日[1] - 2013年3月30日)はバイオリニスト作曲家レコーディングエンジニア、そして数々の著名な業績がある音楽プロデューサー[2]である。

経歴[編集]

幼年期を南アフリカで過ごしたラモーンは3歳でバイオリンを始め[3]、10歳のときにエリザベス2世の前で演奏する[3]という神童として知られた。1940年代の終わりにはクラシック音楽のバイオリニストを目指してジュリアード音楽院に進んだ[3]。クラスメートの一人にはジャズサクソフォーン・プレイヤーのフィル・ウッズがいた。

1959年にはレコーディングスタジオ「A&R」を立ち上げ[3]、とりわけ革新的な技術を積極的に用いることでレコーディングエンジニア・音楽プロデューサーとしての評判を得る。

彼がプロデューサーとしてかかわったアーティストには、ボノ[4]バート・バカラック[5]ローラ・ブラニガン[5]カレン・カーペンターカーペンターズ[5]レイ・チャールズ[5]シカゴ[5]ナタリー・コール[5]ボブ・ディラン[5]グロリア・エステファン[4]アレサ・フランクリン[5]ビリー・ジョエル[5]エルトン・ジョン[5]フィト・パエス[5]クインシー・ジョーンズ[5]B.B.キング[5]ジュリアン・レノン[5]マドンナ[4]ポール・マッカートニー[5]ジョージ・マイケル[5]シネイド・オコナー[5]ルチアーノ・パヴァロッティ[5]アンドレ・プレヴィン[5]カーリー・サイモン[4]ポール・サイモン[5]フランク・シナトラ[5]ロッド・スチュワート[5]ジェームス・テイラー[5]オリビア・ニュートン=ジョン[5]ライザ・ミネリ[5]バリー・マニロウ[5]クレイ・エイケン[5]ピーター・ポール&マリー[5]メリッサ・エリコ[5]アン・マレー[5]松田聖子[4]など枚挙に暇がない。

マリリン・モンロージョン・F・ケネディのために歌った(ケネディは「いつ死んでも悔いはない」と言ったという)ハッピーバースデートゥーユーの録音にもクレジットされている[6]

ラモーンがもたらした音楽の技術的な革命には、4トラックレコーダー[6]、映画の光学式サラウンド音声[6]、デジタル録音技術[6]などがあり、A&Rスタジオでは初の一般販売用コンパクトディスクが製作された(大々的に販路に載った最初のCDアルバムは1978年発売のビリー・ジョエル『ニューヨーク52番街』[7])。また最初の商業的なDVDもラモーンの手によるもので、1997年デイヴ・グルーシンによる『ウエストサイド物語』であった。

ニューヨーク州のファイブタウン・カレッジとバークリー音楽大学から名誉学位を授与されており[2]、バークリーでは理事も務めている。

チャック・グラナータとの共著による書籍Making Records: The Scenes Behind The Music2007年10月9日に出版された。

2013年3月30日ニューヨークで死去。大動脈瘤のため入院中だったとされる[8]

業績[編集]

グラミー賞にはこれまで33回ノミネートされており、14回受賞している[2]

  • 1965年 - 最優秀録音賞(クラシック以外)(Best Engineered Recording, non classical) - 『ゲッツ/ジルベルト』(スタン・ゲッツジョアン・ジルベルトの共作アルバムで、合計4部門で受賞)[9]
  • 1970年 - 最優秀ミュージカル・アルバム(プロデューサー)(Best Musical Show Album for producing) - 『プロミセス、プロミセス』 [10]
  • 1976年 - 最優秀アルバム(プロデューサー)(Album of the Year for producing) - ポール・サイモン『時の流れに(Still Crazy After All These Years)』 [11]
  • 1979年 - 最優秀レコード(プロデューサー)(Record of the Year for producing) - ビリー・ジョエル「素顔のままで(Just the Way You Are)」 [12]
  • 1980年 - 最優秀アルバム(プロデューサー)(Album of the Year for producing) - ビリー・ジョエル『ニューヨーク52番街 (52nd Street)』 [13]
  • 1981年 - 最優秀プロデューサー(クラシック以外)(Producer of the Year (non classical) ) [14]
  • 1984年 - 最優秀サウンドトラック・アルバム(Best Album Of Original Score Written For A Motion Picture Or A Television Special) - 「フラッシュダンス(Flashdance)」[15]
  • 1995年 - 最優秀ミュージカル・アルバム(プロデューサー)(Best Musical Show Album for producing) - 「パッション (Passion)」[16]
  • 2002年 - 最優秀トラディショナル・ポップ・ボーカル・アルバム(プロデューサー)(Best Traditional Pop Vocal Album) - トニー・ベネット『ウィズ・マイ・フレンズ(Playin' With My Friends: Bennett Sings The Blues)』[17]
  • 2004年 - それまでの音楽の録音技術への貢献に対して(contributions of outstanding technical significance to the recording field)[18]
  • 2004年 - 最優秀サラウンドアルバム(Best Surround Sound Album) - レイ・チャールズ『ジーニアス・ラヴ~永遠の愛(Genius Loves Company)』[19][20]
  • 2004年 - 最優秀アルバム(プロデューサー)(Album of the Year for producing) - レイ・チャールズ『ジーニアス・ラヴ~永遠の愛(Genius Loves Company)』[20]
  • 2005年 - 最優秀トラディショナル・ポップ・ボーカル・アルバム(プロデューサー)(Best Traditional Pop Vocal Album) - トニー・ベネット『アート・オブ・ロマンス(The Art of Romance)』[21]
  • 2006年 - 最優秀トラディショナル・ポップ・ボーカル・アルバム(プロデューサー)(Best Traditional Pop Vocal Album) - トニー・ベネット『デュエッツ:アメリカン・クラシック(An American Classic)』[22]

1973年にはエミー賞CBSデューク・エリントンの番組である"Duke Ellington...We Love You Madly"で、サウンド・ミキサーとして受賞した[18]

脚注[編集]

外部リンク[編集]