アカデミー国際長編映画賞ルクセンブルク代表作品の一覧

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ルクセンブルク大公国は1997年に初めてアカデミー国際長編映画賞[nb 1]に映画を出品した。アカデミー外国語映画賞はアメリカ合衆国映画芸術科学アカデミー(AMPAS)が主催し、アメリカ合衆国以外の国で製作され、主要な会話が英語以外で占められた長編映画を対象としている[3]。2021年までにルクセンブルクは17本の映画を出品しているが、ノミネートに至ったことは一度もない。

代表作[編集]

1956年よりAMPASは外国語映画賞を設置し、各国のその年最高の映画を招待している。外国語映画賞委員会はプロセスを監視し、すべての応募作品を評価する。その後、委員会は5つのノミネート作品を決定するために秘密投票を行う[3]。以下はルクセンブルク代表作の一覧である。


(授賞式)
日本語題 出品時の英題 原題 言語 監督 結果
1997
(第70回)
エル Women Elles フランス語ポルトガル語 ルイス・ガルヴァン・テレシュポルトガル語版 落選
1998
(第71回)
Back in Trouble Back in Trouble ルクセンブルク語ドイツ語 アンディ・バウシュ英語版 落選
2002
(第75回)
Dead Man's Hand Petites misères フランス語 Philippe Boon
Laurent Brandenbourger
落選
2003
(第76回)
I Always Wanted to Be a Saint J'ai toujours voulu être une sainte フランス語 Geneviève Mersch 落選
2005
(第78回)
Renart the Fox Le Roman de Renart フランス語 Thierry Schiel 落選
2006
(第79回)
Your Name is Justine Your Name is Justine ポーランド語英語 Franco de Pena 失格 [4]
2007
(第80回)
Little Secrets Perl oder Pica ルクセンブルク語 ポル・クリシュテン英語版 落選
2008
(第81回)
Nuits d'Arabie Nuits d'Arabie フランス語アラビア語 ポール・キーファー 落選
2009
(第82回)
Refractaire Réfractaire フランス語 ニコラス・スタイル 落選
2013
(第86回)
ミッドナイト・アングル Blind Spot[5] Doudege Wénkel ルクセンブルク語 クリストフ・ヴァグナー 落選
2014
(第87回)
Never Die Young[6] Never Die Young フランス語 ポル・クリシュテン英語版 落選
2015
(第88回)
Baby(a)lone[7] Baby(a)lone ルクセンブルク語 ドネート・ロテュンノ 落選
2016
(第89回)
Voices from Chernobyl[8] La supplication フランス語 ポル・クリシュテン英語版 落選
2017
(第90回)
Barrage[9] Barrage フランス語 ローラ・シュレーダー英語版 落選
2018
(第91回)
グッドランド Gutland[10] Gutland ルクセンブルク語ドイツ語 ゴヴィンダ・ヴァン・メーレルクセンブルク語版 落選
2019
(第92回)
テルアビブ・オン・ファイア Tel Aviv on Fire[11] תל אביב על האש ヘブライ語アラビア語 サメフ・ゾアビ英語版 落選
2020
(第93回)
River Tales[12] Cuentos del río スペイン語 ジュリー・シュロール 落選
2021
(第94回)
Io sto bene[13] Io sto bene イタリア語フランス語ルクセンブルク語 ドネート・ロテュンノイタリア語版 落選

ルクセンブルクはその規模の小ささのために出品映画の多くは近隣諸国との共同製作となっている。2006年の代表作『Your Name is Justine』はルクセンブルクが主要出資国でポーランドを拠点とするベネズエラ人が監督し、舞台はドイツとポーランド、主要言語は英語とポーランド語であり、ルクセンブルクが複数の国々に対して十分な芸術的コントロールをしていなかったと認識され、AMPASをこれを失格とした。同作は当初はポーランド代表作候補のひとつであったが最終的に選ばれず[14]、その後ルクセンブルクのものとなった。

ルクセンブルク初の出品作である『エル』も多国籍映画であった。ポルトガル仁が監督してリスボンを舞台とするこの映画は主要言語がフランス語であり、主要キャストはルクセンブルク人ではなくフランス人、ポルトガル人、スペイン人、スイス人、アメリカ人であった。2002年の『Petites misères』は一部の映画祭ではベルギー代表作扱いであった[15]

脚注[編集]

  1. ^ この部門は以前は「外国語映画賞」と呼ばれていたが、アカデミーが「外国」という言葉が時代にそぐわないと判断したために2019年4月に国際長編映画賞に変更された[1][2]

参考文献[編集]

  1. ^ Academy announces rules for 92nd Oscars”. Academy of Motion Picture Arts and Sciences. 2019年7月12日閲覧。
  2. ^ Academy Announces Rule Changes For 92nd Oscars”. Forbes. 2019年7月12日閲覧。
  3. ^ a b Rule Thirteen: Special Rules for the Foreign Language Film Award”. Academy of Motion Picture Arts and Sciences. Academy of Motion Picture Arts and Sciences. 2013年8月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年8月26日閲覧。
  4. ^ Goodfellow, Melanie (2006年11月8日). “Lux out of 'Name' game”. Variety. http://www.variety.com/awardcentral_article/VR1117953559.html?nav=news&categoryid=1985&cs=1 
  5. ^ "Doudege Wénkel" aux Oscars”. Le Quotidien. 2013年12月15日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年8月30日閲覧。
  6. ^ Harrowing true story from Luxembourg is Oscar hopeful”. Luxembourg Wort. 2014年8月28日閲覧。
  7. ^ Baby(A)lone is Luxembourg’s Oscars hopeful”. Cineuropa (2015年8月24日). 2015年8月24日閲覧。
  8. ^ "Voices from Chernobyl" to represent Luxembourg”. Luxemburger Wort (2016年9月9日). 2016年9月9日閲覧。
  9. ^ Bauldry, Jess (2017年9月8日). “Drama "Barrage" to represent Lux. at 2018 Oscars”. Delano. 2017年9月8日閲覧。
  10. ^ Brenton, Hannah (2018年9月6日). “Gutland selected as Luxembourg pick for Oscars”. Luxembourg Times. 2018年9月6日閲覧。
  11. ^ Roxborough, Scott (2019年9月24日). “Oscars: Luxembourg Selects 'Tel Aviv on Fire' for International Feature Film Category”. The Hollywood Reporter. 2019年9月24日閲覧。
  12. ^ Schnuer, Cordula (2020年10月6日). “Luxembourg picks 2021 Oscar contender”. Delano. 2020年10月6日閲覧。
  13. ^ Le film "Io sto bene" de Donato Rotunno défendra les couleurs du Luxembourg dans la course aux Oscars 2022”. gouvernement.lu (2021年10月25日). 2021年10月25日閲覧。
  14. ^ http://wiadomosci.gazeta.pl/wiadomosci/1,55670,3642251.html[リンク切れ]
  15. ^ http://www.sfs.org.sg/event.php?id=79

関連項目[編集]

外部リン ク[編集]