くにがみ型巡視船

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くにがみ型巡視船
艦級概観
種別 1,000トン型巡視船
艦名
建造者
運用者  海上保安庁
建造期間
就役期間 2012年4月 - 現在
同型艦
前級 はてるま型
次級 いわみ型
主要諸元
排水量 {{{排水量}}}
総トン数 約1,700トン
全長 96.6メートル (317 ft)
全幅 11.5メートル (38 ft)
吃水 {{{吃水}}}
深さ 5.2メートル (17 ft)
機関 ディーゼルエンジン×2基
スクリュープロペラ×2軸
機関出力 {{{機関出力}}}
電力 {{{電力}}}
速力 25ノット以上[1]

(公称では23ノット以上)

燃料 {{{燃料}}}
航続距離
潜航深度 {{{潜航深度}}}
乗員
搭載量 {{{搭載量}}}
装甲 {{{装甲}}}
兵装 JM61-RFS20mm多銃身機関砲×1門(平成24年度補正予算計画船まで)
30mm機関砲×1門(平成25年度補正予算計画船以降)[2]
搭載機 飛行甲板あり
搭載総数 {{{総艦載機数}}}
搭載艇 高速警備救難艇×1隻
高速複合警備艇×2隻
C4ISTAR RFS射撃指揮装置(20mm機関砲用)
赤外線捜索監視装置
遠隔監視採証装置
船上画像伝送システム
レーダー
ソナー {{{ソナー}}}
電子戦
対抗手段
{{{電子戦}}}
特殊装備 {{{特殊装備}}}
その他 遠隔放水銃×1門
停船命令表示装置

くにがみ型巡視船(くにがみがたじゅんしせん、JCG PL-09 KUNIGAMI class)とは、海上保安庁巡視船の一種である。2012年から就役を開始している。18隻以上の整備が計画されている。分類上はPL型巡視船で、公称船型は1,000トン型巡視船。

概要[編集]

くにがみ型は、老朽化したしれとこ型巡視船の代替船として計画された大型巡視船である。警備任務を重視して高速航行に特化したあそ型ひだ型はてるま型の一連のウォータージェット推進・半滑走船型から、それ以前に建造されていたえりも型のような汎用性を重視したプロペラ推進・排水量型船型に回帰している。そのため、くにがみ型の船番号はえりも型から続く連番(PL09から)となっている。

高速航行を重視して建造されたことにより低速航行時の安定性に問題があったはてるま型の教訓を生かして排水量型船型とし、新たに大型の減揺装置(アンチローリングタンク)を上部構造に装備することで停船及び低速航行時並びに悪天候時の動揺安定性を向上させている。主機関及び推進装置は従来の排水量型巡視船と同様にディーゼルエンジンと可変ピッチプロペラで構成されているが、主機関はPLHに採用実績のあるSEMT ピルスティク社製12PC2-6V型(6600kW)[3]の4サイクルV型12気筒エンジンを2基搭載し[4]、同様にPLH相当の大きな煙突を装備している。結果、はてるま型より速力が劣るも、汎用型PLのしれとこ型及びえりも型より1.5割優速の公称23ノットとなった。なおプロペラ推進は低速航行時の推進効率が大きくウォータージェット推進より曳航に向いており、その観点から曳航ウインチをえりも型と同様に飛行甲板直下へ装備している。(かわりに、ウォータージェット推進を採用した巡視船、船体サイズ的に曳航ウインチを搭載できない小型巡視船艇等は曳航ビットを採用して対応している。)

本型は汎用性を追求した結果、総トン数が当初公表された予定値の約1,500トンから一割強増大して1,700トン以上となり、ひだ型の全長を超えるなど、2,000トン型巡視船に分類されてもおかしくない大型船となった。前型のはてるま型と比較し高速警備救難艇の装備、曳航ウインチの採用による曳航能力拡大、ウォータジェット推進より最高速力は劣るが航続距離延伸に有利かつ整備費が安価のプロペラ推進を採用しているが、前型に採用されていた巡視船艇への補給設備は廃止され、主武装も前型の30ミリ機関砲から20ミリ機関砲へスペックダウンされている。本型の船価は1隻あたり74億円にもなり、ひだ型の1隻あたり79億円に匹敵する1,000トン型巡視船としては異例の高価格な船となった。

平成21年度補正予算で2隻の建造予算が計上されたが、汎用性の追及により建造費が高騰したため、平成22年度補正予算、23年度予算、23年度第3次補正予算では、より安価ないわみ型の建造予算が6隻分計上された。当初は平成25年度予算概算要求でもいわみ型4隻が計上されていたが、尖閣諸島国有化以降の尖閣諸島海域における事態の緊迫化を受けて取り消され、平成24年度予備費で本型4隻、平成24年度補正予算で本型6隻の建造予算が計上された。さらに平成25年度補正予算でも6隻(標準型4隻、救難強化仕様2隻[5]) の新規建造と、平成24年度予備措置船2隻の建造前倒しが認められている。[6]

量産によって建造費は前述のいわみ型巡視船(初期建造船)とほぼ同じ1隻あたり57億円まで下がっている[7][8]。 造船各社の競合や量産効果を考えても1隻あたり17億円ものコストダウンは不可能であり、汎用性の見直しやはてるま型後期建造船のように通信設備の後日装備化、船尾の係船ウインチを安価なキャプスタンに変更する等のスペックダウン(建造期間短縮)を実施している可能性がある。

将来的には本型10隻とつがる型2隻の計12隻の尖閣専従部隊により尖閣諸島の領海警備に当たる予定である[9]

同型船[編集]

番号 船名 所属 竣工 建造
PL09
くにがみ
中城第11管区 2012年(平成24年)4月27日[10] 三菱重工業下関造船所
PL10
もとぶ
那覇(第11管区)
PL81
たけとみ
第11管区予定[9] 2014年(平成26年)度[9]
PL82
なぐら
第11管区予定 2014年(平成26年)度
PL83
かびら
第11管区予定 2014年(平成26年)度
PL84
ざんぱ
第11管区予定 2014年(平成26年)度
PL85
たらま
第11管区予定[9] 2015年(平成27年)度[9] ジャパン マリンユナイテッド[11]
PL86
いけま
第11管区予定 2015年(平成27年)度
PL87
未定
第11管区予定 2015年(平成27年)度 三井造船玉野事業所[11]
PL88
未定
第11管区予定 2015年(平成27年)度
PL89
未定
第11管区予定 2015年(平成27年)度 三菱重工業下関造船所[11]
PL90
未定
第11管区予定 2015年(平成27年)度
PL91
未定
2016年(平成28年)度[11] ジャパン マリンユナイテッド[11]
PL92
未定
2016年(平成28年)度 三井造船玉野事業所[11]
PL93
未定
2016年(平成28年)度 三菱重工業下関造船所[11]
PL94
未定
2016年(平成28年)度
PL95
未定
2016年(平成28年)度
PL96
未定
2016年(平成28年)度

出典[編集]

  1. ^ [1] 那覇海上保安部 所属船艇・航空機
  2. ^ 平成26年度予算に係る新規事業採択時評価の結果について
  3. ^ [2]  August 30th, 2011 現在、三菱重工業㈱下関造船所殿で建造中の海上保安庁巡視船向け 12PC2.6V の陸上試運転が終了。
  4. ^ 世界の艦船 2012年7月号 p144
  5. ^ [3] 特船第3038号
  6. ^ [4] 平成25年度海上保安庁関連補正予算の概要
  7. ^ 世界の艦船 2013年1月号 p204
  8. ^ 平成24年度海上保安庁関係補正予算の概要
  9. ^ a b c d e 補正予算案:海上保安庁態勢強化に198億円 尖閣警備で、毎日新聞 2013年1月15日
  10. ^ 第十一管区 プレスリリース 4月定例記者会見 平成24.4.27
  11. ^ a b c d e f g 世界の艦船 2014年7月号