阿波海南駅
阿波海南駅 阿波海南信号場 | |
---|---|
DMV導入前の駅入口(2008年12月) | |
あわかいなん Awa-Kainan | |
所在地 | 徳島県海部郡海陽町四方原 |
所属事業者 |
四国旅客鉄道(JR四国・阿波海南駅) 阿佐海岸鉄道(阿波海南信号場) |
阿波海南駅(あわかいなんえき)は、徳島県海部郡海陽町四方原にある、四国旅客鉄道(JR四国)牟岐線の駅。同線の終着駅。駅番号はM27。海陽町の代表駅である。
本項目では、近接する阿佐海岸鉄道阿佐東線の起点である阿波海南信号場(あわかいなんしんごうじょう)についても扱う。
歴史
[編集]- 1973年(昭和48年)10月1日:日本国有鉄道(国鉄)により、無人駅として[1]開業[2][3]。
- 1974年(昭和49年)11月:簡易委託駅となる[4]。
- 1987年(昭和62年)4月1日:国鉄分割民営化に伴い、四国旅客鉄道(JR四国)の駅となる[2]。
- 2005年(平成17年)10月1日:簡易委託駅廃止。無人化。
- 2008年(平成20年)6月30日:事実上の現駅舎となる、阿波海南駅前交流館がオープン。
- 2020年(令和2年)
- 7月18日:当駅および当駅構内含む牟岐駅 - 海部駅間のデュアル・モード・ビークル(DMV)関連工事開始によるダイヤ改正により、同区間が工事完了まで代行バス輸送となる[5]。
- 10月23日:阿佐海岸鉄道が阿波海南信号場 - 海部間の第一種鉄道事業許可を取得。
- 11月1日:当駅 - 海部駅間の阿佐海岸鉄道阿佐東線への編入に伴い、JR牟岐線の阿波海南駅 - 海部駅間廃止。同線の終着駅になるとともに、当駅が代行バス運行上の会社境界となる[6][7][8][9]。ただし、海部駅 - 甲浦駅間の工事開始前日である11月30日まで、当駅から海部駅までの代行バスは引き続きJR四国によって牟岐駅発着で運行された。また、この日よりDMV開業までは阿佐海岸鉄道の阿波海南駅 - 海部駅間の運賃は無料となる。
- 12月1日:海部駅 - 甲浦駅間のDMV関連工事開始に伴い、朝一本の牟岐駅発阿波海南駅経由甲浦駅行き代行バス[10]を除き、当駅にてJR四国と阿佐海岸鉄道の代行バスを乗り継ぐ形に変更[6]。阿波海南駅 - 海部駅間の運賃はDMV開業までは引き続き無料。
- 2021年(令和3年)
- 2023年(令和5年)5月20日:徳島バスの高速バス「室戸・生見・阿南 - 大阪線」の海部高校前バス停が当駅至近の位置に新設されることに伴い、阿南駅 - 浅川駅間において実施されているJR四国・徳島バスの共同経営区間が当駅まで拡大[17]。
-
DMVのモードチェンジ箇所。舗装工事前(2021年1月)
-
海陽町海南駅前交流館横の、工事中のDMV専用通路および遮断機(2021年1月)
構造
[編集]JR四国(阿波海南駅)
[編集]JR四国 阿波海南駅 | |
---|---|
ホーム(2021年2月) | |
あわかいなん Awa-Kainan | |
◄M26 浅川 (2.4 km) | |
徳島県海部郡海陽町四方原字町西9-2 | |
駅番号 | ○M27 |
所属事業者 | 四国旅客鉄道(JR四国) |
所属路線 | ■牟岐線 |
キロ程 | 77.8 km(徳島起点) |
電報略号 | ナン |
駅構造 | 地上駅 |
ホーム | 1面1線 |
乗車人員 -統計年度- |
142[18]人/日(降車客含まず) -2021年- |
開業年月日 | 1973年(昭和48年)10月1日[2] |
備考 | 無人駅 |
単式ホーム1面1線を有する地上駅。交換設備が設けられるスペースはあるが、線路もホームも増設されておらず使われていない。車椅子用のスロープがある。
開業後、旧駅舎時代は商店が併設されていて、その商店で切符を販売していた簡易委託駅だった。下車時の切符回収は当初から車掌(ワンマンの場合は運転士)がしていた。その閉店後は無人駅となり、今に至る。
現在は駅ホーム前、旧駅舎兼商店のあった場所から少し南寄りに、2008年6月30日にオープンした海陽町海南駅前交流館が建っており[19]、そこが事実上の駅舎となっている。内部はギャラリーと待合所とトイレ(男女別と身障者用)と発車時刻表が設置されたが、自動券売機は設置されなかった。
交流館の利用時間は朝6時半から夜21時までで、夜間から早朝に掛けては施錠され中に入ることが出来ない。そのため利用時間外にトイレを使いたい場合、駅前のローソン海陽町四方原店(朝5時から夜24時まで[20])内のトイレを使用することになる。
なお、旧駅舎兼商店は交流館のオープン後に取り壊され、跡地は駐輪場と駐車場になった。
DMV関連工事期間中は工事完了までの間、ホームおよび、そこへ続く階段と車椅子用のスロープが立ち入り禁止となっていた。また、工事によりホーム柵横の保線用車両の留置線が撤去されたほか、海部駅寄りホーム先端直ぐの場所に車止めが設置され、阿佐東線の線路とは分断された。また、ホームの牟岐寄りの少し先に出発信号機が新たに設置された。
-
JR四国側の線路終端部車止め(右)と阿佐海岸鉄道側のDMVモードチェンジ箇所(左)。DMV開業に先立ち、線路が分断された(2021年1月)
-
分断されたJR牟岐線と阿佐海岸鉄道線(2022年1月)
-
2024年5月14日
阿佐海岸鉄道(阿波海南信号場)
[編集]阿佐海岸鉄道 阿波海南信号場 | |
---|---|
モードチェンジ部(2022年1月) | |
あわかいなん Awa-Kainan | |
(1.4 km) 海部► | |
所在地 | 徳島県海部郡海陽町四方原 |
所属事業者 | 阿佐海岸鉄道 |
所属路線 | ■阿佐東線 |
キロ程 | 0.0 km(阿波海南信号場起点) |
開業年月日 | 2021年(令和3年)12月25日 |
備考 | 隣接してDMVの阿波海南駅停留所(地上)あり |
鉄道路線としての阿佐東線は当信号場が起点である。DMVの鉄道区間と道路走行区間の境界であり、モードインターチェンジが設けられている[21]。DMVはモードインターチェンジ上で一旦停車し、鉄車輪の出し入れを行う。
DMVの「阿波海南駅」バス停留所は、モードインターチェンジを抜けた道路上、牟岐線ホームに隣接する位置に設けられる。詳細は後述。
-
線路としての車止標識が示されている(2022年1月)
-
阿波海南バス停に停車中のDMV。DMV右後に阿波海南信号場がある(2022年1月)
-
モードインターチェンジ(2022年1月)
駅周辺
[編集]海陽町役場(旧海南町役場)へは南側へ約600メートル離れている(徒歩8分程)。
- 海陽町海南駅前交流館(現駅舎も兼ねている。開館は朝6時半から21時まで)
- ヤマト運輸海陽センター
- 国道55号
- 国道193号(海陽町役場前の交差点が起終点)
- 徳島県道299号四方原海部線
- 海陽町役場
- 海陽町立図書館
- 海陽町立海南病院(約1.1キロメートル北側。徒歩15分。徳島バス南部のバスまたはタクシーで約3分)
- 阿波海南文化村(海陽町立海南病院に隣接し所在)
- 日本郵便海南郵便局
- 海南保育園
- 海南幼稚園
- 海陽町立海南小学校
- 海陽町立海陽中学校(旧海陽町立海南中学校と同じ位置)
- 徳島県立海部高等学校(旧徳島県立海南高等学校と同じ位置)
- 阿波銀行海南支店
- ビルド産直市わっしょい広場海南店 - スーパーマーケット
- 鞆奥漁港海浜公園
- ドラッグセイムス 海陽四方原店
バス路線
[編集]- 阿佐海岸鉄道(阿波海南駅)
- (上り)阿波海南文化村方面
- (下り)〈海部〉・〈宍喰〉・甲浦駅・海の駅東洋町・道の駅宍喰温泉方面
- (下り)〈海部〉・〈宍喰〉・甲浦駅・海の駅東洋町・むろと廃校水族館・室戸岬・海の駅とろむ方面(土休日のみ)
※〈〉はDMVの鉄道区間に位置する鉄道駅。
- 徳島バス南部(海部高校前)
- 海陽町営バス(海南駅前)
- 海部線
- 大里方面
- 大井方面
- 平井線
- 大比方面
- 相川線
- 上大内方面
- 浅川巡回線
- 竹ノ内方面
- 昼行高速バス
- 徳島バス(海部高校前)
※阿南駅 - 甲浦間途中乗降可能、阿南駅 - 海部高校前間JRの乗車券等で利用可能[17]。
タクシー
[編集]タクシー会社は以下の3社の営業エリアである。
- 大里タクシー
- 海南観光タクシー
- とどろきタクシー
隣の駅
[編集]脚注
[編集]- ^ 「通報 ●牟岐線牟岐・海部間の開業について(旅客局)」『鉄道公報』日本国有鉄道総裁室文書課、1973年9月14日、4面。
- ^ a b c 石野哲(編)『停車場変遷大事典 国鉄・JR編 Ⅱ』(初版)JTB、1998年10月1日、662頁。ISBN 978-4-533-02980-6。
- ^ “日本国有鉄道公示第145号”. 官報. (1973年9月14日)
- ^ 「すべり出しは上々」『交通新聞』交通協力会、1974年12月1日、3面。
- ^ 『令和2年7月ダイヤ改正について』(PDF)(プレスリリース)阿佐海岸鉄道、2020年6月15日。オリジナルの2020年6月21日時点におけるアーカイブ 。2020年10月31日閲覧。
- ^ a b 『-あさてつからのお知らせ-』(PDF)(プレスリリース)阿佐海岸鉄道、2020年10月26日。オリジナルの2020年10月26日時点におけるアーカイブ 。2020年10月26日閲覧。
- ^ “阿佐海岸鉄道 ディーゼル運行 11月末で終了 徳島”. 朝日新聞 (朝日新聞社). (2020年10月24日). オリジナルの2020年10月24日時点におけるアーカイブ。 2020年10月24日閲覧。
- ^ 『鉄道事業の一部廃止の日を繰上げる届出について』(PDF)(プレスリリース)国土交通省四国運輸局、2020年9月29日。オリジナルの2020年10月3日時点におけるアーカイブ 。2020年10月13日閲覧。
- ^ 『牟岐線阿波海南・海部間の廃止日の繰上届の提出について』(PDF)(プレスリリース)四国旅客鉄道、2020年9月29日。オリジナルの2020年9月29日時点におけるアーカイブ 。2020年10月13日閲覧。
- ^ 列車[代行バス]時刻表(阿佐東線・JR牟岐線) 令和2年 (2020年) 12月1日改正
- ^ “牟岐線 牟岐駅・阿波海南駅間バス代行輸送について” (PDF). 四国旅客鉄道. 2021年11月10日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年11月10日閲覧。
- ^ “牟岐線 牟岐〜阿波海南駅間 列車時刻表(2021年2月1日〜3月12日)” (PDF). 四国旅客鉄道. 2020年12月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年1月2日閲覧。
- ^ “阿佐東線の運休に伴うバス代替輸送について” (PDF). 阿佐海岸鉄道. 2020年12月15日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年1月2日閲覧。
- ^ “時刻表”. 阿佐海岸鉄道. 2021年1月26日閲覧。
- ^ “線路も道路も走るDMV 世界初12月25日から運行 阿佐海岸鉄道”. 毎日新聞 (毎日新聞). (2021年11月10日). オリジナルの2021年11月10日時点におけるアーカイブ。 2021年11月10日閲覧。
- ^ “【PDF速報】世界初DMV発進 線路も道路も走ります! 阿佐海岸鉄道・海陽町―高知県東洋町|徳島の話題|徳島ニュース|徳島新聞電子版”. 徳島新聞電子版. 2021年12月25日閲覧。
- ^ a b “共同経営区間の拡大(海部高校前・阿波海南)により徳島県南部地域の移動が更に便利になります!~バス事業者と鉄道事業者による徳島県南部における共同経営の変更認可について~”. 徳島バス・四国旅客鉄道. (2023年4月28日) 2023年5月2日閲覧。
- ^ “国土数値情報 駅別乗降客データ”. 国土交通省. 2024年3月14日閲覧。
- ^ 海陽町海南駅前交流館の設置及び管理に関する条例(平成20年海陽町条例第22号)
- ^ 徳島新聞2019年11月19日朝刊1面総合やローソン公式HPより
- ^ 『DMVに関する技術評価検討会』(PDF)(プレスリリース)国土交通省、2020年12月18日。オリジナルの2020年12月20日時点におけるアーカイブ 。2021年1月16日閲覧。