日産・NXクーペ

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日産・NXクーペ
B13型
フロント
リア
インテリア(左ハンドル)
概要
販売期間 1990年1月-1994年4月[1]
ボディ
乗車定員 4名
ボディタイプ 3ドア クーペ
エンジン位置 フロント
駆動方式 前輪駆動
パワートレイン
エンジン GA15DS(FB13型)
GA16DE(EB13型)
SR18DE(HB13型)
SR20DE(NX2000)
変速機 5速MT[2]
4速AT[2]
サスペンション
ストラット
ストラット式
車両寸法
ホイールベース 2,430mm
全長 4,140mm
全幅 1,680mm
全高 1,310mm
車両重量 970kg(1.5 タイプS・MT)
1,150kg(1.8 Tバールーフ・AT)
その他
1994年末までの新車登録台数の累計 1万5151台[3]
系譜
先代 日産・サニーRZ-1
日産・エクサ
後継 日産・ルキノクーペ
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NXクーペ(エヌエックス・クーペ、NX COUPE)は、日産自動車1990年から1994年まで製造・販売していたクーペ型の小型自動車である。

概要[編集]

7代目(B13型)サニーをベースとしたスペシャルティカースタイルのクーペで、1989年の第28回東京モーターショーで初公開された[2]モーフィングという手法を使い、CGで表現されたイエローのNXクーペが変幻自在に曲がりくねるテレビCMが注目を集めた。CGはリズム&ヒューズ・スタジオによるもの。キャッチコピーは、「タイムマシンかもしれない。[4]

北米市場をメインターゲットとして企画され、デザインはアメリカ・カリフォルニア州サンディエゴの日産デザインインターナショナル(NDI、現・NDA)が手がけた[2]。おしゃれな「セクレタリーカー」として開発され、丸みを帯びたカジュアルなエクステリアと、オーバルシェイプのヘッドライトが特徴である。

日本では1990年1月11日に登場し、サニーRZ-1の後継を担う一方、サニーRZ-1が導入されなかった北米ではエクサ(現地名:パルサーNX)の後継として位置づけられたことから、車名も「NX」を踏襲することとなった[5]。現地ではエクサで人気のあったTバールーフがラインナップに設定された[5]が、着脱式のキャノピー(Sportbak)については設定はされなかった。欧州では「100NX」の名称で、オセアニアでは日本と同じ「NXクーペ」の名称で販売された。

日本でのグレード展開は、排気量別にタイプA(1.5L)、タイプB(1.5Lまたは1.6L)、タイプS(1.8L)の3種類が設定された[4]。エンジンはいずれも直列4気筒で、GA型1.5L(タイプA/B)と1.6L(タイプB/S)、SR型1.8L(タイプS)がラインナップされた。このうち、タイプBとタイプSでTバールーフが選択できた[4]。仕向地によってキャブレターまたはフューエルインジェクションが組み合わされ、トランスミッションは5速MTまたは4速ATが設定された。なお、北米仕様にはSR型2.0Lエンジン搭載車が存在する。

ボディカラーについては通常塗装のほか、メーカーオプションでスーパー・ファインコート塗装(フッ素樹脂塗装)が選択することが出来た。またユニークな装備としてドア開口部のキャッチ側に収納スペースが設けられていた[5]。さらに、GAエンジン搭載車にはデジタルパネルメーターが設定された。

1992年1月、マイナーチェンジを実施。タイプA/B(1.5L)、タイプS(1.6L/1.8L)の2グレードに整理され、運転席にエアバッグをオプション設定したほか、サイドドアビームやシートベルト未装着警告警報、衝撃吸収パッドなどが追加採用され、ボディサイドモールはボディ同色塗装となった。

日本においては、メインターゲット層とされた若者がスポーツ指向の強いモデルを求めていたため、北米向けに企画された本車はニーズに合わず、取扱店であるサニー店の人気車であったS13シルビア/180SXの影に隠れてしまい、販売は不調であった[6]。一方、メインの市場とされたアメリカ合衆国では販売が好調であった。後継はルキノクーペである。

注・出典[編集]

  1. ^ NXクーペ(日産)のカタログ”. リクルート株式会社 (2020年1月18日). 2020年1月18日閲覧。
  2. ^ a b c d NXクーペ”. 名車文化研究所 (2022年6月15日). 2023年12月10日閲覧。
  3. ^ デアゴスティーニジャパン週刊日本の名車第18号13ページより。
  4. ^ a b c 雰囲気はミニ「Z32フェアレディZ」!? 日産NXクーペはセクレタリーカーとして北米で成功も日本では「時代の徒花」に?(2/2)”. ベストカーWeb (2023年12月5日). 2024年4月21日閲覧。
  5. ^ a b c 雰囲気はミニ「Z32フェアレディZ」!? 日産NXクーペはセクレタリーカーとして北米で成功も日本では「時代の徒花」に?(1/2)”. ベストカーWeb (2023年12月5日). 2024年4月21日閲覧。
  6. ^ “出るのが早かったのか失敗作か!? 販売台数が低迷した車5選”. くるまのニュース. (2019年9月7日). https://kuruma-news.jp/post/175096/ 

関連項目[編集]

外部リンク[編集]