日産・リベルタビラ
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リベルタビラ(LIBERTA VILLA)は、1982年から1990年まで日産自動車が日本国内向けに製造・販売していた小型乗用車。パルサーの日産店向け姉妹車にあたる。車格は違うが、同じ販売系列のバイオレットリベルタからリベルタの名を受け継いだ。
![]() 2代目 4ドアモデル(日本仕様) | |
販売期間 | 1982年-1990年 |
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製造国 |
![]() |
ボディタイプ |
4ドアセダン(初代-2代目) 3ドアハッチバック(2代目) |
駆動方式 | FF / フルタイム4WD |
先代 | 日産・バイオレットリベルタ |
後継 | 4代目日産・パルサーに統合 |
登場の背景[編集]
発売の背景には、取扱販売チャネルの日産系販売会社(ブルーバード販売会社)において基幹車種であった「ブルーバード」と、その下級車種にあたる「バイオレット」の関係があった。ブルーバードは1979年、910型へのフルモデルチェンジにより610型U後期型から先代の810型まで搭載していた2L・6気筒エンジンを廃止、4気筒エンジンのみのラインナップとなり本来の小型ミドルカークラスに原点回帰。一方のバイオレットは1981年、FF化されて「バイオレットリベルタ」としてモデルチェンジするものの、同じ日産店での取扱車種である910型ブルーバードと車格が近いために競合していたこと、エクステリアやパッケージングの不評、そして当時は技術面で発展途上にあったFFであったことから、販売台数は日産の意に反して低迷する事態となってしまう。そこで日産は販売店サイドの要請もあり、競合しない1つ下の「サニー」「パルサー」クラスの車種として、1982年にパルサーの姉妹車である本車種を投入する。
歴史[編集]
初代 N12型系(1982年-1986年)[編集]
日産・リベルタビラ(初代) N12型系 | |
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N12 前期型SSSターボ | |
販売期間 | 1982年6月 - 1986年 |
乗車定員 | 5人 |
ボディタイプ | 4ドアセダン |
エンジン |
E15ET型 1.5L 直4 ターボ EGI E15E型 1.5L 直4 EGI E15S型 1.5L 直4 キャブレター CD17型 ディーゼル1.7L 直4 |
駆動方式 | FF |
変速機 |
3速AT 5速 / 4速MT |
全長 | 4,120mm |
全幅 | 1,620mm |
全高 | 1,390mm |
ホイールベース | 2,415mm |
車両重量 | 820kg |
販売店 | 日産系販売会社(ブルーバード販売会社) |
データモデル | 1500GF-E 5速MT(1982年) |
先代 | 日産・バイオレットリベルタ |
-自動車のスペック表- |
- 1982年6月 - ハッチバックのみであったパルサー/ラングレー兄弟のセダンとして登場。販売店にとっては短命に終わったバイオレットリベルタの後継的存在となる。リベルタビラの登場と同時に既存のバイオレットリベルタはそのまま販売終了となった[1]。ハッチバックはなく、4ドアセダンのみであった。パルサーにあった1.3Lの設定はなかった。発売当初のCMには、当時レパードおよびブルーバードのCMに出演中の加山雄三と沢田研二を起用した事で話題となった。
- 1983年5月 - 低速域から作動する1500ターボ(E15ET)を発売。グレードはSSSターボであった。ブルーバード販売会社で扱うことからブルーバードの弟分というイメージが強かった(同様にラングレーはスカイラインの弟分という位置付けがなされた)。
- 1984年5月 - マイナーチェンジでフロント/リヤまわりのフェイスリフトを実施。既存の1.5GF-Eはスポーティ志向になりSSS-Eに改称。
- 1986年4月 - パワーステアリング・AM/FMラジオ&カセットステレオ・フルドアトリムを装備したモデル末期のお買い得仕様のFCエクストラを追加。同年5月にパルサーがN13にフルモデルチェンジした後もリベルタビラは10月までN12を継続販売。
2代目 N13型系(1986年-1990年)[編集]
日産・リベルタビラ(2代目) N13型系 | |
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3ドアハッチバック(前期型) 4ドアセダン(後期型) | |
販売期間 | 1986年10月 - 1990年8月 |
乗車定員 | 5人 |
ボディタイプ |
4ドアセダン 3ドアハッチバック |
エンジン |
CA16DE型 1.6L 直4 DOHC E15E→GA15E型 1.5L 直4 E15S→GA15S型 1.5L 直4 CD17型 ディーゼル1.7L 直4 |
駆動方式 | FF / フルタイム4WD |
変速機 |
4速 / 3速AT 5速 / 4速MT |
サスペンション |
前:マクファーソンストラットコイル 後:ストラットコイル |
全長 | 4,255mm |
全幅 | 1,655mm |
全高 | 1,380mm |
ホイールベース | 2,430mm |
車両重量 | 1,040kg |
データモデル | セダンSSSツインカム 5速MT(1986年) |
後継 | パルサー(4代目)に統合 |
-自動車のスペック表- |
- 1986年10月 - 登場。ボディは4ドアセダンと3ドアハッチバックの2種類。パルサーが先にモデルチェンジされ、後からラングレーと同時にモデルチェンジされた。このモデルから3ドアハッチバックがラインナップに加わり、販売戦略上はこちらをメインにした。燃費のための軽量化よりもハード面や品質面を重視し、パルサーとともに日産初の日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞する。エンジンは初代同様に1.5Lガソリンと1.7Lディーゼル。1.5Lターボに代わって1.6Lツインカムが用意された。ハッチバックには女性仕様車も設定された。
- 1987年1月 - セダンにフルタイム4WD車を追加。
- 1988年10月 - マイナーチェンジで1.5LのエンジンをE型から12バルブのGA型に変更すると同時にフェイスリフトも行われた。CM出演者は江本孟紀。
- 1990年8月 - 販売終了。パルサーがN14型にフルモデルチェンジされると同時に、リベルタビラは消滅した。この時期の日産は販売店の統廃合が進められ、車種の整理をしていた時期でもあった。また、3ドア車に関しては外観が当時のトヨタ・カローラレビンに類似していたため、間違われることもあった。
脚注[編集]
- ^ 『GEIBUN MOOKS No.419 70年代の名車たち PART2』(芸文社、2003年11月10日発行、ISBN 4-87465-674-9)のp.38-p.41でA10バイオレット(2代目バイオレット)が紹介されているが、この記事の中のバイオレットに関する解説文でも「後にバイオレットリベルタに、さらにリベルタビラとなってバイオレットは消滅した」との一文があり、バイオレットリベルタの販売終了とリベルタビラの登場が同時だったことやバイオレットリベルタ・リベルタビラともに車名に「リベルタ」が使用されたこともあって一般的には「リベルタビラはバイオレットリベルタの後継車」「バイオレットリベルタがフルモデルチェンジされて1クラス下のリベルタビラとなった」と考えられている。
車名の由来[編集]
リベルタはイタリア語で自由と独立を、ビラはイタリア語で別荘と公園と田舎の家を表している。
関連項目[編集]
外部リンク[編集]
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